女性の死に方【ネタバレ全話】真実だからこそ鳥肌が立つ!

現役法医学者が見た女性たちの死にざまには、

ふだん我々が忘れがちな”命”という大切なものを改めて深く考えさせられる真実のドラマが隠されていた!

著者:あらいぴろよ/西尾元(兵庫医科大学法医学講座主任教授)

『女性の死に方 』

1巻の解説と感想です♪

検死台に乗せられた女性はどんな理由で亡くなったのか?

現役の法医学者がそのリアルな解剖経験をもとに描かれた衝撃のドラマは、

鳥肌が立つほど切なくて、恐ろしくて悔しい!

『女性の死に方 』の見どころ

ネットの広告から、その物々しいタイトルが妙に気になって読み始めたこの『女性の死に方』でしたが、

外見上はまるで4コマ漫画のようなちょっとコミカル系の絵柄をしている表紙からは想像もできないほど、

リアルで生々しい司法解剖の生々しい現場が描かれていました。

最初は原作を担当しているのが現役の法医学者さんみたいだったので、

そこそこリアリティのある内容なのかな~とは思いつつ気軽にページを開いたのですが、

実際に読み進めてゆくと、日々の遺体解剖室で行われているリアルな現場の様子が、

実に冷静で派手な演出のない淡々とした雰囲気の中でくり広げられていたのです。

恐らく原作者の法医学者が実際に経験したその司法解剖の実例が、

1話完結のオムニバス形式でリアルに描かれているのでしょう。

そして・・・

そのタイトルで分るように物語は全て”女性”の死に方に絞られています。

「どうしてこの女性はなくなってしまったのか?」

そもそも検死解剖に回されてくる遺体なわけですから、

その全ての女性たちがある意味の不審死でこの世を去ったわけです。

でも・・・

明らかに事故や殺人の可能性は低い!

調べてみるとそこには美容整形、DV、アルコール依存症、老々介護……

多種多様な原因で惜しくもこの世を去った女性たちでした。

そんな無念の生涯を終えた女性たちが、自らの息絶えた躯(むくろ)をもって法医学者に最後の声を伝えるのです。

「死因」という音なき声を…

この記事を書いてるだけでもう思い出して涙が出てきそうなくらい悲痛なエピソードが中にはあります(汗)

ただ・・・

「この作品は読んでおいた方がイイ!」

素直にそう思えた内容でした。

そこで・・・

『女性の死に方 』の見どころは、

ズバリ!真実だからこその説得力と強いメッセージ性です!

この作品を読むと普段ついつい忘れがちになっている”命”という大切なモノに気づかせてもらえます。

そして・・・

特に女性だからこそ”命”よりも大切にしてしまったことの切なさと悲しみ。

本物の法医学者さんの実体験をつぶさに描いた人の命を扱うすごく重いテーマの作品ですが、

それだからこそ普通の漫画家さんでは決して描けない知識や経験がいっぱい詰まった角度の高くて濃い内容なのです!

正直、絵柄がとてもユルユルな雰囲気なので、サイト主のまるしーは、すごくそれに救われました(汗)

 

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女性の死に方【ネタバレ全話】真実だからこそ鳥肌が立つ!

1話:美容整形の闇

この作品の主人公は、事件性は低いが、亡くなり方に不審な点がある遺体の司法解剖を担当する法医学者の先生です。

ある日、バスの中でトツゼン若い女性が苦しみだし、

救急隊員が到着した頃にはすでに息絶えていました。

ほんのさっきまで元気だったのに・・・

その若い女性の遺体の腹部と両太ももが黒く変色しているという不審な点が確認されたために、

主人公の法医学者が検死をすることになりました。

すると・・・

その若い女性の死には”美容整形の闇”が深く関係していたのです。

死体解剖の結果…

その若い女性の死因は『エコノミークラス症候群』と結論付けられました。

さて・・・

一体この若い女性の死と美容整形にはどんな因果関係があったのでしょう?

2話:女性の象徴

ある日、54歳の女性が布団の中で亡くなっているのを同居する年老いた母親が発見しました。

前日まで普通に仕事へ行って帰って来て食事をとり、普段と何も変わらい様子だったその女性・・・

一体なぜ?

事件性はほぼなかったが、死因救命のために主人公の法医学者が死体解剖を始めます。

遺体を調べてみると左胸が酷く陥没していました。

学者の見立ては、乳がんの皮膚転移による”がん性皮膚潰瘍”というもので、

亡くなった女性は、乳がんに侵され、強い痛みにさらされながらまったく医師に治療を受けた痕跡がない・・・

「女性の象徴」である乳房に病魔が襲いかかったがゆえの切ない悲劇!

ここまで言えばなぜこの女性が亡くなってしまったのかが想像できるのではないでしょうか・・・

これは世の全ての女性に読んで欲しいエピソードでした。

3話:バセドウ病

この日、同居する両親によって自宅のベットで亡くなっているのを発見された36歳の女性が、

先生(法医学者のこと)のもとへ運ばれて来た。

遺体の喉の当たりがかなり膨れている状態を見て、

まずは甲状腺の組織を調べた先生は、女性の死因がバセドウ病にあることをほぼ確信します。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて甲状腺機能が必要以上に活発化してしまうバセドウ病は、

その症状がよりひどくなってくると不整脈を起こし、突然死を招く危険がある実は怖い病気なのです(汗)

昨今、芸能人がバセドウ病で仕事を長期にわたって休むケースをメディアのニュースなんかでたびたび目にしますが、

バセドウ病になる患者の比率は男性1人に対して女性は5人という、

特に女性に多く見られる病気であり、その原因は遺伝的な要因のほか、

ストレスや喫煙、過労などと関連があるとされているらしい。

でも詳しいことははっきりしない!

ただ・・・

仕事や家事などで受けるストレスと過労なんて、これは生きてく上でどうしようもない事柄だけに、

なんだか防ぎようのないやるせない病気なんだと痛感します(汗)

4話:命を産むって命がけ

この日、先生のもとへ運ばれてきたのは、32歳のお腹の大きな女性でした。

妊婦さんです。

遺体とともにやって来た検察の人間が言うには、分娩が始まるまでは元気だったのに、

原因が解らないまま分娩中に亡くなってしまったそうで、遺族の希望もあり、検死が行われることとなった。

先生はまず型通りの心臓や脳、そして子宮などを調べてみますが、その時点では死因が見つかりませんでした。

次に、臓器の一部を採取して顕微鏡でよく見たところ、

やっと死因が解ったのです。

先生の診たては、”羊水塞栓”という妊婦にのみまれに起こる病気だった。

自分では防ぎようもない突発的な病気で胎児と共に亡くなった女性を気の毒がる助手の女性に対し、

先生が言った「命を産むって命がけなんだよ…」と言うセリフが、

お産というものの大変さを改めて教えられたようで、ガツンと胸に響きました!

5話:遺伝子

まだ妊婦の女性の検死結果のことで気持ちがナーバスになっている助手の女性。

それでも次の遺体は容赦なく運ばれてくる(汗)

今回のケースは、普通に元気だった14歳の少女がなんの前触れもなく、

ある日トツゼン入浴中に湯船の中で亡くなっていたというものでした!

いつも通り先生はあらゆる角度から死因を究明しようと遺体の解剖に死力を尽くしますが、

なかなか今回ばかりは死因にたどり着くことができず、

次に先生は遺体の”遺伝子”を調べてみることにしたのです。

遺伝子は個人情報なので遺体の家族に許可をもらうために、先生は直接亡くなった14歳の少女の母親のもとへ向います。

すると・・・

母親から1年前に夫が自宅で突然死していたことを聞かされる。

亡くなった少女の父親だ(汗)

その事実を知ってますます今回の奇妙な突然死は遺伝子が関わっている可能性が高いと推測するのです。

改めて検死を行った結果…

少女の心臓の筋肉を動かす時に必要な遺伝子に異常が見つかりました!

やはり今回の突然死の原因は、遺伝による可能性が極めて高いと最後に先生は判断しました。

6話:ダイエット

今回のエピソードは、ここ最近メキメキと愛されキャラが立ってきた助手の女性と先生の会話で始まり、

なんとそのまま検死をせずに会話だけで終わる珍しいケースでした♪

自分の仕事に真摯に向き合う助手は、ここ何度か悲しくて切ない遺体を目の当たりにしたことて気分が落ち込んでいた。

その日は前夜にダイエットにもなってるつもりで何も食べずにお酒をたくさん飲んで二日酔いになっていたのですが、

そんなお酒の飲み方をしている助手を心配した先生が、

過去に自分が担当したアルコールの飲み過ぎで亡くなった人を検死した時のことを語り聞かせるのです。

なぜ…何も食べずにお酒ばかりを飲んでいたら体に良くないのか?

ダイエットのつもりでおつまみを食べずにアルコールだけを飲んでいると、

確かにそれはある意味で炭水化物カットダイエットと同じような効果にはなる。

しかし・・・

どんなにそれっぽく正しいダイエットでもヤリ過ぎると体の他の部分が悲鳴を上げてくるのです。

今回は、先生が助手に”ケトン症””消化管出血”で亡くなった人の話をします。

お酒との付き合い方と人生について学べる1話でした。

7話:ミイラ化した女性(前編)

この日、工事現場に放置された車の中からすでにミイラ化した女性が発見され、

死因特定のために先生のもとへ遺体が運ばれて来た(汗)

すぐにミイラ化して固くなった遺体を腕力だけで懸命に解剖してゆく先生でしたが、

予想どおり遺体の臓器などは害虫にほとんど侵食されており、判明したのは、

解剖して分かったのは、生前に頭部への打撲があったという事実だけで、

結果…ハッキリとした死因解明には至りませんでした(汗)

ただ…警察側は、先生の検死の結果も踏まえて、

ミイラ化した女性の事件を殺人の可能性があるとみて捜査を開始したのです・・・

初めて描かれる事件性の極めて高い検死エピソードだ…(汗)

ミイラ化した女性(後編)

後日、ミイラ化した女性の件で新たな動きと発見がありました!

警察が捜査した…女性の身元がわかった事と、

先生の知り合いである法医学者から、死因解明のヒントに繋がる資料が提供されたのです。

その資料とは…打撲のあざが原因で人は死に至るという内容が記された事例を集めたもので、

警察からの情報で、ミイラ化した女性は内縁関係にあった男性から日常的にDVを受けていたと聞かされていた先生は、

女性の死因を皮下出血(あざ)が原因で起こった”急性腎不全”と判断したのです。

ミイラ化した女性の検死からスタートして、

結果的にそれが”傷害致死事件”として裁かれることとなった一連のエピソードでしたが、

初めてここまでハードな案件に携わった助手のショックは大きく、

最後に先生はその女性の助手に自分たちがとるべき仕事のスタンスを説き聞かせるのです。

今回はかなりドラマチックで読みごたえのある内容でした。

8話:老老介護の闇

介護ヘルパーさんからの通報で、死後一週間経過してる高齢女性の遺体が発見された。

その際、家には旦那さんがちゃんといたにも関わらずである。

ほとんど腐敗しかけていた遺体は、すぐに先生のところへ運ばれて検死することなり、

解剖の結果…死因は”脳出血”だったことが判明します。

事件性はなしだ。

しかし…疑問に残るのはなぜ旦那さんは、自分の妻が亡くなっていることに気づかないまま、

一週間も奥さんの遺体と一緒に暮らしていたのか?

そこには近年かなり多くなってきた老老介護の闇が潜んでいたのです(汗)

詳しいその理由はぜひ本編でご確認くださいね!

サイト主のまるしーはこのエピソードを読んで、旦那と今のうちにできるだけ仲良くしておこうと思いました…(汗)

9話:孤独死

ある日、すっかりキャラ立ちしてきた助手の女性が、

このまま独り身で孤独死するのがイヤだから早く結婚したいと先生に打ち明ける(汗)

ちょっと困った様子の先生。

すると…

ちょうどそんなタイミングで、死後、一週間ほどたって発見された遺体が検死のために先生のもとへ運ばれてきました。

夏場でかなり腐乱が進んだ38歳のその女性の遺体は、

すでに臓器の一部がウジに食べられていて、結果的に死因の特定はできませんでした(汗)

亡くなった女性は、数年前から自室に引きこもり始め、2年前には精神病の通院もやめてしまい、

家族とも社会とも繋がりを断ってしまったがゆえに、死後一週間が経ち、

一緒に暮らしていた実の父親が異臭に気づいてやっと発見されたのです(汗)

そう…

この女性はある意味で”孤独死”してしまったのです。

先生は今回のケースを含め、自身がかつて検死にたずさわった孤独死した女性のことを例に出し、

いったい”孤独死”とはなんぞや?という深い話を助手の女性に語り聞かせるのです。

外見上は”孤独死”にしか見えないケースであっても、

それだけで不幸な死に方だと決めつけるのはよくないよという教えでした。

実話だからやっぱり深いな~

 

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『女性の死に方 』の感想まとめ

すごくコミカルでカワイイ絵柄の中で描かれたとんでもないリアルな遺体解剖の現場は、

読む人に衝撃と恐怖と感銘を与えてくれます。

普段の生活の中ではあまり考えない自らの”死”

それは・・・

恐らく人が体験したくないことの№1だから自然に頭の中で考えないようにしていたのかな・・・?

でも・・・

こうしてリアルに本物の法医学者が体験した様々な不審死した方たちの人生ドラマを読んでいると、

「もう~色々と自分の体のことや今後のライフスタイルについて考えさせられる(汗)」

特に年齢がそう遠くない2話に登場した聡子さんのケースなんかは、読んでいて涙が止まらなかった!

もしかしたら、男性の方がこのエピソードを読むと色々と違和感を覚えたり疑問があるかもしれない。

でも・・・

「女性ならば大半の人が聡子さんの心情が痛いほどよくわかるだろう。」

それは・・・

乳房だけの理由ではなくて、日常にひそむちょっとした不安を見ないようにする気持ちの積み重ね。

なにか自分の体に良くないことが起こっていることに気づいてはいるが、

それと真正面から向き合う勇気がなかなかもてない(汗)

病院に行ったって患者のことなど全く見てないPC画面だけを見ている医師に感情のこもってない言葉をかけられ、

ほぼ丸一日をかけて病院ハラスメントと闘うなんて辛すぎる(汗)

実体験としてサイト主のまるしーは病院で病気になるタイプなのです!

体の弱っている時に医師や看護師から心無い対応を受けるとそれだけでもう心が病んでダメダメになる(汗)

「そんな経験皆さんにもありませんか?」

その日まで大丈夫だった持病の症状が見事に悪化しちゃうんです!

”病気”

読んで字のごとく”病は気から”と書きますよね。

その病は気からを扱う日本全国の医師や看護師さんたちは、

どれだけこの大事な言葉の意味をちゃんと理解したうえで患者と接しているのだろう?

こんなことを言うと、よく…医療関係者は大変でみんな一生懸命に働いていて、

心無い医療関係者はごく一部だけだと私に言ってくる人がいますが、

「本当にごく一部ならまるしーは絶対に自ら進んで病院に行ってる!」

そうではなくて、

逆にごく一部にしか信頼できる医師や看護師がこの日本にいないから怖くて病院に行けないのだ(汗)

もし・・・

2話で登場した聡子さんが病院への不信感からあのような悲惨な死を迎えたのなら・・・

この先、 もしかしたらまるしーにも同じ運命が訪れるかもしれない(汗)

本当に色々と考えさせられる内容だな~

絵はちょっとコミカル系なのに、内容はすごく怖くて辛くてやるせないエピソードばかりなのに・・・

気づけば誘われるように次のエピソードを追いかけてしまっている不思議な作品だ。

また・・・

心に衝撃を受けたエピソードを読んだときは、その感想を追記してゆきますね♪

さっそく追記です!

4話で登場した妊婦さんが分娩中に亡くなったお話。

あれほど人の死に対して感情移入していたら身が持たないよと思ってしまうほど気持ちの優しい助手の女性がたまらなく愛おしい。

もし・・・

自分が検死されることになったら主人公の先生と助手さんにしてもらいたいと心から思う。

 

>>>『女性の死に方』2巻の解説と感想はコチラ♪

 

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