タルの闇はこれほどまでに深かった!
自分だけが楽になりたかった6人の男女に
タルの怒りに任せた無情な復讐劇が始まる…
『あのなつ。』
4巻の解説と感想です♪
時空を超えた淡いラブミステリーが、
ドロドロとした人間ドラマに形を変えてきた…
4巻は、もう~何が何だかわからなくなってきた~
繰り返すタイムスリップに変わり続ける7人の未来!
結局のところ誰がどういう結末を迎えるの?
前回までは…
10年前…
あの夏の事故でタルは植物状態となってしまう。
その後、タルが眠る病室にみんなが見舞いにやってきて、
なんと・・・
それぞれが思い思いに懺悔を始めた…
そして・・・
彼らは全員自分に小さな嘘をついていた事を知る。
一人一人の嘘は些細なものだったけど、その嘘が積み重なって今の自分の状況が生まれた。
自分がそうして今、この病室にいるのかをみんなの告白でその真実を知ったタルはその後、
身体は回復しないまま地獄のような日々を過ごす。
そんな中、最後にタルを打ちのめしたのは大好きだったたまきだった・・・
4巻の見どころは?
ハッキリした意識の中、身体は全く動かないタル。
みんな自分に意識がある事に気づいていない。
{もうやめてくれ!}
{そんな話、もう聞きたくない。}
{言わないでくれ、たまき。}
タルは動かない身体の内側でハッキリした意識の中そう叫び続けていた。
しかし・・・
無情にもたまきの懺悔が始まった…
「私…タルにずっと謝りたかった事があるの…」
たまきの懺悔した嘘はまたしても些細なものだったが、
それは、タルが一番聞きたくなかった言葉だった。
そう・・・
最終的にタルを残酷な復讐者に変貌させたのはたまき。
ココまで来て、
友達も、親友も、好きな人もみんな嘘つきだったことを知った。
{みんな自分がもう目を覚まさないと思っている。}
だから・・・
自分自身がスッキリするために、楽になりたいがために懺悔を始めた。
身動きひとつ取れない孤独な暗闇の中…
ずっと自分が植物人間状態になった経緯を聞かされ続けている。
{そんな話はもうたくさんだ!}
今、タルが望んでいるのは…
{早く楽にしてくれ・・・}
という人生のエンディングだけだった…そう…
あの時までは…
とまぁ…こんな感じで待望の4巻が始まるんですが、
今回読んでビックリしたのが、タイムスリップの乱発性だ。
結局、何度もタイムスリップを繰り返してしまう7人の人生。
しかも、タイムスリップのたびにそれぞれの未来が変わってゆく…
一体、どこに結末があるのか分からなくなってくる。
彼らの運命はどうなっちゃうんだろう~?
なので4巻の見どころとしては、
『タルの怒り、そして7人の未来は?』という部分かな~
ついに、自分の正体をみんなに明かしたタルは、
その後、人が変わったように残虐な人格になって、みんなに復讐してゆくんです。
そして、そんなタルの復讐劇で最大の犠牲となったのは、親友の拓海でした。
ファンタジーなタイムスリップロマンスなお話から、
ドロドロとした男と女の愛憎劇に覚醒し始めた『あのなつ』。
これから一体どんな展開に発展していくのかが全く想像もつかない4巻でした~
3巻の解説と感想はコチラ♪
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あのなつ。【ネタバレ4巻】タルの怒り、そして7人の未来は?
タルが事故に合って、植物状態となってから10年の歳月が流れた。
そんなある日、タルの容態が急激に変化して、
いよいよ最後の時を迎えようとしていた…
その時、
タルが入院する病院に駆け付けてきたのは拓海一人だった・・・
自分の心臓が今にも止まりそうになっているその時、
ハッキリとした意識の中、タルは暗闇の中で絶望感に打ちひしがれ、今もなおもがき続けていた・・・
{俺はもう終わりなのか…?}
{俺の人生って一体何だったんだ…}
{この苦しみだけを抱えて俺だけが死んでゆくのか・・・}
薄れゆく意識の中、タルがこの世で最後につぶやいた言葉は、
{俺はおまえらを 許さない!}
という激しい怨念の言葉だった…
タルの復讐劇が始まる
病室のベットで意識が無くなると同時に10年前へとタイムスリップしていたタル。
そして、彼はすぐにその状況を理解して、こうつぶやいた。
{神様は、残酷なのか、慈悲深いのか…}
タルはひとしきり涙を流した後、自分をあんな目にあわせた6人の仲間たちへの復讐を開始した。
ココから先の展開が1巻から3巻までのストーリーになってるんです。
だから問題は、その後、
校舎の屋上から、6人を中傷するビラをまいた後、たまきとタルは二人っきりで話をすることになる。
そして、今までのメールや中傷ビラは全部自分がした事だとたまきに打ち明けた。
薄々感ずいていたたまきがどうしてこんな事をしたのか理由を尋ねると、
タルは、今まで抑えていたみんなへの感情をぶちまけ始めた…
すると・・・
タルの激しい怒りを知って、謝るたまきを嘲笑いながら残酷な言葉を投げつけてる。
そして、彼の怒りは収まらずにどんどんとたまきを追い詰めていった…
元の時代へ…
校舎の屋上でタルに追いつめられてゆくたたまき。
自分たちのついた嘘のせいでタルが残酷な人生を送る事になってしまった・・・
タルから出てくる恨みに満ちた言葉を聞いていたたまきは段々と息苦しくなってくる。
{く…苦しい…}
{た…助けて…}
薄れゆく意識の中、いつしかそう叫んでいたたまき。
そのままたまきの意識が無くなった…
そして・・・
次に彼女が目を覚ましたのは、タイムスリップ前の10年後の世界だった…
職場で、目覚めたたまきは、27歳の自分に戻っている事に安心するとともに、
一体アレは何だったんだろう?
と、今まで自分に起こっていた不思議な現象は、全部夢の中だったのかと思い始めた時、
テーブルに置いたたまきの携帯が鳴る。
なんと、その相手は優華だった…
そして・・・
たまきは彼女との会話で、夢だと思っていたタイムスリップが現実のモノだという事を思い知らされる。
2度目のタイムスリップへ
たまきと優華がカフェでおち会って話しをすると、
タイムスリップ前とは未来が変わってしまっている事を優華から聞かされたたまき。
まだ、優華としか会っていないたまきはみんなの未来がどう変わったのかをまったく知らなかった。
一人、一人の今を優華から教えてもらうたまき。
まず、優華の変化にはビックだった!
そして、他の5人も全て未来は変わっていたが、
中でもタルと拓海。この二人の未来は大きく天国と地獄が入れ替わっていた。
今の世では、元気に生活しているタル。
しかしその反対に拓海は病院にいた!
優華から聞くと慌てて拓海のもとへ駆け付けたたまき。
すると、病院には変わり果てた拓海の姿が・・・
なんと…そこにタルもやって来た。
その後…
みんなに恨みを持ったまま未来へやって来たタルと6人の仲間たちは、
たまき以外はみんなタイムスリップ以前と以後では劇的に状況が変わっていた。
そんな中、再びあの運命の日がやってくる。
そう・・・
あの日、6人の仲間たちがタイムスリップした同窓会の日。
少し違うのは、今回、拓海の代わりにタルが出席している。
そしてこの後・・・
それぞれ様々な事情を抱えたまま7人は2度目のタイムスリップへ突入してゆく・・・
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4巻の感想
なんだかドロドロとした愛憎劇の様相に変わって来た『あのなつ。』
巻が進むにつれて段々と面白くなってきた本作何ですが、
この4巻でそんな展開もまた急激に変化しました~
なんてったってタルの心の闇がとにかく深い!
もう、仲間6人に対する怨念が積り積ってる感じで、ちょっとやそっとじゃ収まらない様子だ!
確かにあのタルの状況じゃみんなへの憎悪を膨らませる事しかやる事がなかったかもしれない。
まるし―だってたぶんタルと同じ立場ならああなってるだろうな~
あと・・・
やっぱりそうなったか~と思った無限ループのパターン!
この漫画もそっちの方向へ進んだんだな。
物語をいじくり回すなら何回もタイムスリップさせるのが一番早いですもんね。
ただ・・・
この方法を取ると一体どこでオチを着けるのかが重要なポイントとなりますよね!
今の流れからすると誰かが不幸を背負う形になってるから、
その全てを丸く収めて、ハッピーエンドで完結するのか?
それとも、作者に結論を預けて、意味深な結末で終わるのか?
それってミステリーやサスペンスではよくある終わり方だけど、
まるし―としては、ちゃんと誰かが悲しい結末を迎えてエンディングにして欲しいかな~?
だってココまで、色んな風呂敷を広げてしまったんだから、みんなが幸せのハッピーエンドなんてありえない。
なんかグッとエッジの効いた結末を期待したいな~
ただ・・・
今回でちょっと気になったことは、太一と優華のことです。
未来へ戻って来た後に、二人は結婚してる事になってるんだけど、
もともと優華が産んだ息子はそのまま二人の子供として戸籍にも記載されてるという部分だ。
と言う事は顔もまったく似てない子供が太一の実子として登録されてるという事ですよね。
そこんところがなんか強引な感じがしました。
まるしーとしては一旦、子供の存在を失くした方がしっくりくる感じがした。
まぁでも、これからあと何回タイムスリップするか分からないのでこの二人の関係も次にどうなってるかは分からない。
大体の伏線は回収されたので後はどうオチに持ってゆくのか?
チカ先生の手腕に大きな期待を寄せているまるしーなのです。
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