著者:橘オレコ
『ホタルの嫁入り』
6話の解説と感想です♪
紗都子が接客した新渡戸は予想外に真面目で誠実なお客さんでした。
どうして彼がどこの遊女屋からも出禁になっているかが分からないくらい紳士的で、
だから紗都子も緊張が解けて本来の自分を出すことができたし、
今日の遊女デビューの日が”身請け”の日となる勢いだったのです。
ただ…あまりにも紗都子と新渡戸が意気投合したおかげで、
何かあった時に紗都子を守るつもりだった進平のメンタルがヤバい!
そもそもメンヘラ気質を多分に持ち合わせている殺し屋の彼です。
このまますんなりと身請け作戦が成功するのかどうか…?
どうか今だけは邪魔をしないでくれと願いながら新渡戸との交流を深める紗都子ですが・・・
「新渡戸があまりにも穏やかで真面目そうな紳士だったもんだから紗都子も思わずその気になりそうで…(汗)」
5話の解説と感想はコチラです♪
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ホタルの嫁入り【ネタバレ6話】千載一遇のチャンス!
私が身請けしよう
天女島のほぼ全部の遊女屋で出禁扱いになっている新渡戸ですが、
実際に紗都子が接客したところでは、まったく想像していた”モンスター客”ではありませんでした。
それどころか実に穏やかで真面目そうな公務員タイプの紳士なのです。
言わばこれまでの人生で紗都子が関わって来たような人種なのです。
それに…
女性と会話するのが苦手なのか、彼はろくに紗都子と目を合わそうとしない。
そんな朴訥とした部分も好感が持てる。
{彼なら私にも攻略できるかもしれない!}
紗都子の気持ちは最初の頃と比べてかなり軽くなった。
しかしである。
よく考えると紗都子も今までの人生では異性と会話したことなどほとんどなかったのです。
お互いにわずかな言葉のやり取りが終わるとすぐに沈黙が続いてばかりだ(汗)
このままではいけない!
だけど…やがて時間が経つにつれて、ようやく二人のぎこちない雰囲気も和らぎ始め、
新渡戸からの
「どうして遊女屋なんかで働いているの?」という質問がきっかけとなって、
二人の間にあった心の距離感が一気に縮まり始めたのです。
そこで紗都子は新渡戸を常識的で誠実な人物だと判断し、
警視総監の息子というその重みのある立場にすがってみようと考え、
これまでの経緯を洗いざらい新渡戸に打ち明けたのです。
すると…
新渡戸は紗都子の話しを全て疑うことなく信じてくれるばかりか、
「私が身請けしよう」とすぐさま言ってくれたのです。
まさかのここでミッションクリア…?
千載一遇のチャンス
さらに新渡戸が紗都子に申し出てくれたのは身請けに加えて、
紗都子を正式な妻として迎えたいという”プロポーズ”だった!
なんと…彼は紗都子に一目ぼれしたのです。
この新渡戸からの申し出にはさすがの紗都子も驚き過ぎて動揺を隠せない、
なにせ今の紗都子は天女島で最下級の遊女なのだ(汗)
さすがにその場で新渡戸からのプロポーズを受けるのは躊躇します。
それに紗都子には不治の病という圧倒的な身体的不安要素があるのです。
だが…それでも紗都子を妻に迎えたいと真剣に望む新渡戸がいました。
マジか…!?
これはまさに千載一遇のチャンスではないか!
だんだんとその気になって来た紗都子。
でもその時、彼女の脳裏には進平の顔が浮かんできた。
{彼との事はどうすればいいのかしら?}
進平は紗都子が無事に島から脱出したら駆け落ちするつもりでいるわけで、
もし紗都子が彼を裏切るようなことをしたら新渡戸を殺しに来るかもしれない(汗)
でも警察が守ってくれるだろうか?
紗都子の頭の中で激しく交錯する自分にとって一番有益な身の振り方。
命の恩人を袖にしてもいいのだろうか?
判断がつきかねている紗都子がふと上を見上げた時でした。
なんと…
天井裏で紗都子の接客を見守っている進平の姿が…(汗)
え―――っ!?
どうしてあんな所に――?
ここからちょっとしたバタバタ展開の後に、いよいよ出禁客・新渡戸の本性が露わになります。
やっぱりか…(汗)
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6話の感想
新渡戸がなぜあれほど誠実で優しそうな紳士なのに、どこの遊女屋からも出禁になっていたのか?
その答えは”酒乱”でした!
それも恐らくエクソシスト系の恐ろしい別人格なってしまうヤバいバージョンでしょう(汗)
5話のラストで彼が登場した瞬間から、なんとなくそうだろうな~という想像はしてたサイト主のまるしーです。
だって…新渡戸のあの雰囲気と酒乱はセットみたいな組み合わせですもんね(笑)
ただ…
新渡戸の問題点がもし酒乱というだけなら、紗都子も進平より新渡戸を選んだ方が得策かもしれません。
彼の家柄は警視総監の息子だから全く問題ないし、酒乱ということは、
酒を飲まなければ普段の状態にはまったく何の問題はないわけで、
もし結婚したとしても最新の注意を払っておけば特に結婚生活では問題ないのではないだろうか?
家ではたくさんの使用人も雇っているはずだろうし、
なんたって素面の時はあんなに真面目で優しくて誠実そうな男性だから、
紗都子のためなら夫婦生活の面でも病気のことにしてもあらゆる要望も聞いてくれそうです。
メンヘラな殺し屋と駆け落ちするくらいなら、身元のしっかりした新渡戸の方がよっぽどいいと思うのですが…。
純粋に殺し屋の進平と寄ったら殺し屋級の酒乱になる新渡戸。
教養もなく日本一の色町で育った身分の卑しい進平と、警視総監の息子で家柄は申し分ない新渡戸。
まるしーなら例え新渡戸がイノシシみたいな顔で象のような体つきでも新渡戸を選びます(笑)
酒乱は回りに人さえいればどうにで制御できるが、進平はどこまで言ってもメンヘラな殺し屋で、
それ以上でもそれ以下でもないただの学歴のない最下級庶民にすぎない。
「バカは嫌だし貧困はもっと嫌だ!」
まぁ伝説といわれるほど凄腕の殺し屋だから進平にもそこそこの蓄えがあるでしょうが、
新渡戸家に比べればやはり月とスッポンと言わざるを得ませんね。
なので…
新渡戸から真剣なプロポーズを受けた紗都子としては迷って当然だし、
進平のことなんて本来なら迷う必要もない間柄なのです。
恐らくは行き過ぎた吊り橋効果で進平に胸キュンした瞬間のことが紗都子の迷う原因になってるんだろうけど、
冷静に考えればただの凶暴過ぎる残忍な殺し屋に過ぎない男なのです進平は!
確かにこれまで短い時間でしたが彼とは色んな窮地を乗り越えてきました。
でも…それは紗都子の意思で経験することになったわけではなく、
そうせざる負えなかった状況だったからこそ自分から彼に口づけしたり求婚したりキュンとしたりしたんだ。
「ここはホント紗都子には冷静になって欲しい。」
今回、恐らく酒で凶暴化した新渡戸は進平に成敗されることでしょう。
でも命までは奪わない。
そこでよく考えた方が良いのです。
酒が抜けた新渡戸は誠実で穏やかな家柄の良い紳士だ。
このまま彼を天女島から追い帰してはいけない(汗)
警視総監の息子とのご縁なんてこの先の人生で二度とやってこないはずだ。
と…
本来なら絶対にそうなるんだけど、もう一度冷静になって考えたとして、
紗都子の残された寿命の短さを考えたら、進平とのバイオレンスな日常もアリなのかな~(汗)
「ああ~分からなくなってきた!」
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