
10話を読んで、
「ルシウスは本当にオリヴィアを愛していたのでは?」
そう感じた人も多いのではないでしょうか。
これまでのルシウスは、身勝手で最低な夫として描かれてきました。
しかし10話では、オリヴィアを見つけた瞬間の表情や、拒絶されたあとの姿から、それまでとは違う一面も見えてきます。
この記事では、10話までの描写をもとに、ルシウスの想いは本当に愛だったのか、それとも執着だったのかを整理します。
ルシウスは本当にオリヴィアを愛していたのか
10話まで読むと、ルシウスの見え方は少し変わります。
それまでは、オリヴィアを苦しめ続けた最低の夫でした。
女癖が悪く、妻を顧みることもなく、愛人同士の争いへ巻き込んだ結果、オリヴィアは命を落としたことになります。
だから読者の多くは、「今さら追いかけても遅い」と感じていたはずです。
しかし10話では、それまでとは違う一面も描かれました。
アンとして生きるオリヴィアを見つけた瞬間、ルシウスはまるで宝物を見つけたような表情を浮かべます。
その直後には、自分の手元へ取り戻そうと必死になります。
もちろん、その方法は間違っていました。
傷跡を確かめようと迫り、自分の思い通りにならないと感情を抑えられなくなる姿は、とても愛とは呼べるものではありません。
それでも10話のラストで見せた表情を見ると、ルシウスがオリヴィアを失っても構わないと思っていた人物ではなかったことも伝わってきます。
だからこそ、読者の中で新しい疑問が生まれます。
ルシウスは、本当にオリヴィアを愛していたのか。
それとも、自分のものとして失いたくなかっただけなのか。
10話は、その答えを示した回ではありません。
読者自身に、その境界を考えさせる転換点になった回だと言えます。
ルシウスの愛は、なぜオリヴィアに届かなかったのか
オリヴィアがルシウスを拒絶した理由は、10話だけを見ても分かりません。
答えは、この10年間にあります。
ルシウスは、オリヴィアを王妃として迎えました。
しかし夫として寄り添うことはなく、愛人との問題にも巻き込み続けます。
オリヴィアが傷ついていても気づかず、何を望み、何に苦しんでいるのかを知ろうともしませんでした。
一方で10話を見ると、ルシウスはオリヴィアを失った今になって、必死に取り戻そうとしています。
つまり彼は、愛していなかったわけではないのかもしれません。
ただ、その愛は常に自分本位でした。
オリヴィアが何を感じているのかではなく、自分がどうしたいのかを優先し続けています。
10話で傷跡を確かめようとした場面も、その象徴です。
彼が確かめたかったのは、オリヴィアの気持ちではありません。
目の前にいる女性が、本当にオリヴィアなのかという、自分自身の答えでした。
だから、その想いはオリヴィアには届きませんでした。
愛していたのかもしれない。
それでも、愛されているとは感じられなかった。
その積み重ねがあったからこそ、オリヴィアは10話で、
「私がオリヴィアだったとしても、アンタのもとには帰らない」
と迷いなく言い切れたのでしょう。
ルシウスが失ったのは、10話で目の前から去っていったオリヴィアではありません。
本当は、10年という時間の中で少しずつ、オリヴィアの心そのものを失っていたのです。
「帰らない」という言葉がルシウスに突きつけた現実
10話でルシウスが突きつけられた現実は、オリヴィアが生きていたことではありません。
生きていても、自分は選ばれなかったという事実です。
アンの姿を見つけた瞬間、ルシウスはまるで失くした宝物を取り戻したような表情を浮かべました。
長い間追い続けてきた願いが、ようやく叶った瞬間だったのでしょう。
しかし、その喜びは長く続きません。
オリヴィアはルシウスのもとへ戻ることを選ばず、自分自身の意思をはっきり示します。
その瞬間、ルシウスは初めて気づかされたはずです。
探し続けていた相手は見つかった。
それでも、自分の隣には戻ってこない。
この作品で初めて、「生きていてほしい」という願いと、「一緒にいたい」という願いが別のものになりました。
だからラストの馬車の場面が胸に残ります。
怒りに任せて追い掛けることもできず、無理やり連れ戻すこともできない。
ただ静かにうつむき、自分が失ったものの大きさだけを噛み締めています。
10話は、ルシウスがオリヴィアを見つけた回ではありません。
見つけても、もう過去には戻れないと知ってしまった回だったのです。
ルシウスの想いを見届けたい人へ
10話では、ルシウスの見え方が大きく変わりました。
最低の夫だったはずの男が、本当は何を失い、何を後悔していたのか。
その答えは、まだすべて描かれていません。
一方でギルベルトは、これまで通りオリヴィアの“戻る場所”を守り続けようとしています。
ルシウスは、この先もオリヴィアを追い続けるのか。
それとも、失ってしまったオリヴィアとの時間を受け入れる日が来るのか。
三人の関係は、ここからさらに大きく動き始めます。
続きが気になる方は、ぜひ本編で見届けてみてください。
