くにはちぶ【ネタバレ5巻】ぶつかり合う二人の正義!

「私のことは”かざり”って読んでね」

新学期を迎え、誰も登校しなくなった学校。

そこに待っていたのは新たなる強敵・華厳かざり(けごん)という女子生徒だった。

生徒を学校に来させないことが自分の正義だと信じて疑わない彼女と、

親友・たんぽぽを守りたいあざみが真っ向から衝突する。

そこに人として日々成長し続けるたんぽぽがどう絡んでゆくのか・・・?

『くにはちぶ』

5巻の解説と感想です♪

「学校に来なくても卒業できる」

『くにはち』がいる学校の生徒は登校しなくても出席とみなす。

それが緊急措置として校長が作ったルールだった。

そして・・・

かざりに先導された生徒たちはみんなで登校を拒否した。

不条理な悪法『無視法』の犠牲者は、たんぽぽのはずだったのに、

いつしかたんぽぽが加害者の立場に置かれてしまっている。

しかし・・・

かざりの正義を真っ向から否定するために、たんぽぽとあざみは協力して彼女の正義と闘うことに決めた!

 

5巻の見どころ

設定があまりにも非現実的な作品なので、さまざまな理屈を無視して読んできたこの『くにはち』なんだけど、

今回のお話からちょっと受け入れにくいストーリーが展開され始めましたね。

どう言えばいいのか、なんだか安っぽい哲学書みたいな方向に進んでるような気がしてしょうがないのです。

『正義』とは?

から始まる相譲らない二つの主張を安っぽく闘わせたようなストーリー展開に、サイト主のまるしーは少し邪魔くさいと思ってしまいました。

こういう方向にもっていくんならもう少しいろんな部分で辻褄(つじつま)を合わせることが必要なんだけど、

そこは今まで通りむちゃくちゃで雑なディテールなので、

どうも素直に彼女たちの言葉が胸に響いてこないのです。

かなり斬新で攻めたコミックだったので、そこがちょっと残念だ。

ただ・・・

5巻見どころとしては、ずっとたんぽぽあざみのことを目の敵にしてた犬走りんごが、すごく人として成長した部分でしょうか・・・

過去に自分が重ねた間違いに気づいてそれを反省いこうとするんです。

そういう部分が道徳的には素晴らしいですね。

今回は、新たなキャラクター・華厳かざり(けごん)という押しの強いいじめっ子タイプの女子生徒が登場してくるんですけど、

ちょっと人格破綻してるような人物で、彼女のおかけでこの『くにはちぶ』が思想的な安っぽいストーリーになってしまったような・・・

とりあえず『くにはちぶ』ファンのサイト主・まるしーとしては、早くあの華厳かざりのシリーズが終わることを望みますね。

あと…もしかするとそろそろ無視のネタが尽きてきてるのかもしれない・・・


4巻の解説と感想はコチラ♪
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くにはちぶ【ネタバレ5巻】ぶつかり合う二人の正義!

16話:友達の輪

たんぽぽたちが中学3年生になった新学期の日。

華厳かざり(けごん)が誰もいない教室で、たんぽぽとあざみにこう言い放った。

「私たち、もう登校しないって決めたから」

なんと・・・

校長が、『くにはち』という特殊な事情があれば、学校に登校しなくても卒業を許可するルールを作った。

国の制度に逆らえない大人たちの苦肉の策がこれだ。

そして、その制度うまく利用して生徒たちを登校させないように先導したのが華厳かざりと言うわけです。

いきなり登場した彼女がこの先のストーリーを引っ張ってゆくキーマンとなります。

学校に誰も登校しないということが、たんぽぽを無視しなくて済む絶好の方法だと考えたかざり。

そしてその方法が正しいんだと本気で信じ込んでいるのです。

たんぽぽが改めてクラスのみんなの輪に溶け込んで、力強く学園生活を継続しようと決意した矢先の生徒全員ボイコット状態だった。

しかし・・・

それでもたんぽぽとあざみは挫けませんでした。

二人は、まず始めに以前はたんぽぽのことを目の敵にしていたクラスメイト・犬走りんごの家に行って、

明日から学校へ登校するように説得することにしたのです。

そして・・・

そこから友達の輪を広げてゆこうとするのですが・・・

17話:因果応報

自分で髪をショートカットにしているたんぽぽのシーンから始まる。

これは彼女の新たなる決意表明みたいなものだろう。

 

たんぽぽとあざみが犬走の家に行った翌日、学校に行ってみると犬走が学校に登校していた。

二人の思いが通じたのだ!

これで・・・

この日学校に登校してきたのは、たんぽぽ・あざみ・犬走・かざり。

あと…

かざりの脅しに屈しなかった脱力系キャラのれんげという女子生徒の5人だけだった。

かざりは、犬走が登校してきたことが大いに不満だったようで、

いきなり犬走に宣戦布告の言葉を浴びせました。

ただ・・・

犬走が登校してきたことでがぜん勢いづいのはたたんぽぽとあざみでした。

二人はこの日の放課後も学校へ来ていないクラスメイトの家を一軒づつ回って、

どうか学校へ来るように呼び掛けていくのですが、

その日は全ての家でインターホン越しに追い返されることとなった。

そんな帰り道、授業には出なかったけど放課後の部活にだけ参加していた男子生徒を発見するんです。

すると二人は、彼に今回の集団不登校となったきつかけを聞いてみると、

やっぱりかざりがSNSのグループメールを利用してみんなを縛り付け、監視していたのです。

その男子生徒も、学校へ登校しにくい空気に負けてしまったと言いました。

やはり、かざりが集団不登校を先導しているラスボスだったのです。

そしてそのラスボス・かざりは、ある人物をつかって犬走を攻撃しようとしていた。

それは、犬走にとっては因果応報という苦い結果となってしまう・・・

18話:どっちの味方

犬走の親友・すずらんに犬走を階段の上から突き落とさせたかざり。

犬走は、そのまま階段の下まで転げ落ちて息ができない状態となった。

ただ、命に別状はない。

仰向けに倒れている犬走の視界にゆっくりと現れたかざりは、

自分に逆らうと酷い目にあうぞという脅し文句を伝えたが、あざみとたんぽぽによって考え方を変えた犬走は、かざりの脅しには屈しなかった。

しかし・・・

犬走はその後、かざりに、

「どっちの味方?」

と…脅されたすずらんにもう一度階段から突き落とされてしまうのです・・・

 

翌日、かざりはたんぽぽやあざみの前で、たった一日の登校で犬走が学校へ来なくなったことをあざ笑っていると、

松葉杖をついた犬走が笑顔で登校してきたのです。

かざりはそんな犬走に向かって声をかけた。

「おはよ〜犬走さん、また学校来たんだね〜」

「じゃ私の敵ってことでいいね?」

すると・・・

犬走は、

「いいよ…アンタとは戦う」

と…しっかりとかざりの目を見て言い返したのです・・・

19話:被害者と加害者

かざりから脅迫されたあげく、親友である犬走に大変なケガを負わせたすずらんは、

被害者と加害者の両方の立場を背負い苦しみもがいていた。

そして、彼女はその苦しみに耐えきれず自らを選ぼうとするんです。

たんぽぽ・あざみ・犬走の3人はなんとかすずらんの自殺を食い止めようと必死で声をかけますが、

校舎の屋上でバランスを崩したすずらんは・・・

この19話が、『くにはちぶ』5巻での最終話となります。

自殺しようとするすずらんの安否は?

そして・・・

くにはちぶの物語はまた新たなステージへと移り変わってゆきます・・・

 

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5巻の感想

いろんな矛盾点が大爆発してしまった5巻のストーリーでした。

どこがどうおかしいと思うのかはいちいち粒立てるつもりはありませんが、

まずもって、なんだかボスキャラ風の華厳かざりという女子生徒がなぜあれほどの影響力があるのかが分からない。

彼女の正体は伏線としてまだ隠されている状態なのか、それともただのトリッキーなおバカ生徒なのか?

たんぽぽとあざみに見つかった部活男子のように、今はみんなが声の大きいかざりになんとなく従ってる形なのだろうか?

かざりのパワーが分からない!

まぁ~物語の主な舞台が中学校ということで、かなり子供っぽい正義感やその理屈が熱く語られていて、

大人の専業主婦・まるしーとしては、ちょっと恥ずかしい気持ちになる。

そして・・・

今まで学校で起こるさまざまなトラブルなんかを考えると、

たかが1年なんだから死にそうな思いまでしてたんぽぽも学校へ登校しない方がいいんじゃないかと思ってしまう。

この期に及んで彼女が学校へ行く意味って本当にあるんだろうか?

”くにはちぶ”という悪法に屈しないでその法律と仲間と共に闘うたんぽぽあざみの姿を描くことが著者の目的なんだと思うけど、

たんぽぽに関わって罰を受けた人間が多すぎて、ちょっとたんぽぽの考えが傲慢で自分勝手に思えてきたんです。

だって・・・

ほんの1年です。

1年間だけ、家でじっとしていれば、誰にも被害を与えることなく、

たんぽぽの家族もあそこまでボロボロになることもなかったような気がするんです。

たんぽぽもその回りもほとんどまともに学校生活を送れていないし・・・

あと・・・

この5巻を読んで思ったのは、たんぽぽを常に監視してる監督官・踏 七五三男(ふみしめお)の監視が甘くないか?

初期の頃の『笑ってはいけないシリーズ』のごとく判定が甘いぞ!

今回の話しの中でも逮捕のタイミングは結構あったと思うんだけど・・・

だんだん最初に決めたルールがグダグダになってきていないだろうか・・・?

そうだ・・・

もう一度1巻から読み直してみよう♪

 

>>>『くにはちぶ』6巻の解説と感想はコチラ♪

 

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