著者:我妻幸
『血を這う亡国の王女』
2話の解説と感想です♪
ハリ王国の第三王子・マルセルからハリ国王族の名簿を手に入れたエビータは、
マルセルに残虐な拷問を与えた上であっさりとは殺さずそのまま拘束を続けた。
ハリ王国の色町・サンミサにはいつもと変わらない平穏で地獄の時間が流れている。
そんなある日のこと、
エビータ(プリシラ)がいる娼館に一人の流浪者がやって来ました。
このあと、サンミサで一番の娼婦・プリシラは彼に買われることになるのですが、
もしかするとその男は今後もプリシラと長い付き合いになる人物なのかもしれません。
「娼婦として抱かれながらも、初めて安らぎを感じたプリシラが女の顔を見せた相手とは…?」
1話の解説と感想はコチラ♪
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血を這う亡国の王女【ネタバレ2話】最後にプリシアを抱きに来た男!
この金で相手をしてくれ!
マルセルからハリ王国の王族名簿を手に入れたプリシラ(エビータ)は、
壮絶な拷問で苦痛を与えたマルセルを殺さずにそのまま監禁し続けることにしました。
あっさりと殺してはもったいないので、彼にもっともっと地獄を見せたいがためです。
これも復讐メニューの一つだ。
そんなある日のことです。
プリシラがいる娼館に流浪の男がサンミサで一番の娼婦であるプリシラを買いたいとやって来た。
見た感じがいかにも”浮浪者”といった身なりのみすぼらしいその男を店の護衛は門前払いしたのですが、
なかなか引き下がる様子がなく、
あまり騒ぎが大きくなることを恐れたプリシラが直接その男に応対すると、
なんと…いかにも浮浪者であるその身なりの男は、
金貨20枚が入った革袋をプリシラに差し出し、
「この金で相手をしてくれ!」と言ってきたのです。
いくらプリシラがサンミサでナンバーワンの娼婦と言えど、彼女の代金は金貨1枚であり、
プリシラはすんなりと素性のしれない流浪の男を客として迎え入れました。
ジエゴと名乗ったその男は、最初からどこか色町に来るような男たちと雰囲気が違っていた。
ことが始まるとプリシラには娼婦としてのサービスを求めず、
まるで愛しい女性を抱くかのように優しく、そして情熱的にプリシラと体を重ねたのだ。
これにはプリシラも驚きを隠せない。
今まで自分を買った客からそんなに優しく抱かれたことがなかった彼女の頬がつい赤くなる。
その後…ジエゴはプリシラの温かい肉体に癒されて最後まで紳士的に果てた。
プリシラはこの流浪な客にある種の好感を抱いたことは間違いないだろう。
最後にプリシアを抱きに来た男!
ジエゴが娼館から帰る時が来た。
プリシラは最後まで紳士的だった彼を娼館の外まで付き添って見送りました。
そして過分に渡された金貨を返そうとしたのですが、
ジエゴはそれを断りました。
別れ際、その金は兵士として稼いだものだと言って彼は去って行ったのです。
ジエゴはプリシラが嫌いな人種である兵士だったようだ。
このあと彼を見送ったプリシラが娼館に戻ろうと足を進めた時に事件が起こります。
なんと…暴漢二人がプリシラを襲ってきたのです(汗)
もちろんプリシラみたいに有名な娼婦が一人でサンミサを歩いていたらこうなる可能性は高い。
だが…すぐさま先ほど別れたジエゴが助けに来てプリシラは事なきを得ます。
ジエゴに助けてもらったお礼を言ったプリシアは、
どうしてジエゴのようにまともな男性がサンミサなどに女を買いに来たのかを尋ねました。
すると…
彼は兵士としての生き方に絶望して自ら命を絶とうと考えていたことを告白した。
そう…彼は、
人生の最後にプリシラを抱きに来た男だったのです!
そこからジエゴの中に渦巻く兵士として生きてきた激しい後悔の念と苦悩を聞いたプリシラは、
娼婦の時とは全く違う感情的な表情と言葉でジエゴを叱咤激励した上で、
二度とサンミサには近づかないよう忠告するのです。
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2話の感想
今回の2話では、全37ページ中のほとんどがエビータ(プリシラ)とジエゴを描いたエピソードで終わりました。
たかが1度だけ娼館に女を買いに来た元兵士の男をそこまでクローズアップさせて描くだろうか?
それに加えてジエゴはめちゃめちゃ”イケメン”であり、
これまでにない優しい心を持った男性でありながら、おまけに兵士としてのスキルはかなり高い。
それに、娼婦として幾人もの男から抱かれてきて、その行為に対しては苦痛でしかなかったプリシラが、
ジエゴに抱かれている時だけは、どこか生身の女性として彼に抱かれているような様子が伺えました。
自分の母国と家族を滅ぼしたツールである兵士という人種が大嫌いなはずのプリシラがです。
さらにジエゴはそこから暴漢に襲われたプリシラを救い、
その後に二人が取り交わしたあの激しく熱い会話のやりとり。
そこまで見るとどうしてもジエゴがこの2話だけで消えるような人物ではないような気がしてしょうがない(汗)
恐らく彼はこの後の話でも物語に登場してくるに違いない。
そう願っているサイト主のまるしー。
なにしろマルセルからハリ王国の王族に関する名簿を手に入れたプリシラことエビータは、
これからその王族たちを一人づつ血祭りにあげていくわけですから、
今は喉から手が出るほど武力に長けた強靭な味方が必要なはずです。
そうなると兵士という仕事に絶望したジエゴはうってつけだ。
エビータたちをサンミサから救い出してその復讐の手伝いをする。
恐らくジエゴは先の侵略戦争でたくさんのバタリア国兵士や国民を殺戮してきたはずであり、
今はそんな殺人兵器としての人生に嫌気がさして死を考えているわけです。
もし…ジエゴがこれからも生きようとする気持ちになれるとすれば、
プリシラらがこれから行う復讐劇に手を貸すことだと考えるのはおかしくはない。
よって…この先恐らくジエゴはエビータたちの心強い仲間になってくれるはず。
それにジエゴは本編で登場した唯一のイケメン君だから、
どうしてもこのままフェイドアウトさせるのは惜しい存在なのです(汗)
さすがにエビータとジエゴが恋人関係になる未来までは想像しがたいですが、
彼がエビータの強力なサポーターになる可能性は高いと思うのです。
「どうなんだろう?」
この2話だけの登場で終わりなのでしょうか?
それならそれで信じられないくらい重厚なストーリーという事になる。
戦争と殺戮につかれた元兵士のエピソードを描くことで、
読者に戦争というもっとも愚かな行為をメッセージとして伝えたという事だ。
確かにジエゴが発せられるセリフの端々に戦争の悲惨さや虚しさ込められていました。
さらにエビータとジエゴの構図は戦争被害者と加害者のたちばである。
もし…著者の我妻 幸先生が反戦争という思想をもとにこの2話で何かを表現したかったのであれば、
それはそれですごく”熱いメッセージ”になったと思います。
戦争によって命を奪う方も奪われた方も共に傷ついているという事が良く伝わったエピソードだ。
この作品はものすごく面白いヒューマンサクセスな復讐劇であると共に、
色々と考えさせられることが多い、実はとても深い人間ドラマの一面がある。
「だからこそこんなに読み応えがあるのです。」
本当に面白い作品を読むとついつい感想が止まらなくなりますね(汗)
たかがベテラン主婦のまるしーが偉そうな事ばっかり言ってますが、
これだけウダウダと感想を書きたくなるほど本作が面白いってことで勘弁してください♪
今日はこの辺で・・・
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