著者:北見明子
『能なし巫女は、鬼神さまに愛される 』
12話の解説と感想です♪
人間世界と妖世界を繋ぐ鏡に映し出されたのは小夜の妹・七星だった。
とにかく小夜のことが心配で一刻も早く人間世界に戻りたかった暁は、
櫻庭に霊力をすべて奪われて能無しとなった七星に少しの霊力を注いで鏡の前に呼び寄せた。
暁としてはもちろん苦肉の作であったわけですが、
櫻庭から散々な目に遭わされた七星としては、
宿敵の暁に協力してでも櫻庭に復讐したいという気持ちが勝り、
昨日の敵は今日の友とばかりにWin×Winな関係が成立して・・・
「櫻庭の中にも譲れない正義があるもんだから話がややこしくなってしまうわけで・・・」
11話の解説と感想はコチラです♪
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能なし巫女は、鬼神さまに愛される【ネタバレ12話】敵の敵は味方!
苦肉の策
12話の冒頭では、どのような経緯で七星が人間世界と妖世界を繋ぐか鏡の前に姿を現わしたのかが描かれています。
暁としては”苦肉の策”として七星に人間世界へ引き戻してもらう交渉をすることになったのですが、
幸いにも七星の櫻庭に対する怒りと復讐心が凄まじかったことで、
彼女は暁の出した条件をあっさりと受け入れたのです。
敵同士だった二人が手を組んだ瞬間だ。
一方…
何度も櫻庭邸からの脱走を試みるものの、ことごとく失敗に終わっていた小夜は、
何とかして自由の身になろうと様々な方法で屋敷からの外に出ようとするのですが、
櫻庭による完全監視の目が厳しくてまったく隙を伺う暇がありません(汗)
父親から櫻庭が”吸魂術”なる手段を使って七星の霊力を奪ったと聞いていた小夜は、
霊力を失った小夜がどこかの土地で絶望に打ちひしがれていると想像して、
暁が人間世界からいなくなったと同様に妹のことが心配でしょうがなかったのです。
だからこそとにかく今はほんの少しの手掛かりでいいから見つけたい。
そんな思いで小夜は今の状況から抜け出すヒントを探し求めていました。
敵の敵は味方
櫻庭邸からの脱走はしばし諦めて、櫻庭がいる書斎を探索し始めた小夜は、
ある扉を開いた中に並べられたコルク栓が詰められた透明のガラス瓶を見つけます。
櫻庭にこの瓶はなにかと尋ねると”霊力”と答えました。
そこには彼がこれまで吸魂術で奪ってきた霊力がビン詰めにされて並んでいたのです。
ということはこの中に七星が奪われた霊力もあるという事だろうか?
その疑問を櫻庭にぶつけてみた小夜。
すると…七星の霊力を奪ったことを小夜は知らないと思っていた櫻庭は動揺の色を見せました(汗)
さらに自分にウソをついていた櫻庭を痛烈に非難する小夜。
これで櫻庭の小夜に対して訴えていた”正当性”は崩れてしまったのです。
実にバツの悪そうな表情を浮かべる櫻庭。
このあと彼はゴソゴソと自分のポケットを探って丸く光るピンポンボール大の球を取り出しました。
それこそが七星から奪い取った霊力の球だったのです。
だが小夜がそれを奪ったとしてもどうすることもできない。
しかしその時です!
櫻庭の手の中にある球の色がトツゼン変化すると、
「ドンッ」という大きな爆発音と同時に屋敷の天井が破壊されました(汗)
なんと…
櫻庭から霊力を奪い返した七星がトツゼン小夜と櫻庭の前に姿を現したのです!
「敵の敵は味方って言うでしょ」
七星の口から出たこの意味深なセリフの意味は数秒後に分かります。
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12話の感想
さすがに七星は能無し巫女となっても父親とは違ってなかなかの図太さを発揮しました。
ただ…このあとちゃんと暁の要望に応えたところを見れば、
七星の怒りの矛先はすでに小夜から櫻庭に移ったような感じがありますね。
このまま小夜と七星が正常な姉妹関係になれればいいのですが、
櫻庭を倒す目的が達成されたあとの七星がどういう態度に出てくるかはまだ不安が残る状況です。
しかしまぁ~早い段階で暁が人間世界に戻れたのはすごくラッキーでした♪
「こればっかりは七星のおかげです。」
あとは強烈な櫻庭の吸魂術に暁がどう対処するかにかかっている。
そもそも小夜が櫻庭に気持ちがなびく可能性はゼロに近いので、
最初から恋の三角関係にはなりえない小夜と暁と櫻庭の構図です。
そして…
櫻庭の”鬼狩り”という職業を考えると、暁と櫻庭はどこまで行っても相いれない関係性であり、
どうあっても一度はぶつかり合う運命なのでしょう!
そこに霊力がほぼ完全回復した七星がどう絡んでゆくのか……?
これはまたすごく面白い展開になってきました♪
櫻庭という男には元来の”ヒール役”にありがちな人相の悪さや邪な思想は持っていません。
彼が”鬼狩り”になった経緯を見ても家族が襲われたからであって、
彼の根底にある精神は至って健全な思いや信念であり、普通に正義感に溢れた人物なのです。
だからこそ、鬼神である暁がこれまで村の平和を守ってきた存在だと認識することになれば、
小夜を奪い合う恋のバトルを別にすれば、暁と櫻庭は十分に分かり合える可能性があると思うのですが、
なにせ櫻庭の鬼に対する恨みや憎しみの根が奥深過ぎて、
ちょっとやそっとの説得や説明では彼の認識を変えることは難しいでしょう(汗)
中身は悪い男ではないだけにそこが非常に残念なところです。
あと…
その平和主義的な思考や人の良さが邪魔をして、どこかで櫻庭に絆されてしまうのではないかと心配だった小夜が、
結果的に最後まで桜庭のやっていることを受け入れずに、
毅然とした態度で彼への歩み寄りをしなかった小夜の態度は素晴らしかったと思います。
変に櫻庭の思いを小夜が受け入れたら嫌だな~と思っていたので、
その部分はちゃんと暁への想いを貫いていたので好感を持ちました。
決して優しくてお人好しなだけの小夜ではなかったのです。
それにもう一つ…
七星が今回の一件を通じて小夜と友好的な”姉妹関係”を築いてくれたすごく嬉しいのですが、
あの歪みまくった人格が真っすぐな心に生まれ変わるのはちょっと無理があるのかな~(汗)
小夜と七星の仲良しな姉妹関係の構図を一度は見てみたい。
とまぁ~勝手な願望をつらつらと語ってはいますが、
まぁ~まずはその前に櫻庭との対決が最優先事項ですね。
暁と七星のコンビと櫻庭との戦はどんな結末を迎えるのか…?
次回…恐らくその結果が出ている事でしょう♪
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