没落した名家のお嬢様が吉原へ売られた!
愛する婚約者に身請けしてもらう日を夢見るヒロインだったが・・・
1話から最終話まで一気読みしたい!
著者:成海柚希
『今宵、桜は蜜の色~吉原恋歌~』
最後はハッピーエンドな純愛遊郭ラブストーリー♪
有名な吉原遊郭を舞台に繰り広げられる男女の切ない愛憎劇は、
いつの時代も読者の心にグサリと突き刺さります!
『今宵、桜は蜜の色』の見どころ
今回紹介する『今宵、桜は蜜の色』は、全7話で完結する明治時代の”吉原遊郭”を舞台にした男女の切なくも激しい愛憎劇です♪
これまでにもこの”吉原遊郭”を舞台にした映画や小説・漫画など様々な作品が世に出ています。
特に中島貞夫さん脚本で製作された『吉原炎上』という映画は、
吉原遊郭に生きた女たちの凄まじい生き様をみごとに描いた名作として広く知られています。
吉原遊郭の中で遊女の最高地位を意味する”花魁”と言う言葉も有名ですよね♪
映画やドラマでもこの”花魁”を主役にした作品が多くつくられています。
そういう意味では、”吉原遊郭”を舞台に描かれたこの作品はテッパン王道の愛憎劇と言えるでしょう。
たくさんの作品がリリースされているからこそ、読者から高い評価を受けるのは大変なことなのですが、
そんな中でもこの『今宵、桜は蜜の色』は、スゴク女性読者からの評判が良いのです♪
その理由としてよくレビューされているのが、
「絵がキレイ」
「ドキドキする展開」
「二転三転するストーリー展開」
「ラストのハッピーエンドなオチ」
という口コミです。
あと、単行本にして約1巻分くらいの短くまとまったストーリーも、
きりが良く読みやすくて好印象に繋がったのかもしれません。
そんな読者からの意見も踏まえてサイト主のまるしーが本作を読み終えて、
ここが『今宵、桜は蜜の色』の見どころという部分は、
やはり婚約者だった男性とは結ばれず、最初はスゴク嫌いだったお客さんと結ばれるという意外な展開ですかね。
その中にある複雑な愛憎劇が見ものだと思います♪
あと・・・
遊郭で働いている女性が最後には愛する男性に身請けしてもらうという夢のあるストーリーが、
どこか女のサクセスストーリー的な要素も相まって、読み終わりの爽快感を与えてくれる♪
ありがちな物語ではあるけれど、きっちりと王道を貫いた遊郭作品なので読んでみて損はないと思いますよ~♪
『今宵、桜は蜜の色』の立ち読み♪
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今宵、桜は蜜の色【ネタバレ】1話から最終話まで一気読みしたい!
1話:吉原遊郭
この物語の時代背景は明治時代です。
主人公の櫻子(さくらこ)は15歳の女学生で、詳しい説明はなかったが、
恐らく華族の家に生まれて何不自由なく育ってきた生粋のお嬢様だと思われる。
このほど同じ華族の御曹司との婚約が決まり、
また、相手の滋(しげる)というイケメンの御曹司がとびっきり櫻子に優しくしてくれたので、
政略結婚ではあるものの櫻子としては何の不満もない相手でした。
しかし・・・
櫻子のそんな幸せな日々はそう長くは続きませんでした(汗)
ある日のこと、櫻子の家が火事になり全焼してしまった上に、
もともと経済的に火の車だった櫻子の家は一家離散となった挙句に、
なんと・・・
櫻子は家の借金返済のために”吉原遊郭”へ売られてしまったのです(汗)
華族の娘から急転直下で『若葉屋』という遊郭の女となった櫻子。
その後、”櫻城(さくらぎ)”という源氏名を与えられて酔客の相手をすることとなり果てたのです。
そんなある日、櫻子は客の森明星(もりめいせい)というまだ若い男性客に意地悪なことを言われてつい反論してしまったのだ。
これは遊女の身であってはならない暴挙であった。
しかし・・・
新造(新人)の櫻子から初めて無礼な扱いを受けたことを面白がった明星から逆に気に入られてしまう櫻子。
しかも・・・
明星は櫻子が遊女として客をとるようになるための床入れ(SEXのこと)まで申し出てきたのです。
ただ・・・
最初は明星からの申し出を断ろうとした櫻子でしたが、
自分が有名な花魁になることで滋が自分を見つけて身請けしてくれるのではないかと希望を抱いた櫻子は、
自分に興味を示した明星に床入れしてもらう事を承諾したのです。
ここから櫻子の波乱万丈な吉原遊郭人生がスタートします。
2話:床入れ
家が没落して櫻子が吉原に売られた日からちょうど1ヵ月。
ついに明星による床入れの日が訪れました。
それもこれも全て婚約者である滋との再会を夢見ての大きな決断でした。
初めての床入れに緊張の色を隠せない櫻子に対し、意外にも明星はスゴク優しく導いてくれたのです。
相変わらず言葉はつっけんどうで辛辣な面もありますが、
櫻子は初めてにもかかわらず明星に抱かれて感じてしまったのです(汗)
でも・・・
あくまでもこれは滋と再会するための行為だ。
櫻子が婚約者に自分を探し出してもらうために有名な花魁になるという考えを聞いた明星は、
櫻子の考えは甘いと忠告したのですが、ここで思ってもみなかった奇跡が起こる!
なんと・・・
櫻子の婚約者である滋は明星の知り合いだったのです(汗)
しかも・・・
滋は火事で失踪したことになっている櫻子のことをずっと探していたのです。
それを知った明星は、櫻子のために滋を若葉屋へ連れてゆき、二人が会えるよう取り計らった。
そして櫻子と滋は明星のおかげでめでたく奇跡の再会を果たすのですが・・・
3話:心変わり
デビューしたばかりの櫻子を店の馴染みでもない滋が身請けを希望しても店は納得しないだろうと予測して、
櫻子と滋のために明星が櫻子を身請けすると言い出しました。
だけど・・・
吉原遊郭の事情や明星の意図をよく理解していない櫻子は、明星に身請けされることを強行に拒んでしまうのです(汗)
しかし・・・
その後、若葉屋の店主からデビューしたばかりの遊女を身請けするためにどれだけの費用が必要かを聞いた櫻子は、
明星の自分に対する優しさに心打たれて明星の身請けを受け入れることにしたのです。
一方で滋は足繁く若葉屋に通い、一刻もはやく馴染み客として櫻子の身請けを認めてもらうべくお金を使っていました。
さらに滋は…本来なら禁止されている櫻子との床入りも、袖の下を渡して許可してもらい、
この日、二人は初めて体を重ね合ったのです。
だけど・・・
夢にまで見ていた滋との瞬間を終えた櫻子の瞳からはなぜか涙が・・・
{一体なぜ?}
そう・・・
この時すでに櫻子の想いは自分のためにいろいろと動いてくれた明星に心変わりしていたのです。
自身でも気づかぬうちに・・・
4話:告白
明星が好きだという自分の気持ちに気づいてしまった櫻子は、
その後もどこか後ろめたい気持ちを引きずったまま若葉屋に通ってくる滋との時間を過ごしていました。
そんなある日のこと、新聞記者を伴って若葉屋にやってきた滋は、
自分たち二人の悲劇的な愛を世間に公表して、一日でも早く身請けの話を店側に受け入れさせようと画策するのです。
ただこの時、すでに気持ちが明星にある櫻子は、滋と明星の狭間で心が大きく揺れていました。
だが・・・
すでにこの時、なんとなく櫻子の気持ちが自分にはないことに気づき始めていた滋は、
わざと櫻子を挑発するような言葉を投げかけて本音を聞き出そうとします。
すると・・・
滋が怪しんでいた通り櫻子の口から明星のことを慕っていると告白してしまった櫻子。
その瞬間、滋の怒りは静かに燃え上がり、やがて彼は自分のネクタイを外して櫻子の首を絞め始めたのです(汗)
あわや絞殺…
というギリギリのタイミングで店に来ていた明星が滋の暴走を止めに入って一命をとりとめた櫻子。
その後・・・
明星はなんとか滋をなだめて説得しようとしますが、
櫻子の本心を知ってしまった以上、滋の気持ちが変わることはなく、
櫻子と明星に遺恨だけを残して彼は自ら身を引いてゆくのです。
これで自分の正直な想いを告げられるようになった櫻子は、明星に自分の気持ちを伝えます。
もちろん最初から櫻子のことが好きだった明星はその告白を受け入れるのです。
だが・・・
二人を待ち受ける愛の試練はここからがスタートなわけです(汗)
5話:妨害工作
明星に櫻子を奪われたかたちの滋は、新聞記者を使って明星の身請け話を妨害してきました。
なんと…
その新聞記者は各界の偉人に櫻子のことを吹聴して回り、意図的に櫻子を人気の遊女として触れ回ったのです。
これは全て滋の指図で行われた妨害工作でした。
すると・・・
わずか数日のうちに”若葉屋の櫻城”という名前は世間で評判の遊女ということになり、
それに気を良くした店主は櫻子の身請け話をズルズルと引き延ばしたのです。
そんな中、異国の王子であるクロエという青年が金にものを言わせて櫻子を囲い込もうとしました。
自分の身も心も全ては明星さまのものだという気持ちの櫻子は、
泣く泣く我慢してクロエの相手をしていまして、
明星が自分を身請けしてくれる日を待っていました。
ただ・・・
クロエという青年はどこかまだ精神的に大人になりきれていない所があり、
櫻子を性的玩具として扱うことはせず、櫻子のことを異国に暮らす母親に見立てているふしがあった。
要するに甘えてきたのです。
そんな折、”髪結い師”に化けて若葉屋に潜り込んできた明星は、
今後の方針を櫻子に伝えて彼女をの心を安心させました。
明星の強い気持ちを知った櫻子は、幸せな気分で彼とひと時の甘い情事に浸るのです。
6話:明星の裏切り
明星が髪結いに返送して若葉屋に侵入したことが例の新聞記者にバレてしまい、
再び櫻子と明星のあいだに危機が訪れます(汗)
明星のした行為に腹を立てたクロエは、若葉屋で働くすべての遊女に裸踊りを見せろと無茶苦茶なことを言い出し、
そんなクロエの暴走を身を挺して止めさせた櫻子は、
以後…クロエ専属の遊女となって彼に尽くすこととなりました。
その後、なんとか機嫌を損ねずにクロエの相手を続けていた櫻子ですが、
ある時、櫻子はクロエから明星は自身の保身のために国外へ逃亡したと聞かされるのです(汗)
「うそだ…!」
クロエの言った言葉に反発しながらも泣き崩れる櫻子だった・・・
そして…
明星の裏切りは櫻子の心を完全に壊してしまいました(汗)
最終話:感動的なクライマックス
いよいよこの7話で最終話となります。
明星が国外へ逃亡したと聞かされた時から、一切の感情をなくしてしまった櫻子。
性の玩具として屍のような日々を過ごしていたのです。
そんな櫻子の様子を目の当たりにしたクロエは、櫻子に明星のことは忘れろと訴えますが、
明星との関係性が途絶えた今、櫻子は生きる目的を失ってしまったのです。
それでもクロエは櫻子に自分への愛を求めつづけるのですが、
「アナタのおもちゃはとっくに壊れているんです」
と…クロエの気持ちを一切受け入れようとはしませんでした。
そんなある日、
櫻子が誰かの希望により花魁道中を行うことになったのです。
”花魁道中”とは、美しく着飾った遊女が馴染みの客を迎えにゆく吉原独特の風習です。
そして・・・
誰もがその馴染み客がクロエのことだと思っていたのですが、
なんと・・・
その客とは、国外逃亡したはずの明星だったのです!
一体なぜ・・・?
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『今宵、桜は蜜の色』の感想
正直、吉原遊郭を舞台にした愛憎劇という点においてはツッコミどころが満載な内容でしたが、
「全体的には面白い作品に仕上がっていると思います♪」
結果的に”吉原モノ”が大好きな まるしー に最後まで読ませたわけですから(汗)
櫻子の若葉屋での働き方や、滋と明星の関係性やらを細かく掘り下げてゆくと色んな疑問や矛盾点が浮かび上がってきますが、
そこは置いといて、
とにかく何不自由なく育ってきた華族のお嬢様が、
不幸にも遊郭に売られて見知らぬ酔客に弄ばれるというその悲劇的なドラマがちゃんと描けているかが重要なポイントで、
幸せの絶頂から不幸のどん底までの振れ幅が大きいほどこういう物語は面白くなります。
その点でこの『今宵、サクラは蜜の色』という作品はそこそこ上手にまとめられていたのではないでしょうか。
ただ・・・
櫻子が吉原の遊女としていろんな客の相手をしているシーンが描かれていなかったことは少し残念だ(汗)
「おそらく感動的なラストシーンをあまり汚れたものにしないための配慮だったのかな~?」
だがその結果・・・
最後まで櫻子は吉原遊郭の遊女らしくない存在のままでした(汗)
これが良かったのか悪かったのかは読んだ読者の人が決めることです。
その読者の一人として まるしー が感じたことは、
「あまりにも櫻子というヒロインを大事にし過ぎている感想を持ちました。」
もっと身も心もボロボロになった方が、ラストのエンディングでは感動できたのかなと・・・
「要するに櫻子の絶望がまだまだ甘っちょろいんです」
だからなのか、
あの感動的に演出したラストシーンにそこまで胸を打たれませんでした。
ただ単純に、
「よかったな~」
と…軽く思ったくらいで、あまり読後の余韻にも浸りませんでした。
もちろんいつものように3度は最初から読み返しましたが、
何度読み返したところで思う事は同じでしたね。
「もう少し櫻子を汚して欲しかった!」
それに尽きる。
だが・・・
これはあくまでもサイト主の まるしー が感じたストーリーへの感想なので、
この感じの描き方がちょうどいいと思ってらっしゃる読者さんもたくさんいると思います(汗)
「評判はいいわけですから♪」
ただ・・・
まるしー にはちょっとパンチが弱すぎたというだけのことです(汗)
あと…
”吉原遊郭”で使われる専門用語の解説をもう少し入れた方がより読者にストーリーの意図が伝わったと思います。
”吉原モノ”大好きな まるしー には分からない用語はありませんでしたが、
「突き出し」やら「床入り」「新造」など・・・
当たり前に知っている言葉の前提でセリフが書かれてましたけど、
一体なんのことかわからない読者さんは少なからず存在したと思います。
ちょっとページの隅にでも注釈を入れておけば、一時中断してスマホでググらなくてすんだかもしれません(汗)
とにかく、全体的な まるしー の感想としては、読んで損はなかったという作品でした♪
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