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授か離婚【ネタバレ全話】”色が無い”はどんな色にもなれるということ!

「色なし」と蔑まれてきた優秀すぎる治療魔法の使い手は、

実のところとんでもないスキルを天から授かった稀有な逸材で・・・

著者:かんべあきら/長野雪

『授か離婚~一刻も早く身籠って、私から解放してさしあげます!

架空の国で巻き起こる治療魔法士・フェデリカのサクセスストーリーは、

堪えに堪えた末に幸せなハッピーエンドが訪れるという『水戸黄門』パターンだ♪

『授か離婚』の見どころ

今回紹介するのは、サイト主のまるしーが原作小説を読でその面白さに思わず心を弾ませた名作で、

「そのコミカライズ版だ!」

いつもいつも『小説家になろう』は、様々なモンスター作品を世に送り出してきますが、

この作品もとびきり面白い内容だったことを思い出します♪

ストーリーとしては、架空の国で巻き起こるサスペンスアリ、恋愛あり、

そしてサクセスストーリーありのエンターテイメント性に優れたヒューマン娯楽作品に原作は仕上がっており、

いつもながら活字だけで楽しんでいた物語が、二次元化されるのは至福の喜びですね!

「これまで追いかけてきた推しのアイドルが全国区になった気分♪」

コミカライズ版の主人公であるフェデリカのキャラは何の違和感もなく受け入れられましたし、

夫になる伯爵家出身の騎士・アルマンドもよだれが出るくらい素敵なイケメンに描かれていました・・・(笑)

「目下…不満な点はなし!」

このコミカライズ化がスタートしたことで、もう一度小説版を読み直そうかとも考えたけど、

また新たな気持ちでコミカライズの世界にじっくり浸りたいのでそれはやめました(汗)

「とにかくこの作品は夢中になりますよ♪」

特に…

『授か離婚』の見どころは、

そのオリジナル性豊かな世界観です!

超人気TVドラマ『渡る世間は鬼ばかり』のごとく次々と降りかかる理不尽な出来事に対し、

心優しき健気なヒロインが耐え忍んだ末に幸せな結末が待っている大どんでん返しストーリーだという点が最大の見どころであり、

でも・・・

途中で何度かヒロインのお人好しっぷりに腹が立ってしまうという側面もあるのがこの作品の面白いところでもある。

だが・・・

その”忍耐期”を超えるとクライマックスからエンディングにかけて、

すごく気持ちよくあの平穏で幸せな家族の風景に着地できるのです!

欲を言えばもう少しラブロマンスな要素も欲しかったな~とは思った感はありましたが、

まるしーが本作を小説版で読んだときは確か前編・後編で1000ページくらいあった比較的長編の内容にもかかわらず、

わずか1日で読破しちゃったくらいワクワクさせられたストーリーだったのです。

「いつヒロインの苦労が報われるのか?」

そればかりを願って読み続けた記憶があるな~

さて・・・

コミカライズ版になってどれだけのページ数でこの作品を描き切るのかはいまのところ不明ですが、

そこそこ長編の物語なのでじっくりと『授か離婚』の世界観をコミカライズ版でも味わいたいな~♪


 

『授か離婚』の立ち読み♪

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授か離婚【ネタバレ全話】”色が無い”はどんな色にもなれるということ!

 

1話 2話 3話 4話 5話
6話 7話 8話 9話 10話
11話 12話 13話 14話 15話
16話 17話 18話 19話 20話
21話 22話 23話 24話 25話

1話:色無し

この物語の主人公は、フェデリカという優れた”治療魔法”の使い手で、

自分の身を粉にして人のために尽くしているにもかかわらず、

”色無し”と皆から蔑まれる不幸なヒロインなのです。

その理由は、フェデリカが暮らすこの国は、精霊が尊重される世の中で、

人は誰しも風・水・土・火のうちいずれかの”精霊の加護”を受けてこの世に生まれてきて、

その特徴は髪や瞳の色に現れ、さらに強く加護を受けた者はその力で魔法さえ使えるのです。

そんな中でも特に優れているのが”治療魔法”を使える者でした。

でも…孤児院で育ったフェデリカの髪や瞳には何の色もついていなかった。

「いわゆる透明だ!」

透き通るように美しい髪やその瞳は、ルックス的に見たら素晴らしい造形物なのだが、

こと…この国においては邪道であり、

よって彼女は精霊の加護を受けていない”色無し”として皆から迫害を受けて育ってきたんのです(汗)

さらに…

そのうえ孤児院育ちのフェデリカは、貴族ばかりがはびこっているその職場で、

上司や同僚たちから蔑まれ、様々な雑用や面倒な仕事を押し付けられてきたのです。

それでもなんとかここまで懸命に世のため人のために働いていたある日のことでした。

トツゼン、上司から呼び出されたフェデリカは、「王命だ!」という理由で、

見も知らない由緒正しき伯爵家の三男坊と問答無用で結婚させられてしまうのです(汗)

それは完全に人権を無視された理不尽な命令であったが、

これまでずっと虐げられた人生を歩んできたフェデリカにしてみれば、

自分みたいな女と結婚相手させられる貴族の方が可哀そうだと咄嗟に考えてしまうのです。

この世界では”治療魔法”を使える人間はすごく貴重な人材として認識されていた、

たとえ”色無し”のフェデリカであっても、その血を絶やすことは国家の損失と考えられたのだろう。

だから…

孤児院出身で身寄りのない”色無し”のフェデリカであっても、

りっぱな貴族の男性のもとへ嫁ぐことが許されるというワケだ。

少なくともこの時のフェデリカはそう勝手に解釈していた。

ただ驚いたことに、婚礼の義に初めて会ったそのアルマンドという名の新郎は、

初夏の葉のような美しい緑の髪にエメラルド色の瞳をしたすごく爽やかでイケメンなハイスぺ男性で、

わが目を疑ったフェデリカとしては、

{どうしてこんなハイスペックすぎる貴族の男性が私なんかと・・・}

と…目の前の男性の今後の人生を心配するほど気の毒に思うのです。

確かに王命とは聞いているが、さすがにこの人と私では色んな意味で”格”が違いすぎる(汗)

これまでにずっと虐げられてきた人生を送ってきたフェデリカは、

自分のことよりもまず、相手の方の不幸を思って落ち込んじゃうんです。

そして彼女はその自己評価の低さゆえに、このとき大きな勘違いを発動させてしまう(汗)

それは・・・

{彼はきっと無理やり種馬に選ばれてしまったんだ!}

というとんでもない発想から、

できるだけ早くアルマンドの子供を産み落として、すぐに離婚してあげようという密かな計画でした。

この時に考えたフェデリカの卑屈すぎる”授か離婚”計画が、

この先の夫婦生活に大きな心のすれ違いとなって現れてくるのですが、

それはまだこれからのお話です・・・

2話:「どうして出て行った!?」

この日は新婚初夜だった。

ベットで初めてフェデリカを抱いていたアルマンドは驚きの声を上げたのです!

「貴方は初めてではないのか…?」

アルマンドの質問にすこし戸惑いのを見せたフェデリカは、

自分が処女ではなくなった経緯を夫に告白しました。

彼女は孤児院を出る前夜に同じ孤児院で暮らしていた男性にほぼ無理やりのかたちで処女を散らされていたのです(汗)

その理由として、これから社会に出る”色無し”のフェデリカは性被害を受ける可能性が極めて高いので、

せめて最初はくらいは顔見知りの男性で経験させてやろうという院長の計らいだったというのだが、

事情を聞いたアルマンドは、実に非人道的な院長の行為に憤慨する。

しかし・・・

フェデリカとしては今はもう過去の嫌な経験だと自分の中では心の処理が終わっていた。

それに・・・

なによりもこんな”色無し”の自分を気遣ってくれるアルマンドの気持ちが嬉しかった♪

だが・・・

そんな会話が交わされた翌日に、優しい夫であるアルマンドを心配させてしまうフェデリカがいた。

それは・・・

昨日、結婚したばかりの妻の身でありながら、屋敷に住む誰にも声をかけず普通に仕事場へ出勤してしまったことだ!

フェデリカとしては、自分が治療院に行かなければ仕事が回らないことをよく理解していたのでそれは当たり前のことだった。

そして…

やはり彼女をこき使うために名前ばかりの教育係であるジョージィ伯爵令嬢が、

朝一番でいつものごとくフェデリカに仕事を押し付けてきたし、

昨日、フェデリカが結婚式で午後の仕事を休んだことをネチネチと説教してきた(汗)

まだフェデリカは結婚したことをジョージィに報告していなかったがそれでもいいやと思った。

それよりもこの日は、市民開放の日で、治療院を市民に開放して格安で治療魔法を施すかなりハードな一日であり、

毎回”色無し”のフェデリカはその最前線に駆り出されていたので心と体の準備をする必要があったのだ!

{ジョージィみたいな行かず後家にかまってられない}

それから数時間後、やはり市民開放の日はベリーハードで、

限界ぎりぎりまで魔力と精神力を使ったフェデリカが疲れ切った体を引きずって自室に戻ってきた。

すると・・・

そんなフェデリカに待っていたのはジョージィのしりぬぐいだった(汗)

フェデリカはジョージィの代わりにカルミネ子爵の屋敷へ治療に向かいました。

このカルミネ子爵は”色無し”のフェデリカはかなり有能な治療魔法の使い手だと知っており、

ときどきフェデリカを自宅に呼んではその優秀な治療技術の恩恵に与っていたのです。

ただ・・・

この日はどうも治療が目的ではなかったらしく、

カルミネ子爵は、もしかしたら近々フェデリカの人生が大きく変わるかもしれないというお告げのような話を聞かされただけで終わった。

これで終了!!!

だが・・・

クタクタになって治療院へ戻ってたフェデリカを待っていたのは夫のアルマンド!

「どうして出て行った!?」

険しい表情のアルマンドがいきなりフェデリカの腕を掴んで問いただしてきたのです。

そりゃそうだ!

昨日結婚したばかりな未来の伯爵夫人が、翌朝にはお供も連れず、

たった一人で仕事に出かけているなんて常識では考えられない暴挙である(汗)

明らかに怒りを含んだ表情を浮かべているアルマンドを見て大いに反省するフェデリカだった・・・

でも…孤児院出身で、常に虐げられる人生を歩んできたフェデリカには、

一般的な伯爵夫人としての立ち振る舞いなんて判るはずもなく、

なんとか事情を説明して、この日はアルマンドを心配させただけで終わったのだが、

その数日後、今度は本当にアルマンドを激怒させてしまう行動をとってしまうのです(汗)

それはやはり、フェデリカが自分の立場を勘違いしていたために巻き起こった二人の軋轢だった・・・

3話:醜聞

この日、これまでずっとフェデリカに優しく接していた夫のアルマンドは、

乱暴に妻を抱いた。

その理由は、新婚の身でありながらあまりにも仕事で忙しくしているフェデリカのことをアルマンドが調べたからだ。

彼はフェデリカの勤めている治療院で彼女の残業記録を閲覧して、

とんでもない事実を知ってしまったのです!

なんと…残業だと言って遅く帰ってきた日の残業記録にフェデリカの名前が一つも記録されていない(汗)

もちろん治療院で虐げられているフェデリカの残業した記録は、いつもジョージィや他の先輩たちに書き換えられているのだが、

そんな治療院での実態を知らないアルマンドは、フェデリカは治療院で男漁りをしていると勘違いしてしまったのです(汗)

しかも・・・

フェデリカの方も、日々の残業や仕事内容についてアルマンドから追及された時になんの反論もしませんでした(汗)

長年のうちに沁みついた諦めの心が彼女に無駄な釈明をさせなかったのです。

{説明したってきっと信じてもらえない}

そう頭から思い込んで口をつぐんでしまったのだ(汗)

だからアルマンドは珍しくフェデリカに対して不信感と怒りを露わにしていたのです。

ボタンの掛け違いだ。

そんな事があったからだろうか、

翌日、フェデリカはいつものように上から目線で嫌がらせを言ってきたジョージィに対し、

彼女が一番ショックを受けるだろう事実を伝えた。

それは…フェデリカが”結婚”したという報告だ。

これまで何度も縁談に失敗していたジョージィには”色無し”のフェデリカに先を越されるなんて耐えられない屈辱だろう・・・

案の定その後ジョージィは、治療院のスタッフたちへフェデリカを陥れるためにあることないこと醜聞を流しました。

治療院で唯一フェデリカの味方である女医のミリアムからそのことを聞いたフェデリカは、深いため息をついた(汗)

しかし…フェデリカはジョージィに自分のひどい醜聞を流されたことなんかよりも、

そんな自分を親身になって心配してくれたミリアムの気持ちがなによりも嬉しかった。

彼女だけはずっと”色無し”の自分を差別せずに接してくれているからだ。

思えばアルマンドがフェデリカの残業記録を調べて疑いの気持ちを大きくしたのは、

一日の業務を終えた後に行かされた”魔獣の間引き任務”への同行だったのだろう。

この日は森の奥深くで傷を負った戦士たちの処置に追われた大変な一日だったのです。

しかも…そこでフェデリカは心無い騎士の一人から凌辱されそうになる場面にも出くわしていたのだ(汗)

もちろんそんな大変な業務に従事していたことなど、アルマンドは知る由もなく・・・

4話:妊娠

フェデリカが同行した魔獣狩りは、ケガ人が続出する凄惨な現場となりました(汗)

あちらこちらで魔獣に傷つけられた兵士たちが倒れています!

フェデリカはまず重傷者の治療を優先して、軽いケガの兵士は、

応急手当の心得がある同じ兵士にやってもらうよう隊長にお願いしました。

すると…隊長は快くフェデリカの頼みを聞き入れて、

彼女は今にも死にそうな兵士たちを全力で治療し、全ての重傷者を死の淵から救い出したのです。

その結果…

本来ならばたくさんの死者が出ていてもおかしくない最悪な戦闘で、

誰も命を落とすことなく、無事に任務が完了したのです!

一時は、素行の悪い兵士から襲われそうになったフェデリカでしたが、

隊長をはじめ、その他の兵士たちからは大いに感謝され、

「アンタが今回担当で俺たちは本当に幸運だった!」

「ありがとう」

と…願ってもなかった嬉しい言葉をかけてもらい、

この日、彼女は初めて自分に魔力があって良かったと心から思えたのです♪

壮絶な任務を何とか終えて自宅に帰ってきたフェデリカは、

侍女からアルマンドが泊まりの仕事で今日は家には戻らないと知らされて少しだけホッとした気持になる。

{夜の営みはお休みね}

確かに…この日のフェデリカは、魔獣狩りを終えて精も根も尽き果てた状態だ。

その夜にアルマンドのお相手は過酷すぎるだろう(汗)

ホッとするのも無理はない。

ただ・・・

この日、魔獣狩りでケガをしたわけではないが、腹部になにか違和感を感じていました。

{なんだろう?}

翌日…

職場に出勤したフェデリカだったが、まだお腹の当たりがチクチクと痛んだので、

女医のミリアムに診察してもらおうと思いながらオフィスに入ろうとすると、

背後から誰かに手首を掴まれ、

「止まれ!監査室の者だ」と…トツゼン声をかけられたのです(汗)

フェデリカはその者から差し出された捜査令状を見せられて、内容を確認すると、

強制捜査への協力を促され、彼らに言われるがまま必要な書類を提供したり、聞き取り調査にも素直に応じました。

その後、監査室の人たちへの対応を一通り終えたフェデリカは、やっとミリアム医師の診察を受けたのですが、

そこで重大な事実が発覚します!

なんと…

フェデリカは妊娠していたのです!

昨夜からのお腹の違和感や痛みは病気ではなく”妊娠”の兆候だったのだ・・・

その瞬間…フェデリカの中には、自分が役目を果たせたという喜びの感情と、

これでアルマンドとの幸せだった生活が終わってしまうという残念な気持ちが同時に渦巻いていました・・・

5話:王命

ある日の夜遅く、フェデリカには内緒でアルマンドは自宅に着替えと夜食を取りに帰ってきていた。

ここ数日、彼はずっと仕事で家を空けていたのだ。

筆頭執事のアーロンから荷物を受け取る際には、

夫婦の間に流れている不穏な空気を心配していたアーロンから、

「このまま奥様を放っておかれて大丈夫ですか?」

と…声をかけられたが、

「今は…私にはやるべきことがある」と言って頑なにフェデリカと会おうとせず、

そのまま自宅を後にして仕事に戻ってゆくアルマンドだった・・・

一方、フェデリカが働く治療院では、監査室の捜査がずっと続いており、

この日、院長のある不正が発覚しました!

それは…

フェデリカが妊娠のために仕事の量を減らして欲しいと申し出た医師の診断書付きの申請書を破棄していたことでした。

なんと…院長がその申請書を故意に破り捨てていたのです(汗)

さらに…

監査室の者が来るようになって、これまでフェデリカをイジメていたジョージィが治療院に出勤してこなくなりました。

明らかに治療院では大きな何かが起きている様子だ!

そんな中、数日ぶりにアルマンドが帰宅すると聞かされたフェデリカは、

{やっとお会いできるのね♪}

と…嬉しい気分になると共に、重大な報告をしなければいけないという緊張感が彼女の胸をしめつけた(汗)

そう…

妊娠したことである。

フェデリカとしては事務的に妊娠を報告して、そこから離婚時期を相談するという流れを考えていました。

そして…

その時期が決まれば、そこから遡って元の生活に戻るための準備を進める。

今の生活に幸せを感じていたフェデリカにとっては辛いことだが、

はなからこの結婚は”王命”信じ込んでいる彼女は、

自分に与えられた使命は、アルマンドの子供を宿すことだと考えていたからだ。

なので・・・

自分がこのままアルマンドの妻として生活していくことなど考えてもいませんでした。

やがて…

仕事で疲れ果てた様子のアルマンドが帰宅しました。

目の下にはひどいクマができている。

その数分後…

久しぶりに二人で食事を始めたフェデリカとアルマンドでしたが、

その食事中にフェデリカは妊娠の事実をアルマンドに告げました!

「本当か?」

と言って喜びの表情を浮かべるアルマンド。

しかし・・・

次にフェデリカが離婚の時期の相談を切り出した途端、

それまで幸せそうだったアルマンドの表情が一変して、恐ろしい怒りの表情に変わり、

食事の途中にもかかわらず、

「王城へ向かう」

と…言って怒りのまま部屋を飛び出していったのです!

その際、アルマンドはフェデリカに、

「貴方と結婚したのは俺の意志だ!王命などではない!」

と…言い放って出て行った。

てっきり”王命”でアルマンドと結婚したとばかり思っていたフェデリカとしてはビックリです(汗)

{ど…どういうこと?}

フェデリカは何がどうなっているのか全く分からない(汗)

すると…

アルマンドが去ったあと、侍女のイレーネが二人の結婚に至る経緯にかなり行き違いがあることを教えてくれました。

だが・・・

なにも事情を知らないフェデリカとしては、

アルマンドから詳しい事情を聞くまでどうすることもできなかったのです・・・

6話:アルマンドの告白

自分がこれまで思っていたことと全く違っていたアルマンドとの関係性を知らされて、

フェデリカの頭の中はグルグルと色んな情報が錯綜して収拾がつかなくなっていました(汗)

{アルマンド様はご自分の意思で私を選んでくれたと言うの…?}

にわかには信じられない!

まったく想像していなかった事態にまだ頭と体がついてゆかないフェデリカでした。

完璧な寝不足だ(汗)

それでもまだアルマンドと離婚する可能性が残っている以上、

仕事を休むわけにはいかないフェデリカは、眠い目をこすりながらも職場へと向かった。

すると・・・

治療院では新しく病院の院長になったライアン・ディフェリーチェという男性が就任の挨拶をしており、

その中で、前院長が不正を働いて解任されたことと、フェデリカの教育係であるジョージィが、

職務怠慢が原因で、懲罰人事にかけられた上に、地方へ飛ばされる予定だと言う事を伝えていた。

監査室の調査によってこれまでの腐敗した治療院に大きなメスが入れられたのです。

さらに…

新院長のライアンが就任の挨拶を終えたあと、フェデリカが彼から呼び止められ、

これまで彼女が治療院で受けていた不条理な状況を詳細に聞いてきました。

ライアンから問われるままにフェデリカは今までの現状をライアンにすべて伝えた。

フェデリカから色々と聞き取りを終えたライアンは、

仕事っぷりが厳しいと回りから恐れられている彼には珍しく、

さすがにフェデリカがこの治療院で受けてきた仕打ちには同情して、

出来る限り彼女の過酷な職務内容を改善してくれるよう約束してくれたのです。

監査室の調査が入ったことで、フェデリカとしては嬉しい限りの職場環境となっていきそうだ。

さらに…

最後にライアンは、どうして今回これほど大掛かりな監査のメスが治療院に入ったのかをフェデリカに教えてくれました。

それは・・・

夫であるアルマンドが動いたからだったと言うのです(汗)

{えっ!?アルマンド様が!?}

フェデリカはそれを聞いてまたまた頭がパンクしそうになった!

しかも…ライアンからは、

「詳しい事情なら旦那に直接聞け!」

と…言われて詳細を話してもらえなかった。

一体、自分の身に今何が起こっているのだろう?

自分の回りが急速に変化してゆく中で、フェデリカ本人だけが何も分からない状況だった(汗)

まだある。

なんとこの日、アルマンドは仕事終わりのフェデリカを馬車で迎えに来ていたのです!

{えっ!?なんで…!?}

たくさんアルマンドに聞きたいことや話したいことがあるにもかかわらず、

思いが頭の中で渋滞してなかなか話し出すことが出来ないフェデリカでした。

すると・・・

アルマンドが、

「昨日のことはすまなかった」

と…口火を切り、そこからアルマンドの告白が始まった。

彼は少し緊張した表情で、これまで怒っていた様々な経緯と、

自身がフェデリカと王命で結婚したわけではなく、自分の意思でフェデリカを求めたことや、

ここまで二人の認識がすれ違ってしまったのは、前院長の悪だくみと、

それを見抜けなかった自分の責任だと言ってフェデリカに深く謝罪したのです。

そして・・・

どれほど自分がフェデリカのことを愛しているかを不器用な表現で懸命に伝えました。

アルマンドから全ての事情を聞いて、初めて本当のことを知ったフェデリカは、

その日、これまで味わったことのない幸福感に包まれながら、

愛しいアルマンドの逞しい腕の中で深い眠りにつきました・・・

7話:主計室の鬼

この日、フェデリカは、アルマンドとの関係において劇的な変化があったことを、

医局で唯一彼女が心を許せるミリアム医師に報告していました。

フェデリカの口からここ最近に起きた出来事をいろいろと聞いたミリアムは、

結果的にフェデリカの日常が、以前よりもずっと充実したものになっていることを大いに喜んでくれました♪

そして…

ミリアムは、監査室の調査が治療院に入ったことで、新しくやって来た上司・ライアン院長のことで、

「上司が変わって働きやすくなった?」とフェデリカに尋ねました。

なぜなら、院長になったライアンは、「主計室の鬼」と呼ばれていた有名な人物で、

若い頃から数字の矛盾を指摘しては、さまざまな不正を暴きまくっていた伝説の主計室室長であり、

かなり年齢を重ねた今でも、まだまだ「主計室の鬼」である迫力と仕事の仕方は変わっていないからだ(汗)

しかし・・・

そんなミリアムの心配をよそに、フェデリカはまったくその「主計室の鬼」に恐怖を抱いてはいませんでした。

むしろ…フェデリカのように他人の数倍は仕事を頑張っている人間にとって、

公正厳格に業務を遂行するライアン院長は、心強いマジメな”おじいさん”なでしかなかったわけで…(笑)

それを聞いたミリアムは、大いに納得して笑い転げました♪

「確かに…真っ当なことだけしていたら単なる”真面目なおじいちゃん”よね♪」

笑いすぎて瞳から涙を浮かべながら、ミリアムはキョトンとしているフェデリカにそう言って、まだ笑っていました。

癒しの時間だ♪

一方、

プライベートでは、アルマンドが連日のように寝室でフェデリカに愛を囁くラブラブタイムが続いていました。

ただ・・・

これほどもまでに深く温かい愛情を自分に注いでくれているアルマンドに対して、

どこか得体の知れない不安と恐怖に、心の中がざわつくフェデリカがいました(汗)

今の幸せな時間をどうしても自分の心と体に落としこめないのだ・・・

不幸体質が彼女の体に染みついているのだろうか…?

そんな中、

治療院では、ライアン院長が主導して行う魔法医師たちとのカンファレンスが頻繁に行われていました。

この日の議題は、

”なぜフェデリカが他の魔法医師たちよりも多くの治療魔法が使えるのか”

というものだった。

これまで、職員の中でも最下層のポジションで激務に追われていたフェデリカは、

そんな会議に出席することすらおこがましいと思っているのですが、

逆にライアン院長は、積極的にフェデリカの意見や考えを聞きたいようで、

現に、これまでフェデリカがやってきた治療方法は、ほかの魔法医師たちとは異なり、

大いに院長や同僚の魔法医師たちを驚かせることとなったわけで…(汗)

そのことによってフェデリカは、ベテラン医師のパオロから、少し嫌な顔をされてしまう!

さらにこの日…

フェデリカは、このあと彼女の運命を大きく変えることになる重要な人物と初対面することとなります・・・

8話:すまなかった

隣国エシェロンからやってきた使節団のなかに、マリーニ卿というイケメン紳士がいたのですが、

彼と医局ですれ違った際に声をかけられたフェデリカは、

まるでナンパされるがごとく熱烈なアプローチを受けたすえに、

「後でかならず口説きに行くので…」と、言われて去っていかれたのです(汗)

{なに!?どういうこと?}

フェデリカは、医局でナンパされたことをさっそくライアン院長に報告すると、

彼は…「まったく…外務の役立たずどもめ…」と、顔色を変え、

そのあとフェデリカに、つわりが酷いという理由で早退するよう指示したのです。

えっ!?

その際、院長から、

「詳しい話は旦那から聞け」と言われて、

その数十分後には、職場までアルマンドがわざわざ迎えに来てくれました(汗)

自分の身に一体何が起こっているのかまったく分からないフェデリカは、

とにかく院長に言われたとおりに、自宅へ帰ってからアルマンドの説明を聞くことにしました。

しかし…

いざ自宅に帰ってみると、リビングには使用人であるアーロンとイレーネも、

ソファーに腰掛ける二人の後ろに立っているではありませんか(汗)

{確か…アルマンド様はゆっくり話したいからとおっしゃっていたはずなのに…}

フェデリカはかなり違和感を感じていましたが、アルマンドが話し始めると、

ようやくその理由が分ってきたのです!

まず…

アルマンドは隣国からきた使節団に関することをフェデリカに説明する前の段階で、

彼女に懺悔しなければいけない重要な案件があったわけです(汗)

そして・・・

その謝罪をアルマンドに促していたのが、後ろに立っているアーロンとイレーネだったのだ!

ここでは使用人と主人の関係が完全に逆転していました(汗)

アルマンドがフェデリカに謝罪しようとしていたその内容とは、

以前…医局内でフェデリカが理不尽な勤務体系で働かされていたことを知らずに、

妻が浮気してると疑ったり、いわれのないフェデリカへの誹謗中傷などを鵜呑みにして、

自分の妻に盗聴器を仕掛けていた事だった(汗)

結局…フェデリカの行動はすべてが潔白だった!

その事に対して、アルマンドはアーロンとイレーネに頭をこづかれながら深く謝罪したのです(笑)

「本当に…すまなかった!」

フェデリカに頭を下げて心から謝ったアルマンドでした。

ただ…

それもこれもフェデリカに対する異常なまでの深い愛情が、アルマンドにそうさせたわけです。

フェデリカとしては、アルマンドに言いたいことは山ほどあったが、

とりあえず今は夫に仕掛けられた盗聴器騒動の件は後回しにして、

なぜ、自分が隣国の使節団の人間になぜナンパされたのかを知りたかったので、

その説明をアルマンドに求めたわけです・・・

9話:これまでの経緯

アルマンドからこれまでの経緯と、自分の置かれている今の現状を聞かされたフェデリカは、

自室でゆっくりと自分の考えを整理していました。

彼女が聞かされた真相は、とても政治的かつ、込み入った内容だったので、

なかなかすぐには我が事として体に落とし込めないのです。

もしかすると自分のこれからの行動如何で”色なし”と蔑まれてきた者たちの人生が大きく好転するかもしれないことや、

アルマンドが王命で自分と結婚したわけではなく、ちゃんと自分の意志で求婚してくれたことなど、

まったく思いもよらないことばかりを聞いて、いったい自分がどう受け止めたらいいのか戸惑うばかりです(汗)

しかも・・・

アルマンドのフェデリカに向けられた愛情は相当なものだったが、

彼は政治的な派閥抗争に巻き込まれて、愛する妻に対する疑心暗鬼に陥った結果、

フェデリカに”盗聴器”を仕掛けるという愚行に出てしまったのです。

もちろんその行為には、フェデリカに対する疑念を払しょくしたいという願いも込められていたわけだが、

それは同時に、妻を信用しないで、世間のデタラメな醜聞を信じたというアルマンドの裏切りでもあったわけで、

フェデリカとしては、自分を溺愛してくれているアルマンドに対する複雑な感情を抱いてしまうのです。

彼からは、子供が生まれても離婚する気などなど毛頭ないと言われているが、

{私はどうすればいいの?}

と…悩んでしまう。

実際、今までは王命だと信じ込んでアルマンドとの結婚生活や子作りに励んできたが、

それが誤りだと知った瞬間、自分が夫であるアルマンドのことを何も知らないことが気がかりだった。

なぜなら、自分はまだアルマンドの家族にさえ紹介されていない妻なのだ(汗)

これは一体どういうことなんだ。

普通の結婚であるならば、妻が夫の両親に一度も挨拶していないなんてありえないことです。

フェデリカはこの機会にアルマンドへ彼の家族のことを尋ねてみることにしたのです。

そして・・・

アルマンドの口から様々な事情を聞き終わったフェデリカは、

改めて自分の身の振り方を導き出そうとするのですが・・・

10話:手のひらの痛みに誓って

これから自分がどういう人生を歩んでゆけばいいのかを考えていたフェデリカのもとへ、

侍女のイレーネがお茶を届けてくれました。

その際、自分でも気づかないうちに頬から一筋の涙を流していたフェデリカ。

すると…彼女を心配したイレーネは、

「もしよろしければ私と…」と、一緒にお茶を飲んで話しましょうと、彼女から声をかけてくれたのです。

その後、アルマンドがフェデリカと結婚に至るまでの経緯をイレーネの口から直接詳しく説明してもらい、

改めてアルマンドが自分のことを本気で想っていることを知って安心するのですが、

ただ…

フェデリカがさっき知らないうちに涙を流していたのは、アルマンドのこととは別の話だったのです。

それがどんな理由だったかというと、当初、彼との結婚は、

自分がアルマンドの子供を産むためなのだと思い込んでいたフェデリカが、

自分の役目を終えたら離婚するものとばかり考えていて、

生まれてきた子供のことなど全く考えていなかった愚かな自分への涙でした。

そう…フェデリカは生まれてきた子供の母親になることなど、これっぽっちも頭になかったのです。

そんな無責任すぎる自身の考えが許せなくて、涙を流していたのです。

しかし…

そんなフェデリカの自責の思いを聞いたイレーネは、

温かい言葉で彼女のことを励まし、安心させたのです。

イレーネの優しさに救われたフェデリカは、前向きに今後の身の振り方を考えることにしました。

そしてその翌朝、食事の後に改めてフェデリカは、これからの事をじっくり考えたいので少しの猶予が欲しいと、

アルマンドに伝えて、彼から了承を得ます。

さらにその際、フェデリカは、昨夜イレーネと打ち合わせしていたようで、

あらかじめアルマンドに断った上で、彼の頬に”バシッ”と、強烈なビンタを見舞いました!

それは、彼がこれまで自分に対して行ってきた卑劣な行為へのケジメである。

(噂を鵜呑みにしたり、フェデリカを盗聴したこと)

この時、アルマンドは喜んでフェデリカからの罰を受け入れました。

さらにそこから彼は、「頬の痛みに誓って肝に銘じる」と、フェデリカに深く謝罪したのです。

その時、フェデリカも同時に、アルマンドの頬をぶった手のひらの痛みに誓って、

アルマンドとの未来を前向きに考えることを、心の中で自分に約束したのです。

それから数日後、

ついにフェデリカが、治療魔法能力の検査を受ける日がやってきた・・・

11話:驚愕の結果

お互いの気持ちをさらけ出して言いたいことを言い合ったフェデリカとアルマンドの関係は、

これまでとは比べものにならないくらい”心の距離”が近づきました。

アルマンドはフェデリカに対する疑念を全て解消し、以前より増してフェデリカに対する愛情が深くなり、

そんなアルマンドの想いを正面から受け止めることに舵を切り、

健康な赤ちゃんを産むことに決めたフェデリカもまた、

これからアルマンドのことを夫として真っすぐな気持ちで愛してゆこうと決意したのです。

よって…今の二人はすごく良い感じだ♪

そんな中、エシェロン国から来た使節団による魔法の能力検査の日がやって来ました。

以前からフェデリカに並々ならぬ興味を寄せていた使節団の代表・マリーニ卿から、

魔法能力を検査する装置について詳しく説明があり、

そこに集まった能力者たちが順番にその装置で魔法能力値を検査していったのです。

その装置ではこれまで自分が今まで気づかなかった別の能力も発見され、

検査を受けた能力者たちは一様に自分が持つ潜在能力の種類を知って行きました。

やがて…ついにフェデリカの順番がやってきて、

マリーニ卿を始めその場にいたすべての者たちが彼女の検査結果に注目しました。

すると…

予想通りフェデリカの検査では信じられない驚愕の結果が現れたのです…!!

その驚きの検査結果とは一体どのようなものだったのか…?

ヒントは”コンプリート”です♪

12話:最強の魔法能力

なんと…

土・水・火・風の4属性全てにおいて最高値の数値を叩きだしたフェデリカ。

それは彼女が全ての属性で精霊の加護を受けているという意味だ。

この検査結果が表すのは”色なし”とこれまで卑下されていた無能属性は、

全ての属性を網羅した能力者にだけ与えられる無色透明のカラーだったこと事が分かったのです。

よってフェデリカは”最強の魔法能力”をもった人物だったというわけですが、

それは決して喜ばしい事ばかりではありませんでした。

フェデリカのこの全属性をコンプリートした能力は、

色なしは精霊の加護を受けていないという教えの”セーガ教”を真っ向から否定するものだからです。

今後はきっとセーガ神殿からフェデリカに何らかの圧力がかかってくることが予想される。

保身のために。

そして…きっとそんな状況になることを見越したマリーニ卿は、

フェデリカに破格の好待遇で隣国のエシェロン国に迎えたい旨を提案してきたのです。

恐らく彼が本国へやって来た本当の目的は”色なし”のスカウトだったのでしょう。

彼の思惑に関してはあの検査結果が出た時点でフェデリカは予想していました。

恐らくはマリーニ卿とフェデリカの会談に夫であるアルマンドが護衛として同席している理由もそこにあった。

さて…フェデリカの返答とは…?

13話:激しい攻防戦

フェデリカはマリーニ卿からの申し出をきっぱりと断りました。

たとえセーガ神殿側からの強い圧力をかけられようと、

今のフェデリカにとってお腹の子共とアルマンドとの幸せな生活が全てなのです。

しかし…

ここから二人の激しい攻防戦がスタートします。

もちろん”色無し”の有能な魔法能力を持つ者をエシェロン国へ迎えるためにやって来たマリーニ卿は、

はいそうですかとあっさり引き下がるわけもなく、

そこからフェデリカに向けていくつもの好条件を提示すると同時に、

フェデリカがこのまま本国に留まることの危険性を説いて翻意させようと食い下がります。

だが…どれほどの好条件を提示され、フェデリカに迫る本国からの危険性を示されても、

まったくブレることなく夫であるアルマンドとともに生きる道を選択するフェデリカ。

その一貫した態度の前ではさすがのマリーニ卿も引き下がるしかありませんでした。

その時…

2人が会話している後方で固唾をのみながら見守っていたアルマンドは、

妻であるフェデリカの自分に向けてくれる大きな信頼と愛情にただただ感謝の気持ちでいっぱいだった・・・

14話:色なし属性の患者

ある日、フェデリカを名指しで指名してきた患者の治療をするために、

いつもなら用意してはもらえない送迎馬車に乗って患者の自宅へと向かったフェデリカだったが、

馬車の回りには馬に乗った護衛の騎士らもいて、その中にはアルマンドもいたのです。

それだけでこれから治療する患者の身分が大体は想像がつく。

恐らくかなり”身分の高い”家の誰かなのだろう。

それからほどなくして目的の場所に到着したフェデリカは、

患者が大邸宅に住むエスポジート侯爵家の幼い息子だということを知り、

なおかつその男の子が”色なし属性の患者”であったことで、

ようやくなぜ自分がエスポジート家から指名されたかの理由に納得する。

このあとフェデリカは慎重に毒で侵されて苦しむ男の子の治療に全力を尽くし、

見事に死の淵で苦しんでいる少年の命を救ってあげたのですが、

彼女にとっては特段いつもと大して変わらない治療成果だったものの、

息子の回復はほぼ絶望的だと思っていた両親が、息子が元気に回復すると聞かされて、

フェデリカがこれまで言われたことのない感謝の言葉を涙ながらに伝えられて・・・

15話:正しい振る舞い

侯爵家の幼い息子の治療を終えたフェデリカがその帰りの道中で賊に襲われました!

もちろん夫のアルマンドを始めとする護衛の騎士たちがいたので、

フェデリカは無事でしたが、アルマンドと他に2名の騎士がその戦闘で傷を負いました。

すぐさまフェデリカはいつものように重症の患者から治療を始めて最後にアルマンドを治療したのです。

こんな状況下でも分け隔てなく医師として正しい振る舞いに終始する妻の姿に惚れ直すアルマンド。

それからは何事もなく無事に自宅へ帰ることができた二人でした。

その日の夜、アルマンドはベットの中で隣にいるフェデリカに、

以前も今回と同じように戦場で深い傷を負ったアルマンドが、

懸命なフェデリカの治療で命を救われた日の事を語り出したのです。

しかも…

その頃まだ若い駆け出しの騎士だったアルマンドは重大な病に侵されていたようで・・・

16話:すごく幸せな気持ちの裏で

なんと…アルマンドがフェデリカを見初めたきっけかになった出会いが、

後にフェデリカが”スキャン魔法”を使い出すきっかけになった治療だったことが判明しました。

あの日…

いつもよりごっそりと魔力を消費したアルマンドへの治療は、

彼が医師から不治の病だと診断された難病を治したからだったのです。

いわばアルマンドはあの時のフェデリカの治療で命を救ってもらったのです。

それからというもの、彼は何としてでもフェデリカを妻に迎えたいと考え、

騎士として努力に努力を重ねた上で、それから満を持してフェデリカを妻に娶ったわけです。

決してフェデリカが想像していたような政略結婚でも何でもなかったのです。

ただ純粋に彼女はアルマンドから愛されて結婚したのです。

彼から自分に対する深い愛情を知ったフェデリカは、

すごく幸せな気持ちの裏で、自分が生みだしたスキャン魔法に対する疑問が頭に浮かんできたのです。

もし…あの時、今使っているスキャン魔法でアルマンドを治療していたら、

恐らく彼の難病は発見できずに簡単な治療だけで終えていただろう。

それって…問題なのではないのだろうか?

17話:ある患者についての意見

この日、治療院に出勤してきたフェデリカは、

先輩の魔法医・パラオとペッチオーリから、ある患者についての意見を求められました。

その患者はスキャン魔法で診断したのちに治療を施したが完治しなかったという症例で、

フェデリカはその患者さんの症状にアルマンドが過去に患った病気の可能性が高いと判断して、

部分的な治療ではなく身体全体に治療魔法をかけるべきだという意見を伝えました。

スキャン治療を使い始めた張本人のフェデリカとは思えない患者ファーストな彼女の意見に、

これまでなんとなく折り合いが良くなかったパラオは、フェデリカのことを見直すようになった。

これもある意味でアルマンドのおかげである。

以前よりもずいぶん働きやすくなった職場環境に心を軽くするフェデリカでしたが

その翌日、彼女にとって厄介な仕事が院長から舞い込んできたのです。

なんと…今回フェデリカが急遽治療にあたることになった患者がかなり”高貴な人物”のようで・・・

18話:嫌な予感が的中

フェデリカが院長に連れられて王城内に入って来た瞬間から胸騒ぎがしていたが、

目の前に昨夜から自宅に帰っていなかったアルマンドが警備に当たっているのを見て、

自分はとんでもない仕事を引き受けてしまったと後悔し始めました。

夫に心配されながらフェデリカが入って行った先は第一王女・アレッサンドラの寝室でした。

なんと…”王族の人間”が患者だったのです。

嫌な予感が的中しました!

室内には医局の重鎮たちが雁首を揃え神妙な顔つきで佇んでいます。

その重苦しい空気にフェデリカは今にも心臓が飛び出しそうな緊張感を感じていた。

王女は”落馬”をして生死を彷徨う重傷を負ったようなのだが、

輿入れ前の王女が男性の医師から体に触れられて治療を受けることを許さない人間がいたのです。

それはアレッサンドラの祖父でした。

そこで院長はフェデリカを引っ張り出してきたわけです。

だが…

次にその祖父は身分の低いフェデリカに王女の治療をさせるとは何事かと言い出して・・・

なんかこの祖父の態度はおかしいぞ…?

19話:論破タイム

アレッサンドラの祖父・ジェンティーレ候の態度は、

どうも難癖をつけて孫娘の治療をさせないようにしているとしか思えない素振りがある。

そんな中、これまでジェンティーレ候がフェデリカに対する辛辣の言葉を発しているのを黙って聞いていたフェデリカが、

ついに自ら発言を求めてジェンティーレ候と対峙したのです。

そこからはジェンティーレ候の理不尽極まる物言いに対しての、

フェデリカによる痛快な”論破タイム”が繰り広げられました。

やがて真っ当な議論でフェデリカに言い負かされたジェンティーレ候が、

理屈もへったくれもなく怒りを露わにすると、

ついにこれまで一言も口を利かなかったアレッサンドラの母・王妃殿下が、

ジェンティーレ候に対して退出を命じたのです!

治療の邪魔をするなら出て行けと言うわけだ。

このあと、改めて王妃殿下から直々にアレッサンドラ王女の治療を頼まれたフェデリカは・・・

20話:完全回復

フェデリカがアレッサンドラ王女の状態を全身スキャンにより診断した結果、

かなり重篤な状況であることが判明しました。

フェデリカは自身の持てる全ての”魔力”を投じて治療に当たり、

見事にアレッサンドラ王女を”完全回復”させることに成功しました!

すると…王妃殿下は感激のあまりに王妃としてではなく、

一人の母親としてフェデリカの手を取り深く感謝の言葉を伝えたのです。

王妃殿下と言えど、突き詰めるところ我が子を愛する親であることに変わりなかったようで、

この後…王妃とアレッサンドラ王女から絶大な信頼を得たフェデリカは、

二人からお茶に招待されるというとんでもなく緊張する時間を過ごすことになり・・・

21話:お茶会

アレッサンドラ王女に治療を施した数日後に、

治療後の状態を確認すべく王女の部屋を訪れたフェデリカは、

強引に王妃と王女から3人での”お茶会”に参加させられて、あまりの緊張で体の震えが止まらない…(汗)

そんな中、気さくに身内に対する愚痴や不満を語り合う王妃と王女の間に挟まれ、

フェデリカはとにかくそこには存在していないただの”置物”に専念していました…(汗)

しかし…アレッサンドラ王女は以前からフェデリカに対してすごく興味を持っていたようで、

いろんな話題をフェデリカへ話しかけてきたのです。

その理由は、これからアレッサンドラが嫁ぐ先が、戒律の厳しい信仰を持つ国であり、

これまで”色なし”という異物な扱いを受けながらも、

優秀な魔法医として仕事に励み、身分ちがいな貴族のアルマンドとの結婚まで決めたフェデリカに、

是非とも聞いてみたい事があったようで・・・

22話:産休

王妃と王女とのお茶会を終えて治療院へ戻ったフェデリカが、院長室へその報告に行くと、

待ち構えていたのは院長と夫のアルマンドでした。

どうやらアルマンドは院長にフェデリカの”産休”について話をしていたようで、

ちょうどそこにフェデリカが戻って来たのです。

院長はフェデリカに王女の術後経過を聞いて特に問題なさそうだと判断すると、

アルマンドに向ってフェデリカが産休に入れるよう調整すると伝えました。

「えっ…!?」

フェデリカにとっては寝耳に水の話で、自分はアルマンドに魔法医の仕事を辞めさせられるのかという不安を抱きます。

いつものごとく意思の疎通ができていない二人のすれ違いが発生する。

さすがにお腹が大きくなってきた状況でいつまでも仕事はできないと思ってはいたフェデリカですが、

まさか治療院を退職することまでは考えていなかったのです。

その事について帰りの馬車の車中でアルマンドに尋ねてみたフェデリカは・・・

23話:トルトラ家

フェデリカは勇気を出して今後のことについてアルマンドに聞いてみました。

三男とはいえ貴族の身分を持つ”トルトラ家”にとって、

色なしである自分を妻にしたことで、さぞかしアルマンドは家族との関係で肩身の狭い思いをしていると考えていたのです。

貴族の妻が治療院で働いていることで世間体が悪いと思ってのことならば、

アルマンドが出産を機にフェデリカに仕事を辞めて欲しいと考えるのは当然の事であり、

加えてこれまで色なしとして虐げられ続ける人生を送って来たフェデリカにとって、

人と対等な立場で話し合いをする機会など一度もなく、いつも誰かに命令されるままに生きてきた。

だから今回も従うしかないと半ば諦めの境地にいたのです。

そんなフェデリカの気持ちを察したのか、アルマンドは実家のトルトラ家のことでフェデリカが一切の気兼ねをする必要がないよう、

貴族の家に生まれた”三男坊”という立場と、今までアルマンドがどんな人生を歩んできたのかを、

その全てフェデリカに聞いてもらうことにしたのです。

それが同時に夫婦が”対等”な立場で話し合えるきっかけとなるはずだと思っていたからだ…。

24話:不治の病

アルマンドはゆっくりと言葉を選びながらフェデリカに向って話し始めました。

ある時から身体の調子が悪くなって医師の診断を受けたアルマンドは、

医師の口からとんでもない事実を伝えられるのです。

彼が侵されている病は、徐々に筋力が衰えて、最終的には呼吸すらできなくなる”不治の病”だったのです…(汗)

あまりのショックで絶望に打ちひしがれるアルマンドに対して、

医師はもしかすると”治療魔法”でなら治るかもしれないと、わずかな望みを伝えました。

医師から聞いた治療魔法に一縷の望みを託そうとしたアルマンドは、

すぐに父親へ掛け合って治療魔法を受けさせて欲しいと願い出るのですが、

当時の治療院は汚職で腐敗しきった機関であり、

一部の権力者や金持ちしか治療魔法を受けられない状況であったために、

そこまで身分の高くない貴族の三男坊であるアルマンドが受けられる治療ではなかったのです。

簡単に言うと家督を継がない三男の息子に大金は払えないというわけだ。

アルマンドは父親からの無慈悲な対応を受けて己の運命を呪わずにはいられなかった…。


 

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『授か離婚』の感想まとめ

この『授か離婚』という作品は、ヒロインのフェデリカで始まりフェデリカで終わるストーリーで、

とにかく主人公フェデリカの境遇が悲惨で救いようのないポジションに最初は涙なしでは読めないくらい悲しい導入です。

本人的にはそんなに不幸だと思ってないみたいだけど、傍から見たら地獄の毎日だ(汗)

それに・・・

後に評価されることとなる”色無し”のキーワードも、

それがひっくり返されるのは物語の後半部分だし、

アルマンドから自分が本当に愛されているんだと知るのもかなり後のお話で、

ほんと冒頭でも書いた『水戸黄門』並みの後半引っ張り型の逆転ストーリーなのです(汗)

とにかくもうフェデリカの過酷で不幸過ぎるこれまでの日常が彼女の体の隅々まで浸透していて、

普通に見ればとんでもない理不尽な状況にあっても簡単に受け入れてしまうのです(汗)

冒頭でまるしーは『渡る世間は鬼ばかり』というドラマに当て込んでその理不尽レベルを表現していましたが、

「遥かにフェデリカの方が不幸な境遇です。」

【幸楽】の五月なんて目じゃないくらいそれはもう地獄の環境なのです(笑)

そんな理不尽すぎる人生をいともたやすく受け入れてしまうフェデリカに、

途中でまるしーは無性に腹が立ってしまうのですが、

やっぱり彼女が幸せになった姿をどうしても見たくて最後まで読んだわけです。

この時点で最初にネタバレしちゃいますが、本作は綺麗なハッピーエンドで幕を閉じます!

「まずこのことを頭に入れてから読み始めてください♪」

これを知っていないと途中の段階でフェデリカがあまりにも不幸過ぎて辛くなっちゃいますから(汗)

「ちゃんと彼女は幸せになります♪」

それを念頭に読み進めましょう。

ただ・・・

幸せになるまでの道のりがすごく険しいというだけ!

しかも・・・

壮大な国家の陰謀とかがストーリーに絡んでくるので、ある程度物語は複雑で、

どちらかというとラブロマンス的な要素は少なめなんです(汗)

「全くないとは言わないけど」

あくまでもシナリオの内容で勝負する作品だ。

ストーリー的にはハラハラ・ドキドキのエンターティメント性に優れており、

仮にキュンラブな男女の恋愛物語を期待している読者には少し物足らないかもしれません。

でも…

「この作品の大きなコンセプトは虐げられた一人の女性のサクセスストーリーです!」

そんな主人公フェデリカの壮絶な女の生き様を描いた物語は、

まさに笑いあり、サスペンスあり、そして少しのラブロマンスがありの極上サクセス・ストーリーで、

名作の小説です。

これから二次元化された”漫画”という小説とは違った舞台で、

一体どんなワクワクを読者に提供してくれるのか?

全ての内容を知っているだけにコミカライズ版を人とはまた違った視点で楽しんでいるまるしーがいます。

これからちょこちょこと【追記】の形でここに感想やまとめを綴ってまいります~♪

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