著者：上野りゅうじん
『あなたの妻じゃなくていいから～謝罪する夫を許せますか？～ 』
1話の解説と感想です♪
今振り返えってみると結婚式の日が幸せのピークだった…。
何でも言い合える夫婦でいようと言ってくれたイケメンの優しい夫は、
結婚して2年も経つと違う意味で妻の私に何でも言うようになった。
「尻がゾウみたいだぞ！」
「また太ったんじゃないのか？」
「そんなにデブるのは結婚詐欺だよ！」
これが神父の前で、病める時も健やかなる時も…とつづく誓いの言葉に、
「はい誓います」と神妙な顔つきで永遠の愛を誓った夫の言動であろうか…？
新婚後のわずか2年で激太りしてしまった主人公の妻・凛（りん）は、
忸怩たる思いで夫の口から毎日のように放たれる罵声にメンタルを傷つけられていました。
夫婦って何だろう？
妻の存在って何だろう…？
この時の凛は、まだ夫との荒んだ夫婦関係は修復可能だと思っていました…。
「結婚してわずか2年目たらずのうちに激太りした主人公の妻が、一念発起して肉体改造に取り組むことを決めたわけですが・・・」
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あなたの妻じゃなくていいから【ネタバレ1話】新婚2年目の激太り！
新婚2年目の激太り
主人公の・桐野 凛（きりのりん）は、恋愛結婚で結ばれたイケメンの夫・賢也（けんや）と、
新婚生活を始めて2年目を迎えた31歳の悩める専業主婦です。
なにが悩みかというと、この2年の間で激太りしてしまった体型のことです。
特に不摂生した生活を送っていたわけではないのですが、
結婚前から比べて見る影もないほど醜い体になってしまったのです（汗）
最近では食事にも気を付けてダイエットにも励んでいるのですが、思うように体重は落ちてはくれません（汗）
そんな中でもっとも凜が気に病んでいることは、夫・賢也からの心無い誹謗中傷でした。
結婚後もイケメンで体型がスリムなままの賢也は、醜く太ってしまった凜のことが許せないのか、
事あるごとに凜の激太りを弄っては、凜を悲しい気持ちにさせていたのです。
賢也の凜に対するデブ批判は日を追うごとにエスカレートしてきて、
最近では、「そんなにデブるなんて結婚詐欺だよ！」と…自分の妻を犯罪者扱いする始末だ。
さすがに賢也からの度重なるモラハラ発言にたまりかねた凜は、ダイエット目的も兼ねてパートに出ようと決めた。
そんな凜の決意にも依然として冷ややかな態度の賢也がいました。
悲しいかな新婚2年目の激太りは、夫婦の関係に大きな亀裂を生んでしまったのです（汗）
サレ妻
凜がパートに出ることを決めた日曜日のその日。
賢也は上司の家で宴会があると言って昼間から一人で出かけて行きました。
賢也は事前に凜には報告済みだと言っていたが、凜は全く聞いた覚えがありませんでした。
昔からファッションセンスがゼロの賢也は、私服を着る時にいつも凜にコーディネートをさせている。
この日も賢也のために上司の家を訪問するに当たって失礼にならない洋服をチョイスして賢也を送り出しました。
だが…
その数十分後、賢也がたどり着いたのは先は、浮気相手である理恵子（りえこ）が住むマンションでした。
憐れなことに凜はこれから浮気に向かう夫のファッションコーディネートをさせられていたのです（汗）
その頃、なにも知らない凛は家で夫が上司の家族と食事を楽しんでいる光景を思い浮かべていた。
もはや彼女は見事なまでの”サレ妻”状態だ！
凜が太り過ぎて結婚指輪が入らなくなったことを理由に自らも結婚指輪をしなくなった賢也。
浮気するにはもってこいだ。
家では妻にモラハラ三昧で、外では若い女と浮気している賢也。
凜は今そんなクズ夫に再び女性として見てもらいたいがためにダイエットに勤しんでいるわけだ。
読んでいてはらわたが煮えくり返る1話の内容でございました（汗）
でも…決してこのまま賢也のやりたい放題な生活が続くはずがない！
せめてそう思いながら今は静かに凛を見守ろう・・・
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1話の感想まとめ
いつものエッセイ風なストーリー構成や絵のタッチではなく、
ガチリアルなヒューマンドラマになっている上野りゅうじん 先生の新連載はかなり貴重です♪
さらに肝心の内容ですが…
今作でもまた女性視点から読むとグサグサ胸に刺さる夫婦崩壊ドキュメント・ドラマでございました。
DVとはいかないまでも、結婚後に太ってしまった妻を心無い言葉で罵るクズ夫。
惚れた弱みと激太りした後ろめたさなのか、自分を罵倒する夫に強く出れない妻のモヤモヤする言動と言動。
そんな生々しい夫婦生活の光景がズキズキと胸に刺さります。
本作に登場する夫の賢也みたいな家庭の中で横暴な自分中心タイプの旦那さんはまだまだ多い。
「妻に対する言動が酷すぎます（汗）」
本人的にはそこまで凛の心を傷つけているという自覚がないのでしょう。
でも…ことあるごとに女性が容姿のことで弄られる辛さは相当なストレスになっていることは間違いないのです。
恐らくそれは男性も同じだと思うんだけど、賢也みたいに昔からイケメンでスタイルの良い男性は、
肉体的にコンプレックスを持った人間の気持ちがまったく分からないのでしょう。
二人が出会った頃の賢也はすごく紳士的で心優しい男性だったのに…（汗）
あの態度は女性を落とす時にだけ発動する立ち振る舞いだったのだろうか？
そうなると賢也は完全に釣った魚にはエサをやらないタイプの人間ということだ。
「ちゃっかり浮気までしてましたしね！」
ただ…ちょっと笑っちゃうのが、賢也にまったくオシャレのセンスがない所です（笑）
こういう細かい賢也の特性って直接ストーリーに関係なさそうな部分なので、
もしかすると上野先生の経験談から追加された設定なのだろうか？
細かい部分だけどすごくリアリティがあって面白い部分です。
こういう小技が効いたエピソードが各所に散りばめられているのが上野作品の真骨頂であり、
サイト主のまるしーが大好きなところの一つなのです♪
あと…ストーリー的に夫婦の崩壊劇を描いているんだけども、
不自然なほど夫が悪党なキャラすぎないバランスのとり方が絶妙です。
とかく夫婦のドロ沼愛憎劇に登場する有責配偶者の夫は、
さすがにここまで酷いことをしないだろうという辻褄の合わない行動をとる場合が多いのですが、
上野先生の作品に登場する問題のある夫は、いかにも身近に存在しそうないいさじ加減のクズ夫なのです。
こういう感覚ってすごく大事だと思う。
あまりに現実とかけ離れた酷い夫だと、あまりストーリーに入り込めませんから…（汗）
結婚前はすごくスタイルも良くて美人だった妻が見る影もないほど激太りしたことが気に入らない賢也。
ある意味でそれは理解できる賢也の落胆した気持ちです。
そんな夫たちは世の中にたくさん存在するだろう。
ただ…本作を読んだ限りでは、決して凛が自堕落な生活をしていて太ったとは考えにくく、
彼女も自分の体型が変化していることを気にして食事や生活習慣にも気を使っていました。
独身時代は恐らくOLとして働いていて専業主婦になった凜は、
明らかに結婚後にライフスタイルが大きく変化したことで太ってしまったんだと思います。
人それぞれの体質もありますし。
そんな奥さんに対して夫は罵倒するかダイエットに協力するかで妻のメンタルに大きな違いが出てきます。
本作の賢也は妻を攻撃して罵るタイプの旦那さんでした。
「ファッションセンスもないくせに！」
でも…そんな自分を貶めるようなことしか言わないクズ夫の賢也に、
妻の凛はまだ綺麗に見られたいとか、大事にされたいとか思っているわけです。
その感覚がまるしーのモヤっとする感情を刺激するのです（汗）
もし…凜がダイエットに成功して賢也が女性として扱ってくれたら、
それで夫婦関係はOKなのだろうか？
「凜はそれでいいの？」
賢也は太ってしまった凛に対して”結婚詐欺”とまで言い放った旦那さんですよ。
例え激太りしてしまった後ろめたさがあるとはいえ、ちょっと賢也に対して卑屈になり過ぎだと思います。
しかも…
凜は賢也に対して「根はやさしい人だから」というすごく危険な思い込みをしている。
これはよく男性からくDVを受けている女性が口にする最悪な言葉です。
だって…
「根が優しい人は決して大切な人を悪くもないのに罵ったりしない。」
まずその間違った賢也に対する認識を変えなければいつまでたっても夫婦の力関係は変わりません。
今回の1話は専業主婦のまるしーからするとムカムカとモヤモヤが募るシーンの連続でした（汗）
この先に待っている凜の自立と復讐を期待してここは我慢のしどころです。
「頑張れ～凜ちゃん♪」
＞＞＞『あなたの妻じゃなくていいから』2話の解説と感想はコチラ♪
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