著者:みよしろ圭
『不遇なヴァイオリン弾きは殿下に見初められる 』
1話の解説と感想です♪
「あなたの奏でる音が好きだ!」
不幸な運命を背負った旅一座のヴァイオリニスト少女が、
「音楽の国」と名高い王国でイケメンな王子様に見初められた!
もしかすると奇跡が起きるかもしれない…!?
過酷で厳しい生活から脱出できるかもしれない!
まるで奴隷の如き扱いを受けながら虐待と屈辱の日々に耐え続けた名もなき天才ヴァイオリニスト少女は、
その呪われた人生に終止符を打つことが出来るのか?
ドン底人生からのサクセス・ラブストーリーに刮目せよ!
「読んでいるとついついヒロインの演奏するヴァイオリンの音色を実際に聞きたくなってくる♪」
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不遇なヴァイオリン弾きは殿下に見初められる【ネタバレ1話】強く心を打たれた演奏者!
音楽の国
幼い頃に両親が盗賊に襲われ殺されてしまった主人公の少女・レティシアは、
各国を渡り歩く旅一座の座長夫妻に引き取られて、
その後は親代わりの夫妻から奴隷のごとき酷い扱いを受けなが生活していました。
レティシアの父親がヴァイオリニストであったこともあって、
彼女は父親に手ほどきを受けたヴァイオリンの技術を活かし、父の形見であるヴァイオリンを使って、
まだ若いながらも劇団では重要なパートを任されている存在なのです。
ただ…
レティシアが身を寄せているその旅一座には絶対的な存在であるヴィオレッタという歌い手がいて、
彼女は”歌姫”と呼ばれて各国に熱狂的なファンがいるほどの人気者で、
レティシアは日頃からそのヴィオレッタと座長夫婦に酷い扱いを受けていたのです。
しかし…
両親を亡くして天涯孤独のレティシアとしては、
どんなに辛く厳しい環境でも耐えるしか生きてゆく術がなかったのです(汗)
そんな中、レティシアの絶望的だった人生を大きく変える出来事が起こります。
それは…
”音楽の国”と呼ばれているムジーク王国で旅一座が演奏をすることになったことがきっかけでした。
強く心を打たれた演奏者
レティシアが所属する旅一座が演奏する機会に恵まれたムジーク王国とは、
国自体は小国ではあるものの、有名な音楽家たちが世界各国から集う音楽や芸術に造詣が深い国家として知られ、
一流の音楽家たちで構成されるムジーク王国の”王立音楽団”へ入団することは、
全ての音楽家たちが目指す頂きと言っても過言ではない場所だった。
そんな夢のある国の舞台で演奏することになった旅一座は、
みんな気合満々で王子たちが見守る中で自慢の演奏を行いました。
特にヴィオレッタはこの機会に王立音楽団へ引き抜かれようと必死の様相です。
やがて演奏が始まり、終演後は大きな拍手と共に観客が感動の渦に包まれました。
演奏は大成功だ♪
どうやら音楽をこよなく愛するムジーク王国の王子も旅一座の演奏には感激した様子で、
そして…観客の誰もが素晴らしい歌姫・ヴィオレッタの歌声に聴き惚れた思われていました。
しかし…
王子が強く心を打たれた演奏者は、そのヴィオレッタではなく・・・
分かりますよね?
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1話の感想
恐らくこの作品のテーマはど真ん中で王道系の恋愛サクセス・ストーリーになってゆくのでしょう。
実に設定としてわかりすい悲劇のヒロイン・レティシアがいて、
ヒロインを虐げる悪役ぜんとした親代わりの座長夫婦がおり、
レティシアが幸せになることは絶対に許せないとする超ヒール役のヴィオレッタが、
とくかくレティシアの幸せを邪魔しまくります。
そして最後に、これでもかというくらい素敵な王子様キャラのムジーク王国の王子様。
役者はほぼ揃った。
これで『アーティスト版シンデレラストーリー』の構成要件は整いました♪
あとはどのキャラをどう動かしてゆくかによって物語の面白さが変わってくる。
ちなみに1話の内容では、かなり主人公のレティシアが座長夫婦から虐げられているみたいですが、
主に彼女を直接罵倒したり暴力を振るっているのはこの夫婦の他に、
超ブラックな歌姫・ヴィオレッタがいるくらいで、
他の劇団員(音楽団員)たちは特にレティシアへの当たりは強くもないし、
彼女が奏でるヴァイオリンの音色が素晴らしいという認識をしている様子が伺えます。
なので…
確かにレティシアは悲惨で過酷な境遇にははあるけれども、
周りにいる皆から虐げられているわけではなく、
どちらかというと旅一座の座長夫婦とヴィオレッタの3人が、
他の団員全てに対して奴隷的な扱いをしているという感じのようです。
中でもヒール悪女約のヴィオレッタが分かりやすい極悪人で、
よりレティシアのヒロイン清純度をアップしてくれている立役者でございます。
なので…
「ヒール役としてかなり優秀です♪」
あとは…
世の中の現実を全く知らない頭の中がお花畑で構成されている平和ボケのイケメン王子様の存在です。
恐らくこれまでの人間関係においてまったく苦労したことがないのでしょう。
明らかに劇団員の中では人気も実力もナンバーワンであるヴィオレッタをないがしろにして、
劇団カースト最下位のレティシアを公衆の面前で褒め称えておりました。
しかも…皆がその光景を見守る中で、王立音楽団への引き抜きを仕掛けるという愚行まで働いた。
これはレティシアの立場からして迷惑なことでしかない。
「絶対に水面下で進めるべき話でしょう!」
ある意味でレティシアをより追い詰める黒幕はこの世間知らずな王子様なのです(汗)
まぁ~大体の王子様はこんなもんだろうけど、
今回はさすがに最初からエンジンがかかり過ぎだお花畑王子の所業でした。
分かりやすくレティシアのピンチだ!
あれではヴィオレッタに嫉妬の炎が燃え盛るのは必然の事です。
レティシアにとってはこれからが大変だぞ(汗)
王子様にはもうちょっとレティシアのことを慮った立ち振る舞いをして欲しかった。
彼女の演奏に感動したなら余計にね。
それと余談ですが…
本作に出てくる”旅一座”という表現方法がどうにも引っかかっているまるしーがいます。
音楽を生業にする移動音楽団の名称としては馴染みが薄い言葉ですよね。
日本にはこういう芝居ではない移動型の音楽団の呼称が他にないのだろうか?
サイト主のまるしーはどうも旅一座と聞くと大衆演劇を思い浮かべてしまいます(笑)
これはまるしーの教養のなさからくる感覚なのだとは思いますが、
どうしてもヴァイオリニストと旅一座のマッチングがしっくりこない(汗)
「すごく細かいことだけど…」
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