美醜の大地【54話の解説・感想】最後の標的!

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『美醜の大地』

54話の解説と感想です♪

絢子と清二郎が披露宴を挙げる豪華な施設を見学している中、

ハナの御一行は着々と復讐劇の準備を進めていました。

最後の大仕事を目前に控えて、ハナの胸に去来する様々な思い。

弟の生きた痕跡を常に携えながら引き返せない修羅の道を歩むハナ。

そんな彼女の背中を見つめる深見の胸中は…?


53話の解説と感想はコチラ

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目次

【54話のあらすじ解説】最後の標的!

清二郎の父親が絢子と清二郎を伴って、二人が披露宴を挙げる予定の施設を見学している。

そこは海に面した最大800人を収容できる巨大な演芸場だった。

まるで自分が結婚するかのようにはしゃぐ清二郎の父親をよそに、

いつものごとく感情をどこかへ置き忘れて来たかのように無表情な絢子がぼんやりと海を眺めている。

そんな絢子に最大限の気を使って色々と話しかける清二郎ですが、

相変わらず絢子から帰って来る反応は実に味気ないもので、

会話というにはほど遠い二人の微妙な距離感だった。

だが…

絢子という女性のことを以前よりも深く理解した清二郎にとって、

彼女のそんな素っ気ないリアクションは織り込み済みである。

なので…まったく彼に動じる気配はなかった。

そんな中、極北新聞の記者として絢子と清二郎の披露宴を取材するという目的であの五十嵐がやってきた。

清二郎の父親は得意満面な様子で披露宴が行われる予定の演芸場を五十嵐に案内するのです。

五十嵐の動きもなかなか危険極まりない(汗)

「最後の標的よ」

その頃、絢子への襲撃に向けて着々と準備を整えているハナは、

この日、深見を伴って雑木林の道をある目的地に向かって歩いていました。

ゆっくりとハナと会話しながら二人きりで過ごす時間などはめったにない機会で、

深見はそんなハナとのちょっとした時間を少し嬉しそうに過ごしていたのですが、

ふいにハナが深見に見せたいつも大事そうに持っているペンダントの中身を見た瞬間、

彼女の背負っている深い悲しみと怒りを目の当たりにするのです。

ハナがいつも肌身離さずペンダントの中に入れて持っていたのは、

亡き弟の骨でした。

それを見た深見の表情が一瞬で険しくなり、ハナの並々なる決意の固さを改めて思い知らされるのです。

その時でした。

雑木林の突き当りまで来たハナは、前方の海に見える大きな施設をじっと見つめました。

そこには…絢子と清二郎が披露宴を挙げる例の演芸場が見えていたのです。

そして…

ハナは険しい表情で後方にいる深見に告げます。

「最後の標的よ」

青天の空の下、小樽の雄大で美しい海景色が二人の前方には広がっていた。

一方その頃…

負傷した鶴田を自動車の後部シートに乗せて、ドクター内田がハンドルを握り、

助手席にはいまだに鶴田を連れてきたことに不安げな菊乃が乗っていました。

彼らはやはりこのままハナが潜伏する小樽の隠れ家へ向かうつもりのようだ。

そして同じ頃、内田たちの会話を盗み聞きした加也は、弟の亡骸とともに、

内田たちとは別ルートで小樽へ向かっていました。

すると…

加也はその途中で思いがけない人物と遭遇するのです。

そう…もはや人の姿を失ったあの人物とだ。


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54話の感想

いつ見ても絢子と清二郎のやりとりにはヒヤヒヤさせられるものがある(汗)

どんなに絢子が清二郎に対して無関心な態度を取っていても、

清二郎はまったく意に介さない様子で絢子に様々なアプローチを仕掛けてゆきます。

でもいつも暖簾に腕押し状態だ。

もちろん絢子もそんな自分の不遜な態度を分かっての事なんだろうけど、

清二郎は全くといいほど自分に気持ちが向いていない絢子と一緒にいて辛くないのだろうか?

「彼の気持ちがいまだに絢子へ向いている理由って何だろう?」

もし…サイト主のまるしーが清二郎の立場だったらとっくに絢子とは別れていると思う。

だって…

絢子の魂はすでにこの世からいなくなっているような気がしてならない。

過去の人生が壮絶すぎて、とても通常の精神状態でこの先の人生を過ごせるとは思えないのです(汗)

恐らく絢子の人生は義母を殺した時点で終わっていたのではないでしょうか?

後は様々な死んだ人々の怨霊を背負った感情のない即身仏のような存在。

「この世の者であって、この世の者でない」

それが絢子。

だから…

もしかしたらハナの復讐を一番に待ち望んでいるのが絢子なのかもしれない。

ハナの手で地獄のような人生を終わらせてもらうことを心待ちにしている?

ハナに復讐されることが今の絢子にとって一番の希望であり地獄からの解放のように思えるのです。

ただ…

「それって、ハナにとってはすごく不本意なことなんだろうな~」

憎みぬいた相手への復讐がその相手を助けることになるのですから。

どこまで行ってもハナの人生は悲しくて辛いものだったということか?

もう誰でもいい。

「ハナの人生を救ってやってくれ」

>>>『美醜の大地』55話の解説と感想はコチラ♪

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