この雪原で君が笑っていられるように【ネタバレ・解説】家族と友情と愛と感動と!

国内最大級の漫画・電子書籍ストア【コミックシーモア】※商品リンク有り※許可が下りていないメディアでの掲載は厳禁※

著者:ちづはるか

『この雪原で君が笑っていられるように』

家族が大切で愛してるがゆえに消耗してゆく心と身体!

地方の雪に閉ざされた田舎町でもがき苦しむ一人のヒロインがいました。

4人の幼馴染な関係の男女が織りなすほのかな恋の物語の中に、

今や大きな社会問題となっている”ヤングケアラー”の問題定義を始め、

まだまだ日本に根強く残っている”男尊女卑”な風潮の息苦しさや、

愛おしいけれど重たくて疲れる”家族”というものの姿を赤裸々に描いた感動ヒューマン作品です♪

もはや少女マンガの枠をはみ出た多種多様な人間関係の機微を描いたすばらしい内容の作品なので、

老若男女問を問わず楽しめる一作だと思います♪

「大げさなタイトルだな~と思うかもしれないけど、読んだら実に納得なヒューマン・ドラマです♪」

『この雪原で君が笑っていられるように』とは?

今回サイト主のまるしーが是非とも紹介したい『この雪原で君が笑っていられるように』とは?

2023年09月05日から大手の電子書籍サイト『コミックシーモア』にて、1話~3話までの先行配信がスタートした少女マンガであり、

小学館の少女漫画誌『Cheese!』の7月号より新連載がスタートした作品でございます♪

気になる著者は、『Cheese!』の月例投稿コーナーの【まんがグランプリ】で、

最高賞を受賞した超期待の新人漫画家・ちづはるか先生です。

オマケにこの作品がはるか先生のデビュー作品でございます。

現在、コミックシーモアのTOPページには、本作を宣伝する広告が大きく表示されていますが、

新人漫画家さんのデビュー作がここまで力を入れてプロモーションされているのは”異例”のことだと思います(汗)

まるしーもついついそのプロモーションに誘われて読み始めた読者の一人なのですが、

「読んでみて納得でした!」

この作品は普段の少女マンガ誌『Cheese!』に掲載されているキラキラした恋愛マンガの世界とは一線を画す重厚な人間ドラマとなっており、

ベテラン主婦であるこのまるしーが、たった1話を読んだだけで魂を撃ち抜かれました(汗)

「愛情あふれて痛い!」

「悪気が無くて残酷!」

「愛情の押し売りと絶望」

多様な感情が交錯して何が本当で、何が正しい事なのかを見失いそうになる家族の愛をテーマにした人間ドラマがそこにありました。

キュンラブ系の少女マンガだと思いながら読み始めたまるしーにとっては、

この大きな予想とのギャップに腰が砕けそうになりました(笑)

「普通に名作レベルな人間ドラマです!」

とんでもない才能を持った新人漫画家さんが出てきたもんだ。

そりゃあ最高賞だって受賞するだろうし、コミックシーモアも大掛かりなプロモーションをぶち上げるでしょう!

「メチャクチャ面白い♪」

1話の試し読みから始まって気づけば間髪入れずに3話まで課金しちゃいました(笑)

この作品は少女マンガというジャンルでは扱いきれない深刻な社会問題や、切実で重みのある家族の人間ドラマが描かれています。

それだけに読み込んでいけばいくほど、自身の人生を考えさせられるし、

「まさに自分自身の物語だ!」と共感の涙を浮かべる読者もいることでしょう!

そういう魂をふるわされるマンガとの出会いは極めて貴重です。

もしかするとまるしーの中で今年最高の一作となるかもしれないこの作品。

まだスタートしたばかりですが、グッと胸に刺さる恋愛と家族の物語に興味がある方はぜひ!!

きっと刺さる人にはズバズバ刺さること請け合いです♪


 

『この雪原で君が笑っていられるように』の立ち読み♪

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この雪原で君が笑っていられるように【ネタバレ・解説】家族と友情と愛と感動と!

1話 2話 3話 4話 5話
6話 7話 8話 9話 10話

1話:ヤングケアラー

物語の舞台となるのは福井県の山間の雪深い田舎町です。

主人公の独身女性・白鹿 むく(シロシカムク)21歳は、

この日、面接を受けた会社からの非採用通知の画面を見て落ち込んでいた。

高校卒業と同時に就職した会社が倒産して次の仕事がなかなか決まらないムク。

そんな彼女は乗っていた電車で幼馴染で仲が良かった天沢 優都(アマサワ ユウト)21歳と数年ぶりの再会を果たすのですが、

この時の二人はまだお互いのことを認識していない。

ここでムクの現状紹介です。

彼女の家は祖父母と母、妹との4人暮らしで、父親はムクが小学生の頃に事故で亡くなっている。

さらに…

ムクが中学生の時に祖父が”認知症”を患い、それからはずっと母親とムクで祖父の介護をしている日常が続いています。

ムクは典型的な”ヤングケアラー”であり、その状況はいまだに変わる気配がない。

新たな就職先も見つからず閉塞的な毎日に心も肉体も限界に来ていたムクは、

この日、祖父の介護のことで祖母と母親に泣きを入れました。

祖父を施設に預けてもらえないかと!

すると…

二人から「薄情者!」と責められるような言葉を言われてショックを受けます(汗)

ムクとしては祖父と自分の将来を考えての意見だったのに、その意図が全く二人に伝わっておらず、

あまりの悔しさで衝動的に家を出て行こうとするムクでしたが・・・

 

>>>1話の詳しい解説と感想はコチラ♪

2話:閉塞的な日常から解放

祖母と母親との言い争いの最中で、数年ぶりに幼馴染の朔都(さくと)と優都の兄弟に再会したムクは、

東京からの転勤で地元に戻って来たばかりの兄弟の家に転がり込むこととなります。

電車の中で会った背の高い根暗そうで癖のある男性がムクと仲が良かったあの優都だったのです。

優都はムクが家庭で完全な”ヤングケアラー状態”になっているのを目の当たりにして、

なんの躊躇もなくムクを自分たちが暮らす家に招き入れてくれたおです。

その際、ムクの妹・イノリも一緒に連れて行こうとしたムクでしたが、

イノリの決心がつかなかったので、ムクはイノリの進学費用として貯めていた通帳と印鑑を妹に渡して白鹿家を後にしました。

幼馴染の天沢兄弟は昔と変わらない兄妹みたいな態度で接してくれて、

ムクはようやく未来の見えない閉塞的な日常から解放されたのです。

しかし…

いざ家を出てみると妹のことや介護していた祖父のことが気になってしょうがないムク。

いつまでたっても眠りにつけないムクは、自室でまだ仕事をしている優都に話しかけて・・・

 

>>>2話の詳しい解説と感想はコチラ♪

3話:ムクのやりたい仕事

優都と夜な夜な語り合ったことですっかり元気を取り戻したムクは、

その翌日にはまた新たな気持ちで職探しを始めます。

タブレットで給料の高い仕事を色々と検索しているムクの背後から優都がやって来ます。

優都はムクの短絡的で目先のことだけを考えた仕事の探し方を見て、

改めてムクが根っからの”ヤングケアラー”になってしまっていることを指摘するのです。

仕事は家族のためではなく、ムクのやりたい仕事を探せ。

優都はムクにそう言いたっかったのです。

それから二人のちょっと”ドキッ”とするようなシーンに繋がる。

この時…優都は優都でハードな仕事に追われ過ぎていてメンタルが落ちている状態でした。

だからこそムクにあんな意味深で刺激的なセリフを投げかけたのだろう。

優都の胸にグサッと刺さる的を得た指摘もあって本来の活発で天真爛漫さを取り戻したムクは、

もっとよく考えて仕事探しをすることにしたのですが・・・

 

>>>3話の詳しい解説と感想はコチラ♪

4話:理不尽な言い分

天沢家に身を寄せることで自分の立ち位置を客観視することができたムクは、

本来の明るく快活な自分を取り戻しつつありました。

しかしそんな中…

ムクに去られてにっちもさっちも行かなくなった実家の母親と祖母が天沢家に乗り込んで来たのです(汗)

これにはムクも驚きでした!

母親と祖母はムクが無責任に出て行ってしまったから家が大変な事になっていると訴え、

許してやるから家に戻って来いと上から目線な説得に出てきた。

当然のことながらこれまでムクに”ヤングケアラー”な生活を強いてきた謝罪の言葉など全くなしである。

聞くに堪えない母親と祖母からの”理不尽な言い分”を聞いているうちに、

ムクの意識がまた暗い闇に引きずり込まれて心のパワーが抜けていく感覚に襲われてしまうのです(汗)

果たして、このままムクは元の生活に引き戻されてしまうのか…?

5話:流星群

改めて母親と祖母の身勝手で理不尽な言い分を聞いて堪忍袋の緒が切れたムクは、

いつまでも古い価値観で自分を縛り付けようとする白鹿家ごとぶっ壊してやると、

さらに怒りのボルテージをヒートアップさせます。

だが…ムクには後ろ髪を引かれつつ家に残してきた妹のイノリに対する心配がありました(汗)

妹だけは傷つけたくない!

差し当ってどうやって今の白鹿家をぶっ壊せばいいのか、いいアイデアが浮かばない…。

そんな中、トツゼン優都が煮詰まったムードを打開するためという理由で、

イノリも誘って深夜に4人で”流星群”を見に行こうと言い出した。

なんでこんな大事な時に…!?

という優都の無茶苦茶な提案だったのですが、そこには優都なりの、

ムクの気がかりな部分を払拭させるための”気遣い”が込められていたのです。

このあと…イノリが今までずっと言えなかったムクに対する思いを打ち明けます。

さて…イノリはムクにどんな気持ちを伝えたのでしょう…?

6話:白鹿家の惨状

すっかり元の仲がイイ姉妹の関係に戻ったムクとイノリでしたが、

夜明け前にイノリを白鹿家の自宅へ送り届けた際に”アクシデント”が発生します…(汗)

なんと…祖母がイノリの帰りを眠らずに待ち構えていたのです!

もちろんそこからはすったもんだの大騒動が繰り広げられますし、

ムクは自分が少しのあいだ家を空けただけで、

悲惨な状況に陥っている白鹿家の惨状を目の当たりにして、

家に束縛されず生きてゆくと決めた事の深刻さに改めて気づかされるのです!

実際のところ…ムクがいなければ白鹿家はすぐにでも崩壊するだろう!

いや…ムクの犠牲によってなんとか成り立っていた白鹿家はすでに”崩壊”していたのです。

こんな悲しい結論があるだろうか…?

ムクがぶっ壊す必要もないほど白鹿の家は取り返しのつかないことになっていました…(汗)

だが…それでも動揺する気持ちをグッと抑え込んで白鹿家に戻ることを拒んだムクは、

再び祖母との堂々巡りな激しいやり取りを始めて・・・

7話:番外編

優都が祖母の勝手な偏見を見事に打ち砕いたシーンで6話が幕引きとなりましたが、

今回の7話ではそこから一気に舞台が変わって、

ムクと優都の小学生時代が描かれる”番外編”となっております。

小学生時代のムクはどこからどう見ても腕白な男の子そのもので、

転校生で、かつイジメられっ子だった優都は、いつもムクに助けられてばかりのひ弱な少年だったのです。

さらに…成長した優都がどうして小説家になったのかも、

この少年時代にムクと過ごした日々が大きく関係しているわけです。

今回は優都にとってムクがどれほど大切な存在であるかが分かる重要なエピソードになっております。

8話:白鹿家に雪解け

今回の8話で物語が大きく動きます。

6話のラストで優都が有名小説家であることを”カミングアウト”したことをきっかけに、

これまで祖母には絶対服従だったムクの母親が本音をぶちまけて祖母と対峙するのです。

それに呼応するようにムクも祖母に言いたいことを言います。

それでも祖母はなかなか自分の意見や考えを変えようとしませんでしたが、

最後は認知症の祖父が発した絶望的な言葉で祖母は力尽き、

祖父を介護施設に入所させることに同意したのです。

白鹿家に雪解けが訪れた瞬間だ!

そこから後はとんとん拍子で白鹿家の悲惨だった家庭環境が改善方向へ向かい、

天沢家に家出中だったムクも実家に戻って暮らすことになりました。

これでようやくムクと優都が”恋愛モード”に突入する舞台は整ったわけですが・・・

9話:新刊のサイン会

東京の大型書店で行われる”新刊のサイン会”を控えていた優都は、

ムクにどうしてもその日に付き添ってもらいたくて、

「隣にいてくれるだけでいいから!」

と…悲壮な感じでムクにお願いしました。

かなりのコミュ障を患ってる優都から頼まれたムクは、

交通費とバイト代を出すという優都の必死な説得に負けて東京行きを承諾しました。

ただ…この時のムクは優都が秘かに考えていたことなんて知る由もなかった。

優都は今回の東京行きでムクの気持ちを自分へ向けるべく、

わざわざやりたくもないサイン会をすることにしたわけだ。

作家にとってサイン会の場は、一番輝かしい姿を見せられるシチュエーションであり、

優都が誇らしい自分をムクにアピールできる恰好のイベントなのです。

苦手などと言ってられる場合ではない。

最高にカッコイイ自分を見せてムクにとって特別な人になりたい。

それが優都の秘かな計画だったのですが…。


 

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『この雪原で君が笑っていられるように』の感想・解説まとめ

この『この雪原で君が笑っていられるように』という作品を読んでから、

無性に著者のちづはるか先生について知りたくなったサイト主のまるしーは、

株式会社 文藝春秋が運営する『CREA』というWEBサイトでちづはるか先生が、本作の連載に当たって取材を受けている記事を読みました。

>>>インタビュー記事はこちらです♪

数ページに渡った長いそのインタビュー記事の中では、

そもそもこの物語の創作段階では、主人公の白鹿むく・いのり・天沢朔都・優都の4人の幼馴染み設定があり、

この4人で田舎町を舞台にした恋愛漫画を描きたいという構想から始まった話や、

物語の中に”ヤングケアラー”という今や社会問題になっている題材を加えるに至った経緯などが語られていて、

どのようにして『この雪原で君が笑っていられるように』が始まり、

どういう方向性で物語が進んでゆくのかということが分かってものすごく読み応えのある記事の内容でした。

さらにそのインタビューの中では、もともとはるか先生は舞台演出家を目指されていて、

なんと…劇団四季で働きながら、それと同時に演劇活動をしていた過去を話されていました。

そういうご経験が本作の素晴らしいシナリオに活かされているんだなと納得です♪

もちろん絵も新人離れした綺麗な絵を描かれていますが、

まるしーが何よりもビックリしたのは、その重厚かつ軽やかでいて時に胸にズシンと撃ち落してくる刺さるセリフの数々です。

「そうです…セリフなんです!」

はるか先生が描かれるシナリオには登場人物が発するセリフの中に、

すごく絶妙なタイミングに”パワーワード”が散りばめられているのです。

これってもしかしたら舞台演出の技なのではないでしょうか?

ある言葉を際立たせるためにその前後のシーンを描いているというような作り方?

まるしーには演劇の舞台演出などの知識はまったくありませんが、

明らかにはるか先生が描く『この雪原で君が笑っていられるように』には、

他の漫画にはない独特な空気感や世界観があります。

ヒロインの白鹿むくが家族への不満と愛情が交錯する中で水中に溺れている幻想的なシーンなんかは、

まさに演劇的な技法を漫画の中に組み込んでいるような気がしました。

あと…あくまでもポップな絵柄で『少女マンガ』の雰囲気を漂わせながら、

実はものすごく切実で重要な社会問題に切り込んだヒューマンドラマの一面があるという二面性がスゴイ!

確かに本作が掲載されている『Cheese!』という少女漫画誌は、

そのターゲット層が18歳から25歳と設定されていて、主に大人女性をメインの購買層にしている雑誌ではありますが、

その事を加味してもこの作品の重厚感は凄いです。

ベテラン主婦のまるしーでさえどっぷりと物語の世界に引き込まれてしまう衝撃と説得力があります。

「久しぶりにここまで心振るわされた漫画を読みました♪」

今は素直に本作の著者であるはるか先生に感謝しかない。

読み終わった後にしばらく放心状態になるのは、それだけ心が揺さぶられたという証拠だ。

とにかく年齢や性別を問わずにあらゆる人にお勧めしたい名作です!

もちろんまるしーはこの作品を最後の最後まで読んだ後に、

その後は事あるごとに読み返すことになるでしょう。

間違いなくそれくらいの名作になるだろうと思っている骨のありまくる作品だ!

「また次の配信が待ちきれない作品ができた♪」

無料試し読み

今、紹介した

『この雪原で君が笑っていられるように』は、

テレビCMでもお馴染みの電子書籍のコミックシーモア先行配信中コミックでございます♪

コチラのお店はサイト主のまるしーもよく利用するお店で、

何と言っても面倒な会員登録しなくても、いろんな漫画が立ち読みできちゃうのがありがたいです♪

ひとしきり興味があるコミックを試し読みしたあとに続きが読みたい作品に出合ったら、

その時に初めて無料の会員登録をして課金すればいいだけです♪

会員種別も月額ポイント制その都度購入の嬉しい2コースが用意されています。

商品のラインナップは最新のコミックから不朽の名作までバランスよく取り扱っていますし、

漫画以外にも小説、雑誌など広範囲に商品が取り揃えられています♪

なので・・・

漫画や雑誌をスマホやタブレットで読んでいる方なら会員になっていて損はないお店だと思いますよ~♪

 

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