カッコイイ女子大生のマミには、人に言えない悩みがあった。
それは・・・
ゴリゴリの”ロリータファッション”にずっと憧れていること!
だけど・・・
今まで回りからはカッコイイ女性像を常に求められてきた彼女。
自分らしく生きるとは?
ある日、
悩めるマミの前に奇抜なファッションで自分を貫く男が現れた!
その人物との出会いがきっかけで、
彼女を縛り付けていた心の鎖が少しづつ解放されてゆく・・・
グッとくる自分探しストーリー!
自分らしく生きるとは?
著者:常喜寝太郎
『着たい服がある』
スキニージーンズをビシッと着こなすクールビューティーなマミ。
身長172センチで8頭身の彼女はいわゆる女子にモテる女子だった!
昔から家族や友人から”カッコイイ女性像”を求められてきた彼女ですが、
ホントはずっと”ロリータファッション”に憧れ続けていたのだ。
しかし・・・
お世辞にも似合ってるとは思えないマミとロリータの相性・・・
自分に合う服を着て生きることが幸せなのか?
それとも、自分が着たい服を着て生きることが幸せなのか?
この物語は、自分らしい生き方を悩みながら探し続ける女子大生のヒューマンストーリーだ!
着たい服があるの見どころ
また一人、才能ある漫画家さんを発見しました。
過去の作品を調べてもそれほど多くない 常喜寝太郎 という作家さんはまだキャリアは長くないはずだ。
だけど、絵のうまさといい、シナリオの完成度はかなり高い
今回、常喜さんが描いた『着たい服がある』というキャッチーなタイトルのコミックは、
ロリータファッションにあこがれるモデル体型でクールな女子大生・マミが主人公のお話で、
回りから押し付けられていた”カッコイイ女性像”を演じることに疲れ、
自分らしく生きることを模索する自分探し的な青春ストーリーだ。
マミは、ある人物との出会いによって、他人の意見に左右されつつ生きることの愚かさを気づかされ、
徐々に今までひた隠してきたロリータファッション愛を爆発させてゆく成長物語なんです。
見どころは、主人公の女子大生・マミが、モデル並みのルックスをもちながらなぜかロリータファッション好きという面白い設定と、
彼女に自分らしく生きることを身をもって教えてくれるバイト先の同僚・小澤くんとの
つかず離れずのクールな関係性ですね。
ロリータファッションというレアな世界観を取り入れた内容と、
女子大生という立場から、就活の現実的な問題も絡んでくる若者の今をリアルに描いたストーリーは、
著者の若者に対するメッセージがしっかりと作品に込められていて、しかも、ちゃんとそれが読者に伝わっている内容となってます。
これからじっくり腰を据えて読んでいきたい作品に出会った気分だな〜♪
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着たい服があるのネタバレ
1話:なりたい自分
主人公は、来春から小学校の先生に就職が決まった女子大生の小林マミ。
ルックスは身長172センチのモデル体型で、女子たちの誰もが憧れるクールビューティーな彼女。
「マミは全てを手に入れている」
それが、彼女を評するときに贈られる家族や友人たちの言葉だった・・・
しかし・・・
マミ本人はまったく自分が恵まれている人間だとは思っていませんでした。
なぜなら、昔からずっと憧れていた”ロリータファッション”が全然自分には似合っていないから
なのに・・・
完璧なモデル体型のマミはいつも回りの友人たちから”カッコイイ女性像”を求められ、
着たくもない服を着て生活していた。
正直、マミはそんな自分へのイメージにうんざりしていたのです。
そんなモヤモヤした気持ちを引きずって毎日を過ごしていたマミでしたが、
ある日、バイト先でとんでもなく奇抜なファッションにに身を包んで平然と街を歩く同僚男子・小澤(おざわ)と出会う。
その小澤は、ルックスはイケメンなのに、その魅力を全部吹き飛ばしてしまうトリッキーなファッションに身を包んで超全としていたのだ。
他のバイト仲間は、小澤の着ている服を見て、
「イケメンなのにもったいない!」
と…残念がったが、
マミだけは、小澤のその自由なファッションに衝撃を受けていた・・・
2話:ネカフェを出ろ
「自分の着たい服を着る方が1億倍 気持ちいいんスよ!」
「何着てどこ行くかは自分で決めます」
小澤のフッションを見て、もっと似合う服があるのでは?
と…小澤に指摘した店長に対してブレずにビシッと言い切る小澤。
そんな彼に誰も何も言えなかった。
回りの人間からどんな目で見られようと、平然とした顔で奇抜なファッションを貫き通す彼に感化されたマミは、
ロリータファッションに身を包み憧れのカフェでレモンティーを飲むために、
まずはネカフェでロリータフッションへと変身することにした。
{今日から私は変わる!}
{絶対にロリータであのカフェに行くんだ!}
そう心に誓ったマミは、ロリータフッションを身にまとい、意気込んでネカフェから目的のカフェへと向かおうとするのだが・・・
3話:叶えてこそ
ネットカフェでロリータの姿をしたマミと偶然に出くわした小澤は、
「いいスね」
と…真面目な表情でマミに賞賛の言葉を贈ってくれた♪
結局、あの日はあこがれのカフェにはいけなかったけど、ロリータへの道は一歩前進したマミだった。
ただ・・・
彼女にはまだまだ小澤のように自分のロリータ趣味をカミングアウトする勇気はなかった
そんな時、
バイト帰りにたまたま小澤と同じ電車に乗り合わせたたマミは、
「この前の服はもう着てこないんですか?」
と、小澤から尋ねられる。
するとマミは、
過去にロリータ趣味を友人たちからバカにされた過去や、自分にロリータは似合ってないと語り、
人前で好きな服を着ることの怖さを告白したのです。
マミの気持ちを聞いた小澤は、
「周りの評価なんてあってないようなもんスから…」
「笑うヤツより、「いい」とかいうヤツより」
「楽しめてるヤツが一番です!」
と…
またしてもマミの心を打ちぬく名言を残して帰っていったのです。
そうだ・・・
叶えてこその夢だ!
再び小澤から勇気をもらったマミは、駅のホームでロリータファッションの女性を見かける。
すると…そのロリータの女性を面白ろがって撮影しようとしてる二人の若い男性が・・・
4話:もがけ白鳥
またまた小澤の言葉に勇気をもらい、今度はもう一歩前進して、
ロリータ好きの人たちが集まってお茶を飲むオフ会に参加しようと決めたマミ。
バイト先でそのことを小澤に伝えると、
「イイ感じじゃないスか」
と…いつもの応援ムード。
しかし・・・
そのあと、店長からそのオフ会の日に応援でバイトに出てくれないかという連絡が入り、
悩んだ末にマミはオフ会への参加を諦めてしまうのですが、
オフ会当日、バイト先で落ち込んでいるマミに小澤がいつものように勇気を与えてくれる。
小澤に背中を押されたマミは、諦めきれずに店まで持ってきていたロリータ衣装に着替えてオフ会へと駆けつけるのだった・・・
もがけ白鳥!
そんな感じ…
5話:ストスナデビユー!?
以前、駅のホームで知り合ったロリータ趣味のみなよちゃんから、
ストスナイベントのお誘いを受けたマミ。
”ストスナ”とは、街で見かけた若者の服装や着こなしを撮影したスナップ写真のことである。
それのロリータ編というわけだ。
マミは迷いつつもそのイベントに参加してストスナデビューすることになるが、
初めて人前に披露したロリータファッションにガチガチとなったマミは・・・
6話:誰がための学級目標
来春、小学校の先生として働くための教育実習に挑むこととなったマミ。
期間は1カ月。
気合を入れてこれから実習することになる学校へ行ってみると、
なんと・・・
先日のストスナイベントで迷惑をかけたおじさんが教頭先生としてその学校にいたのだ
ゲッ!!?
始めから最悪な教育実習となったマミにだったが、さらに彼女へ試練が訪れる。
過去の自分とそっくりな男子児童が現れていろんな問題を起こすんです。
必死でその男子生徒と向き合おうとするマミでしたが、
マミを指導する担当教諭から、
理不尽な『学級目標』の意味を説明され、
{誰がための学級目標なんだ}
と…リアルな教育現場の息苦しさに疑問を持つこととなる・・・
7話:爆発
過去のロリータファッションの自撮り画像をこっそり見せたり、
自分も小学校の頃は、回りの児童との考え方の違いで辛い思いをしたと告白したり、
問題のある児童・武下くんになんとか心を開いてもらおうと努力するマミだったが、
マミを指導するベテラン女教諭の須藤(すどう)先生は、
児童の自主性なんて促そうとせず、無理やりにでも課題をやらせるべきだとマミに忠告する。
その後、須藤先生は授業の中で、クラスから浮いている武下くんを無理やりクラスの仲間に溶け込ませようとして、
ついに彼を爆発させてしまうのです!
キレた武下くんはクラスの中で大暴れしてしまいました・・・
8話:尊きもの
1巻ラストのお話です。
過去のマミと同じように苦しんでいる児童・武下くんが、
須藤先生の無理やりな授業の進め方に反発して、ついに教室で問題を起こしてしまった。
ずっと彼のことを気にかけていたマミは、けっして武下が悪くないと思っていたが、
指導教諭の須藤先生は、今回の事件を武下くん一人のせいにして、彼の母親を学校に呼び出し、
今回、武下くんが巻き起こした問題の経緯を自分勝手な解釈で説明したのだ。
母親の前で一方的に武下くんを悪者にし、だけど彼を庇うような言葉を並べ立てるマミの指導教諭。
となりでずっと話を聞いているマミは、なにも口をはさめず、口惜しさで涙が出そうになっていた。
{武下くんは悪くない}
心の中で何度もそうつぶやくマミ。
結局、武下くんは、『自尊心が強すぎる子供』として今回の問題を処理されてしまった。
肩を落として廊下を歩いていく武下くんとその母親。
その後姿を見て、とうとう我慢できなくなったマミは、
自分でも気づかないうちに二人のもとへと駆け寄っていたのだ。
そして、武下くんは、決して悪い子ではなく、
心優しくて人と違う特別な個性をもった尊い存在なのだと母親に力説しました・・・
すると、何も言わずにマミの話を聞いていた武下くんの母親は・・・
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着たい服があるの感想
カッコイイモデル体型のルックスなのにロリータ好きという設定がすでに面白い♪
ただ・・・
主人公・マミにとっては今後の人生を左右するほど重大な悩みなわけで、
またそんな彼女のモヤモヤをスカッといつも解消してくれるのが、
これでもかっ!ってほど派手で個性的なファッションを貫き通す孤高のバイト仲間・小澤君だ。
毎回登場するたびに
刺さる名言を連発する彼に好感度はうなぎのぼりだ
人は誰しも世間の目を気にしがちで、他人と違った自分らしい生き方なんて中々できるもんじゃない。
でも・・・
小澤くんは岩よりも大きく固い意志で、他人から何を言われようと自分のスタイルを貫き通す。
女としては痺れちゃいますね。
こういう人は、浮気をしないし、人にそそのかされて間違った方向にも進まない!
結果、結婚すると女を幸せにしてくれる男性だと思う♪
小澤くんはちゃんと人の意見も尊重するし、常識的で立派な青年だ。
そして・・・
そんな小澤くんに憧れて彼の生き方に共感を覚えるマミもまた将来有望な若者です♪
その片鱗が早くも教育実習の一か月間で現れていましたね。
ちょっと問題のある児童・武下くんとその母親にはマミの思いは確実に伝わったはずです。
何かに悩み、その問題を克服しようともがき続けることはとても苦しくて辛いことですが、
人としてとても尊い行動だ。
失敗や恥ずかしさを恐れず真っすぐ自分の思う道を突き進め日本の若者たちよ!
そんな著者のメッセージが伝わってくる全197ページの力作でした〜
2巻の発売が楽しみだ~♪
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