悲惨な生い立ちから野犬のように這いずり回っていた過去。
そして今…
彼は自分と境遇が似た人間を救うべく這いずり回っている・・・
『美醜の大地』
51話の解説と感想です♪
これまでハナの復讐劇を陰からアシストしてきた鶴田の壮絶な過去が明らかに!
目に映るモノ全てに噛みついていた彼が憎むべき相手を知った時、
せめてこれからは人間らしく生きたいと望んだ・・・
51話の見どころ
森哉との闘いで瀕死の重傷を負った鶴田ですが、
今回のエピソードはそんな彼の壮絶な生い立ちが描かれている内容です。
これまでハナの復讐劇を陰からずっと支えてきた鶴田という反社会的なオーラを放つこの男は何者なのか?
とてもまっとうな人生を歩んできた人間には見えないが、
「そんな彼がどうしてハナの復讐劇にここまで体を張って協力しているのか?」
今回紹介する51話の見どころは、そんな鶴田のベールに包まれる波乱に満ちた過去です。
かなりの悪党だとは知りつつも、どこか人間味のあるキャラクターであった鶴田という男。
サイト主のまるしーは野蛮な無法者は大嫌いですが、
この鶴田は粗暴で口は悪いですが、どこか人としての温もりを感じさせるヒールでした。
今回、彼のたどってきた悲しい生い立ちを知って、鶴田の中からにじみ出てくる優しさの理由が分かりました。
あと・・・
大きな変化と言えば、あの姉弟のその後です。
こちらも瀕死の状態で見つかった森哉の容態ですが、
「加也は森哉を死の淵から救い出すことができたのだろうか?」
結果…似た者同士である鶴田と森哉の運命は大きく分かれることとなりました・・・
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美醜の大地【ネタバレ51話】鶴田という男の過去と現在!
鶴田という男の過去と現在!
鶴田が森哉との死闘を繰り広げて瀕死の重傷を負ったことを全く知らないハナと深見が小樽駅に到着しました。
すると…
2人を迎えたのは鶴田から指示を受けていた五十嵐でした。
鶴田の知り合いとはいえ初めて会う五十嵐に強い警戒心を抱く深見だった・・・
一方・・・
ハナと深見の後を追いかけてすぐに小樽へとやって来るはずだった鶴田は、
その時、内田医院のベットで生死の境を彷徨っていました(汗)
眠っている彼が生死の境で見ていたのは幼き頃の自分の姿であった。
博打の末にケンカで命を落とした父親と、幼い鶴田を捨てて男と駆け落ちした母親。
幼い彼はたった一人で路傍に放り出されたのです。
数年後…
なんとか生きながらえて成長した彼は世の中の全てに牙を剥き、荒れ放題に荒れまくりました。
やがて戦争が始まり、彼も戦地へと向かったが無事に生きのびて帰ってきた。
敗戦して焼け野原となった日本に帰って来て彼は何を思ったか・・・
「自分はこれまで何に怒りを覚え牙を剥いてきたのか?」
それはケンカで死んだバカな父親にでもなく、自分を捨てて姿を消したクズな母親でもなかった。
何も持たず何も変えることのできない無力な自分にずっと腹を立てていたことが分かったのです。
その日から鶴田の心は変わりました。
自分のような境遇にいる人間に手を貸すことで、なんの意味もないと絶望していた人生に色を付けていったのです。
ハナの復讐劇に協力しているのもハナが人間らしく生きる場所を見つけてやりたいと思ったからです。
彼がハナに協力しているのは、決して彼女に復讐させたいからではなかったのです。
これが鶴田という男の過去と現在である。
そして・・・
鶴田が長い人生の走馬灯らしき映像を見終わったあと、おもむろに目を覚ましました。
息を吹き返したのです。
そのとき彼の目に映ったのは心配そうに自分を見つている綿貫と菊乃の姿だった。
今の鶴田にはたくさんの仲間がいる。
弟の亡骸
鶴田が内田医院で奇跡の生還を果たしたちょうどその頃、
人里離れた一軒の古い民家では、息絶えた弟の亡骸を抱きしめて悲しみに暮れる加也の姿があった。
加也はすでに亡骸となった森哉に切々と語りかけます。
幼い頃からたった二人でこの世の地獄を這いずり回って生きてきた加也と森哉。
殺し屋という職業なのだからいつどちらが死んでしまっても不思議ではない立場である。
そんなことは重々承知しているはずだった加也であるが、
さすがに弟がいなくなった時の覚悟までは出来ていなかった(汗)
{自分の魂が半分が欠けてしまった!}
何度も森哉の名前を呼びながら泣き叫ぶ加也の姿が実に痛々しい。
そして・・・
ひとしきり涙を流し終わったあと、加也は森哉の唇に自分の唇をそっと重ねると、
おもむろに森哉の腹部に刺さったままだったナイフを抜き取り、
そのナイフの刃先を森哉の首元につき刺した・・・
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51話の感想
人情派の極道・鶴田の生い立ちは想像していた通りのものでした。
時代が時代ですから彼も戦時中は兵役に駆り出されていたんですね。
「恐らく特攻隊としてその出撃命令を待っていたのかな?」
ただ・・・
命なんていつ無くなってもかまわないと思っている人間ほどその時はこない(汗)
当時…
「敗戦して焼け野原になった日本と鶴田の心は同じような状態だったんだろうな~」
ただ・・・
今回、鶴田の生い立ちを知った限りでは、確かに彼はちゃんと働いてはいないようでしたけど、
どこかのヤクザ組織に入っていたという形跡もありませんでした。
確かに鶴田はまっとうな人生を歩んできた人間ではないけれど、
決して罪もない人間を傷つけてお金儲けをしている人間ではないことが分かりました。
さらに・・・
「ハナに対する想いの一端も垣間見れましたね♪」
彼は自分と同じように苦しんでいるハナに、なんとか新しい人生へと導こうとしているのです。
彼女が人間らしく生きられる場所へ連れてゆきたいと思っている。
「人は悲しみが多いほど、人には優しくできる」
過去にそんな歌詞の有名なヒット曲がありましたが、まさにその通りなのかもしれない。
あと・・・
「加也と森哉のシーンは非常に痛々しい光景でした(汗)」
森哉の仕事が殺し屋なんだからある意味で来るべくして来た最後なんだろうけど、
この世でたった一人しかいない肉親を亡くした人間の気持ちに職業は関係ない。
加也もまたこれでハナと同じような悲しみと憎しみを持ってしまったわけです。
結果・・・
「復讐の連鎖は止まらない。」
やはり、恨みは人を決して幸せにはしてくれない。
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