著者：宮崎摩耶 / 秋吉宣宏
『ジェノサイダー』
ある男の小さな善意が悪意を生み！
その悪意はやがて大きな悪意へと変わり、男の一番大切なものを粉々に砕いてしまった…。
心が痛くなるほど、悲痛なストーリーの復讐漫画です！
ネットを通じて知り合った女性の彼氏に自分の娘を凌辱された挙句、体に大火傷を負わされて再起不能にされてしまった…。
怒り狂った父親が、娘を弄んだ連中に次々と復讐してゆくという激しく悲しいストーリーで、
かなり精神的に追いつめてくる強烈なストーリーだと思います。
特に1巻の内容がショッキングかつかなりキツいシーンが後半に待っています！
しかし…1巻を読んでしまうともうこの物語から離れられなくなる衝撃作品です。
主人公の一人、鉄男（てつお）さんの大きすぎる絶望と怒りと悲しみを目の当たりにしてしまうと、読者は彼と一緒に復讐の衝動へと駆られてしまうのです…。
ジェノサイダーというタイトルの意味は…？
この漫画のタイトル『ジェノサイダー』って…？ちょっと馴染みのない変わったタイトルなんですが、ちゃんと語源があるんです。
『ジェノサイド』というドイツの『ユダヤ人虐殺』に対して使われていた当時の造語があるんですけど、
この言葉の意味が、『大量虐殺』を意味する言葉だったのです。
なので、ジェノサイダーだと、『大量虐殺者』と言う表現になるわけです。
そしてこの漫画は、娘を傷つけられた父親の壮絶な復讐劇なので、確かに内容とピッタリのタイトル名だと言えますね。
恐らくこれからたくさんの悪いやつらが復讐のターゲットとして始末されていくのでしょう。
「一瞬たりとも目が離せない…！」
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ジェノサイダー（漫画）あらすじネタバレ｜悲劇の始まり、そして復讐の連鎖は続く！
あらすじ
始めにかんたんなあらすじを説明すると、あるところに、暴力・脅迫・拉・ドラッグ・美人局…数え上げたらきりがない、金と欲望のためならなんでもアリの最悪な半グレ集団がいた。
そんな彼らに、流されるまま犯罪に加担してしまうヒロインの少女・佐敷野 夏美（サシキノナツミ）。
彼女のまわりで起きる凄惨な事件の数々が、いつしか取り返しのつかない暗く恐ろしい悪意の渦にのみ込まれていくストーリー…
そして…
とどまる事を知らないその悪意の欲望は、やがて彼女の大切な人を、ジェノサイダー（大量殺人者）へと変貌させてしまうのです…！
「主人公・鉄男はあの夜一生分の涙を流しきった！」
今…壮絶な復讐劇へのカウントダウンが始まり、そして、悲劇の始まり、復讐の連鎖は続いてゆく…。
胸がギューっと締めつけられるほど切なくて心に響き苦しい壮絶なサスペンスストーリーです！
美人局
有名大学に通う女子大生のナツミは、激しい性格で、Ｓっけのある反グレ集団のリーダー・ケイタの彼女で、
いつも、彼の乱暴なセックスにつき合わさされたり、美人局のオトリとして利用される毎日を過ごしていたのです。
でもなぜ、美人で頭も良い彼女が、こんなゴミみたいな男と付き合っているのか？
それは彼女の家庭環境の他にもっと根深い問題が隠されているのです。
有名作家の肩書をもつナツミの母親は、とにかく自分の評判が落ちないよう、世間体だけを気にするタイプの人物で、
母親としてナツミを愛していない事は二人の会話を聞いていれば一目瞭然でわかります。
ただ…親との関係が上手くいってないと言うだけで、ケイタにほとんど性奴隷のような扱いを受けている状況はどこか納得がいかない。
きっと他になにかケイタに逆らえないような弱みがあるとしか考えられません。
ただ…今のところそれはなにか明らかになっていない。
とにかく、現時点のナツミはろくでもない連中と毎日つるんでは利用される日々が続いているのです…
鉄男との交流
自暴自棄な生活を送っていたナツミが唯一、心の救いとしていたのが、出会い系サイトで交流する様になった”鉄男”との何気ないメールのやりとりでした。
リアルでは会った事もないネット上の話し相手。
しかし、他に誰にも相談したり頼ったりできない彼女にはタダ一人、自分の本当の気持ちを伝えられる存在がこの”鉄男”だったのです。
ある日、いつものように、彼氏のケイタからひどい扱いをうけたナツミは、その辛い気持ちを誰かに慰めてもらいたくて、
初めて鉄男に、「会いたい…！」とメールを送信したのです。
しかし…ナツミが日頃からちょくちょく誰かとメールしてる姿を目撃していたケイタは、ちょっとした隙に、ナツミが誰かとやり取りしているメールの内容を盗み見しました。
すると…その内容に逆上したしたケイタは…
鉄男という男の正体
「鉄男さん、もしよかったら…今度、逢ってみませんか…？」
ナツミからそんな内容のメールを受け取った鉄男は問題を抱えていた。
ナツミのメール相手の鉄男という男の正体は、愛原鉄男（アイハラテツオ）というくたびれた中年男性であり、そこそこな会社の部長職にあり、
妻と大学生になる一人娘がいるごく平凡な中年サラリーマンでした。
ある日彼は、娘の利香（りか）に教えてもらったソーシャルサイトでナツミと出会い、交流することになったのです…
そして…鉄男には、今ものすごく辛い悩みがある。
それは、鉄男の妻が浮気をしていて、現在、その妻から離婚を迫られているという修羅場の真っ最中だったのです。
そんな苦しい状況の中、SNSでメル友になったナツミから「会いたい…」というメールが届いたのです。
辛い悩みを抱えた者同士、お互い引き寄せられるようにリアルで会うこととなった鉄男とナツミ。
ただ…皮肉にもその出会いは、二人にとって耐えられないほどの苦しみと絶望を味わうきっかけとなってしまいました…
迂闊な行動
ナツミと鉄男が初めて顔を合わせた夜、彼女を尾行してきたケイタは幸せそうに笑うナツミの姿を憎々しげに見ていました。
「なんだあの嬉しそうな顔…！」
自分の前では見せたことのないはじけるようなナツミの笑顔に激怒するケイタ。
その夜の二人は、結局最後までプラトニックな会話をしただけでお別れました。
そんな二人のことが許せないケイタは、その夜、ナツミと別れた鉄男を尾行して、彼の自宅をつきとめ、鉄男には、大学生の一人娘・利香がいる事を知ります。
そうなると最低な男の考える事は一つです。
ケイタはナツミをたぶらかす鉄男を苦しめるために、彼の大切な一人娘の利香を仲間数人と拉致したあとに、その事を鉄男に連絡して、ナツミとセックスするよう強要するのです。
ケイタの連絡と共に送られてきた利香が拘束されている画像を見た鉄男は愕然とします。
｛自分が、迂闊な行動をとったばかりに…｝
激しい後悔の念にさいなまれて体を震わす鉄男！
娘を助けるためにはナツミとセックスをしないといけない地獄…。
苦渋の決断の末、鉄男はナツミに、今すぐ会いたいとメールを送信するのです…。
悲劇の始まり、復讐の連鎖は続く…
鉄男からメールを受け取ったナツミは、すぐに鉄男と会うことに応じてくれました。
しかし、彼女を待っていたのは変わり果てた鉄男の姿であり、この数分後ナツミは絶望の淵に追い落とされ、
鉄男は、娘の無残な光景を目撃し、
絶望と悲しみの中、
このあと、悲劇の始まり、復讐の連鎖が続いいくことに…
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1巻の感想
その衝撃な内容が話題で、かなり大人気の漫画『ジェノサイダー』だけど、１巻の後半に出てくる利香ちゃんの凌辱シーンは見るに堪えない辛い場面だった。
あの光景を見せられた上に、ゴミくずのように捨て置かれた娘を目の当たりにして、復讐しようと思わない父親はやっぱりいないんじゃないでしょうか？
もう…ケイタの悪役っぷりがすごくて、鉄男と一緒に悲しんで、復讐心を滾（たぎ）らせてしまう自分がいました。
サイト主のまるし―は主婦の立場なので、大学生の娘を持つ父親の気持ちは分かりかねますが、鉄男さんが、『ジェノサイダー』になってしまう気持は十分すぎるほど分かります。
後は復讐相手たちをどれだけ苦しませて殺すかっていう問題のような気がする。
日本には『復讐の禁止』を定めた『自力救済の禁止』という法律があります。
しかし、鉄男さんがされた事を見て、誰が「復讐禁止」なんてやすっぽい言葉を彼に言えるでしょうか？
たとえ成熟した国家のルールであっても人間には感情というものがある。
ケイタという人間は正直、世の中に存在してはいけない人間だと思うし、彼に対し更生なんて期待しないし、させたくもない。
とことん後悔と苦しみを長いあいだ味わったあとに、苦しみぬいて息を引き取ってもらいたい！
不謹慎かもしれないけどそれが正直なまるしーの気持ちです。
今の段階では、ケイタに対する憎しみしか残らない物語で、これから鉄男の絶望的な憎しみがどう爆発してゆくのか…？
「これはホント最後まで読まなきゃ収まらない衝撃のストーリーです！」
まるしーは最後の結末まで追いかけて解説・感想を綴らせていただきます。
本当に辛く悲しい内容の漫画だけど、夢中になってページをめくる面白さであることは間違いない！
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