著者:島くらげ
『つがいの嫁入り ~異形の巫女は朱雀の当主に愛される~』
9話の解説と感想です♪
幽閉されていた朱音が自害したとの一報をうけた万羽と銀花。
妹が自ら命を絶ったと聞いてさすがにショックの色を隠せない銀花に対し、
朱音の遺体が見つかっていないことや現場の痕跡から、偽装自害を疑う万羽がいました。
そんな中、朱音の件もあって延期状態になっていた朱雀宮家の”お披露目式”が執り行われることとなり、
正式に銀花が朱雀宮家の嫁として里の者たちにお披露目される瞬間がやって来ました。
これまでは朱音の銀花のことを貶める活動によって、
一部の者たちから朱雀宮家の嫁として相応しくないと陰口をたたかれていた銀花ですが、
果たして…そんな銀花の汚名は今回の”お披露目式”で払拭されるのでしょうか…?
銀花の真価が問われる時がやって来た…。
「明らかに卓越した力など持っていない朱音を歓迎する長縄家当主の意図は…?」
8話の解説と感想はコチラ♪
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つがいの嫁入り【ネタバレ9話】延期になっていたお披露目式!
延期になっていたお披露目式
これまでの悪事が白日の下にさらされた朱音は、
犯した罪の罪状が下るまでは里の外れにある牢で幽閉されていたのですが、
ある日…突如として朱音が姿を消したという報告が万羽と銀花のもとに寄せられました。
現場に残っていた痕跡から恐らく朱音は”自害”したものと朱雀宮家の人間から判断されていました。
だが…実際に朱音が忽然と姿を消した場所に自ら赴いて状況を確認した万羽は、
現場へこれ見よがしに残された朱音の遺留品の嘘くささや、彼女の遺体がまだ見つかっていないことから、
朱音による”偽装自害”を疑う万羽がいました。
その結果…羽の指示で朱音が自害したとは断定せずに引き続き朱音の行方捜索が続けられました。
それからのち一週間が経ってもやはり朱音の消息は不明のままで、
ますます朱音の偽造自害説に信憑性が帯びてくるのですが、
すでに六華の里の者たちの間では、朱音は自分の罪を償うために自害をしたのだろうという噂が流れており、
里の者たちや朱雀宮家の中でもどこか朱音に関する一連の事件は過去のものとなりつつあったのです。
それに…万羽と銀花の二人にはこれから朱音の事なんかよりも大事な行事を控えていたのです。
それは…
朱音のせいでずっと延期になっていたお披露目式でした。
この朱雀宮家における大イベントをきっちりと終えることで、
ようやく名実ともに銀花は”朱雀宮家の嫁”として里の人々に認知されることになるわけで…
今のところ朱音の件にこれ以上深く関わっている暇はないのである。
長縄 寒月
ついに”お披露目式”の当日がやってきました。、朱雀宮家には大勢の里の者たちが集まって万羽と銀花が姿を現すのを待っています。
そこへ正装姿の凛々しくて美しい二人が連れ立って現れ、
にこやか且つ晴れやかな表情の万羽か皆に挨拶をします。
「朱雀宮万羽は榮枝銀花と婚約の運びと相成った」
少し長かった髪を短くカットしてより男っぷりが増した今の万羽は、威厳と風格を備えた豪族の当主の姿でした。
里の人々も先日の朱音が引き起こした【雪崩事件】で大活躍した銀花の話を聞いているので、
今回は誰も以前のように銀花のことを異形の白巫女だとして蔑む者はおらず、
心から万羽と銀花の婚約を祝福してくれている様子でした。
ついにこの日が来たという感じ♪
さらに…この日はものすごく珍しい人物が朱雀家のお披露目式に参列していたのです。
それはここ最近ではめったなことで里に下りてこない旧家の豪族である長縄 寒月という長縄家の現当主でした。
銀花の首に巻いていた襟巻が突風で飛ばされ、木の枝に引っかかっていたのを親切に取ってくれた人物がその寒月だったのです。
その際に寒月の姿を見た銀花はハッと驚いた表情を見せたのです。
なぜならば寒月という男性のルックスが銀花と同じ白い髪に白い肌だったからです。
{私以外にもこんな人がいるのね…}
それが初めて銀花が寒月を見た時の印象でした。
まさかこの寒月が銀花とものすごく因縁深い人物と密接な関係になるだなんて、
この時の銀花が知る由もありませんでした…。
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9話の感想まとめ
前回の8話で榮枝家の両親が「先生~どうかお知恵を~!」と、泣いてすがっていた人物が、
今回ちゃんと登場した旧家の豪族・長縄家の当主だったわけですね。
自身の政治的な立場や状況を踏まえた上で、それでも榮枝家の両親は銀花が朱雀宮家の嫁になったことを親として祝福したくないのですね…(汗)
「ほんとに嘆かわしく愚かな両親だ」
本作2話のあたりで一度は銀花におもねるような態度を見せていた榮枝家の両親でしたが、
やはり自分たちの腐ったDNAを色濃く受け継いでいる朱音が可愛くてしょうがないのだろう。
長縄家の当主にどんなお願いをしたのかは知りませんが、
父親はもはや気が触れたようにメンタルがおかしくなっていましたね。
「榮枝家も終わりだな…」
万羽の話では、長縄家の当主・寒月はめったなことでは里まで降りてこないと言ってましたが、
今回はきっと銀花を見に来たのでしょう。
長縄家は恐らくは朱雀宮家が蠟燭やランプを用いた商いで大成功を収める前までは、
六華の里を支配する強力な豪族だったと思われますね。
朱雀宮家もまた古くから里の統治機構を担ってきた絶対的支配者の豪族ですから、ライバル関係と言えるでしょう。
そして…このタイミングで寒月が朱音を取り込んだ目的は、もちろん榮枝家と朱音を救う為などではなく、
六華の里における支配権を朱雀宮家から取り戻すためとしか考えられない。
だけど…
寒月が朱音に関して持っている情報は間違っていないのだろうか…?
「榮枝朱音 卓越した力を持つあなたを歓迎しよう」
寒月は朱音を出迎えながらこんなことを言ってましたが、
朱音に卓越した力などあるはずもないのに…(汗)
寒月はすべて分っていてそんな歯の浮くようなお世辞を言ってるのか…?
本当に朱音の事をまだよく知らないのか…?
どっちだ…。
あと…寒月が自分の事を指して、古より続く六華の里の”本当”の主だと強調していたことが気がかりです。
普通に朱雀宮家への宣戦布告の言葉にしか聞こえない…(汗)
万羽は寒月の存在を脅威に感じているリアクションを見せていませんでしたが、
ちょっと気になる存在…という認識ぐらいは持っている様子でした。
本当なら普段めったに里へ下りてくることのない旧家の豪族の当主が、
朱雀宮家のお披露目式に参列してる時点で”MAXの警戒心”を抱いてしかるべきなのですが、
いつもながらの脇の甘さと、お披露目式の大成功で浮かれ気分の絶頂にいる万羽くんです…(汗)
溺愛モード爆走中の銀花との婚約が里の者たちに祝福されて有頂天になるのは分からなくもない。
髪を短くして凛々しい男前になったことも悪くない…(汗)
でも…明日からは気を引き締めて銀花をちゃんと守ってあげてね…万羽さん…。
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