『シジュウカラ』
9巻の解説と感想です♪
運命は実に残酷なものだ…。
離婚して身も心も自由になった忍と愛のない女性と生活を共にしている千秋が再会してしまった。
その結果…どういった化学反応が起きるかなんて火を見るよりも明らかなことであり…
忍の中で燃え尽きたと思っていたはずの愛情は、彼の顔を見た瞬間に待っていたかのようにジリジリと煙を上げだして…
9巻の見どころ
二人の再会は必ずやって来て、それも最悪なタイミングで訪れるだろうと予想していたサイト主のまるしーでしたが、
「やはり予想していた通りの再会劇でした(汗)」
離婚した忍にはこれから一緒に暮らそうとしている岡野というパートナーがいて、
千秋には愛情とはまた違う異質な絆で繋がった みひろという女性がいる。
忍の方はともかく、千秋に関しては みひろと別れることは至難の業なように思える関係性なのである。
「忍と千秋は今回もまた悪いタイミングで深く結びつこうと前に進んでしまうのか?」
そしてその結果、再び絶望とともに別の道へと進む運命なのかもしれない…。
9巻の見どころですが、
再会したことで当然のように再び惹かれ合ってしまう忍と千秋の深い絆です。
今回はお互いのパートナーを巻き込んだドロドロの愛憎劇が繰り広げられてゆく模様で、
4人のうちの誰かが命を落としてしまうのではないか?というくらいヤバそうな雰囲気がプンプンしてます…。
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シジュウカラ【ネタバレ9巻】再会してはいけない二人!
30話:燃え殻
トツゼン目の前に現れた千秋に驚きすぎて
「ひ…久しぶり…」
という言葉しか出てこなかった忍。
そのあと、なんとか千秋の妻である みひろから千秋のサイン本を受け取ったことのお礼を言ったところで、
二人の間に岡野が入ってきて二人の会話は途切れました。
忍の口から以前に千秋が自分のアシスタントをしていた事を岡野に伝える。
この時…恐らく何とも言えない微妙な雰囲気の二人に岡野は何かを察したはずだ(汗)
それほど忍と千秋の間にはただならぬ空気が流れていたのです。
その後…岡野と千秋が連れ立って他のテーブルを回っていったタイミングで、
忍は人知れずパーティー会場を後にしました。
忍がいなくなったと気付いた千秋はすぐに会場を出て彼女の後を追いかけますが見失います。
後日、千秋は自分と打ち合わせした後に忍との打ち合わせがあると言っていた岡野を尾行して、
忍が今住んでいるマンションを突き止め、岡野が出てくるのを物陰から待っていました。
岡野とともにマンションから連れ立って出てきた忍の様子を見て、
二人が仕事上の関係以上の仲であることを察します。
もはや昔の大恋愛した燃え殻にまた火がついてしまった千秋の感情は抑えきれず、
忍が一人でコンビニに入ってゆく後をつけて店から出てきたところで声をかけました。
このあと二人の会話はとても気まずいものとなり、忍が千秋の前から逃げ帰ります・・・
31話:正解なら知っている
自宅に帰ってからも千秋のことが頭から離れない忍。
{なんで今さら私のとこに来たりするのよ?}
{自分は結婚だってしてるくせに!}
千秋への怒りがそのまま彼の情報をネット検索する動きへとつながる。
千秋のSNSにはほとんど妻の情報は書かれていなかった(汗)
千秋とは一度真剣に将来のことを考えたほどの関係だったけど・・・
あの頃…自分にとっては恋だったけど、千秋の自分に対する想いは恋ではないと考えている忍。
あり得ない話だ。
頭では千秋のことを意識しないようにしても、心は岡野との今の関係に罪悪感を持ち始めている忍がいました。
その傾向が表れ始めたのは、ここ最近では岡野の誘いを断ることがなかった忍でしたが、
千秋と再会して以降、体が岡野のことを拒否するようになってきたのです(汗)
岡野もこれまでの忍とは明らかに違う態度になってきたことに気付きだした頃、
千秋が再び忍に連絡を取ってきた。
忍はその日、これから岡野と一緒に暮らすための物件を物色中にも関わらず、
仕事の忙しさを理由にして千秋のもとへ駆けつけるのです。
再会後、初めてゆっくり二人で会話することになった千秋と忍はお互いの近況について報告し合いました。
千秋は みひろとは一緒に暮らしているが籍を入れたわけではなく、
体の関係もなく彼女を助けるために一緒にいると説明し、
それを聞いた忍はその時、岡野との関係性について”元カレ”だとは言ったがそれ以上の関係であることは伏せたのです。
{正解なら知っている。}
忍の年齢や立場を考えたら明らかにこれから人生を共にするのは岡野の方がいいだろう。
分かっている。
一度忍の中に根付いた千秋への想いは、自分が想像していた以上に彼女の中に住み着いていたのです。
二人の男性の間で揺れ動く千秋の想い。
そんな中、千秋はとんでもない次回作のネームを彼を担当する編集者でもある岡野に持ち込み、
さらにそのネーム原案を忍のスマホにも送ったのだが・・・
32話:ずっと
千秋から送信されて来たネームの内容を見て顔色が変わった忍。
まさにそれは自分と千秋との関係が描かれたラブ・ストーリーだったのです!
{千秋くん…どうしてこんな…}
千秋の心が読み取れなくて動揺する忍。
一方その頃…カフェにいる岡野と千秋はというと、
岡野はすぐにネームに登場する女性が忍だと確信し、
それから忍をめぐって男同士のけん制し合う光景が繰り広げられるのです。
特に若い千秋は岡野に対して忍への気持ちを強く前面に押し出してきた。
岡野としては自分が編集担当という立場上、表立って忍との関係を千秋にアピールするができず、
なんとか冷静な対応を保ったままその場の打ち合わを終えたのです。
千秋と別れたあと、高ぶる気持ちが抑えきれなかった岡野は、
ムシャクシャした気持ちを引きずったまま忍のマンションへ行き、
驚いている彼女を強引に抱こうとするが、やんわりと拒否されてしまう(汗)
次に千秋だ。
このタイミングで千秋はずっと忍のことを想っていたという告白メールを送り、
千秋の中に自分がまだずっとい続けていたことを知ります。
アラフィフにして訪れたモテキである。
岡野と千秋の間で揺れる忍。
さらにその夜、家で同棲中のみひろと口論になった千秋が家を飛び出しました。
ちょうどその時、忍が千秋の携帯に電話をかけたのです。
千秋から事情を聞いた忍は心配になって思わず雨の降りしきる夜道を駆けつけて行ったのです。
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9巻の感想
「まぁ~そりゃこうなるわな」
という最悪なタイミングでの再会となりました(汗)
ただ…それを見ている第三者としてはめちゃめちゃスリリングな展開であって面白いです♪
お互いに相手を吹っ切ったつもりでいた忍と千秋でしたが、
小さな愛の炎をずっと絶やしていなかったのはやはり千秋の方であり、
そして…再会した瞬間に種火も火力が上がった千秋のアグレッシブなアプローチで、
すでに燃えカスだった忍の心に再び点火させてしまった状態だ(汗)
再びお互いの年齢差のことで思い悩む忍は、また答えの出ないエンドロールな思考に入り込む。
「そのうち岡野も離婚した夫のように凶暴化してしまうのではないだろうか?」
この先、忍のハッキリしない行動はきっと岡野を苦しめてしまうだろう。
みひろと特殊な絆で結ばれている千秋の方は、
若さゆえの暴走を再び試みることで みひろのメンタルを危険な水域まで落としこんでしまうでしょう(汗)
岡野とみひろ…どちらかが暴発したら再び忍と千秋の関係は振出しに戻り、
「後悔の渦にさいなまれながらまた別々の道を歩むことになるのか?」
とにかく、今の忍と千秋の関係が復活するかしないかの未来は、
「忍がカギを握っている。」
彼女の決断がその先にある二人の人生に大きな影響を及ぼすことになる。
「この緊迫したグダグダでイライラする状況が実に面白い♪」
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