
『満ちるまで雨宿り』は、恋が始まった瞬間を派手に見せる作品ではありません。
むしろ気になるのは、今まで何とも思っていなかった相手が、いつから「何とも思わない相手」ではなくなるのか。
その変化をどう描く漫画なのか。
まずは、本作ならではの面白さから見ていきます。
ただの同期だった高野を、梢はなぜ意識し始めたのか
梢と高野は、長く一緒に働いてきた同期です。
気軽に話せるし、これまで特別に意識するような関係でもありませんでした。
それが少しずつ変わり始めます。
きっかけは、派手な出来事ではありません。
「自分が思っていることを、この人も同じように感じているのかもしれない」
そんな小さな一致が、何度も梢の目に留まるようになったことでした。
梢が企画した開発メニューに、高野がすべて満点をつけていたこともその一つ。
さらに、梢が心の中で感じていたことを、高野がまるで代わりに言葉にするような瞬間まであります。
今まで普通に接していた同期なのに、気づけば少し気になる。
『満ちるまで雨宿り』は、この「いつから?」と聞かれても一つには決められない感情の動きから、二人の物語を始めています。
深夜のスーパーだから見えてくる、いつもとは少し違う日常
『満ちるまで雨宿り』の舞台は、24時間営業のスーパー「ハピフル」。
梢は午後8時から翌朝7時まで働く夜間部主任です。
仕事は好き。それでも、みんなが一日を始める時間に仕事を終え、明るい部屋を暗くして眠る生活には、今でも少し不思議な感覚があります。
そんな梢たちが働く深夜のスーパーには、昼間とは違う時間が流れています。
雨の匂いに気づいたり、何気ない会話を交わしたり、ときには思いがけない人が店を訪れたりする。
そこで描かれるのは、特別な事件ばかりではありません。
普段なら通り過ぎてしまいそうな人や言葉に、少しだけ立ち止まる。
恋愛だけを急いで進めない、この夜の時間そのものが、『満ちるまで雨宿り』の空気を作っています。
「高野くん、あのね」の続きで、梢が言えたのは――
1巻のラスト。
高野を意識し始めた梢が、ついに自分から声をかけます。
「高野くん、あのね…!」
ここで1巻は終了。
ところが2巻の冒頭、梢が満を持して口にしたのは――
「雨宿りっていいねー」
高野は「え?」とキョトン。
梢も自宅へ戻ってから、
「何で雨宿りの話なんかしたんだろ……」
と一人で落ち込みます。
今まで普通に話せていた相手なのに、意識した途端に肝心なことが言えない。
話したいことがあるのに、本人を前にすると言葉にならない。
この何とも不器用な一歩で1巻から2巻へつなぐところが、『満ちるまで雨宿り』のうまいところです。
大きな事件ではなく、「次こそちゃんと話せる?」で続きを読みたくなる。
そんな二人だからこそ、この先の距離がどう変わっていくのかを見届けたくなります。
気になったなら、まず無料の1巻から読んでみて
『満ちるまで雨宿り』は、コミックシーモア独占・先行配信作品です。
現在は1巻を無料で読めるので、この作品が自分に合うかを確かめるのに費用はかかりません。
ここまで読んで少しでも気になったなら、まずは1巻だけでも十分です。
読んでみて、
「この二人を、もう少し見ていたい」
そう思えたら、そのまま続きを追ってみてください。
今なら無料の1巻から始められます。
