悲しいことに結婚した相手からの答えはYESだった・・・
その後の人生は、品質検査からハネられた不良品として生きるしかない?
それともただの被害妄想?
誰か・・・?
私を正常な女性なんだと安心できる言葉をください・・・
妊娠できない女は欠陥品なのか?
大林あきらさんが描く女性のヒューマンストーリー!
『ハネモノ』
30歳を迎えたヒロイン・千絵(ちえ)には子宮がない。
だから未来永劫(みらいえいごう)彼女は子供を作ることができない。
イコール…女性としての品質検査では”ハネモノ”として不良品箱に仕分けされてしまう存在だ
そんな彼女が、画廊で偶然に知り合った絵描きの先生に恋をした。
胸が締め付けられるような切ない女性ストーリーが熱い!
ハネモノの見どころ
大林あきらさんの作品は初めて読ませてもらいます。
ご本人のツイッターを見せてもらいましたが、男性か女性かもわからない謎の先生でした。
本作『ハネモノ』の紹介文章でなにも触れられてなかったので恐らくオリジナルのストーリーなんでしょう。
内容が、子宮の摘出手術を受けたアラサー女性の恋愛を描いた内容なので、
恐らく女性の作家さんなのかな?
ただ・・・
主人公の30歳女性・中原 千絵(なかはら ちえ)のセリフがちょっと男性目線なところもちょっと窺(うかが)える。
まぁ~作家さんが男性でも女性でも内容が面白ければどうでもいいんですが・・・
とりあえず!
『ハネモノ』の見どころとしては、病気で妊娠することができなくなった千絵が、さまざまな悲しみを乗り越えて、
ほんの少しづつまた恋愛ができるメンタルになってゆくところですかね。
確かに…結婚を考える上で、子供が作れるか否かは重要な問題だと思います。
そして、子供が作れないことで別れてしまうカップルも世の中にはたくさんいるんでしょう。
恋人や結婚してる相手と、子供が作れないからと言う理由で別れることは間違っていないし、責められるものでもない。
人として愛する人との子供が欲しいという気持ちはごく普通の感覚です。
だからこそ難しい。
この『ハネモノ』という作品は、そんなデリケートな部分に焦点を当てて、
子供を産むことができない女性の視点からじっくり男女の恋愛や結婚のストーリーを描き出しているんです。
なので、どちらかと言うとオトナの女性に読んで欲しい漫画ですね♪
グッと胸にこみ上げてくるものがあると思いますよ~
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ハネモノ(漫画)ネタバレ!妊娠できない女は欠陥品なのか?
運命の出会い
主人公の中原 千絵(なかはら ちえ)30歳は、結婚していた当時、病気をして子宮を全摘した。
そして、それが原因で当時の夫と離婚された悲しい過去がある。
どうしても子供が欲しかった元・夫は、他の女と浮気してその女が妊娠してしまったのだ。
「子供がいない人生なんて考えられない」
それが元・夫が千絵に突きつけた離婚理由だった・・・
それを言われてしまうと、千絵としては離婚に応じるしかすべがなかった。
はらわたが煮えくり返るくらいの屈辱だったが、千絵はその過酷な状況に耐えて離婚を決意したのだ。
幸い、安定した正社員の仕事にも恵まれ、今はそれなりに付き合っている彼氏もいる。
だけど・・・
その彼氏には、自分が子供を産めない体だとは打ち明けていない。
つい最近、SEXのとき、コンドームを着けずに生で出してもいいと言ったら、彼氏はかなり驚いていた。
子宮をなくしてからの千絵は、自分は女性として欠陥品なんだという思いが強く、
男性と深く付き合ってゆくことに二の足を踏むようになった。
どうせスゴく好きになっても最後には背中を見せて自分のもとから去ってしまうんだろう・・・
そんな気持ちでいるから男性との恋愛で本気になることはもうなくなっていたのです。
しかし・・・
そんな千絵にある日、運命の出会いが待っていました・・・
二人の距離
千絵が出会った運命の人とは、絵画教室で講師をしている榊(さかき)という42歳の男性でした。
偶然の出会いをきっかけに、千絵は榊が毎週土曜日に教えている絵画教室へ通うことになった。
どこか憂(うれ)いを秘めて、優しいオトナな雰囲気の榊に、千絵は惹かれた。
榊が千絵にかける言葉とその声は、のんびりと穏やかで、千絵の心の乾きを包み込むように潤してくれるのです。
そして・・・
いつしか千絵は、榊と会える土曜日を楽しみにしている自分に気づく。
すると・・・
そんな千絵の気持ちを、まるで気づいているかのように、愛情のない彼氏が千絵との別れを告げてきた。
千絵からすると、特に悲しみはなかったが、彼氏との修羅場を榊に見られていたことがかなり恥ずかしかった。
ただ・・・
そんな恥ずかしい場面を見られたおかげで、この時、二人の関係は以前よりずっと近いものに発展したのです。
この頃から、千絵と榊はお互いのプライベートな話をするようになる。
ほんとにゆっくりですが、少しづつ二人の間にある心の距離を縮めてゆく作業に入った感じだ。
そして・・・
確実に二人の距離は縮まった…
その後の展開
その後の展開は、プライベートでもランチをしたり、外で会うようになった二人が、
お互いに過去の悲しい心の傷を告白し合うことになり、
あと少し・・・
もうちょっとで付き合い始める寸前まで千絵と榊の関係が進展するんですが、
そのタイミングで千絵にショッキングな出来事が勃発する。
彼女は、榊の親友・須磨(すま)から言われた言葉に深く傷ついてしまうのです。
それがきっかけで千絵の榊に抱いていた恋心が一気にトーンダウンしてしまう。
どうする榊・・・?
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ハネモノの感想
ところどころよく判らないセリフが出てきたりしますが、
アラサー女性で、体に不幸な欠陥を抱えた主人公の悲観的な心情がよく描かれています。
恐らく今後、千絵が付き合ってゆくことになるんだろう榊先生のキャラも、
あまり経験することのない辛い経験を持つ人物ですし、
この二人が今後どうやってお互いの心と体を繋げてゆくのか?
二人のこれからを見てみたいと思わせる物語の見せ方でした。
過去のつらい経験は、忘れるのではなくて寄り添って生きてゆく・・・
確かに難しい問題ではあります。
『失恋の傷を癒やすには、新しい恋をすること!』
なんていう言葉がありますよね。
でも・・・
辛い経験を忘れるために新しく辛い経験をするのはありえないわけで・・・
なら…どうすればいい?
人は誰しも思い出したくない辛い経験や、悲しい体験を持っていることでしょう。
だからといってみんながみんなその辛い思い出に縛られているわけではありません。
普段はまったく思い出さないけれど、何らかの拍子にフラッシュバックしてしまう事があったり、
定期的に思い出す時もある。
例えば、秋に辛い経験をしたことがある人は、秋を連想させるモノを見た時に思い出したり。
人の記憶って、どういうシステムで脳内に保存されているんだろう・・・?
もし、そのメカニズムが分かれば、思い出したくない経験だけをシャットアウトできるかもしれないけど、
それはそれでどうなんだろう?
幸せな思い出も辛い経験もすべて含めてその人の人生だ。
その辛い経験が教訓としてあったからこそ今の自分があるんだという場合もありますし・・・
なんだかよく判らない方向に話が脱線してしまいましたが、
とりあえず、この『ハネモノ』は、色んなことを考えさせられるメッセージ性が豊かな一冊なんだろうな~♪
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