
『サレとシタの恋愛終了工程』は、不倫や離婚を描きながら、よくある復讐劇やドロドロの愛憎劇とは少し違う漫画です。
夫に裏切られた妻と、その不倫相手。
本来なら憎み合ってもおかしくない二人が、なぜか相手を知るほど嫌いになれなくなっていきます。
サレ妻と不倫相手が出会ったのに、どうしてこんな関係になるのか?
この記事では、現在配信されている1~3話のネタバレを追いながら、由美子・ナナ・修二それぞれの本音と、二人の女性の関係が変わっていく理由を読み解きます。
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『サレとシタの恋愛終了工程』ネタバレ全話
1話|夫の不倫を知った由美子が選んだ離婚
早田由美子は、付き合って10年、結婚して5年になる夫・修二が、見知らぬ女性と手をつないでホテルへ入っていくところを目撃します。
由美子は咄嗟にスマホでその様子を動画に収めますが、真っ先に湧いてきたのは怒りや悲しみではありませんでした。
頭を占めたのは、「今の生活を変えたくない」という思いです。
友人のまこに相談すると離婚を勧められますが、由美子は、これまで築いてきた生活を壊すくらいなら不倫を見なかったことにできないかと悩みます。
それでも自分の気持ちや修二との夫婦関係を振り返った末、由美子は離婚を決断。修二にその意思を伝えます。
修二は謝罪して許しを求めますが、由美子の決意は変わりません。
その後、由美子・修二・不倫相手の佐々木ナナの3人で話し合うことになります。
ところが、ナナは開口一番に深く謝罪。慰謝料についても、可能な限り支払うと自分から申し出ました。
言い訳もせず、あまりにも常識的に振る舞うナナを前に、由美子は、
「こんなんじゃ怒れないじゃん」
と困ってしまいます。
話し合いは大きく揉めることなく終了し、由美子は新しい部屋を借りて離婚後の生活を準備します。
新居で改めて喪失感を覚えた由美子は、築いてきた生活を壊した修二へ一瞬怒りを感じます。それでも最後には、浮気を許さず離婚すると決めたのは自分自身だと気持ちを整理しました。
そしてラスト。
カフェで財布を忘れて支払いに困っていた由美子に声をかけたのは、もう会うこともないと思っていたナナでした。
2話|由美子とナナが互いの本音を知る
思いがけず再会した由美子とナナ。
「不倫された妻」と「夫の不倫相手」という気まずい関係ながら、二人は再び話をすることになります。
そこでナナは、修二と不倫関係になった経緯を由美子に打ち明けます。
ナナが修二から聞いていたのは、妻に必要とされていないと悩む彼の話でした。そのためナナは、由美子に対してあまり良い印象を持っていませんでした。
しかし、実際に会った由美子は想像していた女性とは違います。
感情的に責めることもなく、冷静に自分と向き合う由美子を知ったナナは、むしろ由美子が悪い妻だったなら自分の罪悪感も軽くなったのに、と本音を明かします。
由美子もまた、ナナに対する見方を変えていきます。
さらにナナは、修二とはすでに別れており、最後に二人で「お別れ会」をしたことを話します。
好きだった相手と最後の時間を過ごして、きちんと関係を終わらせる。
そんなナナの行動に、由美子は普通とは少し違うものを感じながらも、彼女の人柄に興味を持ち始めます。
こうして二人は、それまで知らなかった互いの本音を少しずつ話せる関係になっていきました。
一方、修二から由美子のもとへ届いたのは、離婚を考え直さないかという連絡でした。
3話|最後のデートを経て由美子と修二が離婚
離婚を考え直してほしいと訴える修二に対し、由美子の意思は変わりません。
それでも修二の頼みを受け入れ、由美子は夫婦として最後の「お別れ会」に付き合うことにします。
二人が向かったのは、思い出のある水族館でした。
すでに別れると決めた相手でありながら、由美子は修二とのデートを思いのほか楽しんでいる自分に気づきます。
修二は由美子との関係を本気でやり直したいと考えていました。
しかし由美子にとって、楽しい時間を過ごせることと、もう一度夫婦として人生を歩むことは別の問題です。
由美子は修二に、自分が離婚を選んだ理由を伝えます。
「この先の人生で起こるたくさんの困難を修二とでは乗り越えられない。」
修二は最後に離婚届へサインし、二人の協議離婚が成立しました。
ただし修二は、離婚したからといって由美子への気持ちまで諦めたわけではありません。
夫ではなく一人の男として、これからも由美子にアプローチすると宣言します。
その後、由美子はナナにも、修二とお別れ会をしたこと、そして離婚が成立したことを報告します。
かつて夫を挟んで向かい合った二人は、離婚が成立したあとも自然に言葉を交わしていました。
サレ妻の由美子はなぜ不倫相手のナナを憎めなかった?
由美子とナナは、普通なら最も仲良くなりにくい関係です。
それなのに二人は、相手を知るほど敵ではなくなっていきます。
なぜなのか。
3話までを読むと、その理由は単に「二人ともいい人だったから」ではないように見えます。
由美子は「したこと」と「その人自身」を分けて見ている
由美子はナナの不倫を肯定しているわけではありません。
それでもナナを憎み続けることができなかった。
ここには由美子という人物の、かなり特徴的なものの見方があります。
「許せないことをした人だから、その人のすべてが嫌い」にはならないのです。
由美子が判断しているのは、ナナという女性が自分に何をしたかだけではありません。
実際に話してみて、どんな考え方をする人なのか。自分のしたこととどう向き合う人なのか。
そこまで見たうえで相手を判断しています。
だから「不倫相手」という立場だけなら憎めても、実際に知ったナナ本人まで同じ感情で嫌うことができない。
「こんなんじゃ怒れないじゃん」という由美子の戸惑いは、その矛盾がそのまま表れた言葉だったのではないでしょうか。
ナナも由美子を知ったことで、自分に都合のいい物語を失った
これはナナ側から見ると、さらに興味深くなります。
不倫には当事者なりの理由があります。
しかし理由があることと、その行動が正当化されることは別です。
ナナにとって「修二は妻に必要とされていない」という認識は、自分と修二の関係を理解するための一つの材料だったはずです。
ところが、由美子本人を知ったことで、その単純な見方が成立しなくなります。
ここでナナが失ったのは、「自分は寂しい男性を好きになっただけ」と考えられる余地ではないでしょうか。
由美子が嫌な女性なら、自分の罪悪感を相手のせいにすることもできる。
しかし、それができない。
だから面白い。
由美子はナナを知ることで「憎むべき不倫女」を失い、ナナは由美子を知ることで「夫を大切にしない妻」を失った。
二人とも、相手を嫌うために都合のいい人物像を失っているのです。
二人は「同じ男を取り合う女」ではなくなった
そして、二人が心を通わせるうえで最も大きかったのは、修二を巡る勝ち負けがなくなったことだと思います。
もし由美子が修二を取り戻したくて、ナナも修二と一緒になりたかったなら、二人は最後まで恋敵です。
しかし本作は、そこへ向かいません。
だから二人の間には、
- 妻だから勝ち。
- 不倫相手だから負け。
- 夫を取り戻した。
- 夫を奪った。
という勝敗そのものが成立しなくなります。
ここで初めて二人は、修二を挟んで向かい合う必要がなくなります。
むしろ奇妙なのは、二人には「同じ男との関係を終わらせた」という共通点まで生まれていることです。
立場はまったく違う。
傷つき方も責任も同じではない。
それでも、修二との関係を終わらせたあとに残った感情について話せる相手としては、皮肉にもお互いほど事情を理解できる人はいないのかもしれません。
修二は本当に「ただのクズ夫」なのか
妻を裏切った修二の行動は、もちろん擁護できません。
ただ、3話まで読むと、彼を単なる「クズ夫」で片づけるだけでは見えない弱さがあります。
修二は由美子を嫌いになったから、ナナへ向かったわけではありません。
ナナに求めたのは恋愛だけではなかった
修二は、有能な由美子に劣等感を抱いていました。
自分は夫として役に立てていない。男としても求められていない。
そんな修二にとってナナは、「自分を必要としてくれる女性」でもありました。
つまり彼がナナとの関係に求めたのは、恋愛だけではありません。
由美子との夫婦関係で失っていた、「自分にも誰かを満たせる価値がある」という実感だったのでしょう。
修二の弱さは、その劣等感を由美子と向き合って解決せず、ナナとの関係で埋めようとしたことにあります。
修二が欲しかったのは、由美子から「必要とされる自分」だった
そして修二には、大きな矛盾があります。
由美子に劣等感を抱いているのに、本当はその由美子から必要とされたかった。
だからナナとの関係が終わったあとも、由美子との関係まで失うことには抵抗します。
ここを単純に「本当に愛していたのは妻だった」と読むだけでは足りません。
修二の不倫と復縁願望には、同じ心理が見えます。
ナナから必要とされたい。
由美子からも必要とされたい。
修二は誰かに求められることで、自分の価値を確かめようとしていたのではないでしょうか。
だから彼は「実は悪くなかった夫」なのではありません。
悪いことをした人間にも、そこへ至った弱さがある。
本作が修二を単純な悪役にしていない面白さは、そこにあると思います。
由美子が修二との離婚を選んだ本当の理由
由美子が離婚を決めた理由を、単純に「夫が不倫したから」と考えると、この夫婦の終わりを少し見誤ります。
由美子自身がたどり着いた答えは、
「この先の人生で起こるたくさんの困難を修二とでは乗り越えられない。」
というものでした。
ここで由美子が判断しているのは、修二を許せるか、まだ愛しているかではありません。
これから先の人生を、この人と一緒にやっていけるか。
そこを見ています。
つまり由美子は、「不倫したから嫌いになった」のではなく、「人生を一緒に運営していく相手ではない」と判断した。
この違いこそ、由美子の離婚を理解する鍵だと思います。
だから離婚は、裏切った修二への制裁でもありません。
誰かを悪者にして結婚生活を終わらせるのではなく、自分がこれからどう生きていくかを基準に夫婦を終わらせる。
派手な修羅場がなくても由美子の決断に説得力があるのは、本作が離婚を「裏切りへの罰」ではなく、これからの人生を選び直す判断として描いているからでしょう。
3話までで何が終わり、何が始まった?
3話までで、この物語は一つの大きな区切りを迎えています。
由美子と修二の夫婦関係は終わり、修二とナナの不倫関係もすでに終わりました。
つまり、「一人の男性をめぐる妻と不倫相手」という三角関係そのものが、いったん解消されたことになります。
ところが、ここで物語は終わりません。
由美子には離婚後の人生が始まり、修二には元夫となっても由美子を求める気持ちが残っています。
そして最も気になるのが、もう関わる必要がないはずの由美子とナナの関係です。
不倫が発覚し、話し合い、二つの関係が終わる。
ここまでが「不倫の後始末」だったとするなら、3話はむしろその後の三人を描く物語への入口なのかもしれません。
少なくとも3話時点では、「離婚するのか?」よりも、
関係を終えた三人が、ここからどんな関係を作っていくのか。
そこへ物語の興味が移り始めています。
最終回・結末はどうなる?原作から先読みできる?
『サレとシタの恋愛終了工程』はまだ連載中で、最終回の結末は明らかになっていません。
ただし3話までに、由美子・修二・ナナの関係にはすでにいくつかの答えが出ています。
由美子と修二は離婚する?
3話で離婚が成立しています。
修二は関係修復を望みましたが、由美子の決意は変わらず、最後に修二が離婚届へサインしました。
そのため今後の焦点は「離婚するのか」ではなく、離婚後の二人がどんな関係になるのかです。
修二とナナは別れた?
二人の不倫関係もすでに終わっています。
ナナは修二との最後のデートを経て関係に区切りをつけており、3話時点では復縁していません。
由美子とナナは友達になる?
3話時点では、まだ友達になったとは断定できません。
ただ、由美子が離婚成立をナナへ報告するほどには距離が縮まっています。
二人が最終的にどんな関係になるのかはまだ不明であり、ここは今後の物語で答えが出る部分です。
原作小説はある?完結している?
現時点で確認できる公式情報では、原作小説の存在は確認できません。
本作は増岡先生による漫画作品として、『Eleganceイブ』2026年7月号から連載が始まっています。
そのため、原作小説を読んで漫画版の最終回や今後の展開を先取りすることはできません。
現在も連載中のため、由美子・修二・ナナが最終的にどんな関係になるのかもまだ分かっていません。
『サレとシタの恋愛終了工程』を読んだ感想
3話まで読んで一番印象に残ったのは、不倫漫画なのに、誰を嫌えばいいのか分からないことでした。
特にそう感じたのが、1話で由美子が夫の不倫を目撃した場面です。
怒るでも、泣くでもなく、咄嗟に証拠を残して、頭に浮かぶのは「困った」という感情。
今の生活を壊したくないから、できることなら見なかったことにしたい。
この反応が妙に生々しくて、
「自分だったら、その場でどうするだろう?」
と考えてしまいました。
そしてナナに会ってからは、さらに答えが分からなくなります。
もし夫の不倫相手が、言い訳もせず謝ってくるナナのような女性だったら。
それでも相手を憎み続けられるのか。
修二のしたことは許せなくても、彼が抱えていた弱さまで知ったら、どこまで嫌いになれるのか。
読んでいて面白いのは、三人の誰が正しいのかを決めることより、三人を見るたびに自分の答えまで揺れることでした。
「由美子ならどうする?」ではなく、
「自分ならどうする?」
そう考えながら読むと、この作品は一段面白くなると思います。
『サレとシタの恋愛終了工程』はどこで読める?
『サレとシタの恋愛終了工程』は、Renta!で独占配信中です。
1〜3話まで配信されており、1話は無料で読めます。
「raw」などで検索されることもありますが、最新話まで読む場合は、Renta!の正規配信を利用してください。
ここまで読んで、
「誰が悪いのか」より、「この三人がこれからどうなっていくのか」が気になった人。
そんな人なら、この作品は続きを追う価値があると思います。
そして、まだ読んでいないなら、まずは無料の1話だけでも十分です。
夫の不倫を目撃した由美子を見て、あなたならどうするか。
その答えを考え始めたら、たぶんこの作品の読み方はもう始まっています。
