著者:橘オレコ
『ホタルの嫁入り』
1話の解説と感想です♪
余命わずかな美しき令嬢と、冷酷無比で残忍な殺し屋!
本来なら交わることのない別世界で生きてきた二人の時間軸が絶望の淵で重なった。
将来に希望が持てない絶世の美女と、いつ死んでもおかしくない修羅の道をさまよう男が取り交わした契約。
まさか名家のご令嬢である自分がこれほど過酷な人生を選択せざる負えなくなるなんて…
お父様…ごめんなさい。
私は血に飢えた狼の婚約者として生きる道を選びます。
この物語は悪夢の中でやむなく生まれた美女と野獣の究極的な愛のカタチ。
「38ページの殺し屋が登場するシーンはとにかく必見です!」
「もはや恐怖を通り越して究極の絶望がそこにある。」
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ホタルの嫁入り【ネタバレ1話】九時になったらこの女を殺せ!
九時になったら殺せ!
時は混乱の明治時代。
名家に生まれながらも幼い頃から心臓に重い病を抱えた桐ケ谷紗都子(きりがやさとこ)16歳は、
医者から成人に達するまで生きられないだろうと言われていました。
美人で賢く名家の令嬢として全てがパーフェクトな紗都子を娶りたいと、
日頃からひっきりなしにあちこちの貴族から縁談を持ちかけられている紗都子ですが、
体に爆弾を抱えた紗都子の身を案じる父親は、その全ての申し出を丁重にお断りしていたのです。
時にこの紗都子には美和子(みわこ)という容姿はソコソコだができの悪い腹違いの妹がいて、
モテまくる姉への劣等感からか、いつも紗都子にウザいカラミをしては姉をイラつかせていました。
さらに幼い頃に実の母親を亡くして父が再婚した継母と紗都子の関係も最悪です(汗)
なので…桐ケ谷の家で紗都子を愛し守れるのは彼女の父親しかいなかった。
そんなある日のこと。
父親の誕生日プレゼントを買いに使用人の康太(こうた)を連れて町に出た紗都子は、
そこで数人の男たちに誘拐されてしまいました。
午後五時のことでした。
その後…紗都子は口や手足を縛られてどこかの牢獄に放り込まれました。
一体何が起こっているというのか…?
「九時になったらこの女を殺せ!」
どうやら紗都子を攫った男たちは金で雇われた野蛮で低能そうな賊グループようだ。
しばらくすると今まさに人を切ったばかりだと容易に想像できる着物が血まみれの男が現れ、
その男に賊のリーダーらしき人物は、
「九時になったらこの女を殺せ!」と指示を出してその場を去りました。
どうやら指示をうけた男は相当腕の立つ殺し屋のようで、名は後藤進平(ごとうしんぺい)という。
最初に彼が登場した時の絶望的な恐ろしさはとんでもなかった(汗)
まさに冷酷で残忍な血に飢えた野獣という感じで、
まるで人を殺すことに1ミリの恐怖も罪悪感もない氷のような目をしていたのです。
ただ…
この男こそが後に人生に絶望していた紗都子の運命を大きく変えることになるとは、
いま恐怖の絶頂の中にいる紗都子には想像することすらできなかったはずだ。
そして…
たった今から紗都子の過酷にして生きた心地がしない修羅の時間が続きます。
まずはボスのいない間に紗都子を凌辱しようとする賊の男たちから自分をどう守るか?
今の彼女には九時になったら自分を殺す役割を持つ後藤を味方につける必要があった。
さて…
絶体絶命のピンチに追い込まれた紗都子は、冷酷無比な殺し屋・後藤にどんな話を持ち掛けたのか?
手に汗握るとはまさにこのことだ。
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1話の感想
冒頭でも申し上げましたが、38ページの後藤進平が登場したシーンは衝撃でしたね(汗)
あのカットとアングルに後藤の冷酷かつ突き刺すような視線。
もしサイト主のまるしーが紗都子の立場だったとしたら、
あの瞬間で膀胱にたまったお小水が全て体内から放出されていたことでしょう(笑)
1話を読み終わった後でもしばらくあのシーンが頭から離れなかったくらい恐ろしくて衝撃のシーンでした。
「とにかく著者・オレコ先生の画力が凄まじいです!」
あと…
物語の時代背景が明治という日本のさまざま仕組みや生活様式が変わる混乱した世の中なのもいい。
明治時代大好きです♪
それに余命わずかな命と知りながらあくまでも慎ましやかに、そして凛とした自分を見失うことなく、
常に節度だって生きている紗都子のこれぞ”名家のご令嬢”という生き様もすばらしい。
ただ…ヒロインの紗都子は貞淑で美しく優雅な女性というわけではなく、
ポンコツで根性も歪みまくったバカの妹にちゃんと口で言い負かすメンタルの強さも持ち合わせているのです。
単に美しくて大人しい大和撫子の女性ではないところが最高で、
ちゃんと自分のことを守るための牙は持っているわけです。
「彼女の全てがどこかカッコイイ♪」
まるしーの予想ですが、たぶん殺し屋を使って紗都子の殺害を企てたのは義母ではないだろうか?
あの毒蛇のように底意地悪そうな義母ならはきっとそんなことも平気でするはずだ。
自分が生んだバカな娘が前妻の娘と比べてまったく歯が立たないから、
あとはこの世から消すしか方法がないとでも考えたのでしょう。
桐ケ谷家に紗都子がいる限り、容姿・中身・人格すべてに見劣りする美和子に嫁の貰い手はありません。
そう考えるとある意味で義母の判断は正しいのかもしれない。
完全に人として終わってるけど。
あの美和子がちゃんとした名家の夫人になれるとは思わないけど。
それもこれもあの義母の躾がすべておバカな妹を作り出したわけですが・・・(汗)
なんであんな娘思いの優しいお父さんがあんな蛇女みたいなクソ女と再婚しちゃったんだろう(汗)
恐らく亡くなった紗都子の母親はすごく素晴らしい女性だったはず。
そのショックが再婚相手の女性選びに影響してしまったんだきっと。
その失敗が今頃になってカワイイ愛娘の命を脅かす結果になってしまったわけだ。
なんとも皮肉な話だ。
こんなことを書いているがまだ殺し屋を雇った犯人が義母とは決まっていない(笑)
「あくまでもまるしーの想像だ。」
でもかなりあの義母は怪しいと思うな~
最後に…
情緒がヤバすぎる凄腕の殺し屋・後藤のことですが、
彼は完全に頭の線が何本か外れているメンヘラ男です(汗)
まるしーが里子ならメンタルが持たなくて九時に殺される結末を選ぶと思う。
単純に後藤みたいな意思の疎通やちゃんとした会話が成り立たない相手と一緒に過ごすのはしんどい。
どうせ余命が短いならいっそのこと苦しまずにバッサリ切ってもらいたいと思うだろうな~
ヘタレですし(汗)
その点やっぱり紗都子は凄いよ。
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