著者:本田楓
『従僕と鳥籠の花嫁』
9話の解説と感想です♪
お互いの気持ちを確かめ合って共に永遠の愛を誓った藤乃と廣臣。
それが二人にとってどれほど険しい道であるかは十分に理解しているはずだった!
しかし…
実際に二人を取り巻く環境は、本人たちが考えている何倍も厳しいものでした…(汗)
抗えない巨大な力であっけなく引き離された二人は、
自分たちがどれほど甘く愚かな行動をとったのかを思い知るのです!
特に藤乃の場合は、まさかここまで実の父親が冷酷無比な人間だとは思っていなかったのだろう。
だが…院瀬見家の主を間近で何年も見てきた廣臣ならどうだろう…?
こうなってしまうことをある程度は想定できなかったのだろうか…?
廣臣による今後の出かたが気になります。
「明らかに時代錯誤と言える院瀬見家当主の藤乃と廣臣に対する非人道的な仕打ちには背筋が凍ってしまう…(汗)」
8話の解説と感想はコチラ♪
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もくじ
従僕と鳥籠の花嫁【ネタバレ9話】想像を超えた残酷な展開!
想像を超えた残酷な展開!
藤乃と廣臣の気持ちがようやく一つになったそのすぐ後に、
二人には想像を超えた残酷な展開が待っていました…(汗)
神崎の母親から藤乃と廣臣のただならぬ関係を知らされて激怒した藤乃の父親は、
すぐさま藤乃と神崎 櫂の婚約を成立させてしまったのです。
神崎の父親から激怒りのメールを受け取った廣臣は、なんとか二人の事を認めてもらおうと、
藤乃と二人で院瀬見の実家へと向かったのですが、
家に着いた途端に廣臣は激高した藤乃の父親から殴り倒され、
そのまま数人の男たちに拉致されてどこかえ連れ去られてしまいました…(汗)
それはわずか一瞬の出来事で、藤乃は泣きわめくだけで何もできませんでした。
なんてあっけない”幕切れ”でしょう。
このあと自宅の一室に監視付きの”軟禁状態”となった藤乃は、
自分たち二人のあまりにも不幸な境遇を嘆き悲しみます。
{私はただ愛する人のそばにいたいだけなのに…}
そんなことさえも叶わないもどかしさと口惜しさに絶望感をにじませるのです。
廣臣からのメッセージ
院瀬見家にいるほぼ全員が藤乃の監視役として目を光らせている中で、
藤乃にとって唯一の味方はまだ10歳の弟・一鳳(かずたか)だけでした。
一鳳は何もない殺風景な部屋で一日中監視された生活を送る姉を気遣って退屈しのぎの本を差し入れてくれました。
まだあどけないこの弟は、男尊女卑の考えが酷く残る院瀬見家の現状をよく認識しており、
それが良くない事だということも肌感覚で分っているらしく、
まだ幼いながらも健気に姉を助けようとしてくれているわけで、
彼は院瀬見家の毒素に染まっていない清い心を持った弟だ。
しかもこのあと…
一鳳は藤乃にとってスゴく大切な”廣臣からのメッセージ”を届けてくれることになるのですが、
その少し前に藤乃は監視の目を盗んで部屋から脱出しようと試みたのですが、
彼女の逃亡を予測していた父親からあっさりと捕まって、
院瀬見家にある鍵の付いた蔵に閉じ込められて完全な”監禁状態”に置かれてしまうのです。
どうやら父親の怒りは頂点に達してしまったようで、
藤乃はこのまま神崎家との”結納”が執り行われる日まで蔵に閉じ込められることとなりました。
なすすべもなく廣臣の身を案じながら泣き崩れるしかない藤乃。
もはや藤乃ひとりの力では蔵から脱出することはできません。
一方その頃…
一鳳から廣臣がどこかへ連れ去られ、藤乃が自宅で監禁状態にあること聞いた榊は、
そこで初めて廣臣が忽然と姿を消した理由を知るのですが、
ちょうどその日…榊の自宅郵便ポストに差出人不明の郵便物が届けられるのです。
その郵便物こそがこのあと榊が一鳳を通じて藤乃に届けてもらった廣臣から藤乃に宛てた”メッセージ”でした。
さて…廣臣が榊に託した藤乃へ伝えたかったメッセージの内容とは…?
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9話の感想
ようやく二人の想いが通じ合って幸せオーラ満載な前回8話の内容だっただけに、
今回9話で描かれた”地獄絵巻”のような展開には落差がありすぎて呆然としてしまいます…(汗)
「なんだコレは…?」
まるで江戸時代のワンシーンかと錯覚してしまうほど時代錯誤な父親の傍若無人っぷり。
彼がやっていることは普通に傷害事件として警察案件です…(汗)
貴族だか高級民族だか知りませんが、院瀬見家のオヤジのような人間が、
この日本では有数なセレブと呼ばれる人たちなんだと思うと悲しくなってしまいます…(汗)
結局は己の私利私欲のためならどんな非道徳なことも平気でやってしまう彼らの行動原理に吐き気がする!
令和の時代でこんな感じだったんだから、もっと昔の女性たちはホントに人権なんてないも同然だったんだろうな~
「嫌な日本の側面を見たようで気分が悪いです…(汗)」
世界を見渡せばもっと女性が虐げられている国もあるのでしょうが、
全てひっくるめて許せない!
脈々と続く名家といわれる家系の繁栄が、その一族に生まれた娘たちの犠牲によって続いてきたのだと思うと、
なんだか誇らしげに建てられている閑静な大豪邸も悪の巣窟に見えてしまいます。
昔から「金持ちケンカせず」という言葉が使われていますが、
確かにお金持ちの人たちは全てに余裕があって他人と争うことを好まないイメージがありますが、
その帳尻は身内に残虐非道な行為を行うことで合わせていたのかもしえれません。
もちろん名家と位置付けられているセレブの家が、
全て自分たち一族の財産を減らさないための行動に終始しているという決めつけはよくありませんが、
豊富な財産という基盤があってこそ名家としての地位を築いているという構造がある以上、
名家同士の結びつき…すなわち政略結婚という財産を守りやすい経済活動は外せないんだと思います。
本作に登場する院瀬見家と神崎家のように。
院瀬見家のオヤジなんてほとんど事業そっちのけで年頃の娘をネタにして金になる縁談ばかり探していました(汗)
結局のところこの父親は実業家としての才能がないのでしょう!
その結果…娘が無能な父親の犠牲になって経済活動の駒になる。
この9話は読んでいてすごく気分が悪くなるエピソードでした。
あの時…廣臣が父親を逆に殴り倒してやればどれだけ胸がスッキリしたでしょう!
まぁ…そんなことをすれば彼はその生涯をずっと塀の中で暮らすことになりそうなので、
絶対に暴力だけは禁じ手なわけですが、逆に父親には金と権力があるので、
暴力であろうが監禁であろうがなんでもございですよ!
そんな中で一つ残念に感じたことは、恐らくこうなるだろうと分かっていて、
勝ち目のない正面突破に踏み切った廣臣の甘い判断です。
「なぜ彼はこんな無計画なやり方をしてしまったのだろう…?」
実に彼らしくない。
その結果…榊に本を使った暗号メッセージしか送れない悲惨な状況を自ら招いてしまいました。
廣臣からしても藤乃の父親がここまで残虐な手段に打って出るとは思わなかったのでしょうか?
もし…廣臣がそこまで藤乃の父親をナメていたのだとすれば、
彼の頭は藤乃とのことでお花畑になっていたとしか思えません。
あぁ…これから二人はどうなってしまうんだろう…?
このまま藤乃は神崎と政略結婚するコースに乗せられてしまうのでしょうか…?
でもそうなると神崎の心中は複雑だろうな…(汗)
彼ならきっとこんな形で藤乃と結婚することを望まないだろう。
ここはひとつ神崎のリアクションに期待するしかありません。
とにかく辛いシーンの連続だった9話の内容でした。
でも…ストーリー的にはメチャクチャ興奮しました♪
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