
このページはネタバレを含みます。
結論から言うと、
離婚しません。
NTR展開もありません。
ただ、最新の第3章では、
これまでとは少し違う夫婦の問題が描かれています。
主人公は、
田所耕一の上司・川島宗介。
仕事も家庭も順調。
誰が見ても理想の夫でした。
それなのに、
ある日突然、妻から離婚を切り出されます。
宗介には理由が分かりません。
読んでいる側も、
たぶん最初は分かりません。
第15話で完結した田所夫婦編とは、
また違う空気で始まる新章です。
この記事では、
1話から最新17話までの流れをネタバレありで整理します。
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どんな漫画?|夫婦の“ズレ”を描く再構築ラブコメ
夫婦仲は、基本的に悪くありません。
お互い嫌いになったわけでもない。
愛情がなくなったわけでもない。
それなのに、
なぜか噛み合わない。
『妻よ、僕の恋人になってくれませんか?』は、
そんな夫婦のズレを描く物語です。
章ごとに夫婦は変わります。
ただ、
問題の形が変わっても、
いつもどこかですれ違っています。
タイトルから想像する内容と、実際の温度感
タイトルだけ見ると、
新婚夫婦のエッチよりなラブコメストーリーを想像しがちです。
ですが実際は、もっと生活に寄った話。
夫婦が激しくぶつかるという内容ではなく、
日常の小さなズレが積み重なっていきます。
なので派手さはありません。
その代わり、妙にリアル。
「恋人になってくれませんか?」というワードも、
甘い誘いというより、ちょっとズレた夫の願望として出てきます。
ここがこの作品の空気感を決めています。
好きなのに、なぜかうまくいかない
この作品に出てくる夫婦は、
どちらも相手を大切に思っています。
だからこそ厄介です。
嫌いだから離れる。
愛情がないから終わる。
そんな単純な話ではありません。
相手を思っているのに、
なぜかズレていく。
その違和感が積み重なっていきます。
読んでいると、少しだけ苦しい理由
この作品は、
大きな事件が起き続ける漫画ではありません。
描かれるのは、
家庭の中にある小さな違和感です。
言葉にしない。
察してほしい。
伝わったと思っている。
その積み重ねが、
少しずつ距離を作っていく。
だから読んでいて、
派手さよりも妙なリアルさが残ります。
第1章|セックスレス夫婦・太田夫妻編(1話〜8話)
セックスレスの原因を、夫だけが勘違いしている
第1章の主人公は、太田巧と美月の夫婦です。
巧は美月を愛しています。
家庭に不満があるわけでもありません。
それでも巧は、
「なぜ応じてくれないのか」
という一点に強く囚われていました。
ただ、その原因を
「妻がもう自分を男として見ていないから」
だと思い込んでしまいます。
しかし実際は違います。
問題は愛情ではなく、
育児や家事で余裕を失っていたことでした。
第1章は、
この勘違いから始まる物語です。
家事・育児を頑張る理由が、すべてズレている
巧は状況を変えようとします。
家事を手伝い、
育児にも関わり、
協力的な夫になろうと努力します。
けれど、その目的は一貫しています。
セックスレスを解消したい。
美月を支えたいというより、
結果を求める行動になっていました。
頑張っているのに報われない。
その理由に気づかないまま、
巧の空回りは続いていきます。
高峰先輩の登場で、夫婦関係が揺れ始める
転機になるのは、
美月の前に元恋人・高峰先輩が現れることです。
巧の行動の本当の理由も美月に伝わり、
夫婦の空気は少しずつ変わり始めます。
ここで描かれるのは、
夫婦崩壊ではありません。
「このままの関係でいいのか」
という問いです。
そして巧は、
初めて夫として向き合うことを求められます。
第8話では再構築エンドへ到達し、
太田夫妻編は完結します。
第2章|妊活と価値観のズレ・田所夫妻編(9話〜15話)
第2章で描かれるのは、
「子供が欲しい夫」と
「子供を選べない妻」のすれ違いです。
仲の良い友達夫婦だった田所夫妻ですが、
妊活をきっかけに、
お互いが思い描く未来の違いが表面化します。
仕事。
子供。
夫婦としての役割。
何度もぶつかりながら、
二人は相手を変えるのではなく、
支え合うことを選びます。
そして第15話。
田所夫婦編は再構築エンドで完結。
3年後には子供にも恵まれています。
第3章|理想の夫婦が崩れる理由・川島夫妻編(16話〜)
第3章の主人公は、田所耕一の上司・川島宗介です。
仕事も家庭も順調。
誰が見ても理想的な夫でした。
ところがある日、妻の秋穂から突然離婚を切り出されます。
宗介には理由が分かりません。
浮気もしていない。
家庭を壊した覚えもない。
しかし読み進めると、問題は離婚そのものではなく、夫婦の長年のズレだったことが見えてきます。
第3章は、「良い夫だったはずの男」が、なぜ妻の本音に気づけなかったのかを描く物語です。
各話ネタバレ|5話〜17話の流れ
5話|外から揺さぶられる夫婦、試されるのは信頼
第5話では、美月が実家に帰省し、
学生時代のテニス部の同窓会に参加します。
そこで再会するのが、
かつて交際していた高峰先輩です。
久しぶりの再会というだけでなく、
高峰先輩は美月の近況や家庭事情を察したうえで、
少しずつ距離を詰めてきます。
同窓会の場を抜け、
二人きりでバーへ移動する流れは、
静かですが、確実に不穏さを感じさせる展開です。
一方で、
美月が置かれている状況もかなり厳しいものです。
実家の父親が投資詐欺に遭い、
退職金を失ったうえに、
借金まで抱えている。
精神的にも経済的にも、
彼女は追い詰められた状態にあります。
高峰先輩は、
そんな美月の弱り切った状況を理解したうえで、
財力と余裕を武器に近づいてくる存在として描かれます。
好意というより、
「付け入る隙を見逃さない危うさ」が
際立つキャラクターです。
その頃、巧はというと、
4話の険悪な空気から一転。
真摯な謝罪によって美月と仲直りし、
久しぶりの濃厚なキスもあり、
夫婦関係は落ち着きを取り戻しています。
だからこそ、
外で起きている異変には、
まだ気づいていません。
第5話は、
かなりヒリつく展開ですが、
夫婦関係そのものが壊れていく話ではありません。
危機の正体は、
「第三者からの圧力」であり、
二人の信頼が試される局面に入った、
という位置づけです。
ラストでは、
高峰先輩に酔いつぶされた美月が描かれ、
これまでで最大級のピンチを迎えます。
次回は、
この異変に気づいた巧が動き出せるのか。
夫としての覚悟が問われる展開になりそうです。
6話|高峰先輩の回想と、動き出す現在
第6話は、ほぼ高峰先輩の学生時代の回想で構成されています。
彼がなぜ美月を好きになり、付き合い、別れることになったのか。
その経緯が静かに描かれる回でした。
当時の高峰先輩は、美月に本気で向き合おうとしていた一方で、
結果的に気持ちを伝えきれず、後悔だけが残ったまま時間が過ぎていきます。
今も彼が未練を抱えている理由が、はっきり見えてくる内容です。
一方、現在の時間軸では、
泥酔した美月を高峰先輩がホテルへ連れて行こうとする場面が描かれます。
その動きを察した巧は、
今回は空回りせず、ただ美月を探すために行動します。
余計な感情よりも、夫としての判断が前に出ている印象でした。
ラストでは、
ついに巧が高峰先輩に追いつく場面で物語が止まります。
大きな関係の変化はまだ起きていません。
ただ、第三者の過去と現在が重なったことで、
次話で何かが動くことだけは強く予感させる引きになっています。
7話|巧の覚醒と、夫婦が同じ方向を向いた回
第7話では、
高峰先輩に美月が連れ去られかけた状況を、
巧が寸前で食い止めるところから始まります。
結果的に、美月が「寝取られる」展開には至らず、
ここで一つの緊張状態ははっきりと区切りがつきます。
その後、巧は美月が抱えていた
実家の借金問題を知ることになります。
ここでの巧は、
これまでのような空回りを一切しません。
感情的になることもなく、
夫として何をすべきかを即座に判断し、
問題解決に向けて行動を始めます。
第7話は、
巧が「自分の不満」ではなく、
「妻を守ること」を最優先に考えられるようになった転換点です。
言葉で大きく語られるわけではありませんが、
そんな巧の変化を、美月が静かに受け止めている様子も描かれます。
ラストでは、
無理を重ねた巧が倒れてしまうものの、
美月の励ましによって立ち直る場面で物語が締められます。
第7話をもって、
高峰先輩を軸にした不安定な状況は一区切り。
夫婦関係は大きく崩れることなく、
ここで一度、立て直しの兆しが見えた回でした。
そして第8話で、巧はついにタイトルの台詞を回収。
1年後の描写とともに、夫婦関係は完全に立て直された状態で太田夫妻編は幕を閉じます。
8話|タイトル回収と太田夫妻編完結
第8話では、物語の時間軸が一気に1年後へ進みます。
巧は会社を辞め、独立。
個人事業主として新たなスタートを切り、美月も仕事を辞めて彼を手伝う立場に変わっています。
夫婦の空気は、これまでとは明らかに違います。
あれほどすれ違いの原因だったセックスレス問題は完全に解消。
二人の距離は、新婚当時に近いところまで戻っています。
象徴的なのが、巧がついに口にするあの台詞。
「僕の恋人になってくれませんか?」
物語冒頭から掲げられていたタイトルの言葉が、ここで回収されます。
それは単なる甘いプロポーズではなく、
“夫婦としてやり直す”という宣言に近い意味を持っています。
また、かつて不穏要素だった高峰先輩は、
独立した巧に仕事を回す立場として再登場。
対立構造ではなく、過去を越えた関係として整理されました。
第8話をもって、太田夫妻編は明確に完結。
夫婦崩壊ではなく、再構築エンド。
不安や疑念で引っ張る展開ではなく、関係が整った状態で一区切りとなります。
そして次回、第9話からは別夫婦を描く新章へ。
本作がオムニバス形式であることが、この回で確定しました。
9話|仲が良すぎる“友達夫婦”の妊活
第9話からは、新しい夫婦の物語が始まります。
登場するのは、田所耕一(34)と凛(33)。
耕一は、第1章の主人公・太田巧が独立前に勤めていた会社の後輩です。
学生時代から付き合い続け、結婚して5年。
いわゆる「友達夫婦」と呼ばれるタイプの関係で、夫婦仲はとても良好です。
喧嘩も少なく、一緒にいる時間も自然体。
恋人というより、すでに家族として完成しているような二人です。
ただ一つ、問題があります。
それは、子どもができていないこと。
お互いの両親からも「子どもはまだか」と言われる年齢。
夫婦としても、そろそろ真剣に考えなければいけない時期に入っています。
しかし耕一は、ある違和感を抱えています。
凛のことは好き。
大切な存在で、一緒にいると安心できる。
それでも、どこかで思ってしまう。
「もう女性として興奮しないのではないか」と。
高校時代、耕一は野球部のエースで、凛はマネージャー。
実際に付き合いだしたのは卒業後ですが、
長い年月を一緒に過ごすうちに、二人の関係は恋人というより「家族」に近い形へ変わっていきます。
愛情はある。
信頼もある。
ただ、男女としての欲望だけが、完全に薄れている。
それでも二人は、妊活のために関係を持とうとします。
凛も状況を理解しており、むしろ積極的に歩み寄る場面も描かれます。
けれど、その空気はどこかぎこちない。
夫婦仲は悪くない。
むしろ、理想的な関係に近い。
それでも、恋人だった頃の熱だけが戻らない。
第9話のラストでは、耕一がふとこんなことを考えます。
「どうやってシてたっけ…?」
愛情がなくなったわけではない。
むしろ関係は安定しています。
それでも、男女としての感覚だけが少しずつ遠くなってしまった夫婦。
第9話は、そんな“友達夫婦”の妊活という、少し切ないテーマから新章が始まる回でした。
10話|妊活の問題ではなく、夫婦の進め方がズレていた
第10話では、第9話から続く“友達夫婦”の妊活が本格的に進みます。
耕一は「このままではダメ」という焦りから、
原因を自分なりに調べ、行為そのものを“改善すべき問題”として捉えます。
一方の凛は、経験が少ないこともあり、
何が正しいのか分からないまま受け入れている状態です。
実際に関係を持とうとする場面では、
耕一は手順ばかりを意識してしまい、どこか一方的な進め方になります。
その結果、凛は強い痛みを感じ、
行為は一度中断されます。
ここで二人は初めて立ち止まり、
うまくいかなかった原因を言葉にして整理します。
耕一は自己流で進めていたことに気づき、
準備や方法を見直したうえで、改めて向き合うことに。
再度の試みでは、無理に進めるのではなく、
凛の状態を確かめながら進める形に変わります。
その結果、関係はスムーズに進み、
第9話で感じていた違和感は“解消できる問題”だったことが明確になります。
第10話は、
ただ失敗する回ではなく、
ズレの原因を理解し、修正できる関係へと進んだ転換回です。
11話|子供の話が少しずつ現実になり始める
第11話では、10話で関係を持てたあとの夫婦の空気が描かれます。
お盆休みに入り、耕一の提案で二人は海水浴へ。
恋人時代に戻ったような距離感で、自然に過ごす時間が続きます。
10話以降、凛の機嫌は明らかに良くなっていますが、
仕事の忙しさもあり、関係自体は継続できていない状態です。
海ではしゃぐ中で、
子ども連れの家族を見つめる耕一の視線が描かれます。
その様子に、凛は何かを感じ取りますが、
言葉にはならないまま時間が過ぎていきます。
その後、温泉宿に移動し、
一日の疲れを癒す二人。
そして夜、
凛の方から距離を詰める形で、
再び関係を持とうとする流れが生まれます。
第11話は、
大きな問題が起きる回ではありません。
関係は確実に改善しており、
夫婦として同じ方向を向ける状態になっています。
そのうえで、
「子ども」という次のテーマが、
自然に浮かび上がってきた回です。
この流れが、
次の展開へとつながっていきます。
12話|子供が欲しい夫と、選べない妻のズレが表面化する
第12話は、
11話ラストの流れをそのまま引き継ぎ、
凛の主導で関係を持つ場面から始まります。
ただし、その終わり方には違和感が残ります。
凛は、子どもを作らない形を選ぶ。
その意図を受け取った耕一は、
過去の挫折を思い出し、仕事に向き合い直しました。
努力の結果、
評価は上がり、昇進の見込みも見えてきます。
しかしその矢先、
凛から自身の昇進の話を打ち明けられます。
そして――
「やっぱり子供を作ること…考えられないの…」
ここで、二人のズレが明確になりました。
13話|仕事ではなく、凛が本当に怖かったもの
第13話では、
凛が「子供を作れない」と告げた理由が明らかになります。
昇進の打診を受けており、
仕事を優先したいという意思がその背景にありました。
しかし、それだけではありません。
凛は、
両親の離婚と、家庭に無関心だった父親の姿を、
無意識に耕一へ重ねていました。
さらに、
「自分は子供をちゃんと愛せるのか」という不安も抱えています。
子供を持つこと自体に、
恐怖を感じていた状態です。
その結果、
子作りを避ける理由を「仕事」で正当化していました。
耕一と衝突し、実家へ戻った凛は、
過去の記憶を振り返る中でその歪みに気づきます。
第13話のラストでは、
自分の言葉で耕一を傷つけたことを後悔する凛と、
意味深な表情を浮かべる耕一が描かれます。
関係は壊れていません。
ただ、
価値観のズレに対して、
初めて「修正の可能性」が見えた回です。
14話|“子供が欲しい夫”から“支えたい夫”へ変わり始める
第14話では、
耕一がようやく“支えられる側”から変わり始めます。
13話で凛と衝突し、
子供についての価値観が噛み合わなかった耕一。
会社でも落ち込んだ様子を見せており、
先輩の工藤から、かつて夫婦問題を乗り越えた太田巧へ相談するよう勧められます。
耕一は巧に、
妊活から夫婦喧嘩までの流れをすべて打ち明けます。
そこで巧が返したのは、
シンプルな言葉でした。
「きっと大丈夫だよ」
「想いをそのまま伝えれば、きっと伝わる」
その言葉を受け、
耕一は凛の実家へ向かいます。
移動中に思い出すのは、
高校時代の凛との記憶。
野球で挫折した自分を、
当時マネージャーだった凛が支えてくれたこと。
耕一はそこで気づきます。
ずっと、自分は凛に救われてきた。
だから今度は、自分が支える番なんだと。
一方の凛も、
実家で自分の言葉を後悔していました。
会社を休み、
河原を歩きながらも気持ちは整理できないまま。
そんな凛の前に、
耕一が現れます。
第14話は、
「子供が欲しい夫」の話では終わりません。
凛を理解したい。
支えたい。
耕一の気持ちが、
ようやくそこまで辿り着いた回です。
そして物語は、
第2章のクライマックスへ入っていきます。
15話|仕事も子供も諦めない、二人の答えが決まる
第15話で田所夫婦編は完結。
結論から言うと、
二人は別れません。
凛は仕事も子供も諦めず、
耕一も“支える側”へ変わります。
“どちらかを諦める”話ではなく、
“支え合う答え”へ辿り着く回です。
河原で再会した耕一は、
凛にいくつかの質問を投げかけます。
「子供いらない?」
「仕事したい?」
「恋人っぽいことしたい?」
さらに、
「家族になりたい?」
「他にある?」と続け、
凛の本音を一つずつ確認していきます。
耕一は、その答えを否定しません。
そして、
自分のやりたいことが見つかったと凛へ告げます。
それは、
凛のやりたいことを叶えること。
高校時代、
野球で挫折した自分を支えてくれた凛。
「今度は俺の番だ」
耕一は、
今度は自分が凛を支える側になると決めます。
その言葉によって、
凛も本音を打ち明けます。
本当は、
耕一との子供が欲しかったこと。
そして、
仕事も諦めたくなかったこと。
二人はようやく、
どちらかを捨てるのではなく、
一緒に進む答えへ辿り着きます。
その後、二人は実家を後にし、
自宅へ戻ります。
そして夜、
想いを確かめ合うように結ばれます。
さらに物語は3年後へ。
二人の間には、
元気な男の子・耕太が生まれていました。
さらに凛は、第二子を妊娠中。
耕一も課長へ昇進し、
家庭を大切にする働き方を実践しています。
第15話は、
子供・仕事・夫婦関係――
すべてのテーマに答えが出る完結回です。
すれ違っていた二人は、
3年後、理想的な家族の形へ辿り着きました。
16話|完璧な夫だったはずなのに、妻から離婚を切り出された
第16話から新章がスタートします。
主人公は田所の上司・川島宗介。
仕事は順調。
娘は無事に大学卒業。
妻の秋穂とも大きな喧嘩はない。
誰が見ても理想的な家庭でした。
ところがある日、
秋穂が突然こう言います。
「離婚したいんです」
宗介は完全に理解できません。
理由を聞いても教えてもらえない。
家庭を壊した覚えもない。
浮気もしていない。
むしろ家族のために働いてきた。
だから余計に分からない。
会社では部長として信頼され、
家庭でも良き夫だったはず。
読者もこの時点では、
「今回ばかりは夫が被害者だ」
と思うはずです。
しかし物語後半。
秋穂が離婚を考えた理由が見えてきます。
秋穂は宗介を嫌いになったわけではありません。
むしろ今でも好き。
だから苦しかった。
夫婦として見てもらえない。
女性として見てもらえない。
その寂しさを何年も抱え続けていたのです。
けれど秋穂は、
その本音を恥ずかしくて言えない。
一方の宗介は事情を知らないまま、
今日も地雷を踏み続ける。
第16話は、
離婚の話ではありません。
「嫌われた夫」
だと思っていたら、
実は
「愛されすぎていた夫」
だった回です。
17話|離婚理由を知らない夫が、今日も地雷を踏み抜く
第17話でも、
宗介は離婚理由を理解できません。
娘の茜からも
「機嫌を取れば?」
と言われますが、
そもそも何に怒っているのかが分からない。
そこで宗介は、
以前秋穂から頼まれていた倉庫整理を始めます。
ここで事件発生。
倉庫の奥から、
秋穂が昔隠していた“大人のおもちゃ”を発見。
しかし宗介は、
それを娘の物だと勘違いしてしまいます。
もちろん大事故。
秋穂は羞恥で限界。
宗介は状況を理解できない。
しかも話が進むうちに、
それが秋穂本人の物だったことまで判明します。
悪気はありません。
むしろ妻を傷つけたくないと思っています。
だからこそ、ズレが余計に切なく見えます。
宗介は今回も、
秋穂がずっと隠してきた痛みに触れてしまいます。
読者からすると、
もう理由は見えています。
秋穂は怒っているのではない。
寂しかっただけ。
でも宗介だけが、
まだそこへ辿り着けない。
第17話の面白さは、
大人のおもちゃ発見ではありません。
離婚理由を探しているのに、
毎回違う方向へ走ってしまう宗介のズレです。
そしてラスト。
秋穂はついに決意します。
もう察してほしいでは伝わらない。
だから自分の口で言う。
第17話は、
秋穂が長年隠していた本音が、
ようやく表に出ようとする回です。
感想|なぜこの作品は妙にリアルなのか
この作品を読んでいて残るのは、
大きな感動でも、
強い怒りでもありません。
むしろ、
「なんとなく分かる」
という感覚です。
描かれている問題は特別なものではありません。
だからこそ、
妙にリアルに感じます。
悪人がいないのに苦しくなる
この作品には、
分かりやすい悪役がほとんど出てきません。
夫にも事情がある。
妻にも事情がある。
どちらかが絶対に間違っているわけではない。
だから読者も、
簡単に誰かを責められません。
それぞれの気持ちが理解できるからこそ、
すれ違いが少し苦しく見えてきます。
好きなのに噛み合わない
登場する夫婦は、
基本的に相手を嫌いになっていません。
愛情も残っています。
それでも、
うまく噛み合わない。
言葉が足りない。
思い込みがある。
伝わっていると思っている。
そんな小さなズレが積み重なっていきます。
この作品の面白さは、
大きな事件よりも、
その違和感の積み重ねにあります。
夫婦の問題に正解がない
この作品は、
「どちらが正しいか」を決める話ではありません。
セックスレス。
子供。
仕事。
夫婦の営み。
どの問題にも、
簡単な正解はありません。
だから最後に描かれるのは、
勝ち負けではなく、
二人がどんな答えを選ぶかです。
その過程が丁寧だからこそ、
読後に少し考えさせられる作品になっています。
補足:この作品を読むなら、コミックシーモアのクーポンやポイントの使い方も知っておくと安心です。
この漫画が合わない人の特徴
この作品は、合う・合わないが分かれやすいタイプです。
読んでいて引っかかりを覚えたら、無理に読み進めなくても大丈夫。
スカッとする展開を求めている人
読後に気分が晴れる、というタイプの漫画ではありません。
誰かが一発逆転する場面や、溜飲が下がる展開は控えめです。
気持ちよくスッと終わりたい人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
誰か一人を悪者にしたい人
この物語には、分かりやすい悪役が出てきません。
夫はズレているけれど、完全な加害者ではない。
妻もまた、状況の中で揺れています。
白黒をはっきりさせたい人ほど、
判断を預けられる感じが気になる可能性があります。
恋愛漫画に癒しを求めている人
甘さやときめきは、かなり控えめです。
描かれているのは、恋愛というより生活の延長線。
疲れているときは、
「今は合わないな」と感じることもありそうです。
それでも続きを読む人が多い理由
この作品は、読んでいて楽しいから続く漫画ではありません。
それでも、ページを閉じきれずに続きを読んでしまう人が多い。
理由は、とてもシンプルです。
不快なのに、なぜか目が離せない理由
夫の言動にイラッとしながらも、
「次はどうズレるんだろう」と気になってしまう。
嫌悪感より、引っかかりが先に立つ。
その引っかかりが、読む手を止めさせません。
巧の空回りは極端すぎず、現実にいそうなダメ夫タイプ。だからこそ見過ごせないのです。
既婚者には日常の延長として、
未婚者には未来の一つの形として。
どちらの立場でも
「こういうすれ違い、ありそうだな」と感じさせる描き方です。
特定の立場だけに寄らない分、
読む側が自分を重ねやすいのだと思います。
この漫画は答えを用意しません。
関係がどうあるべきかも押しつけてきません。
残るのは「自分ならどうするだろう」という小さな問い。
その問いが気になって、
もう少し先まで読んでしまう。
それが、この作品が読まれ続けている理由です。
向いている人・向いていない人
この作品は、万人向けではありません。
だからこそ、読む前に相性を知っておく方が安心です。
向いている人
- 夫婦やパートナーとの距離感に、違和感を覚えたことがある人
- 登場人物を一方的に断罪する話が苦手な人
- 日常のズレや空回りを、少し引いた目で見られる人
大きな感動やスッキリ感より、
「あるある」「分かるかも」という感覚を拾える人には、
じわじわ効いてきます。
向いていない人
- 分かりやすい勧善懲悪や、明確な答えを求める人
- 癒し目的で恋愛漫画を読みたい人
- ストレスなく読み進めたい人
テンポよく楽しみたい人には、
やや引っかかりが多く感じられるかもしれません。
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第16話では、
仕事も家庭も順調だった川島宗介が、
突然妻から離婚を切り出されます。
しかし、その理由は宗介が想像していたものとはまったく違いました。
まずは無料公開中の16話で、
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