著者：天井フィナンシェ
『白紙の上でさようなら』
4話の解説と感想です♪
ドラマ撮影の見学に行った後の飲み会へ参加することとなった恵は、
雲水先生の別れた奥さんの話を聞いたり、自分が漫画家になる夢を挫折した過去を語ったりと、
そこそこ個人情報が乱れ飛ぶ盛り上がった時間を過ごしました。
一方で恵が縁を切って飛び出した彼女の実家では、
いまだに恵が去った頃と同じ時間を過ごしている姉と母親の姿がありました。
崩壊した家族のその後は、悪夢の過去から縛られ続けてその場から抜け出せなくなっていたのです。
しかし…
そんな悲惨な状況になっていることを恵はまったく知る由もなく・・・
「他人に説明しずらい自分が抱える過去のトラウマをカミングアウトするのはキツい作業だよね♪」
3話の解説と感想はコチラです♪
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白紙の上でさようなら【ネタバレ4話】漫画を描くことをやめた理由！
カミングアウト
ドラマ撮影の見学終わりで、雲水先生と親しい編集長の計らいで、
飲み会をご馳走してもらうこととなった【スタジオ雲水】の面々。
この日もまた恵はきっちりと参加です。
アットホームな飲み会の席で、まずは離婚した雲水先生の奥さんが綺麗だという話で盛り上がりを見せると、
いつしか話題は過去に漫画賞を受賞したのに漫画家としてデビューしなかった恵の話に移り、
恵が賞を受賞した当時、まだ駆け出しの編集者だった編集長は、
もし…あの時に恵が漫画家としてデビューしていたら、
自分が恵の担当することになっていたんだという昔話を語り出したもんだから、
そこから完全に飲み会の主役が恵のようになってしまったのです。
しかも…
この日はそこそこお酒に酔っていた恵は、自分があの当時なぜ漫画家の道へ進まなかったのかを、
酒の勢いのまま”カミングアウト”したのです。
もちろん細部まで詳しく説明したわけではないのですが、
恵が抱えている家族との確執が大きな原因であることは正直に告白したのです。
そんな自身の辛かった過去の話など他人にしたことがない恵としては驚くべきカミングアウトである。
時が止まったままの母と姉
恵の複雑で入り組んだ過去を知ったその場にいる人間は一様に顔を曇らせた。
人にはそれぞれ他人からは見えない様々な苦労や心の傷があるのだ。
一方で同じころ、
恵が飛び出して縁を切った実家では、あの頃から時が止まったままの母と姉がもがき苦しんでいました。
姉はいまだに自室で引きこもり状態の生活を続けており、
そんな姉を心配し続ける母親は、姉をなんとか立ち直らせようとしていたが、
逆に姉からは「全部アンタが悪いせいだ！」と責められる毎日で途方に暮れる毎日だった…
恵の家族は完全に崩壊しているのだ。
さらに…
恵の方はというとこの日の飲み会終わりでの帰り道で、雲水先生に心酔している編集者の武井が、
過去のトラウマから漫画を描けなくなった恵のことを責めような発言をしたことで、
それを聞いた雲水先生が武井を強めにたしなめるというシーンが展開されるのですが・・・
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4話の感想
なんと…
恵が描いた漫画賞を受賞した作品の原稿を持っていたのは姉だった！
ここまでドロップアウトした姉の恵に対する感情がまったく描かれていなかったこともあり、
ちょっと驚きの結果でした。
「二人の姉妹関係って一体どういう感じだったのだろう？」
これまでの流れでは自分ばかりが母親に贔屓されている状況を、
姉の春ちゃんはなんの違和感もなく受け入れていたように見えましたし、
恵に優しい言葉をかけている姉の姿も描かれてはいませんでした。
普通に考えたら仲の良くない姉妹ということになる。
もっと言えば姉が妹のことを母と同じように疎ましく思っていたという印象を受けるのが自然です。
だが…
引きこもり状態の姉は母に対する暴言の中で、
「恵の時みたいにアタシのことも見捨てるんだ…!!」と叫んでいましたが、
姉はずっと母親が自分に依存していると思っていたようで、
妹の恵にはそこまで悪い感情を抱いていなかったかもしれない。
ただ…
恵の絵の才能に嫉妬や妬みの複雑な感情があったことは確かのようです。
それって歳の近い姉妹によくありがちなお互いをライバル視する関係性でもあるわけで、
今回のケースは恵の才能が開花してしまったことで生じた姉妹の確執だったのかもしれない。
それならばちょっと姉の気持ちは分からなくもない。
母親から期待されまくっていた受験に失敗したことでかなり精神的に追い詰められたろう。
そこを姉は母親からの依存のせいにしてしまっており、
そんな姉のメンタル崩壊が妹の輝ける未来をぶち壊してしまったという流れに繋がる。
でも…
今の姉ならば妹が勝手に漫画家になる道を諦めたんだと言うだろう。
確かにまるしーでもそう思う。
そもそもが母親に自分の存在を認めて欲しくて描き始めた漫画なのです。
その母親からアンタが漫画を描いたせいで家族が壊れたなんて言われたら、
恵が漫画を描いてる理由が無くなってしまうわけであり、
当時の彼女が漫画家になることを辞めたのも必然である。
あの頃の恵は15歳で、まだまだ母親に愛されていると感じたい年頃です。
恵が人生に絶望を感じたのも当然のことです。
まず大前提として一番悪いのは母親で間違いはないのだけど、
何かまだ読者には明かされていないことが恵の家族には色々とありそうなので、
その辺がすべて分かるまでなんとも言えないな。
母親がなぜあそこまで姉に依存していたかの真相が知りたい。
ただ単に母子家庭で経済的に苦しかったから姉にいろいろと自分の将来を託していたとか？
もしかして、恵は母親の実の娘ではなかったとか、
亡くなったと思われる恵の父親が漫画家の女性と浮気していたとか…（汗）
とりあえず次は父親の情報が欲しいな。
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