グリサリオ家から手荒な歓迎を受けることとなったキャスライト!
だが…自分の家族からこれまで奴隷のような酷い扱いを受けてきた彼女にとって、
蜘蛛の巣だらけの離れ屋敷で過ごす生活は、ただの至福の時間でしかなかった・・・
「ああ~なんて幸せなの♪」
『虐げられ令嬢とケガレ公爵~そのケガレ、払ってみせます!~』
3話の解説と感想です♪
ジルカシウス公爵の意を汲んだ執事のカーネルは、
キャスライトが実家へ逃げ帰りたくなる手荒な歓迎をしろと侍女に言い含めて、
勝ち気で狂暴な侍女・アンに世話係を任せた。
しかし・・・
これまでは実家で奴隷のごとき日常を耐え忍んできたキャスライトにとって、
たかがアンの意地悪など、ただの親切でしかなかったのだ・・・
2話の解説と感想はコチラです♪
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虐げられ令嬢とケガレ公爵【ネタバレ3話】メイド服を貸して欲しい!
手荒い歓迎
自分のアザに怯えたくらいだから、放っておいてもそのうち逃げ出すだろうと、
主人のジルカシウス公爵に、キャスライトのことは放っておけと言われたカーネルでしたが、
カーネルとしては、自分の主人が格下のオブリュース家に侮辱されたことがどうしても許せなかった。
なので、密かに勝ち気な侍女・アンにキャスライトの世話係を任せ、
キャスライトを今は誰も住んでいない蜘蛛の巣だらけの離れ屋敷に宿泊させ、
彼女が実家へ逃げ帰りたくなるほどの手荒い歓迎をしてやれとけしかけるのです。
その際、カーネルからキャスライトが妹を差し置いて、
なんと無理やりこのグリサリオ家に押しかけてきた悪い伯爵令嬢だと聞かされていたアンは、
まだ見ぬキャスライトに沸々と怒りの炎を燃やし、
「あいよ!」と、威勢よくカーネルの指示を承諾したのです。
彼女もまた、主人であるジルカシウスを深く敬愛している一人なので、
キャスライトをイジメる気満々でいました。
アンはまず、メイドたちでもさすがに食べないだろうという腐りかけの食事を用意して、
キャスライトがあてがわれた蜘蛛の巣だらけの離れ屋敷へと向かいました。
すると…
彼女が屋敷に入った瞬間、
目の前に広がる信じられない光景に思わずポカンと立ち尽くしてしまう・・・。
侍女のアン
なんと…
ゴミ屋敷と化した離れ屋敷でアンが見たものは、伯爵令嬢であるはずのキャスライトが、
蜘蛛の巣だらけだったはずの部屋をピカピカに掃除している姿でした。
{えっ!?}
いったい何人の侍女で掃除したのかというくらいに、部屋中が綺麗に磨かれているのです(汗)
なにこれ!?
まずもってアンは、伯爵令嬢が自ら部屋の掃除をするなんてことを聞いたことがなかった。
のっけからキャスライトの異質なキャラに面食らってしまったアンですが、
その後すぐに気を取り直して、
「アンタの飯わざわざ持ってきてやったぞ!」
と…侍女にあるまじき物言いで、伯爵令嬢のキャスライトにぞんざいな声の掛け方をしました。
すると…
アンの存在に気づいた伯爵令嬢・キャスライトは、
「まぁ♪ご飯!」
と…嬉しそうな声を上げて、アンのもとに駆け寄ってきたのです。
「ごめんなさい、お待たせしちゃいました?」
侍女のアンに謝って、申し訳なさそうな表情をしているキャスライト。
{ええ~っ!?いま謝った?}
これまで侍女に謝る伯爵令嬢など見たこともない。
しかもである!
キャスライトは、アンが持ってきたその”ほぼ腐りかけの食事”を美味しそうに食べ始めたのである。
{それ食べる気かい!?}
もう~何から何まで想定外の行動をするキャスライトに度肝を抜かれっぱなしのアンです(汗)
そんなキャスライトの反応に、
さすがのアンもついついミルクを飲もうとしてる彼女の手を止めた。
自分がやったこととはいえ、
無邪気な笑顔で腐った食事を食べようとするキャスライトが気の毒になってしまったのです。
アンもまた、根は善人なのだ。
メイド服を貸して欲しい!
「ちょっと待ちな!」
思わずアンは、自分が持ってきた腐りかけのミルクをキャスライトの手から奪い取ると、
「パンもミルクもちょっと古いものを持ってきちまった」
と…わざとらしい言い訳をして、新しい食事を用意するとキャスライトに告げたのです。
それを聞いたキャスライトは、天使のように魅力的な笑顔を浮かべて、
「ありがとうございます♪」と…アンに心から感謝の言葉を返したのです。
{なんなんだこの伯爵令嬢は?}
完全に毒気を抜かれて調子が狂ったアンは、
伯爵令嬢らしからぬキャスライトにどんどん絆されてゆくのです。
しかもである。
このあとキャスライトは、妹のお下がりのドレスを着ていて、とても苦しくて動きづらいからと言いだし、
アンに”メイド服を貸して欲しい”と頼んできたのです。
「はぁ~!?」
貴族の人間がメイド服を着たいだなんて・・・
もう~訳が分からないアン。
これで最初のキャスライト追い出し作戦は完全に失敗に終わった。
その後、キャスライトとの不思議なやり取りをアンから報告されたカーネルは、
そのことをそっくりそのままジルカシウス公爵に伝え、そのあと二人は共に困惑してしまうのです。
「伯爵家の令嬢がいったい何を考えているんだ」
キャスライトが歩んできた壮絶な生い立ちなど知るよしもない二人には当然の驚きだったろう。
彼女にとってアンがした嫌がらせなど、ただの親切でしかないのである。
恐るべし伯爵令嬢!
その頃、アンから受け取ったメイド服を着て、幸せそうに屋敷の掃除をしているキャスライトの姿が・・・
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3話の感想
2話で執事のカーネルさんが素敵だと、感想で書きまくったサイト主のまるしーですが、
今回もまた素晴らしいキャラが登場してきました!
そうです!
「勝ち気で口も悪い侍女のアンちゃんです。」
彼女の顔にキュートなそばかすがあるのは、『赤毛のアン』をモチーフにしてるからなのかな?
このアンちゃんがすごく魅力的な侍女なんです♪
始めはカーネルさんからキャスライトのことを聞いて、烈火のごとく怒り狂っていた彼女ですが、
ことごとくイメージとかけ離れたキャスライトの行動や言動にドンドンと絆されてゆくシーンは最高でした。
ぶっちゃけ、言ってしまえば想像した通りのアルアルな展開なんですが、
著者の廻 先生が描く絵の表現力が素晴らしく、
およそ伯爵令嬢と侍女のやり取りとは思えない掛け合いが実に面白い♪
腐りかけの食事を嬉しそうに食べるキャスライトを見てガタガタと震えるアン。
キャスライトの発言と行動にいちいち驚いて悲鳴を上げてしまうアンの様子がとにかく笑えるんです。
あと・・・
キャスライトに怒りを抱いていても、ちゃんと人としての常識を見失わないアンの人柄も素敵です。
「実はかなりの人情派なのだろう!」
腐りかけのミルクを飲もうとしたアンの手をわざわざ止めて、
「ちょっと待ちな」と、そのミルクを奪い取って、新しい食事を用意すると言った彼女は男前だ!
ちゃんと自分の目で見たものを信じて判断する力を持っているのだろう。
彼女は安易に他人の意見に流されないタイプの女性だ。
恐らくこの先、アンちゃんはキャスライトの心強い理解者になっていくと思う。
まぁ~しかし今のところ本作に登場してくる人物はみんな魅力的なキャラが多いです。
「こういう作品って読んでると気分がよくなるんですよね♪」
まずもって不快なストレスを感じさせない。
オブリュース家の人間は、その極悪っぷりが度を越えていて、ほとんどコメディーなので、
ほぼ不快にならないし(笑)
ジルカシウスとカーネルさんも根はいい人たちだから、すぐにキャスライトの魅力にも気づくと思われます。
「こうなると早くキャスライトがグリサリオ家の人々から愛されている光景を見たいな~」
たぶんそれはそう遠くない未来の話だろうけど、
一体これからどんな主人公二人のラブラブな光景が拝めるのだろう♪
あの頑なに他人を寄せ付けない雰囲気のジルカシウスが、
「どんなふうにキャスライトを溺愛してゆくのか?」
この先が楽しみでしょうがない。
いや~どんどんと面白くなってきますね~♪
とりあえず、今回はキャスライトとアンのやり取りに、
腹を抱えて笑うほど楽しませてもらいました。
「ああ~楽しかった♪」
>>>『虐げられ令嬢とケガレ公爵』4話の解説と感想はコチラ♪
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