の、ような。【ネタバレ1巻】麻生海の切り口が気持ちイイほど刺さる♪

夫婦の、ような。

親子の、ような。

まったくの他人同士が、ある日トツゼン家族のような暮らしを始めたら・・・

母親になることは、煩わしい毎日を積み重ねること。

30代の独身ワケアリ女が、まっとうで愛おしい家族を作り上げてゆく異質なヒューマンドラマ!

国内最大級の漫画・電子書籍ストア【コミックシーモア】

著者:麻間海
『の、ような。』

理不尽な状況から始まったトツゼンの4人家族。

「過度な同情はしない!」

起こった問題と、目の前にある現実を把握して、

その場その場で冷静に解決策を見いだしてゆく。

グダグダ言ってる暇があったら行動する男前なヒロイン・希夏帆(きなほ)に、

大人が大人である偉大さを見せつけられた気分だ。

の、ような。の見どころ

BLコミックの実力派・麻生海さんがシブい女性マンガをリリースしました~♪

BL作家さん独特の繊細なモノの考え方や、目の付け所が秀逸で、

今までに見たことのないファミリーヒューマンなドラマが描き出されております♪

特に本作の見どころはというと、

「表現やセリフが細かくて理屈っぽい!」

 だけどイチイチそれがまっとうで、日常に発生した問題トラブルがキレイに整頓されて、ある考えのもとで気持ちよく解決されてゆくところですね。

その説得力のあるセリフと言葉のチョイスは、読み手を見事に納得させてくれます♪

現実離れしたストーリーのつじつまが、ページの進行とともに、収まるところに収まって気持ちよく合ってゆくんです。

やがて・・・

物語の中盤以降は、主人公・高山 希夏帆(たかやま きなほ)のやることなすことに共感を覚え出してくる。

ただ・・・

ちょっと、ヒロインの希夏帆が、カッコよくデキすぎな人間像の感はあるんですが・・・

ココまでりっぱな大人はそういない!

でも・・・

だからこその漫画でありフィクションなわけで、サイト主の まるしーは、コミックにリアリティなんて求めていない

だからこそ楽しめる♪

30過ぎて、マンションを購入、結婚せずに一人で生きてゆく覚悟を固めてた、仕事もプライベートも自立した女性・希夏穂(きなほ)。

しかし・・・

いい加減で、フワフワした性格の彼氏・今井愁人(いまいあきと)が、

ある日トツゼン、両親を事故で失った甥っ子2人を連れて家にやってきた・・・

「なんとかしてあげたくて…」

とか言って・・・。

「ざけんなよっ!」

というムチャクチャなスタートから始まるヒューマンファミリーストーリーというわけですが、

もし、

まるしーが希夏帆と同じ状況に立たされたとしたら、間違いなくその場で彼氏とは別れる

「この選択肢で一択だ!」

ありえない!

でも・・・

本作の主人公・希夏帆は、ほんの数秒だけ彼氏に文句を言っただけで彼らを受け入れました。

決してその場の感情や、同情の気持ちとは関係なく、

日本という先進国に所属する常識的な大人として、最優先に考えなければならないことを実践したのです。

それは・・・

親を亡くして傷ついている子供たちの心をこれ以上キズつけないこと!

「何をなすべきか?」

ココがこの物語の重要なポイントなんだと思います。

そのことが、物語を読み進めてゆくと、だんだん見えてくると思うんです。

いいですよ!この漫画は…♪

 

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の、ような。【ネタバレ1巻】麻生海の切り口が気持ちイイほど刺さる♪

この物語は、ある日トツゼン二人の子供を養うことになったワケアリの30代女性が、

その理不尽な状況に疲労困憊しながらも、心ある大人としての行動を貫いてゆく異質なホームドラマです♪

「こんな夢物語は茶番だ!」

と、思う人は思えばいい。

だけど・・・

こんな大人たちが日本に数多くいたら、きっとこの国はこの先も滅びることはないんだろうな~

さて・・・

まずは主な登場人物の紹介から…

主人公・高山希夏帆(たかやまきなほ)は、自宅で物書きをして暮らす30代の独身女性です。

(物書きという表現だけど小説家なのかな~?)

シコシコと働くこと10数年で、一人暮らし用のマンションを購入しました。

特殊な職業で生きている彼女には、今のところ結婚願望はないようで、

少し年上のカレシ・今井愁人(いまいあきと)から結婚の申し出は受けているものの、

彼女には何らかの考えがあって、今のところ愁人と結婚する気はない。

のんびりとしたマイペースな性格で、ちょっとルーズな面を持つ愁人は、そんな希夏帆の考えを受け入れていた。

まぁ~言わば二人は、”恋人以上で結婚未満”な関係を続けているわけです。

そんな二人の関係、というか希夏帆の自己中心的で快適な一人暮らし生活に、

まったく想像だにしなかった程の大事件が起きるところから物語がスタートします。

いきなり4人家族

ある日、締め切りに追われて徹夜続きだった希夏子帆のマンションに、

5歳の男の子と14歳の少年を連れた愁人がやってきます。

事情を聞いてみると、なんと二人の子供は、愁人の甥っ子で、両親を事故で亡くしたばかりだという。

葬儀の場で、甥っ子たちの親族たちが、2人のなすりつけ合いをしているのを見ていられず、

つい、愁人が身分不相応な男気を出して、みなし子となった二人の甥っ子を引き取ってしまったのだ(汗)

だからと言って、狭い借家で一人暮らしのだらしない独身男性に、5歳という幼い幼児と、思春期 真っ最中の中2男子を養えるはずもなく、

快適な一人暮らしを送るマンション持ちの自立した恋人・希夏帆に助けを求めてきたわけだ(汗)

 

なんという無責任な!

 

本来なら、これほど身勝手な行動はなく、両手いっぱいの塩を投げつけて、

彼氏ともどもみんなを追い払いたいところだ!

しかし・・・

現実に今、両親をトツゼン事故で亡くし、悲しむ余裕させない辛い立場の兄弟を目の前にして、

希夏帆は、色んな呪詛(じゅそ)の言葉をグッとお腹の中に抑え込み、

今、自分にできる精一杯の協力をしようと決心した。

たった数分前まで締め切りに追われる物書きの一人暮らしだった希夏帆は、

一夜にして、いきなり4人家族を切り盛りする主婦としての生活が始まったのだ・・・

甥っ子たち

ここで、愁人が引き取ってきた甥っ子ふたりのプロフィールを紹介します。

まず、深雪冬真(みゆきとうま)は、14歳で中学2年生

弟の面倒をちゃんとみてる優しい性格の少年で、年齢よりも中身は大人な男の子だ。

自分たちの置かれた立場をよく理解していて、悲しいほどに聞き分けが良い。

「しかもイケメン♪」

次に、春陽(はるひ)5歳は、まだ幼稚園児

この子は、その名前のとおり、春の太陽のように可愛らしい少年で、

末っ子の可愛らしさを全部もって生まれてきたような男の子なのだ。

両親と兄に愛されまくって育ってきたことがよくわかる天真爛漫な春陽のキャラクターは、

時にぎこちなくなってしまう即席家族の悪い空気を一気に和ませてくれるありがたい存在なのです。

 

「この子がとにかくカワイイのだ!」

 

この愛すべき兄弟2人と、いい加減で心優しい結婚未満な恋人との奇妙な家族生活に、

最初は戸惑ってばかりだった希夏帆も、時間が経つにつれて二人にある種の”母性”を見出してゆくことになる・・・

ただ・・・

まだ、この時には、希夏帆に結婚願望も家族を持ちたいという考えは芽生えていない・・・

母として・・・

日常の生活で、二人の兄弟の面倒を見るのはやっぱり、サラリーマンの愁人ではなく、自宅で仕事をしている希夏帆ということになる。

まだ中学生の冬真は大丈夫だが、幼稚園に通う春陽の面倒は、なかなか煩(わずら)わしいものがある。

お弁当を持たせ、幼稚園の送り迎えに、なにかと発生する幼稚園でのイベントなどなど・・・

小さい子供に親が使わなければならない時間は膨大だ。

改めて子供を育てるという時間的拘束を思い知る希夏帆だったが、

今さらこの兄弟たちを放りだすわけにもいかず、自分ができる範囲で、無理をせず、

できることなら、楽しみながら子供たちの成長を見守ってゆこうと考えるようにした。

2人の母として・・・

ぶれない希夏帆の行動

2人の兄弟がやってきてから、冬真の体調不良や、春陽の幼稚園問題

公園デビューのエピソードや、ママ友たちとの心温まる交流。

さらに、敵対する幼稚園ママとのバトルも、なかなか見ごたえのある内容でした♪

色んなトラブルや事件が発生してゆく中で、

その都度、ぶれない希夏帆の行動が、実に爽快でグッと胸に刺さります。

1巻の後半になると、だんだん本当の家族のようになってゆく4人の姿がすごく幸せそうに見えてきます。

まだまだ色んな難題が持ち上がってきそうな危うい即席家族ですが、

希夏帆が、しっかりとみんなを舵取りしている以上、子供たちの2人の未来はきっと明るいものとなるはずだ。

希夏帆が発揮するトラブルや難題に直面した際の解決力は、世の大人たちが身に付けなければいけない能力だ。

学ぶことがスゴく多い、希夏帆の活躍に目が離せないほどハマってます。

 

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の、ような。 の感想

物語の構成がすごくBLっぽくて、オタクっぽくて、

繊細な言葉使いと、理論的なモノの考え方が、おおざっぱでありがちなファミリードラマ

これほどマッチするとは・・・

正直言ってこのストーリーの世界観がじつにしっくりきてます。

 

「なんだろう・・・?」

 

ヒロイン希夏帆正しさと、その淡々とした行動力と、生活の不真面目さ・・・

実に魅力的なキャラクターで、しかも男っぽい性格なのに隠れ巨乳というオマケ設定がまたしびれる♪

この漫画を読んでいてスキっ!としたり、納得させられたり、改めて勉強させられることが実に多かった

”気づき”の部分だ!

「あれだけのシナリオを描ける麻生海先生って一体どんな人物なんだろう?」

ネットの情報では、BL漫画家で、性別不明という情報しか探せなかった。

この先、ツイッターを深く読み込んでいけば何かヒントがあるかな~♪

あれだけ心にビシビシ突き刺さるセリフを考えられる作家さんはそういないはずで、

確かに作品の切り口や、登場人物のコメント表現なんかはBL世界観っぽいんだけど。

作中で交わされる主人公たちの会話にすごくが感じられて、心に入ってくるセリフが心地いいんです。

「基本的に相手の気持ちを慮(おもんばか)って、というシュチュエーションが多い!」

特にサイト主の まるしーがこの作品にグッと心を引き寄せられるきっかけになったシーンは、

ストーリーの冒頭部分の方で、希夏帆が愁人たちに ”塩をかけたシーン” なんです。

両親の葬儀が終わったあとの子供たちに対して掛けたあの言葉

そのセリフのかけ方は尋常じゃないくらい自然で、相手の立場を思ってのフォローだった。

まるしーも是非ああいう言葉を人にかけてあげられるオトナでありたいと思いました♪

あと・・・

「公園でギャルママたちと希夏帆が子供たちのことでやり合うシーンもよかったな~」

感情的にならず、ただしっかりとした理詰めで、相手の親を説教しちゃう希夏帆。

相手を攻撃するんじゃなくて、説いていくような希夏帆の闘い方はすごくステキだったし

大人な対応だ。

この漫画を買ってからすでにそのシーンを5回くらい読み返すほど大好きなシーンなんです。

ページで言うと126ページから
134ページくらいまでのエピソードですが、

このシーンは、ぜひとも世の小さい子供を持つお母さんたちには読んで欲しいシーンです・・・

そう・・・

この作品は読んでて心を打たれる機会は多いんですが、唯一気に入らない点が、

愁人の存在。

まるしーは、ああいう空気感を漂わせてる男性が大嫌いなんです。

ただ・・・ただ

「優しいだけの男!」

あくまでも1巻において…。

その時の感情に流されて中途半端決断を下し、手に負えなくなるとすぐ他人に頼る

まさに今回の同居生活の一件は、希夏帆は完全な被害者だし、

確信犯的な愁人の行動や言動に虫唾(むしず)が走ってしまう!

 

希夏帆という主人公のことは大好きで、共感できる部分がたくさんあるんだけど、

恋人に愁人を選んだことが致命的だなぁ~(汗)

だって・・・

今のところ愁人のイイ部分がまったく出てきてないから

「ただのダメ男!」

ただ・・・

2人の甥っ子たちはどっちもいい子で可愛げがあるんだけど・・・

これからこの4人の生活がどう展開されて、どんなドラマが待っているのか?

今、まるしーがもっとも注目している家族となりました~

 

>>>『の、ような。』2巻の解説と感想はコチラ♪

 

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