父が死んだときはときは悲しかった。
それなのに・・・
父親から虐待され続けた日々が終わり、深愛の胸に去来する複雑な思いとは…?
『泥濘の食卓』
3話の解説と感想です♪
今回は捻木家の両親に関する普通ではないエピソードが描かれます。
この回を読むと深愛というメンヘラ女子が構築されたその因果関係がハッキリと判ります!
もくじ
3話の見どころ
既婚者である那須川にどこまでも純粋な愛情を注ぎ続けてゆく深愛(みあ)は、
彼から別れ話を切り出されたあと、少しの間はメンタルが落ち込んでいたが、
例の登校拒否高校生くんとの再会をきっかけに前向きな気持ちへと心が切り替わりました。
それは…
「ある意味でスゴク悪い方向に…(汗)」
そうです…
深愛は那須川との関係を清算させる方向ではなく、逆に成就させるべく心を前に進めたのです。
まだ…具体的な行動は起こしていませんが、
彼女の中で那須川という存在はまったく過去の人とはなっていない状態だ。
「これから一波乱起きるだろう」
そんな中、
今回は捻木家(ねじきけ)にまつわる今と過去のエピソードが描かれています。
今は母と娘の関係性で、過去は亡くなった父親との関係性です。
「深愛というメンヘラな女子がどうやって出来上がってしまったのか?」
そのルーツをたどる重要な内容になっております。
さて・・・
3話の見どころとしては、
ずっと虐待を続けていた父親が死んだときに傷だらけの体で父親を見送っている深愛の異様な姿だ。
実際には語られていないが恐らく父親は事故でなくなったのだろう。
なぜなら昨日まで虐待を受けていましたと言わんばかりに、
葬儀場でうつ向いている深愛のおでこには血の滲んだ大きなカットバンが貼られていました(汗)
「この光景はかなりショッキングな映像だった!」
ほんの昨日まで父の暴力に怯えていた深愛が、
「お父さん…っ!!」
と…遺体に呼びかけて号泣している姿には、深愛の中にできた深すぎる闇を見たような気がする・・・(汗)
これはかなり切ない。
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泥濘の食卓【ネタバレ3話】父との辛い思い出!
3話:やさしさ(前編)
看護師として勤めている母親の病院で性病感染の定期検診を受けさせられている深愛。
これも母親の偏った躾の一環なのだろう。
この年代で症状も出ていないのに下半身をむき出しにして男性の医師に検査される若い女性の心理(汗)
もはやレイプされているのと同じ感覚だろう・・・
それを文句も言わずに検査を受ける深愛の感覚はやはり尋常ではない。
そもそもこの母娘のコミニケーションは常に母親が一方的に言いたい放題言っていることが通常運転であり、
深愛は常に母親から出てくる愚痴のオンパレードに同調しているだけだ(汗)
その関係はもはや親子ではなく、深愛は母親の付き人のような存在だ。
それでも・・・
深愛としては幼い頃からずっとこうやって母親の世間に対する愚痴を聞いて育ってきたので、
当然のことながらその状態が異常な親子関係だとは気づいていない。
さらに・・・
不幸なことに母親の口からたびたび飛び出してくる深愛を罵倒する言葉の数々も、
自分を愛するが故の”やさしさ”だと思っているふしがあるのです(汗)
そう・・・
だからこそ深愛の心はすでに壊れているのだ・・・
父との辛い思い出。
その日、異常な関係性の母娘は父親の墓参りに来ていました。
そして・・・
母親は父親の兄弟たちが父のために建てたハート型の墓石に”感謝”という文字が刻まれた墓石に嫌悪感を感じていた。
そりゃそうだろう。
確かに、あれほど家族に暴力を振るってきた男のために建てた墓石としては皮肉が効きすぎている(汗)
母親は墓石の前でしみじみとこのお墓に入りたくないと言うのです。
「深愛と同じお墓に入りたいな…」
と…。
そんな母親の横顔を眺めながら深愛の脳裏には父親との辛い思い出が蘇ってきた。
ココから回想シーンです。
般若(はんにゃ)のように怒り狂った父親が深愛に暴力を振るっている光景から始まる。
深愛が暴力を振るわれている理由は、風邪で寝込んでいた彼女が家の掃除をしていなかったからだ。
別の日はテストで72点をとった答案用紙を見た父親に
「何だこの点数は?」
と怒鳴られて顔面を拳で殴りつけている衝撃映像です(汗)
これって本来ならば傷害事件で警察に現行犯逮捕される暴力事件です。
でも・・・
彼女を助ける人間はいない。
そんな暴力が吹き荒れる嵐の中で深愛は怯えた人生を生きてきたのだ。
そんな時、父親がある日にトツゼン帰らぬ人となった。
父親が亡くなった理由はまだ明かされておりません。
葬儀の時、深愛は「お父さん…」と叫びながら号泣していました。
えっ?どうして?
この時、深愛は単純に父親と二度と会えなくなったことを悲しんで涙を流したのですが、
同時にふと…
{もう痛い思いをしなくてすむんだ…}
という感情が込み上げてきて、気づくとすごく安心した気持ちになったのです。
ただ・・・
後にそういう感情を抱いたことに対して深愛はすごく反省するのです。
深愛にとって父親が死んで安心したという感情は、
「ズルい」
という認識だったのです。
これが悲惨すぎる捻木家の日常と、父との辛い思い出だ・・・
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3話の感想
「深愛の父親は想像していたより3割増しくらいにヤバい父親でした(汗)」
風邪で咳が止まらない娘に掃除をしろと殴る。
テストの点数が72点だったから娘の顔面を拳で殴りつける。
「明らかに犯罪者だ!」
父親の葬儀に出席した深愛のおでこに、ついさっき負傷したばかりのような血のにじんだ大きなカットバンが貼られていたが、
「深愛は一体なにをされてたんだ?」
とにかく捻木家の父親は完全なる警察案件です(汗)
ご近所の誰かが通報しないといけないレベルだ。
それほど危険な環境で生活していた深愛が正常な精神を保てるわけもなく、
今の深愛になってしまった全責任はすべてこの両親にあり、深愛にはイチミリも罪はない。
「とにかく気の毒のひとこと」
以前、統合失調症という病気を患って治療を受けていた学生時代からの友人に話を聞いた事がある。
「人は一度心が壊れると二度と元には戻らないと医師から言われたそうだ。」
では・・・
どうやって病気を治すのか?
つまり根本的に治すことは不可能で、その傷が表に出てこないようにするらしいです。
方法としては、楽しい思い出を心の中にたくさん積み重ねていって辛い記憶を覆い隠してゆくのです。
何年も何年もかけて楽しい記憶を辛い記憶の上に塗り重ねてゆく・・・
でも…だからといって一度壊れて穴が空いた傷は二度と塞がらない(汗)
楽しい記憶というカットバンをその穴に貼り重ねてゆくことが唯一の治療法だというわけだ。
確かに・・・
心の病は手術で治るような病気ではない。
しかし・・・
人はそう簡単には心のカットバンにできるほどの楽しい記憶なんて出来ない(汗)
もともとが不幸な環境にいたことで心が壊れてしまった人たちななワケだから・・・
「ならばどうするのか?」
そういう時には人工的に楽しい思い出を体の中に注ぎ込むわけです。
「それが薬です」
いわゆる精神安定剤のようなものですが、
これを使用すると思考が低下して何も考えない状態になります。
いつもボーッとしてる状態になるとその友人は言ってました。
「これって治療じゃないですよね」
だからこそ心が壊れてしまうということの重大さを改めて友人の言葉から知った。
そこで・・・
一生涯治らない大きな心の傷を自分の娘に負わせた捻木夫妻。
そして…
その娘は今、全くの悪気なく一人の中年男の人生を破滅に追いやろうとしている(汗)
バカな親が犯した罪は果てしなく大きい・・・
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