人は、愛を出さないと愛されない。
漢字もまったく読めず。九九（くく）もできないキャバ嬢が掴みとったキラキラの未来とは？
転落人生からの脱出！
『転落女子地獄蜘蛛の巣貧困』に収録されている
『かんじよめない最貧キャバ嬢の歌』
小学校もろくに行かなかったおバカなキャバ嬢が、
親友のススメで取り組んだ人生逆転の秘訣とは？
貧困と夜の商売から脱出したスポ根な人生劇がゾクゾクする~♪
『かんじよめない…』とは？
この作品が収録されている『転落女子地獄 蜘蛛の巣貧困』の3作品目に当たる物語なのですが、
作品中、唯一この『かんじよめない…』が最後ハッピーエンドで終了するんです。
ラストでヒロインが
希望に満ちあふれた未来に向かって歩むことになるので読後感はとてもスッキリ♪
ストーリーのあらすじは、
ネグレクトな両親に育てられたヒロインの沙希（さき）22歳は、小学校もろくに通学しないまま卒業し、
中学生になると夜の遊びを覚え、なんと…16歳になると歳をごまかしてガールズバーで働くようになる。
その後は、夜の街を転々とする生活を送り、今はキャバ嬢として働いている。
しかし・・・
大好きな雑誌の占いに書かれた意味も分からないくらい語学力がなく、
お店でも一向に指名客が取れない彼女。
すると・・・
沙希のあまりのダメさ加減に、店長からは客との売春を強要されてしまう始末だ。
さらに、お店に70万円の借金を抱える沙希の生活はとても困窮している。
一人暮らしで生活する部屋の電気やガスも止められて、この先どうやって暮らしてゆけばいいのやら？
しかし・・・
そんな転落人生を歩み続ける沙希に、お店の同僚で現役の女子大生・梨香（りか）が救いの手を差し伸べてくれる…
と、いった感じで始まるバカなキャバ嬢の貧困脱出ストーリーです～♪
一見、風俗業界の転落人生っぽいお話に思いがちですが、為になる重要なヒントが隠されたヒューマンストーリーで、
その部分が最大の見どころです♪
『かんじよめない最貧キャバ嬢の歌』が収録された
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転落女子地獄【ネタバレと感想】かんじよめない最貧キャバ嬢の歌！
ヒロインの沙希は22歳のキャバ嬢です。
彼女は、ろくに漢字も読めなくて九九さえまともに言えない超ド級のおバカキャラ。
さすがにこれくらいバカだと、お客さんもまともに会話ができなくて、
次に来店しても沙希を指名する客は一人もいない。
そして・・・
指名客がとれないキャバ嬢の稼ぎは殆どカフェのアルバイト店員と同じようなモノだ。
当然なにかと衣装代のかかるキャバ嬢の生活では赤字の状態が続き、今ではお店に70万円もの借金がある。
しかし・・・
頑張っても指名客がとれない！
そんな沙希に借金返済をせまる店長は、客との売春を指示してきます。
「指名客がとれないなら身体で取ってこい！」
ダメなキャバ嬢のとる最終手段を命じられてしまった・・・
そして・・・
意を決した沙希が客とホテルに入って身体を売ろうとするんですが、その寸前のところで部屋から逃げ出してしまうのです。
｛あの客は二度と自分を指名なんかしないだろう…｝
｛どうしたらいいんだろう…｝
ここ何日間か体の具合がおかしかった沙希は、体調をくずして寝込んでしまう。
お金がなくて、電気やガスも止められた部屋で、なにも食べ物を口にしていない沙希はどんどん衰弱してゆく。
｛きっと私はこのまま死んでゆくんだ…｝
激しい空腹感と薄れゆく意識の中で沙希は今まで歩んできた悲惨な人生を思い返していた。
思えば、親も含め、みんなからハブられてきた人生だった・・・
極度の貧困な生活を送りつづけていた沙希は、身も心もボロボロになっているのだ。
しかし、その時、彼女に一人の女性が救いの手を差し伸べてくれた…
人気№1の梨香
沙希が家で死にかけているところに、彼女のことを心配した同僚の梨香が様子を見に来てくれたのだ。
しかも、彼女は日頃から栄養失調気味だった沙希のために、いろんな食べ物を持参していた。
地獄で仏様とはこの事をいう！
梨香の温かい友情で沙希の命は救われたのだ。
おまけに、店では人気№1キャバ嬢の梨香は沙希にキャバ嬢としての心得を伝授してくれる。
梨香いわく、沙希には客に対する愛がないと言い、お店とは夢を売るところで、
ちゃんとその気持ちを示さないとお客さんには伝わらないと言い聞かせた。
「人は、愛を出さないと愛されないんだよ」
「求めるばかりじゃ駄目よ」
と、梨香は真剣な表情で沙希にアドバイスしてくれた。
梨香の言う事はもっともだ。
しかし・・・
沙希としては少しでもお金を稼いで、借金を返さないといけない。
沙希は一度逃げ出してしまった売春にもう一度トライしようと、自分を買ってくれそうな客に連絡をとった。
そんな彼女の行動を梨香が止めようとするが、
「漢字も九九もできない私にはこれしかないの！」
と言って梨香の説得も耳には入らない沙希。
だが、なんとか沙希に考え方を変えさせようとする梨香は思いもよらない方法を沙希に提案して来た・・・
転落人生からの脱出
沙希にとって今、何が一番必要なのかを真剣に考えた梨香は、
彼女にある書籍を手渡した。
それは、小学生が勉強する『漢字ドリル』と『九九のドリル』だった！
「九九と小学六年生までの漢字が出来たらどうにかなるから」
「そして…定時制でも大検でもいいからまずは高校を卒業しよう。」
「私が教えてあげる」
「沙希ちゃんが真剣にやり直したいと思ったら絶対にできる！」
まっすぐな目で沙希に話しかけてくる梨香の自分を想ってくれる言動に感激する沙希。
そして何より嬉しかったのは、
「私たち友達じゃない！」
という梨香の温かい言葉だった。
今まで、両親にさえも愛情をもらえなかった沙希は初めて自分の事を真剣に考えてくれた人に巡り合えた喜びに感動の涙を流した。
この後、沙希は梨香の協力を得ながら猛勉強に励み・・・
そして・・・
数ヵ月後、彼女の人生は劇的な展開を迎える事に・・・
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かんじよめない…の感想
始まりは、おバカなキャバ嬢の話だけど、
後半からワクワクしたサクセスストーリーになってゆく感動的なお話でした♪
ただ・・・
内容がイイだけに短編で終わってしまうのは勿体ない感じだなぁ～
とにかくヒロインの同僚・梨香ちゃんの人格がすばらしい！
正直、もっと彼女の生活や生い立ちなんかを描いて欲しかった。
あれだけしっかりした女子大生の彼女がどうしてキャバクラ勤めをしなければならなかったのかがスゴク気になる。
梨香の事だだからきっとなにか目標があってキャバ嬢をしているはずだ！
そこのところを詳しく知りたかったな～
そして・・・
ろくに漢字も読めない沙希があんな幸せを掴むことになるなんて・・・
物語の冒頭を読んだ時には考えられなかった結末だ！
これも全ては梨香ちゃんのおかげ♪
梨香ちゃんだけのスピンオフ作品を作って欲しいくらいサイト主のまるし―は彼女に惚れました。
沙希の人生を真剣に考えて、”漢字ドリル”を贈るなんて、なかなかできる事じゃない。
こういう人は一生の友として大事にしないといけない。
しょせん人は、『他人の不幸は蜜の味』だと思ってる場合が多い。
そんな中、梨香のような人間はとても貴重な友人です。
ただ・・・
そんな梨香が救ってあげたいと思った沙希も、育った環境の割には、性格も歪んでなくて、素直で明るい性格だった。
だから…梨香が助けてあげたいと思った一つは彼女の人徳もあったんだろうな～
切なく哀しい作品が2話続いた後に読んだから余計に感動しちゃいました。
やっぱり最後にハッピーエンドっていうのは読んでてスッキリしますね♪
ヒロインの沙希も、友人の梨香も嫌みのない魅力的なキャラクターでジーンと胸に来るストーリーでした♪
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『かんじよめない最貧キャバ嬢の歌』が収録された単行本
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