著者:本田楓
『従僕と鳥籠の花嫁』
4話の解説と感想です♪
新歓合宿の夜に廣臣と過ごした切なくも甘い夢のようなひと時。
藤乃にとっては初めて廣臣の本音を知ることができた最良の夜だったのに、
東京の自宅に戻ってからはまったくそんな事がなかったかの如くリセットされていた廣臣との距離。
また主人と使用人の関係に戻ってしまったと落ち込んでいた藤乃に、
合宿えお経てより距離が近くなった神崎が声を掛けてきた。
藤乃の廣臣への思いとは裏腹に、神崎は藤乃のことが気になってしょうがないようすで、
今にも彼は藤乃に告白しうな雰囲気だった。
しかし…神崎のことをもっとも頼りになる人生の先輩だと思っている藤乃は、
神崎のそんな気持ちも知らず廣臣とのことで恋愛相談を持ち掛けるのです・・・
「自分が告白しようとしているのに、藤乃と廣臣の仲を後押しする神崎がとてもいい奴で切ない…(汗)」
3話の解説と感想はコチラ♪
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従僕と鳥籠の花嫁【ネタバレ4話】自分を犠牲にし続ける廣臣!
恋愛相談
新歓合宿の夜には廣臣と気持ちが通じ合った恋人気分に浸っていた藤乃ですが、
なんと東京へ帰ってきてからの廣臣が、あからさまに使用人感を出してきて、
やっと近づいた二人の距離感を離しにかかったため、
またこれまでと同じ主人と使用人の味気ない関係に戻ってしまったわけです(汗)
廣臣の切ない気持ちも知らず彼がまた自分から遠い存在になったと落ち込んでいる藤乃がいました。
そんな時ときです。
大学内のキャンパスでひとり黄昏ている藤乃を見かけて声を掛けてきたのが神崎だった。
新歓合宿でこの二人はお互いに名家に生まれた者同士の苦悩なんかを語り合ったことで、
以前よりもかなり心の距離は近づいているのです。
しかも…藤乃に至っては今や神崎は人生の師匠と言っていいほど尊敬する対象なのです。
そんな神崎に藤乃は本当は廣臣が従兄ではなく、父親付きの秘書だということもばらしてしまい、
さらには自分と廣臣との関係で”恋愛相談”まで持ち掛けてしまうほど神崎に信頼を置いていました。
正直なところ、神崎は藤乃のことを好きになっており、
今にも告白しそうなタイミングだったので、完全に出鼻をくじかれてしまう形となった(汗)
オマケに藤乃の廣臣に対する想いがあまりにも強すぎて、
神崎はついつい藤乃の背中を押すようなエールを贈ってしまうのです。
あの言いたいことをなんでも言って唯我独尊なスタイルの神崎が、
好きな女性の恋路を応援するという”間抜けなピエロ”になってしまったわけだ(汗)
神崎が恋のキューピットにならざる負えないほど、
藤乃の廣臣に対する愛はとても深くて強力だったというわけです。
神崎にとってはあまりにあっけない失恋ということになるのだろうか?
ちょっと彼が不憫に見えました。
一方同じ頃、
廣臣は仕事で院瀬見家に戻っており、ちょうどその仕事終わりで、
藤乃の父親の秘書をしている榊 恭介(さかききょうすけ)に呼び止められて、
ほぼ強引に一杯付き合わされることになりました。
ただ…この先輩後輩の関係はすこぶるよいのです♪
自分を犠牲にし続ける廣臣!
「早く藤乃さんに会いたいです」
酒を注がれながら榊にそう本音をぶっちゃける廣臣。
なにお隠そうパーフェクトヒューマンな廣臣の弱点は”お酒”だったのです(汗)
酒が弱くて飲むとたちまち本音を話しだす廣臣は榊に藤乃への想いを切々と語るわけです。
廣臣としては藤乃を我が子のような愛情を持って見守っているつもりなのですが、
榊から見たら廣臣の言ってることは藤乃への”プロポーズ”の言葉にしか思えない。
しかし…この先もずっと廣臣は自分の気持ちを胸の奥底にしまい込み、
院瀬見家の使用人として藤乃の幸せを応援するスタンスを貫き通すつもりのようで、
常日頃から廣臣をカワイイ後輩として可愛がっている榊としては、
どこまでも自分を犠牲にし続ける廣臣が不憫でしょうがないのです(汗)
榊さんもすごくイイ人だ。
廣臣の藤乃に対する想いが強いだけに、より廣臣のことを心配しているのです。
やがて榊との二人呑みを終えた廣臣が東京へもどる前に、藤乃へ電話を入れるのですが、
この時の二人で交わす会話の内容がもう切なくてたまらないのです。
お互いに好きな気持ちが溢れ出ているのに、その言葉を口に出して言えないもどかしさ。
廣臣の一言一句に喜んだり不安になったりする藤乃の揺れ動く乙女心。
そんな”キュンキュン”する二人のやり取りは是非とも本編現物でお楽しみください♪
藤乃と廣臣が心の中では激しく求め合っている様子が痛いほどわかりますよ。
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4話の感想
今回はかなり廣臣の本音な部分が浮き彫りになったエピソードだったと思います。
相変わらず切なくて物悲しい内容には変わりませんが、
可愛がってくれている先輩の榊に弱い酒を飲まされて思わず出てきた廣臣の本音は、
どこまでも藤乃の幸せだけを願う父親のような愛情でした。
だからこそ新歓合宿の夜につい衝動的に無責任な行動をとってしまった自分が許せないでいるのです。
使用人ではなく本郷廣臣として発してしまった言葉に後悔しまくっているんです。
だからと言ってあの夜も本気で自分が藤乃と…なんて考えていたわけではなく、
神崎と藤乃の関係とかいろんな感情が交錯してつい心が乱れてしまったんだね(汗)
藤乃を守るために自分は院瀬見家で一生仕えると話す廣臣の信念は固い。
どうしてそこまで…?
と普通ならだれもが疑問に思うところですが、
藤乃と廣臣の育ってきた複雑な環境とそれまでに築いてきた二人の絆を考えると納得してしまう。
廣臣が藤乃に対する深い愛情を榊に語ったつい数時間前には、
藤乃が神崎に対して廣臣に対する深い思いを語っていたわけです。
あの時の藤乃から出たセリフにはスゴク感動しちゃいました。
「廣臣さんへの”好き”は私の人生の全てです。」
なんですかこの言葉?
こんなに愛の詰まりまくった魂の告白を聞いてしまっては、
さすがの神崎も藤乃から手を引かざるを得ないですよね。
中途半端な好きだけでとても藤乃に告白なんてできないでしょう(汗)
現に彼は一途に廣臣を愛し続けてきた藤乃にある種の感動を覚えて、
思わずエールを贈っていたし、勇気の出る言葉で彼女の背中を押していました。
「それは仕方ないよね。」
神崎がまったく性格の悪い御曹司のバカボンではないだけに、
あのシーンはちょっと見ていて切なかった(汗)
そう…
「いい奴なんですよ神崎も。」
さらに廣臣はそれに輪をかけたいい奴で、一途でひたすらにメンタルが強くて忍耐の男性だ。
今回のエピソードで藤乃の本気な廣臣への熱い想いが分かって救われた♪
藤乃は生半可な気持ちで廣臣のことを異性として好きだったわけではないんですね。
「廣臣が藤乃の人生の全て」
こんなこと誰かに言われてみた。
立場上いますぐ廣臣がはいそうですかと藤乃の気持ちを受け止めることはできないまでも、
これから共に過ごす大学生活の4年間で、どれだけ二人の離れられない絆が深まってゆくのか?
そしてそんな二人の仲に深く関わって来そうな神崎という存在。
恐らく廣臣は自分の感情を押し殺して、あくまでも藤乃と神崎を結びつけようとするのでしょう。
その時に神崎はどんな行動をとるのか?
廣臣のキューピット役の立ち振る舞いに傷ついた藤乃は魂の恋を諦めるのか?
自分に勇気と前に進む行動力を授けてくれた神崎に対しては決して悪い印象を持っていない藤乃です。
もしそんな彼から本気の告白を受けたとしたら、
もしかすると藤乃の廣臣への気持ちに変化が訪れるかもしれません。
そうなったら非常に悲しい反面で神崎が結婚相手ならば、
藤乃は相手の顔も知らない名家の御曹司と結婚しなくても済むわけで、
廣臣と藤乃が一緒になる絶望的に過酷で険しい未来よりは幸せそうに思えるのですが、
それでも藤乃にとって廣臣は特別なんでしょうね。
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