【ネタバレ注意】ミスミソウのあらすじ解説と感想|その衝撃の結末に全身が凍り付く!

著者:押切蓮介 

『ミスミソウ』

こんなにも救いのない悲しくて切ない物語なのに、もう一度読み返したくなるこの気持は何なんだろう…?

平和ボケした日常の柔い心を冷たい悪意が貫きます。とにかく壮絶な作品でした。

久しぶりに漫画を読んでいてこめかみが痛くなってしまった!

「もう内容がエグすぎてグロすぎて…!」

でも…最後まで一気に、まるで何かに取り憑かれたような勢いで読み切った作品でした!


 
中学卒業まであと半年という時期に父親の転勤で、東京から過疎の進む地方の町に引っ越してきた少女。

今年で廃校という中学に転校してきた彼女は、同級生から壮絶なイジメに合い、挙句に住んでた家ごと両親が焼き殺され、妹は廃人にされるという、イジメの範疇をはるかに超えたおぞましい犯罪行為に巻き込まれる主人公とその家族の物語。

家族をむちゃくちゃにされた少女はその後、人間の皮を被った”復讐の鬼”と化してゆくのですが、全編に渡って暗く陰惨な雰囲気は、見る者の心にいつまでも離れない恐ろしい衝撃を刻み込みます!

「この作品は2次元の狂気です!」

本作のキャッチコピーは「精神破壊(メンチサイド)ホラー」と紹介されていたみたいですが、まさに、人が壊れていく姿が臨場感たっぷりに描かれていた力作です!

その容赦ない圧倒的な”悪意”に思わず心を奪われてしまう。

内容的には年齢制限が必要なくらいとても危険な漫画ですが、読み物としての圧倒的なパワーを感じる作品でもあります。

良い悪いを別にして、一度は読んで見る価値のあるそれほど衝撃的なコミックだと思います。

ただ…残虐な殺害シーンなどがございますのでグロい系がダメな人はちょっと辛いかもしれません。もし大丈夫な人なら頑張って読み進めると、

「ラストの結末に衝撃が走ります!」


 

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あらすじ解説

主人公の野咲 春花(のざき はるか)は、心優しい性格で、なおかつ美人な中学三年生の女子です。

彼女は、中学卒業まであと半年と迫った時期に父親の仕事の都合で、ある過疎化が進んだ田舎町に引っ越してきました。

春花の家族は、父・母・そして小学3年生の妹・祥子の4人家族で、春花の両親はきわめて常識的で、穏やかな仲の良い理想的な家族です。

ただ、春花は今、この過疎の町に来て大きな悩みを抱えています。彼女が引っ越して転校した中学校は、今年で廃校が決まっている全校生徒わずか数十人という中学校だったことが不幸の始まりでした。

思い出の詰まった中学校をよそ者と一緒に卒業したくない!

そんなわけの分からないクラスメイトたちの理屈で春花は壮絶なイジメに合ってしまうのです。

{卒業まであとわずかなのになるべく親や妹には心配をかけたくない。}

心優しい春花は、繰り返される毎日のイジメに耐え続けて、決して親には弱音を吐きませんでした。

するとそこから身も凍る悍ましい悲劇が始まって行くのです…。

イジメはエスカレートする

ある日、学校で、頻繁に物を失くしてくる春花を心配して、父親は春花がイジメに合っているのでは…?

と話を聞いて春花を心配してくれるのですが、「もうすぐ卒業だから!」と答えてなにも言わず、家ではニッコリ笑って過ごしていたのです。

それに、彼女には唯一自分の味方になってくれる同級生の男子・相場 晄(あいば みつる)という友人がいました。彼は何かと転校生の春花に優しくしてくれていたのです。

春花にとって彼は、精神的なよりどころとして貴重な存在でした。

相場くんはクラスの生徒から白い目で見られてもずっと春花を助けようとしてくれていたのです。

そんな中、毎日繰り返されるつらい日々。それでもなんとかイジメに耐え抜いて卒業まで頑張ろうと思っていた春花でしたが、腐りきった田舎の同級生たちのイジメは収まる気配がなく、卒業の日が近づくに連れ春花に対するイジメはだんだんとエスカレートし始めました。

そのイジメは彼女が学校に登校できなるほどに、精神的にも肉体的にも追い詰めていき、やがては彼女の親をも巻き込んゆく事態となっていったのです。

そして、つにその狂った悪魔たちは春花の大切なものにまで牙を向けてきたのです!

【ネタバレ注意】悲劇は起こった!

三角草(ミスミソウ)という花は、厳しい冬を耐え抜いた後、雪を割るようにして咲く!

春花は、この花のように必死で春が来るのを待って、ひたすらいじめに耐え続けていたのに、卒業まであと僅かと迫った時期に、

小黒妙子(おぐろたえこ)をリーダーとするイジメ軍団から画鋲で体を突かれた挙句、崖から突き落とされるという命をも奪われかねないイジメを受けます。

この件がきっかけで、とうとう両親にも完全にイジメられている事が分かってしまい、頑張って耐えてきた春花はとうとう学校を休むことになりました。

さらに…常軌を逸した娘へのイジメに怒りを隠せない春花の父親は、すぐに学校へ抗議に向かいました。

しかし、父親の抗議に対応した春花の担任教師の態度はとてもひどいものでした。春花のクラスを受け持つ担任教師・南 京子は、何を言っても知らぬ存ぜぬで全くイジメの事実を認めようとはしなかったのです。

春花の父は無責任な担任教師 態度に呆れ返り、このままではらちがあかないと教室を後にしますが、校舎の廊下で、春花の同級生・久賀 秀利(くが ひでとし)から画鋲付きの上履きで後ろから飛び蹴りされてしまうのです。

{この学校は狂ってる!}

荒れ果てた中学校の現実をまざまざと見せつけられた春花の父は、すぐに春花に学校への登校をやめさせました。

これは親としては当然の処置で当たり前の緊急避難行為です。翌日から、春花は学校に登校しなくなりました。

新たな犠牲者

春花が学校に来なくなった事でイジメはなくなるのかと思いきや、次の新たな犠牲者が生まました。腐ったこの学級には常にイジメられっ子は存在し続けるのです。

春花が不在の今、イジメの対象になったのは、春花が転校する前までイジメを受けていた佐山 流美(さやま るみ)という女生徒でした。

そしていじめグループのリーダー妙子は流美に、「イジメられたくなかったら春花をまた登校させろ!」と、悪魔の事件を与えるのです。

すると、妙子らのイジメから逃れるために流美は不登校で学校を休んでいる春花の家に向います。

流美は春花に会うと、今の自分の辛い立場を訴えて、自分を助けると思って学校に来てほしいと春花にお願いするのです。

春花は何も答えません。

そして翌日、教室に春花の姿はありませんでした。

すると、春花を登校させられなかったという事で、流美はひどいイジメに遭ってしまいました…

春花の復讐劇が始まる

凄まじいイジメによって、追い詰められてゆく精神状態の中で、なんと、流美はイジメのリーダー妙子にではなく、頼んでも学校に来てくれなかった春花を恨むようになります。

やがてその恨みは大きく膨らみ、妙子を恐ろしい行動へと導いていくのです。

ある日、春花がたまたま家を空けた日の夜、流美によって、春花の両親は焼き殺されてしまいました。

妹の祥子だけは、間一髪のところで、同級生の相場 晄が燃え盛る炎の中、彼女を助け出してくれたのです。

しかし、その姿は見るも無残なもので、祥子は生死を彷徨うほどの大火傷を負って、病院へ運ばれてからも意識が戻りませんでした。

弧の惨劇に狂ったがごとく泣きくずれる春花。

大切な両親を奪われ、妹を再起不能にされた春花の精神はついに崩壊しました。

ここから自分を苦しめ、家族を殺した相手たちへの容赦ない春花の復讐劇が始まる…!

その復讐の内容はどこまでも残忍で冷酷!

春花は、人の心を捨て去った感情のない恐ろしい殺人マシーンと化してゆくのです。

ただ、ひたすら悲しく残酷な復讐劇は、現物を読んで直接その衝撃を味わってください!


 

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ミスミソウの感想

それはイジメの限度を超えた明らかに犯罪行為でした。傷害事件で、あり殺人事件のオンパレード。

非現実的な事件が続発している凄まじいイジメ漫画で、これはもう「少女の復讐劇」というレベルの生易しい話ではありません。

なんたって、中学生たちが、イジメの延長からほとんど全員殺し殺される物語なんです!

殺人シーンの描写はもうほとんどサイコ・ホラー状態であり、おまけにただ、ひたすら春花が悲しい!

「どうしてこうもイジメられなきゃいけないのか?」

本編では彼女の苦しく辛い日々がずっと続くんです。ずっと読んでいる時間がが辛かった漫画です。

彼女が一番はじめに精神崩壊してしまい、イジメられてた同級生を惨殺してしまうシーンは、不謹慎ですが、ぞくぞくするほどの痛快感を味わいました。

ただしその反面で、彼女の人生が終わった瞬間でもあって実に悲しい感情を抱きました。

春花やその家族達が受ける仕打ちを見せ続けられてきた読者からすれば、やっとフラストレーションを発散出来るシーンだったんですけど、

「こんなに辛い復讐劇はない!」

だって、誰も生き返っては来ないし、二度とあの幸せだった家族の生活は戻ってこない。圧倒的な悪に春花は人生を目メチャクチャにされてしまった。

とにかくこんなにも悲しくて、救われない悲しい漫画を読んだのは始めてで、その狂気の凄まじさも!

ただ、個人的には、もっともっと圧倒的な暴力で、イジメに関わった全ての生徒を春花の手で葬って欲しかったですが、

分かってはいますが、基本的に復讐では、なにも生まれず、誰も救われません。

「苦い後味が残るだけ。」

それでも…復讐しないと前に進めない人だってたくさんいるはず。

この漫画を読んでしばらくは、ずっとラストシーンが頭の中でリフレインするほど衝撃的な内容でした。

最終回と結末

この作品の最終回には賛否両論あり、どちらかと言えば否が多めかもしれない。

春花は命がけの復讐を終えたあと、ある悲しい結末を迎えることになります。

人によってはこの物語の最終回は救いがない!と批判的な意見を言う声があるようですが、サイト主のまるしーが思うにこの最終回には何の問題もない。

もっと言えば、この最後のシーンのにたどり着くためにずっと話を積み上げられてきたと思うくらいの結末だと思ってます。

悲しいかなあの衝撃の結末に向かって春花の人生は始まったのです。

良い悪いを別にして、この作品をつまみにすれば何時間も話せる。という、濃い味のするすごい漫画でした。

この後味の悪さがとにかく後を引く。

読み手を選ぶ優等生じゃない強烈な個性の作品だと思いますし、読み終えた後、数日間は心を乱される奇作でした。

好きとか嫌いとかではなく、取り憑かれたようなすごい漫画だった…。

ミスミソウ 映画化決定

ミスミソウの映画化が決定したようです♪

ちょっと作品の内容を考えたら「大丈夫か?」とは思いますが、ドラマではなく映画なんで大丈夫なのかな!

既にもう撮影は完了してるみたいなので、今は、2018年の公開を目指してせっせと編集作業の真っ最中だという事です。

そして、注目のキャストは?

後日発表とのことです。

とりあえず、7月17日に配信されたシネマトゥデイ の記事を紹介させていただきます。

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「ハイスコアガール」「でろでろ」などで知られる

人気漫画家・押切蓮介の代表作「ミスミソウ 完全版」(双葉社)の実写映画化が正式発表された。

『ライチ☆光クラブ』などの内藤瑛亮監督がメガホンを取り、撮影はすでに完了。2018年の公開を目指し、完成に向けた作業が行われている。

 

主人公・野咲春花(のざき・はるか)は、父親の転勤のため、2か月後の卒業式で廃校を迎える田舎の中学校に転校してくる。

 

“部外者”である彼女を待っていたのは、

クラスのリーダー的存在・小黒妙子(おぐろ・たえこ)を筆頭とする、十数人の卒業生による壮絶なイジメ。

 

それに気付いた春花の両親は、娘を卒業まで登校させないことを決めるが、彼女に代わって、新たなイジメの標的となった佐山流美(さやま・るみ)は春花への恨みをつのらせていき、やがて取り返しのつかない悲劇を生む……。

 

あまりに残酷で絶望的な物語が展開する一方で、

どうしても先を読まずにはいられない中毒性を持つ本作。押切ファンの間でも1、2を争う人気を獲得しており、インターネット上でトラウマ漫画が語られる際には、必ず名前が上がるほど。

 

押切作品では初の実写化ということもあり、実写版も話題を呼びそうだ。

メガホンを取る内藤監督は、実在の事件をモチーフに、妊娠した担任教師を流産させようとする女子中学生たちを描いたデビュー作『先生を流産させる会』をはじめ、思春期の中にある少年少女を主人公としたサスペンスに定評のある人物。

雪に覆われた過疎の町で繰り広げられる凄惨な復讐劇となる本作にとって、

これ以上ない人選と言える。注目のキャスト情報などは後日発表される。

 

*シネマトゥデイの記事を引用しています。

引用元:
https://www.cinematoday.jp/news/N0092863

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