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妊娠したら死にたくなった【ネタバレ13話】お別れのキス。

「さようなら・・・」みなさんどうか幸せでいてください…。

夫・涼太(りょうた)の精神力がとっくに限界を超えていることと、

自らも今の地獄から一日でも早く解放されたい千夏は、

ついに絶対してはいけない決断をしてしまうのだ・・・

『妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~

13話の解説と感想です♪

千夏の精神病は、少しずつ彼女の大切な人たちを蝕んでゆく・・・

どんな時も自分の味方であり、いつも優しく寄り添ってくれているすばらしい夫。

どうしようもない娘の面倒を根気よく見てくれている両親。

私はそんな大切な人たちをこれ以上苦しめるわけにはいかない。

そして・・・

私自身もこれ以上苦しみ続けたくはない。

そうなるともう答えは一つしかないのだと思う・・・

13話の見どころ

この作品の内容が著者自らが体験したノンフィクションストーリーなだけに、

どうしても心が震えるシーが数多くある『妊娠したら…』ですが、

今回は、とにかく物語の最大ピークに差し掛かった部分だったと思います!

精神を患った患者の多くがこの解決方法を考えるという『自殺』の問題。

主人公・千夏もやはりこの問題とは無関係ではありませんでした。

病気が苦しい → 治る見込みがない → 回りの家族が疲弊してゆく → 苦しみから解放されたい → 自ら命を絶つ。

という最悪の思考回路。

病気で苦しむ様々なケースがあるでしょうが、現状の辛い状況から解放される唯一の手段が自殺だと導き出してしまうパターン。

本当の辛さはその本人にしか分からないことだけれど、

ただ・・・

後に残された者は、先に解放された人間の苦しみをそのまま背負って生きてゆくことになる。

そして今回、まさに千夏は、その方法を実行しようとするのです。

13話の見どころは、実に生々しい描写で描かれる千夏の行動です。

13話では、自ら命を絶とうと決めた日の約2時間あまりに渡る千夏の心の動きや行動を細かく表現されています。

自殺しようとしている人間がその瞬間まで何を思い、何を感じているのか・・・?

それが分かるのは、実際にそのような状況に直面したことがある人間のみ。

そう・・・

著者・橘ちなつさんだから…


12話の解説と感想はコチラ♪
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妊娠したら死にたくなった【ネタバレ13話】お別れのキス。

13話:最後の別れ

実家の母親が会いに来てくれるとウソをついて、涼太を具合の悪い義母の元へ行かせることに成功した千夏。

最後まで涼太は千夏のことを心配して一緒に連れてゆこうとしたが、

千夏は頑として譲らなかった。

千夏は、なるべく普通に涼太を見送ろうとしたが、どうしてもこれが夫との最後だと思うと、

反射的に口が動いて、涼太を引き留めてしまっていた。

そして・・・

千夏は涼太にこの世で最後のキスをせがんだ。

すると夫は優しく両手で千夏の両頬を包み込みそっとキスをした。

「じゃ行ってくるね♪」

最後は千夏に笑顔を残して涼太は母親の元へと向かった。

彼が実家から家に戻ってくるまで約2時間しかない。

夫との最後の別れを交わした直後、溢れ出す涙を拭いて彼女は行動を起こした。

まずは、涼太に手紙を書く。

夫に対する精一杯の感謝と謝罪の言葉を振るえる字で綴った。

その後、千夏は夫がよく着ていたパーカーを羽織って家を出ました。

夫の匂いに包まれながら最後の時を迎えようと思ったのです。

この時、涼太が家を出てからここまでで1時間の時が流れていた・・・

後半の展開

後半の展開は、いよいよ千夏が最後の時を迎えようとするその瞬間までが描かれています。

千夏は今日自分がこの苦しみから解放されるための場所を決めていた。

それは、千夏が住んでいる場所から30分歩いた地域にある街で一番高い高層マンションだった。

差し込む日差しの中、フワフワした気持ちでその場所へ向かう千夏。

その途中で様々な思いが駆け巡る。

どんな状況に陥っても自分を救おうとしてくれた最愛の夫の事。

結局、最後まで母親らしい愛情を何一つ与えてあげられなかった幼い息子の事。

病院で言われた医師からの強烈な一言。

命がけで自分を生んでくれた母親の事。

そして・・・

今から自分がしようとしてることは、そんな大切な人たちの愛を全て踏みにじることだ。

千夏の中で葛藤が始まる。

自殺なんてやめようとする気持ちと、1分でも早くこの苦しみから解放されたいとはやる気持ち。

この時、すでに千夏の体は、高層マンションの屋上にあった。

やがて・・・

彼女が最後に心の中でつぶやいた言葉とは・・・

 

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13話の感想

13話は、千夏が自殺しようと決めて、それまでの心の葛藤や行動を生々しく描いた内容でした。

これが実話なんだと思うと、正直、悲しすぎるシーンの連続に少し気分が悪くなったくらいです。

たった21ページの短い内容だったのに、その後何時間も引きずってしまうような重く悲しいエピソードだった。

自殺をする人たちがみんなそうだとは限らないでしょうが、

少なくとも千夏は最後の最後まで迷いに迷っていました。

死ぬか死なないか!

自殺することで、幼い我が子から母親を奪い、最愛の夫から妻を奪い、

両親から娘を奪う。

その愚かさをちゃんと理解して考えた結果、それでもこの苦しみから解放されたい気持ちが勝ってしまう。

実際、病気とはそういうモノなのかもしれない。

これは、その立場に立った人間にしか分からないことで、他人があれこれ詮索したところでどうしようもないわけで

ただコレだけは確かなことは、命を絶った本人はその苦しみから解放されるかもしれないが、

遺された遺族たちは先に逝った者の苦しみをそのまま背負って生きてゆくということ・・・

そういう事で言うと、『自殺』は苦しみからの”解放”ではなくて、遺された者への”押しつけ”になるのかもしれない。

長い人生、自分ももしかしたらどこかで自殺したくなるような日がやって来るかもしれない。

そんな時はこのことを思いだそう。

しかし・・・

13話で見た涼太と千夏のキスには実に泣かされました・・・

 

>>>『妊娠したら死にたくなった』14話の解説と感想はコチラ♪

 

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