人が抱いている罪悪感や悪意のある感情などが、
恐ろしい形となって見えてしまう赤池 姉妹の活躍を描いた
鬼才・坂辺周一 さんによる
1巻のグッときたエピソードを紹介
『シンクロ ～入りこむ罪悪感～』
１巻の解説と感想です♪
今回は１巻の中でも特にサイト管理人のまるしーが
グッときたエピソードを紹介したいと思います。
もし、本作の全体のあらすじや、大まかな内容を知りたい方は
前回の記事を読んで下さいね♪
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小さい頃から、日常生活の中でおかしなモノばかり見てきた赤池 姉妹は、
彼女たちが14歳になった時、その恐いオバケみたいなものは人の罪悪感や幻覚で、
自分たちはただその人達とシンクロして同じものを見ているだけだと気づいたんです。
正直あまり嬉しくない特殊能力を持った六花（リッカ）と冱花（イツカ）は
いちいち罪悪感を抱えてる人たちと関わらないようにしながらも、
否応なしに視覚として入ってくる何かしら問題を抱えた人たちの人生を救ってゆく…
重いテーマを扱いながら、イマドキ女子のユーモアを交えつつ描かれたストーリーは、
その奇抜な設定とリアリティ溢れる絵柄で読者の心を摑んで離しません！
ヒロインの彼女たちが見ているのはオバケでも・怪物でもなく、人が作り出す幻影・幻覚なのです！
なので、これはホラーやオカルトとも言えない新しいジャンルの『漫画』になるのかな～？
坂辺 先生が持つ独特なアイデアがぎっしり詰まった『シンクロ』は、
普通の漫画に飽きた人たちに読んでみて欲しい作品です~♪
そして…今回は、
『シンクロ』1巻の中でまるしーがグッときたお話を紹介したいと思います~
独断と偏見のチョスですよ♪
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シンクロ（漫画）ネタバレ！1巻のグッときたエピソードを紹介
サイコOL・浅見の場合
まず最初はやっぱりエピソード2と3に出てきたサイコなOL 浅見の話です。
彼女は、ずっと恋人のDVに悩まされていて、
ある日、その激しい暴力に耐えかねて、つい傍にあったワインボトルで男を殴り殺してしまうんです。
すると…
その日からずっと彼女は悍（おぞ）ましい幻覚を見るようになるんです。
それは、食べ物が人間の目玉や引きちぎられた指に見えてしまう幻覚で、
そうなるともう気持ち悪くて、食事なんかとれません。
そんな中、ある社員食堂で、浅見の近くに座った六花（リッカ）が、
浅見にシンクロして同じ幻覚を見てしまうんです。
食べたかった有名な社員食堂の料理が人間の目玉や肉片入りのグロい状態になってる…
｛…誰よ…？｝
｛はぁぁ…｝
いつもながら自分の能力に嫌気がさすリッカ。
その時、リッカと同じ幻覚を見ていた浅見が、
「もう嫌っ！」と叫んで、
食堂から走り去ってゆくんです…。
こっちも嫌だわっ！という心境のリッカ！
確かに、人間の肉片だらけのおかずはいくら幻覚と言えど食べられません。
当然、同じ幻覚をみていたリッカもその日の昼食は抜きとなりました。
理由のないもらい事故みたいなもんです！
一体なぜ浅見がそんな幻覚を見ているのかというと、
本人の中で、まだ浄化できていないからなのです。
彼女は、DVの恋人を殺した後、
その死体を切り刻んで、冷蔵庫に保管しながら、
少しずつ切り取った肉片を焼いたり、煮込んだりしながら、生ゴミとして処分していたのです。
彼女はその行いに対して、肉体よりも精神が追い詰められ、
いつしか自分であの恐ろく気持ちの悪い幻覚を作り出してしまったんです。
後日、別の場所で、冱花（イツカ）も浅見と遭遇するんですが、
その時は、イツカがずっと狙ってた男と、レストランでデート中だったんです。
浅見が近くにいるせいで、美味しそうな高級料理が全部グロい肉片となってしまったイツカの料理、
彼女は我慢できず、口に入れたものを全部吐いてしまうんです。
「うげぇぇぇ~」
リッカから浅見の話を聞いていたイツカは腹をたてて何を思ったか、
近くで食事をとる浅見に詰め寄って行くんです！
「アンタッいい加減にして！」
「死体こねくり回して何が楽しいのよ！」
イツカの言葉に驚きを隠せない浅見。
「な・・なんで…？」
「あの女、どうして知ってるのよ？」
結局その日、狙ってた男には逃げられて散々だったイツカ。
しかし・・・
今度は浅見からイツカの命が狙われることに…
という展開なんですが、
確かにそういうことになってもしょうがないしょうね。
この姉妹はリッカがおとなしい性格で、イツカはイケイケなんです！
最後、浅見に命を狙われたイツカは、
リッカと共に浅見を撃退することになるんですが、
その時に浅見に向かって言い放つイツカのセリフがめちゃめちゃぶっ飛んでて面白いんです♪
決して正義の味方じゃない言葉が余計心にグッと来ちゃうんだな～
この件（くだり）は本編で楽しんで欲しいです~
絶望の不倫男・森田の場合
次にグッと心にきたのは、妊娠した若い愛人を誤って殺してしまった
冴えない中年男の話ですね！
若い愛人に子供の中絶を断られて、カッとなった中年男・森田が、
思わず愛人の首を締めて殺してしまうんです。
その日からどんな時も死んだ愛人の幻覚に悩まされる森田。
彼が作り出す彼女の幻覚は大きな罪悪感からのモノです。
リッカが見た森田には死んだ時のまんまの姿で彼におぶさる愛人の姿が見えているんです。
簡単に言うと取り憑かれてる状態ですね！
そんな彼を、リッカから話を聞いた知り合いの刑事・永江（ながえ）が追い詰めてゆくんです。
愛人を殺した証拠は見つかっていないものの
事件の真相発覚を恐れた森田は自主するか逃げ通すかで悩み苦しみます。
そんな中、
彼の体にある異変が・・・
というお話で、
主人公の森田が悪人じゃないだけに、殺人犯といえど、なんか切なくなるお話でした。
話の結末も意外性があってグッときましたね～
「あっ！こういうオチもありなのね」
て感じの終わり方です。
特に男性の方が読んだら、共感する人多いんじゃないでしょうか？
浮気はダメですよ~
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1巻の感想
特殊な能力を持ってる赤池姉妹の立ち位置がちょっと面白いんです。
変に正義感を出してイチびらない所が良い♪
特にイツカの性格はスッキリしてて好感がモテるし、美人でイケてるのに男に縁がないのもいい感じです。
反面、おとなしめのリッカはちょっと偽善者が入っててイライラする時があります。
リッカに目を付けてきた永江 刑事 にももっと早めに自分の特異体質を説明すべきでしたし、
普通の人間ならリッカが事件と関わってると思われてもしょうがない！
なので、まるしーとしては自分の考えや意見をズバッと言えるイツカちゃんの方が大好きです。
あと、イマドキな姉妹の会話も軽くて軽薄で重いテーマとのギャップがあり、またその対比が面白く、
緊張と緩和のバランスが絶妙ですね♪
この。『シンクロ』という作品は、
かなり丁寧に毎回、登場する主人公の深層心理を掘り下げて描いてるので、
１話ごとに、1本の良質なヒューマンドラマを見た感覚になります。
坂辺作品は、実写化される作品が非常に多いですが、
この作品も、CG技術が発達した現在なら充分実写化されそうな漫画です。
もしかしたら近いうちに映画化のニュースが飛び込んでくるかもしれませんね♪
だとしたら赤池姉妹はどんな女優さんがいいかな~
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