阿部定事件(ふたりの女)のネタバレ3話『透明なボディー』

「私は一体何をしているんだろう…?」

女は包丁でその肉片を2センチ角に切り刻んだ・・・


透明なボディーも恐ろしい意味!

『透明なボディー―愛犬家連続殺人事件―

3話の解説と感想です♪

阿部定事件~ふたりの女~】の3話目に収録されているこの作品は、

1993年に発生した『埼玉愛犬家連続殺人事件』をもとに描かれた実話モノのストーリーで、

当時、連日のようにマスコミを賑わしたこの事件は、のちに園子温監督によって『冷たい熱帯魚』という映画にまでなりました。

たしか俳優のでんでんさんが犯人役だったと思います♪

この『透明なボディー』は、安武わたるさん による脚色や、細かい部分の装飾はありますが、

全体的な筋書きは実話事件に沿って描かれている部分も数多く、

赤裸々に描かれた犯人たちのとても人間技とは思えない悪行の数々は、

読む人の心に大きな衝撃を与えると思います(汗)

「こんな人間が世の中にいるんだ!」

と、恐ろしくなる光景が物語の随所にちりばめられたおり、

人によっては読後にちょっと頭がポワ~ッとしちゃう方がいるかもしれないショッキングな内容でした(汗)

モデルになった埼玉愛犬家連続殺人事件とは?

1993年(平成5年)に日本の埼玉県熊谷市周辺で発生した殺人事件。

マスコミ報道が先行した事件であり、

被疑者の映像が連日映し出された上、完全犯罪を目論んだ残忍な結末が明らかになるなど異常性の高い事件であった。

>>>埼玉愛犬家連続殺人事件 Wikipediaより引用

「人ってここまで非道になれるものなのか?」

タイトルにある『透明なボディー』というのは、

殺した人間の死体を跡形もなく始末するという意味なんです。

肉や内臓は細かく切り刻んでトイレに流し、骨は全て焼尽くし、灰にして捨てる・・・

 

これで死体はキレイにこの世から無くなり、まさに”透明”ということになるのです(汗)

さらに恐ろしいことは、遺体が存在しないので殺人の証拠がなく犯人は逮捕されないのです!

業界では有名なペットショップ『アラスカケンネル』の舞台裏で繰り広げられた

悪魔の夫婦による恐ろしい惨劇の数々をリアルに描きだした秀作をこれから紹介してゆきます。

ちなみにこのお話は、『阿部定事件~ふたりの女~ の第3話に収録されているたストーリーです。

もし興味のある方はコチラでまず立ち読みしてください~♪

 

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阿部定事件(ふたりの女)のネタバレ3話『透明なボディー』

主人公は、浮気者の夫と離婚したばかりのまだ小さな息子を育てるシングルマザー風平 陽子(かざひら ようこ)25歳です。

ただ・・・

彼女の実家が資産家だったために、経済的には何不自由なく親の援助の元で幼い息子と悠々自適に生活していた陽子でした。

そんな中、10年以上飼っていた愛犬のジャッキーを老衰で亡くしてしまい、

憔悴した気分でいるところにある日、フラッと立ち寄ったペットショップで運命の出会いをしてしまうのです・・・

結婚

陽子が訪れたペットショップの名前は『アラスカケンネル』というお店で、

その店のオーナーは関口 一(せきぐち はじめ)と言う男でした。

彼はペット業界ではかなり名の知れた有名人で、

強面のルックスながらも、親切で優しい彼に惹かれた陽子は数回のデートを重ねやあとに関口とベットインしました。

すると…ベットの中で見た彼の背中には、ライオンの刺青が刻まれていたのです(汗)

関口のそんな恐ろしい背中を見て恐怖に身を縮める陽子でしたが、

「飼ってたライオンが死んで悲しくなって入れたんだけど・・・」

「痛くて途中でやめたんだ・・・」

と・・・弱々しく中途半端に入れられたライオンの入れ墨の説明をした関口の言葉を聞いて、

逆にそんな関口のことを愛おしく思ってしまった陽子は、

その後、親の大反対を押し切って関口と結婚する事になったのです。

なぜ…

この時の両親は激しく関口との結婚を反対したのか?

それは、二人の間に15歳も年の差がある上に、

関口はなんと6度も結婚と離婚を繰り返していたからなのです(汗)

確かにそんな曰くつきの中年男に大事な娘を嫁がせる親はいない。

だが・・・

それなのに陽子が関口と結婚できたのは、陽子の父が突然急死したからです。

気落ちした陽子の母親にはもう関口と娘の結婚を止める気力が残っていなかったというわけだ。

これで、陽子の不幸な人生が確定してしまったのです・・・

本性

関口との結婚生活は、ペットショップ『アラスカケンネル』の経営が好調で事業拡大していく過程ではまだ幸せでした。

さらに…関口との間に一人娘も産まれ、穏やかな生活がこのまま続くと思っていた陽子でしたが、

このあと関口がさらに事業を拡大してお店も大きくなっていったタイミングで、

徐々に関口が本当の正体を現し始めたのです(汗)

健全なイメージを前面に出した店舗経営の裏で、

関口は不正な手段に手を染めまくって莫大な利益を手にしており、

なんと…そこには暴力団との取引も含まれていたのです。

 

その時、店の経理も担当していた陽子がその事実に気付きそのことを関口に問い詰めると、

「やかましい!オレに逆らうな!」

と…いきなり陽子の頬を引っぱたいて恫喝してきたのです(汗)

今まで見たこともない関口の恐ろしい一面に触れた陽子は恐怖で凍えあがります。

関口は資産家の親を持つ陽子の財産を目当てに結婚したのです。

さらにこの後、関口が陽子の父親を殺していた事も判明して、

ようやく関口の本性が分かった陽子でしたが、

時すでに遅し。

もはやこの悪魔のような夫から逃げることはできませんでした・・・

共犯

バブルが崩壊し、世の中の景気が一変した頃、

不正の限りを尽くして栄華を極めた『アラスカケンネル』も多額の負債を抱えるようになりました。

すでに実家からの援助は望めなくなっていた陽子は、

なんとか店の経営を立て直そうと必死になって金策を考えていました。

そんな中、相変わらず不正な取引に手を染めていた関口は、

とうとう、ペットの無茶な販売が露呈して取引業者から怒鳴りこまれるハメに・・・

関口は、怒り狂う取引業者をなだめすかして接待に連れ出しますが、

なんと、その数時間後にはその取引業者の男性を殺害して帰ってきたのです!

「なんだかんだうるさいから殺してやったんだ・・・」

まったく悪びれたようすもなく普通に報告してきた関口に心底恐ろしさを感じた陽子は、

関口から命令されるままに死体の処理を手伝う事になるのだが・・・

ここからの展開が、人間とは思えない所業の連続で目を覆いたくなるシーンが続くんです(汗)

自分の愚かさゆえに親を殺され、

自らも凶悪犯罪者とされてしまった女の転落人生がここに完結します・・・

気になるこの後の結末はぜひ本編現物でお楽しみください~♪

 

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『透明なボディー』の感想

この物語のモデルになった『埼玉愛犬家連続殺人事件』が起こった時、

まだ、社会人として会社に勤めていたサイト主の まるし―は?

勤務先の会社にあるテレビで、ずっとこの事件を報じるワイドショーを見ていました。

毎日のように新しい情報が報じられて、日を追うごとに犯人たちの犯した悍ましい犯罪内容が明らかになっていったのです。

「ここまで人は残忍になれるものなのか?」

と、同僚たちとあれやこれや話してたのを今でもなんとなく覚えています。

あまりにもショッキングな事件だったので、この漫画を読んだ時、何の事件だったかすぐに分かりました。

当時は、犯人の夫婦どちらとも残忍な人間だというイメージだったのですが、

その真相はちょっと違ってたみたいですね(汗)

この作品は様々な事件調書をもとに描かれた作品だと思うので、

この物語に出てくる陽子の人間性は、実際の犯人である風間博子に近づけているのかな?

ちなみにこの事件を起こした夫婦には2009年に死刑判決が確定してるんです。

そのうち旦那の関根元の方は獄中死していて、

風間博子はまだ東京拘置所に収監されているそうです。

そして・・・

「あとは、死刑執行を待つだけの人生。」

彼女は今、拘置所の部屋で何を考えて毎日をすごしてるんだろう・・・

恐ろしさを通り越したとてもサイコな事件でした。

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『透明なボディー ―愛犬家連続殺人事件―は、

阿部定事件~ふたりの女~』の収録作で、

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