ホタルの嫁入り【ネタバレ9話】愛とは何かを知らない二人!

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著者:橘オレコ

『ホタルの嫁入り』

9話の解説と感想です♪

新渡戸の一件が無事解決したその矢先に紗都子が吐血して倒れてしまった!

拉致された瞬間からずっと命の危険と隣り合わせだったこともあり、

すでに紗都子の肉体と精神には限界が来ていたのだろう。

いつまでも目を覚まさない紗都子を懸命に看病している進平。

そんな中、

紗都子は夢の中で幼い頃に体験した辛い出来事を思い出していました。

「あなたは桐ケ谷家の財産であり道具なのよ!」

まだ小さな紗都子に無神経で冷酷な言葉を投げつける義母の容赦ない暴言。

紗都子はことあるごとに自分には自由がないことを頭に叩き込まれてきたのです。

やがて…

ようやく長い眠りから覚めた紗都子は、

進平にさっきまで夢で見ていた幼い頃の不遇だった自分語りを始めます。

「明らかに紗都子の進平に対する怖さや拒否反応が薄れている理由はきっと…」


8話の解説と感想はコチラです♪
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ホタルの嫁入り【ネタバレ9話】愛とは何かを知らない二人!

不思議な人…

吐血して倒れてから三日三晩ひたすら眠り続けている紗都子は、

夢の中で幼い頃に過ごした切なくて不遇だった日々の自分を見ていました。

それはちょうど義母から心無い言葉を浴びせられた時のシーンで、

「あなたは桐ケ谷家の財産であり、この家の道具なの」

「ただでさえお荷物な存在なんだから!」

とかなんとか…

まだ年端も行かない紗都子に義母が冷酷かつ容赦ない言葉が突き刺さる(汗)

本来なら母親に甘えたい年頃だったはずの紗都子は、ずっと義母からそんな酷い暴言を浴びながら、

これまでずっと病弱で自由に外も歩けない人生を過ごしてきたのです。

寝ている紗都子は恐らくそんな夢にうなされていたのでしょう。

紗都子が眠っている間ずっと傍らで看病していた進平から心配する声を掛けられて、

ようやく紗都子は目を覚ましました。

視界が開けた先には安心してホッとしてる進平が紗都子の顔を覗き込んでいる。

このあと…

嫌な夢を見て寝覚めが悪い紗都子を気遣う進平が、部屋に持ち込んできた数匹のホタル。

すると部屋の中が一気に幻想的な空間が広がって美しい景色が浮かび上がる。

{不思議な人…}

紗都子は不器用ながらも必死で紗都子を励まそうとする進平にこれまで抱いたことのない感情を覚える。

愛とは何かを知らない二人!

二人が出会ってから初めてと言えるかもしれない穏やかでゆっくりとした時間が流れる。

紗都子が幼少時代の辛かった思い出を語り、進平に弱みを見せると、

それに呼応するように進平も自身の壮絶で絶望的な幼少期を語りました。

彼は遊女の母親から生まれて、父親は誰だか知らず、

母親はまだ進平が幼い頃に客によって殺された。

そして…

その母親を殺した男こそ進平が初めて人を殺めた人物でした。

想像することですら恐ろしい残酷で救いのないこれまでの人生を歩んできた進平だ。

彼が生まれ育った故郷は真っ黒な歴史に染まった場所であり、

「この島から逃げたいのはあなたでは?」

つい自分の最悪な境遇は棚に上げて進平にそう問いかける紗都子。

それほどまで自身の生い立ちを語る進平の横顔が切なくて辛そうだったのです。

今の時点において紗都子は本気で進平と一緒になるつもりなんてない。

そして進平も紗都子と結婚したいとは言っているものの、

本当の意味で愛とは何かを知らない二人である。

ただ…

ここ数日間で生死の境をさまよい、何度かのピンチを共に潜り抜けてきた二人には

これまで感じたことのない”情”というものが芽生えている。

それは恋とか愛でもない同じ時間と経験を重ねた者同士でないと生まれない絆だ。

いま…

二人の関係性は以前とは比べ物にならないくらい確実に深まってきている。

それが例え恋というものではなかったとしても・・・


 

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9話の感想

倒れてから三日間も眠りっぱなしって、肉体的にはかなり疲弊していたということです(汗)

本来なら紗都子が目を覚ました時点で、身体的、認知的、心理的などれかの異変が体に現れているはずなのです。

だって…

三日間も眠ったままということは一切の食事や水分も補給せず、おまけに排せつ行為もしていないわけですから…。

「メチャメチャ細かいことを言ってることは分かっている(笑)」

でも地味にそういう細かな部分が非常に気になってしまうサイト主のまるしーです(汗)

マンガだから紗都子は実にスムーズな形で起き上がってすぐに進平と会話していましたが、

本来なら起き上がることもできないくらい消耗している状態だろう。

それはここ数日のハードボイルドな日常でかなり紗都子の肉体が限界に来ていたからでしょう。

「寝たきりにならなくてよかった。」

この三日間のあいだいつ紗都子が目覚めるか分からない進平は、

ずっと彼女のそばに寄り添って看病していたんだな~と思うと、

なんだか忠犬ハチ公みたいで、残酷な殺し屋である彼でも愛おしく思えてくるから不思議だ。

きっと紗都子もそういう気持ちだったから柄にもなく自分のデリケートな情報を進平に話したりしたんだろう。

自分の弱みを打ち明けるという行為は、すでに相手に対する警戒心がないという心の変化を表している証拠だ。

これまでの紗都子は常に進平の言葉や行動に警戒心を抱いていたし、決して彼を信用する気持ちもなかった。

もし進平以外に自分を助けてくれる人が現れたら、

紗都子は躊躇なくその人を頼って進平のもとを離れたことでしょう。

それなのに…

時の流れとは恐ろしいモノで、二人でなんだかんだ長い時を過ごしてきたことで、

否応にもお互いに関する様々な情報が耳に入ってきます。

そこから少しづつ相手のことを理解したりできなかったりを積み重ねてゆくうちに、

今度はその相手に対する”情”というものが芽生えてくるわけです。

この情という存在はすごく厄介なものであって、

決して良い人だからとか、優しい人だからとかいう理由で生まれる感情ではなく。

ある一定の時間を密に過ごしたという時間の積み重ねで芽生えてくる”愛着感”みたいなものだ。

たとえば家族という存在は、長い時間を共に過ごすからこそ深い情が育ちやすいし、

もし家族から虐待されていたら憎しみの感情は相手を殺めるほど大きなものに育ってしまいます。

そこで…

紗都子はというと、残虐非道な殺し屋から始まった進平への印象は、

メンヘラで人恋しい厄介な殺し屋というイメージに変わり、

今では紗都子のためなら命をも投げだしそうに忠実なワンコみたいな存在になっているわけです。

紗都子の進平への気持ちが”恋”という感情に変わるのはさすがにまだ先の話にはなりそうですが、

今回のお話で紗都子から進平に対する警戒心や恐怖心がほぼ無くなったように感じました。

これは二人にとってものすごい進歩だ!

そして…

紗都子のことが好きでしょうがない進平にとっては大幅な恋の進展でもある。

いまだにサイト主のまるしーは進平なんかと絶対に結婚なんてするもんじゃないとは思っていますし、

進平には紫さんみたいな女性がちょうど合ってると思います。

なのでできれば紗都子ちゃんのことは諦めて欲しい。

人生の最後に隣にいるのが進平という悲惨な結末だけはちょっと勘弁してください(汗)

「あくまでも今のところは…」

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