身分差に終わった恋を、今さらですが。ネタバレ|ギルベルトはなぜ正体を暴かないのか

当ページのリンクには広告が含まれています。
  • URLをコピーしました!
『身分差に終わった恋を、今さらですが。』表紙画像

『身分差に終わった恋を、今さらですが。』は、死んだことにして人生をやり直した王女と、彼女をずっと忘れられなかった騎士の物語です。

再会したギルベルトは、オリヴィアの正体に最初から気づいていました。

それなのに、暴かない。連れ戻さない。自分のものにしようともしない。

ただ彼女が幸せに生きられるよう、静かに守り続けます。

この男の愛、穏やかに見えてかなり重いです。

この記事では、16話までのネタバレとともに、ギルベルトの一途すぎる想いと、二人の恋の行方を追っていきます。

▶ ギルベルトが“最初から見抜いていた瞬間”を確認する

目次

ギルベルトはなぜ正体を暴かないのか|1話〜16話ネタバレ

話数気になるポイント
1話最初から気づいている
2話「見間違えるはずない」
3話“理想の家”が怖い
4話ギルベルトだけが止まっている
5話オリヴィアが“王女”へ戻る
6話「命に替えても守る」
7話あの男が気づき始める
8話ルシウスはなぜ生存を確信したのか
9話ルシウスとの対峙で、隠れ続けられなくなる
10話オリヴィアが自分の意思を示す
11話幸せだけを願い、自ら身を引こうとする
12話「あなたの願いを教えて」
13話 レオンも同じ恋をしていた
14話王女は死んだ
15話遠ざけるほど本音が漏れる
16話ジャンを救ったギルベルト

1話|ギルベルトは最初から気づいている

王女オリヴィアは、隣国の王太子ルシウスとの政略結婚後、愛されることなく10年を過ごします。

ルシウスは女癖が悪く、愛人同士の騒動に巻き込まれたオリヴィアは、式典中に刺されて濁流へ転落しました。

しかし奇跡的に生還。

オリヴィアは“死んだこと”にして、「アン」という別人として平民生活を始めます。

そして酒場で働き始めた彼女の前に現れたのが、かつて護衛騎士だったギルベルトです。

ギルベルトは無表情のまま、
「亡き王女そっくりだ」と口にします。

ただ、この時点ですでに違和感があります。

“似ている娘を見た反応”ではありません。

まるで最初から、
本人だと分かったうえで確認しているような視線です。

2話|ギルベルトは正体を暴かず囲い始める

オリヴィアは正体を隠そうとします。

しかしギルベルトは、
会話の中で自然に反応を誘い、少しずつ確信を深めていきます。

しかも彼は、
“王女に似た娘は危険だから”という理由で、自分の家へ来るよう提案しました。

かなり不自然です。

ただ保護したいだけなら、
ここまで自分の生活圏へ引き入れる必要がありません。

さらに回想では、
結婚前からギルベルトがオリヴィアへ想いを抱いていたことも描かれます。

そして2話ラスト。

部下から、
「あの酒場の娘は本当に王女だったのか」と冗談めかして聞かれたギルベルトは、
聞き取れないほど小さな声で呟きます。

「私が彼女を見間違えるはずないだろう」と。

つまり彼は、
最初から全部わかっています。

ここで、この作品の空気が一気に変わります。

“偶然の再会”ではなく、
オリヴィアを静かに逃がさない話へ変わる瞬間です。

3話|オリヴィアのために用意された家

結局オリヴィアはギルベルト邸へ連れて行かれます。

しかもその家は、オリヴィアが昔好きだった小説に出てくる“赤い屋根の家”そのものでした。

細部まで理想通りです。

偶然では済みません。

ギルベルトが、“オリヴィアと暮らす未来”を、
かなり前から一人で完成させていたように見えます。

しかもオリヴィアだけが、
その未来を知りません。

ここかなり怖いです。

4話|ギルベルトだけが“あの日”から止まっている

ギルベルト邸での生活が始まります。

ただ、この共同生活はかなり不安定です。

オリヴィアは正体を隠そうとするたびに、
逆に“王女らしさ”を出してしまいます。

しかもギルベルトは、
その違和感を全部見逃しません。

夜になると天気が崩れ、
大雨と雷が鳴り始めます。

するとギルベルトは、
すぐにオリヴィアの部屋へ向かいました。

オリヴィアが刺され、
濁流へ流された日も同じ天気だったからです。

つまりギルベルトだけが、
今も“あの日”から抜け出せていません。

ここで空気がかなり重くなります。

ただ助けたいのではなく、
“二度と失いたくない”感情が見え始めます。

そしてラストでは、
オリヴィアの従妹・ヴィラがギルベルト邸へ現れます。

5話|オリヴィアが隠しきれず“王女”に戻る

ヴィラは、
ギルベルトが“オリヴィアに似た使用人”を雇ったと聞き、直接確認しに来ます。

しかも彼女は、
次期王妃候補としてギルベルトを自分の護衛へ引き入れようとしていました。

ただ、ギルベルトは明らかに不服そうです。

その態度に腹を立てたヴィラは、
持っていた扇でギルベルトを叩きます。

ここでオリヴィアがつい反応してしまいました。

ヴィラへ、
お茶を頭から浴びせます。

かなり危険な行動です。

平民の使用人なら、
絶対にできません。

だからこの瞬間、
ヴィラ側もほぼ確信したように見えます。

“アン”ではなく、
本物のオリヴィアなのだと。

ここかなり重要です。

オリヴィアは正体を隠しているはずなのに、
ギルベルトが傷つけられた瞬間だけ、
無意識に“王女としての反応”をしてしまいます。

6話|ギルベルトが“オリヴィアへの想い”を隠しきれなくなる

ヴィラを帰したあと、
ギルベルトはオリヴィアを叱ります。

使用人が主人の客人へお茶を浴びせるなど、本来なら即追放でもおかしくありません。

それでもギルベルトは、
オリヴィアを手放しません。

そのあとオリヴィアは、
平民から準男爵にまで上り詰めたギルベルトを素直に尊敬していると伝えます。

「相当な努力をなさったのでしょう?」

この言葉にギルベルトの表情が少し揺れます。

ここかなり良いです。

ずっと感情を抑えていたギルベルトが、
初めて“報われた側”の反応を見せます。

さらに彼は、
「私の命に替えても君を守る」と口にしました。

もちろん表向きは、
“アン”へ向けた言葉です。

ただ実際は違います。

ギルベルトは最初から、
オリヴィアへ向かって話しています。

だからこそ怖いです。

正体を暴かないまま、
ずっと“本物のオリヴィア”として扱い続けています。

7話|ルシウスが“生きている”と気づき始める

7話では、ギルベルトとオリヴィアの距離がさらに近づきます。

朝からギルベルトに抱きしめられたように見え、オリヴィアは強く動揺しました。

ただ実際は、エプロンの結びを直しただけです。

それでもオリヴィアは、昔と変わらないギルベルトの香りに懐かしさを覚えます。

さらに花祭りの準備を見たオリヴィアは、自分の死後も“王女が喜ばないから”という理由で祭りが続けられていたことを知りました。

ここで見えるのは、ギルベルトが“王女”ではなく、“オリヴィア本人の気持ち”をずっと見続けていたことです。

さらに回想では、かつてギルベルトがオリヴィアへ花を贈ろうとして、女王陛下に止められていた過去も描かれます。

そして現在。

ギルベルトは、当時渡せなかった花をようやくオリヴィアへ手渡しました。

オリヴィアが「私も何かお返ししたい」と言うと、ギルベルトは静かにこう返します。

「君が楽しく生きていてくれればそれでいい」

ここで7話の空気が少し変わります。

ギルベルトは、“手に入れたい”より先に、“もう二度と失いたくない”が来ています。

ただ7話ラストでは、ルシウス側にも変化が出始めます。

オリヴィアの告別式の知らせを破り捨て、
「彼女はまだ生きている」
と口にしました。

ここから物語は、“再会”だけでは終わらない空気へ変わり始めます。

⇒ 「君が楽しく生きていてくれればそれでいい」の重さはこちら

8話|ルシウスはなぜ生存を確信しているのか

8話では、不穏の方向が大きく変わります。

これまでの中心はギルベルトでした。

しかし今回からは、ルシウスというもう一人の男が本格的に動き始めます。

オリヴィアの告別式に招かれたルシウスは、新王妃候補として紹介されたヴィラを即座に「不合格」と切り捨てました。

理由は単純です。

気に入らなかったから。

さらに彼は参列者たちの前で、

「オリヴィアは死んでいない」

と断言します。

なぜそう言い切れるのか。

その理由はまだ明かされていません。

しかしルシウスは最初からオリヴィアの死を信じておらず、現在も生存している前提で動いていることだけははっきりしました。

そして彼が次に探し始めたのが、

ギルベルトです。

なぜルシウスはギルベルトを追っているのか。

なぜオリヴィアの生存とギルベルトが結び付くのか。

8話ではまだ答えは出ません。

一方その頃、オリヴィアはギルベルトの執務室で大量の贈り物を整理していました。

そこで見つけたのが、自分が騎士団長就任祝いとして送った手紙とブランデーです。

ギルベルトは手紙を読んでいました。

しかしブランデーは開封されないまま大切に保管されていました。

さらにオリヴィアは、自分が送った手紙の下書きを思い出します。

実際に送ったのは当たり障りのない内容でした。

ですが本当は、慣れない異国での暮らしや、ギルベルトとの日々を懐かしむ気持ちを書いていました。

ギルベルトはその本音を知りません。

それでも彼は手紙と贈り物を捨てずに残していました。

その事実を知ったオリヴィアは、少しだけ申し訳なさを覚えます。

そしてラスト。

突然ルシウスが執務室へ現れます。

咄嗟に机の下へ隠れるオリヴィア。

部屋へ入ってくるルシウス。

8話は、

「見つかるかもしれない」

という新しい不穏を残したまま終わります。

⇒ 「彼女はまだ生きている」と確信したルシウス側の不穏はこちら

9話|ルシウスとの対峙で、隠れ続けられなくなる

9話では、これまで保たれてきた穏やかな日常が、大きく揺らぎ始めます。

ギルベルトの執務室へ現れたルシウスは、王族護衛の証や手紙、開封されないまま残されていたブランデーを目にし、ギルベルトが今もオリヴィアを想い続けていることを察します。

さらにルシウスは、オリヴィアの生存を確信したままギルベルトを問い詰めました。

一方のギルベルトは最後まで動じません。

王女の護衛としての立場を崩さず、ルシウスの挑発にも応じようとはしませんでした。

しかし、この話で本当に変わったのは二人の対立ではありません。

ギルベルトはこれまで、正体に気づいていても暴かず、オリヴィアが安心して戻れる場所だけを静かに守り続けてきました。

その「戻る場所」に、初めて外から踏み込んできたのがルシウスです。

守られていた日常は、もう二人だけのものではなくなりました。

そして机の下で二人のやり取りを聞いていたオリヴィアは、ギルベルトが今も自分を想い続けていたことを知ります。

その想いに突き動かされるように、オリヴィアは自ら姿を現しました。

10話|オリヴィアは初めて「帰らない」と自分の意思を示す

10話では、これまで保たれていた三人の関係が大きく動きます。

ルシウスは目の前に現れたアンを見て、生きていた喜びを隠しきれませんでした。

しかし、アンが別人だと言って拒み続けると、その執着は次第に強い形となって表れます。

その姿を見たギルベルトも、これまで以上に強い態度でルシウスへ立ちはだかりました。

ここで大きく変わったのは、オリヴィア自身です。

踏み潰された花を拾い上げながら、

「私がオリヴィアだったとしても、アンタのもとには帰らないわ。絶対に」

と、自分の意思ではっきり拒絶しました。

これまでの物語は、「見つかるかどうか」が大きな不穏でした。

しかし10話で、その不穏は終わります。

これからは、「帰らないと決めたオリヴィア」と、「それでも諦められないルシウス」の対立が物語の中心になっていきそうです。

一方で、ギルベルトとオリヴィアの関係も、もう正体を隠し続けるだけではいられない段階へ進みました。

10話は、三人それぞれの想いが初めて正面からぶつかった、大きな転換点となる回です。

⇒ ルシウスは本当にオリヴィアを愛していたのか。その想いを整理した記事はこちら

11話|幸せだけを願い、自ら身を引こうとする

11話では、ギルベルトが最後までオリヴィアの幸せを優先していることが描かれます。

ルシウスとの一件で、自分がこの国を離れる可能性も考え始めたギルベルトは、オリヴィアに「ここで自由に暮らしてほしい」と静かに伝えます。

友人を作り、恋をして、結婚して、子どもを育てる──。

その言葉には、自分の気持ちを押し殺してでも、彼女だけは幸せになってほしいという願いが込められていました。

しかしオリヴィアは、その言葉から「あなたは私がいなくても大丈夫なんだ」と受け取り、初めて彼を失うことへの怖さを強く意識します。

正体を暴かず、何も求めず、ただ幸せだけを願い続ける。

その深すぎる想いが、皮肉にも二人をすれ違わせてしまいました。

さらにラストでは、元騎士団長レオンがオリヴィアの正体を一目で見抜きます。

ギルベルトだけが静かに守り続けてきた“戻る場所”は、再び外から揺さぶられ始めました。

12話|「あなたの願いを教えて」

レオンに正体を見抜かれたオリヴィア。

一方、ギルベルトは変わらず、オリヴィアの望みを最優先にします。

「私と一緒に行きたいの?」と尋ねても、返ってきたのは、

「君がそれを望むなら」

という答えでした。

さらにギルベルトは「君はもう自由になれ」と告げ、彼女の明日を必ず守ると誓います。

けれど、オリヴィアが知りたいのは自分の望みではありません。

「あなたの願いを教えて」

ギルベルトはずっと、オリヴィアの幸せだけを願ってきました。

だからこそ今度はオリヴィアが、彼自身は何を望んでいるのかを知ろうとします。

しかし、その答えはまだ明かされません。

そして二人の知らないところでは、レオンがキヨルト女王イヴェルガへ、

「オリヴィア王女は生きています」

と報告。

二人が守ってきた秘密は、ついに王家へ届きました。

13話|レオンも同じ恋をしていた

レオンから「オリヴィア王女は生きている」と聞かされた女王イヴェルガ。

最初は戯言だと信じませんでしたが、かつて自分の護衛騎士だったレオンが本人だと言い切ったことで、直接会って確かめることにします。

ちょうどその頃、騎士団が主催の舞踏会が開かれていました。

オリヴィアもギルベルトに同行したところに現れたのがレオンでした。

彼から女王が会いたがっていると伝えられたオリヴィアは、母と向き合うことを決めます。

それを知ったギルベルトは激怒。

普通の女性として生きたいオリヴィアの夢を奪うなとレオンへ詰め寄ります。

しかしレオンから返ってきたのは、

「お前らだけが夢を持ってると思うなよ」

という言葉でした。

ここでまさかの事実が判明します。

レオンもかつて、護衛していたイヴェルガを愛していたのです。

しかもギルベルトとは違い、レオンは「俺と逃げないか?」と自分の気持ちを伝えていました。

けれどイヴェルガは、大粒の涙を流しながらその手を取らず、自分の恋を諦めて国母になる道を選びます。

12話でレオンがギルベルトに「護衛対象と仲良くなるな」と忠告したのはそのためでした。

さらにレオンは、

「彼女から娘を奪わないでくれ」

「これ以上彼女を悲しませないでほしい」

とギルベルトに頼みます。

自分も身分差の恋で傷ついたからこそギルベルトの気持ちは分かる。

それでも今度は、愛した女性のために娘を返してほしい――。

これにはギルベルトも何も言い返せません。

そしてラストでは、ついにオリヴィアとイヴェルガが対面というシーンに突入します。

13話で突然見えてきた“もう一組の身分差の恋”。

ギルベルトとオリヴィアは、二人と同じ結末を迎えるのか。

14話|王女は死んだ

ついに母・イヴェルガと向き合ったオリヴィア。

「あなたは我が娘ですか?」

大勢が見守るなかでそう問われても、オリヴィアは迷わず自分は王女ではないと答えます。

ところがイヴェルガは、そんな彼女にギルベルトの靴を磨き、さらにキスまでしろと命令。

オリヴィアがギルベルトを守るために従おうとした瞬間、止めたのはイヴェルガでした。

そして娘を抱きしめて尋ねたのは、たった一つ。

「あなたはいま 幸せなのですか?」

オリヴィアの「はい」を聞いたイヴェルガは、皆の前で「この娘は私の娘ではありません」と宣言します。

娘を取り戻すのではなく、王女オリヴィアをもう一度死なせることで、アンとしての人生を守ったのです。

これでオリヴィアは本当に自由になりました。

ならば次はギルベルトとの恋――と思ったところで、今度はギルベルトが後退します。

これまで特別扱いしすぎたとして、突然「主人と使用人」の線を引き始めたのです。

王女という最大の壁がなくなった途端、なぜ自分から新しい壁を作るのか。

その理由はまだ分かりません。

15話|遠ざけるほど本音が漏れる

レオンの言葉を受けてから、ギルベルトは明らかにオリヴィアとの距離を取り始めました。

同じ馬車で出勤することもやめ、あくまで「主人と使用人」でいようとします。

オリヴィアを自由にするためなのでしょうが、その結果、彼女は自分が避けられているように感じてしまう。

ここが15話の二人の厄介なところです。

そんななか、オリヴィアは日頃のお礼としてギルベルトへ香水を贈ります。

ところが返ってきたのは、

「必要ない」「返してきてくれ」

という拒絶でした。

傷ついたオリヴィアを見て、さすがのギルベルトも自分が何をしたのか気づきます。

そして香水を受け取りながら漏らしたのが、

「君がくれるものはすべて欲しい」

という本音でした。

離れようとしている男の言葉とは思えません。

そもそもギルベルトが長年同じ香水を使っていたのも、かつてオリヴィアから「いい香りね」と褒められたから。

頭では距離を置こうとしているのに、彼女からもらった言葉ひとつを何年も手放せない。

オリヴィアを幸せにするために離れようとして、そのオリヴィアを自分で傷つけている。

王女という最大の壁がなくなったのに、今度はギルベルト自身が二人の間に壁を作ってしまいました。

16話|ジャンを救ったギルベルト

ギルベルトとの距離ができてしまったオリヴィアですが、代わりに送迎を任されたジャンとはすっかり打ち解けた様子。

そんなジャンから語られたのは、ギルベルトとの意外な過去でした。

幼い頃のジャンは「路地裏の名もなき家族」の一員として、物乞いや盗みをしながら生きていました。

そこから彼を拾い上げ、騎士になる道を与えたのがギルベルトだったのです。

ここで興味深いのは、オリヴィアとの違いです。

オリヴィアに対しては「幸せにしたい」と思うほど距離を取ってしまうのに、ジャンには人生そのものを変えるほど踏み込める。

ギルベルトは誰かを助けることには迷いがないのに、そこに自分自身の幸せが絡むと途端に不器用になる男なのかもしれません。

ところが、そんな話をしていた二人が何者かに襲われ、そのまま拉致されてしまいます。

犯人はジャンがかつて所属していた「路地裏の名もなき家族」。

彼らの目的は、ギルたちに捕らえられた仲間を救い、ジャンを取り戻すことでした。

リーダー格のジェーンは、その条件としてジャンにオリヴィアを殺すよう命じます。

もちろんジャンは即座に拒否。

激しく痛めつけられても意思を曲げません。

そして二人が追い詰められたところへ、ギルベルトが姿を現します。

なぜこの場所に現れたのか。

ギルベルトがどこまで事態を把握していたのかは、まだ分かりません。

3話の“理想の家”がかなり怖い

3話で、ギルベルトの私邸が登場します。

ただの家ではありません。

そこは、昔オリヴィアが好きだった小説に出てくる“赤い屋根の家”そのものでした。

家具や雰囲気まで含めて、明らかにオリヴィア好みに寄せられています。

つまりギルベルトは、かなり前から“オリヴィアと暮らす場所”を用意していたように見えます。

しかも怖いのは、本人に一度も気持ちを伝えていないことです。

だから2話の
「私が彼女を見間違えるはずないだろう」
が一気に重くなります。

ここから、ギルベルトの見え方がかなり変わります。

“一途な騎士”なのか、
“気づくと戻る場所を一つにしてくる男”なのかでかなり印象が分かれます。

⇒ “理想の家”がなぜ怖いのかを整理した記事はこちら

ギルベルトは“戻る場所”だけを先に完成させている

ギルベルトの愛が独特なのは、オリヴィアとの関係を先に進めようとしないところです。

正体を知っている。

ずっと想っている。

一緒に暮らしている。

それでも、恋人になろうとも、自分を選んでもらおうともしません。

ギルベルトが先に作ったのは、二人の関係ではなく、オリヴィアが安心して戻れる場所でした。

だから彼の愛は、一見するととても穏やかです。

でも読み進めるほど、その穏やかさのほうが重く感じられてきます。

自分が報われるかどうかとは関係なく、オリヴィアが幸せに暮らせる場所を守り続ける。

自分がそこに必要とされなくても構わない。

そこまで含めて、ギルベルトの「守る」なのだと思います。

そして物語が進んだ今、面白くなってきたのはここです。

これまではずっと、

ギルベルトがオリヴィアの幸せを考える物語

でした。

ところが、その一方通行だった関係に少しずつ変化が生まれています。

“戻る場所”はもうある。

だからこれから気になるのは、その場所で二人がどんな関係を選ぶのか。

この作品はようやく、そこへ進み始めています。

⇒ ギルベルトが“優しいのに怖い”理由だけを整理した記事はこちら

2話の一言で、この作品はかなり怖くなる

1話時点では、まだ“死んだことになった王女の再出発”です。

ただ2話で、ギルベルトが
「私が彼女を見間違えるはずないだろう」
と言った瞬間、作品の空気が完全に変わります。

ここで初めて、
“似ている別人”として接していないことが確定します。

しかもギルベルトは、正体を暴きません。

ただ静かに、オリヴィアが戻る場所だけを用意しています。

だから安心感より先に、
「この人はどこまで分かっている?」という怖さが残ります。

さらに3話の“理想の家”まで行くと、ギルベルトの重さがかなりはっきり見え始めます。

ルシウスは“夫”になれなかったのに、今さら追い始める

この作品のルシウスは、最初から“夫”として機能していません。

女癖が悪く、愛人同士の揉め事にオリヴィアを巻き込み、結果として彼女は死んだことになります。

10年間、夫婦として寄り添うこともありませんでした。

だから読者から見ると、二人の関係はすでに終わっています。

一方でギルベルトは、最初からオリヴィアを見抜き、正体を暴かず守り続けてきました。

この「守れなかった夫」と「守り続けた騎士」の対比こそ、この作品の大きな軸です。

そして9話で、その二人は初めて真正面から向き合います。

さらに10話では、ルシウスの執着がはっきりと形になりました。

オリヴィアを見つけた喜びから一転、自分の思い通りにならないと強引な態度へ変わる姿は、彼の歪んだ愛し方そのものです。

オリヴィアが「帰らない」と自分の意思を示したことで、ルシウスとの関係には明確な線が引かれました。

皮肉なのは、そのあとです。

オリヴィアをずっと守ってきたギルベルトの方が、今度は自ら彼女との間に線を引き始めています。

身分差に終わった恋を、今さらですが。の結末はどうなる?

14話で「王女」という最大の壁はなくなりました。

ところが15話では、自由になったオリヴィアに対して、今度はギルベルト自身が距離を取ろうとします。

ここまで来ると、この物語で二人を引き離しているのは、もう身分差ではないのかもしれません。

ギルベルトはずっと、オリヴィアの幸せを最優先にしてきました。

正体を暴かない。王女へ戻そうとしない。自分との関係も求めない。

そして離れようとしている15話でさえ、

「君がくれるものはすべて欲しい」

と本音が漏れています。

つまりギルベルトは、オリヴィアを手放したいわけではありません。

彼女の幸せを願うあまり、自分がその幸せに含まれている可能性を考えられないのです。

そして16話では、そんなギルベルトの別の顔も見えてきました。

路地裏で生きていたジャンを救い、騎士になる道を与えたギルベルトは、他人の人生には思い切って踏み込める男です。

それなのに、オリヴィアのことになると「彼女のため」を考えるほど自分から離れてしまう。

ジャンにはできたことが、オリヴィアにはできない。

この違いを見ると、二人を止めているのは身分差ではなく、やはりギルベルト自身の考え方なのだと思います。

ここが、レオンとイヴェルガとの大きな分岐点になりそうです。

二人は想い合いながらも、身分差によって恋を諦めました。

しかしオリヴィアとギルベルトには、もうその壁がありません。

それでも同じ結末を迎えるとしたら、今度は身分ではなく、ギルベルト自身が恋を諦めたことになります。

オリヴィアはすでに、自分が望む人生を選びました。

次はギルベルトの番です。

「彼女を幸せにしたい」から一歩進んで、「自分も彼女と幸せになりたい」と願えるのか。

この作品の結末を決めるのは、もう身分差ではありません。

ギルベルトが自分も幸せになっていいと思えるかどうかです。

原作小説はある?

『身分差に終わった恋を、今さらですが。』に原作小説はありません。

小説原作のコミカライズではなく、漫画として進んでいる作品です。

だから今の時点では、ギルベルトがどこまで“戻すつもり”なのか、まだ誰にも分かっていません。

ここがかなり独特です。

ギルベルトは、表情より距離感で圧を出してきます。

しかも正体を暴きません。

ただ静かに、“戻る場所”だけを完成させています。

だからこの作品、“先を知りたい”というより、
「この男はどこまで分かっている?」が止まらなくなるタイプです。

⇒ 原作小説はある?ギルベルトの執着は先読みできる?

raw・pdfで読める?

raw・pdfなどの違法アップロード版で読むのは危険です。

『身分差に終わった恋を、今さらですが。』は、コミックシーモアで正規配信されています。

現在は2話無料公開中です。

特に2話の
「私が彼女を見間違えるはずないだろう」
で、作品の空気がかなり変わります。

ギルベルトの“静かな圧”は、実際のコマで見た方がかなり印象が違います。

まずは無料範囲だけでも、実際に確認した方が早いです。

身分差に終わった恋を、今さらですが。はどこで読める?

『身分差に終わった恋を、今さらですが。』はコミックシーモアで先行配信中です。

現在は2話無料で、ギルベルトがオリヴィアの正体に最初から気づいていたことまで確認できます。

でも、この作品が面白くなるのはそこから。

気づいているのに暴かない。

好きなのに、自分を選んでほしいとも言わない。

ただオリヴィアの幸せだけを願い続ける――。

ここまで想っているのに、自分の願いだけは言わない。

このじれったい二人を、ぜひ本編で追ってみてください。

  • URLをコピーしました!
目次