『家庭も仕事もワンオペです』のネタバレ解説&あらすじ感想|見どころはそのリアリティとムカつき具合です!

『家庭も仕事もワンオペです』

作品情報
  • 著者:蒼田山
  • ジャンル:女性マンガ
  • 掲載誌:シーモアコミックス
  • 電子版発売日:2024年06月07日

心から好きになった男性と結婚して子供を授かり、これから幸せな家庭を築いてゆけるもんだとばかり想像していた主人公・恵梨香えりかの希望はいともあっけなく無残に打ち砕かれた。

そこそこ大手のブライダル会社で優秀なウェディングプランナーとして働いていた恵梨香が、子宝に恵まれて育休を取り、

その後、育休期間を終えて職場復帰を果たしたあとの直面したのは、家事と育児と仕事のワンオペに耐える壮絶な日々でした…。

「なぜそんなことになったのか…?」

その大きな原因の一つは夫の無理解と家族への無責任すぎる態度だった…。

本作は、結婚と子育ての現実を忠実に描きながら、ワンオペワーキングマザーのリアルな苦悩や葛藤、そして成長を描いた世の中のワンオペママたちが共感しまくりのヒューマン作品です。

「まぁ~細かい実情をよく捉えて表現しているから一度読んでみて!」

注目ポイントはココ!
  • 現代のワーキングマザーのリアルな姿と問題点
  • 夫との衝突と葛藤と諦めの構図
  • 家事・育児と仕事の両立の難しさと無理ゲー
  • 家族の絆の再確認ができたら…

見どころは現実の生々しさ

今回サイト主のまるしーが紹介する作品は、2024年6月07日に国内大手の電子書籍サイト『コミックシーモア』から先行配信で連載がスタートした『家庭も仕事もワンオペです』というヒューマン作品です。

タイトルから想像できるように作品のテーマは、ワンオペワーキングママの苦悩と葛藤と成長を描いたピリピリと胸が熱くなるヒューマン・ドラマです。

これまで何種類ものワンオペ主婦が主人公の作品を読んできたまるしーが、実に新鮮な気持ちでこの作品を読めた理由は、初めて作品を読ませていただく著者の蒼田山 先生にの存在が大きいです。

蒼田山 先生はこれまで実用書のマンガ版の作画を担当される活動をされていた漫画家さんで、

まるしーが調べた限りでは今回リリースされた『家庭も仕事もワンオペです』が初のオリジナル作品ではないかと推測します。

「処女作品…?」

そこそこ漫画の作画を担当してキャリアを積んだを蒼田山 先生の満を持したオリジナル初連載作品ならすごく興味深いものがある。

そういった理由からちょっとした物見遊山的な気持ちで本作を読み始めたまるしーですが、

実際に本編の内容を読んでみるとベテラン主婦まるしーの琴線に触れてくる共感性の高いストーリーで、

ページをめくるたびに物語の世界に深く引きずり込まれてしまう強いメッセージ性を感じました。

生々しい現実

まるしーが本作の見どころをお伝えるとすれば、一見幸せそうに見える家族の”生々しい現実”を赤裸々に描いた奮闘ストーリーです。

まるでノンフィクションかと思うくらいいろいろな場面に臨場感と生々しいエピソードがちりばめられているのです。

一人の女性が愛する男性と結ばれ結婚して子供を授かり、平凡だけど穏やかな日々を過ごすことがどれほど大変で困難なものなのか…?

誰もが普通に思い描いている退屈で平穏な結婚生活がどれほどの奇跡が積み重なった上に成り立っているのかを知らしめている物語で、

「ドキュメント漫画だと言っても過言ではないリアルがそこにある」

ストーリーを追いかけていく上で実に考えさせられることの多い、大人が読んで思わず「う~ん」と唸るような良くできた漫画です。


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家庭も仕事もワンオペです【あらすじ&ネタバレ解説】夫のクズさ加減に妻が見せた反応は?

1話2話3話4話5話
6話7話8話9話10話
登場人物
  • 澤村 恵梨香(さわむら  えりか):主人公・結婚式場で働く優秀なウエディングプランナーにして一児の母
  • 澤村 晃(さわむら あきら):恵梨香の夫、恵梨香と同じ結婚式場の映像制作部に勤めている
  • 澤村 朝陽(さわむら あさひ):1歳になる恵梨香と晃の息子
  • 大石(おおいし):恵梨香の後輩の女性ウエディングプランナー
  • 和田 (わだ ):恵梨香の後輩の男性ウエディングプランナー
  • 結城(ゆうき):会場設営と披露宴の進行担当

1話:地獄のワンオペ生活

主人公の澤村 恵梨香さわむらえりかは、ブライダル会社で優秀なウェディングプランナーとして働いていましたが、

同じ職場の別部署に勤めているあきらと結婚してまもなく子供を授かり、その後、育休明けで地獄のワンオペ生活に直面することとなりました。

まだ1歳にも満たない息子の朝陽あさひは体調がコロコロと変わり、預けている保育園からはすぐに引き取りの連絡が入るという始末で、

恵梨香は育休明けで最初に担当したお客様に迷惑をかけてしまうことになってしまった。

家事に育児に仕事の”トリプルワーク”で今にも体調を壊しそうな境遇にある恵梨香に対して、言葉だけは心配している素振りを見せつつ、

実際は家事や育児のフォローをほとんどしない夫の晃がいた。

この夫は明らかにこまごまと煩わしい家事と育児から全力で逃げている様子が窺える。

よくいるクズ夫の類だ。

育休前までは上司の覚えもめでたく社内でナンバーワンのデキるウェディングプランナーだと評価されていた恵梨香が、

今はことあるごとに仕事を早退する社内の荷物社員に成り下がっていて、

恵梨香が会社を早退して迷惑をかけた後輩のウェディングプランナーの大石からは、あからさまな批判に晒されてしまう。

そんな最悪な状況の中でも、やはり無関心夫の晃は相変わらず家事や育児にまったく協力する気がなくて…

2話:なんでアンタがキレてるの?

その日は、恵梨香が会社に出勤で、夫の晃が休日であり、家事や育児のことを夫に託して家を出た恵梨香でしたが、

仕事を終えて自宅に帰って来た彼女はそのお粗末な家の中の惨状を見て苛立ちが募った…。

まったく掃除や洗濯ができていない。

しかも何が腹が立つかって、ろくに家事をしていない状況にピリついている恵梨香に逆ギレしている晃がいたからだ。

{なんでアンタがキレてるの?}

明らかにキレたいのは私の方でしょうが…!

家庭の中は夫が無理解な上に無責任でまったく協力が得られず、会社では後輩から面と向かって無能扱いされる屈辱的な立場にある恵梨香。

それでも子供を理由に大好きな仕事を諦めたくはない。

恵梨香は歯を食いしばって家事と育児と仕事のトリプルワークをなんとかやり遂げようとするのですが…

3話:夫に期待するのをやめた

晃が家事と育児から逃亡を図ったせいで恵梨香は育休明けに受け持った大切なお客様の担当から外されてしまいました。

信頼されていた上司から”三下り半”を突き付けられたのだ。

そんな状況に怒りを通り越して諦めの境地に至った恵梨香は、仕事が休みなのに大事な仕事があると嘘をついて、

本当に大事な仕事があった恵梨香に朝陽の面倒を見させてどこかへ外出し、その後夜になって帰って来た晃のことを特に責めなかった。

その理由は、彼女が夫に期待するのをやめたからです…。

これからは夫に期待しないで頼らない代わりに夫の面倒も見ない。

それが恵梨香の出した今回の裏切り事件に対する答えだ。

よって恵梨香の大事な仕事があった日にふざけた理由で裏切った晃の行動は、今後の夫婦の関係に大きな影を落とすこととなりました…。

さらに…そんなことがあったの翌日、会社では恵梨香のことを散々無能呼ばわりしていた大石が仕事で重大なミスを犯して…

4話: 恵梨香が出張の夜

ことごとく夫としての期待を裏切り続けた晃にとうとう愛想を尽かした恵梨香は、

「もうあなたには期待しない」と…晃に対して夫としても朝陽の父親としても必要ない存在だと突き放しました。

すべて身から出た錆ではあるものの、家族として不要な存在だと言われるのは心外だと腹を立てた晃は、翌日から恵梨香を見返すために家事と育児に奮闘し始めます。

しかし…普段まったくやってなかった家事や育児がすぐにちゃんとできるはずもなく、恵梨香に呆れられながらも意地でグダグダな家事育児を続ける晃でした。

そんなある日のこと、恵梨香は上司から泊りがけで行く出張に行ってくれないかと打診を受け、晃に了解を取った上で行くことにしました。

こうして晃は初めて恵梨香がいない夜を1歳の息子と二人きりで過ごすことになったわけです。

家事と育児から解放されて出張先では久しぶりに仕事オンリーな充実した時間を過ごす恵梨香とは反対に、

不安な気持ちを抱きながら実質二日間のあいだ家事と育児を一人で引き受けることとなった晃。

なにごともなく過ごせればいいのですが、もちろんそういうわけにはいきませんでした…(汗)

さて…恵梨香が出張の夜にいったい自宅では何が起こったのか…?

5話:温度差

晃が恵梨香のいない大変な二日間を一人で家事と育児をやり切ったことで夫婦関係は修復されました。

その後…晃は会社と相談して週に二日間の在宅勤務シフトに働き方を変えてもらい、恵梨香は以前より遅くまで働ける日が増えました。

時短勤務で働いていた頃より充実した仕事ができる機会に恵まれて大満足な日々を送る恵梨香とは逆に、晃は在宅勤務が二日ある働き方に不安を感じ始めていました。

その原因は部署の中で自分一人だけ仕事のペースが違ってどこか取り残されているような焦りを覚えたからです。

澤村夫妻がお互いの立場を踏まえて話し合いをした末に決定した夫婦の働き方改革でしたが、徐々に二人の間には気持ちに温度差が生まれてきているのです。

ある日のこと、上司からやりがいのある仕事をドンドン任されてますます忙しくなっていく恵梨香は、ある厄介なお客様を担当することになり、

そんなタイミングで晃が朝陽の“風邪”が移って寝込んでしまうという悪い流れが澤村家を襲います。

6話:以前に逆戻り状態

疲労困憊の恵梨香が厄介な客の対応に追われ、自宅に戻ると、まさかの光景が目に飛び込んできました。

同僚の女性社員・結城が、自宅にいる…しかも、体調を崩して寝込んでいる晃におかゆを作り、さらには朝陽の面倒まで見ているではありませんか!

えっ…!?

恵梨香の心には、結城の行動が挑発や嫌がらせの意味を込められたものにしか思えません。

「なぜわざわざ私の家に?」「何が目的なの?」と、彼女の心は大いに乱れます。

せっかく復活してきていた晃との夫婦関係も、この結城の登場でまたギクシャクしてしまうのです…。

さらに問題なのは、晃自身がこの状況を全く問題視していないこと!

恵梨香に無断で結城を部屋に上げたことを、何とも思っていない晃の態度に、恵梨香はますます苛立ちを感じます。

それどころか、晃も恵梨香に対する不満を内に抱えているようで、夫婦の関係は以前に逆戻り状態です…。

仕事でも厄介な客に振り回され、心労が絶えない恵梨香。

そんな彼女に追い打ちをかけるように、会社で晃と結城が異様に近い距離で見つめ合っている光景を目撃してしまいます。

恵梨香の心拍数が跳ね上がる手に汗握るシーンは見逃せません。

なんか…ヤバそうな展開です…(汗)

7話:致命的な一線

自身の愚かで浅はかな行動を棚に上げ、他人の悪意ある言葉にまんまと心を揺さぶられてしまう愚かな晃。

今回のエピソードでは、夫として、そして一人の男として晃がどれだけ“クズ”なのかが痛いほど露呈されます。

彼が自ら掘った墓穴は、ついに致命的な一線を越え、恵梨香に愛想をつかされる決定打に。

彼の口から無意識に飛び出した「男ならそんなもんだろう!」「女のくせに!」という“男尊女卑”の思想を含んだ言葉の数々は、

現代の価値観にはあまりにも不適切で、ただただ胸がざわつきます。

せっかく一度は再生できた夫婦関係も、もはや再構築は不可能と思われる危機的な状況に陥りました。

本編の細かな内容の解説は重大なネタバレになるので控えますが、サイト主のまるしーは久々に“はらわたが煮えくり返る”思いを抱きました。

恵梨香が、自分を、そして母親としての役割を軽んじた晃にどう向き合っていくのか、これからの展開が非常に気になります。

正直、私なら即日離婚しているようなシチュエーション…。

読後、あなたも「ああ~胸糞悪かった…!」と拳を握りしめること間違いなしな今回のエピソード。ぜひこの感情の波を味わってください!

8話:仮面夫婦の状態

問題を抱えたカップルの結婚式を無事に終え、仕事では最高の成果を出した恵梨香。

しかし、家庭に戻れば、そこには冷え切った夫婦関係の現実が待っていました。

夫の晃と激しく口論して以来、家ではほとんど会話がなく、“仮面夫婦の状態”が一か月も続いているのです。

恵梨香の中では{晃との関係をこの先続けていくのは難しいかもしれない}という思いが日に日に強まっていました。

一方の晃はというと、これまで優しく接してくれていた結城から突然、法外な“見返り”を要求され、彼女に対して抱いていた幻想が一気に崩れ落ち、

それと同時に、恵梨香に向かって言ってしまったひどい言葉を痛感し、後悔に苛まれます。

しかし、謝ろうにもそのタイミングすらつかめず、二人の間には溝が広がるばかりです…。

そんな中、最悪なことに、晃が結城に無理強いされて買わされた高額なコスメセットのレシートを恵梨香に見つかってしまい…。

「このクズ夫はいったい何度愚かな過ちを繰り返せば、まともな夫になれるのだろう…?」

「いや…永遠に無理だろうな…。」


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感想まとめ

この感想を執筆している時点では、3話までしか読んでいない状態ですが、本作の内容がサイト主のまるしーの気持ちを鷲掴みにしたことは間違いなくて、

「心の底から共感しました。」

きっと本作を読んだ読者の中には、恵梨香が直面する不条理な出来事をまるで自分自身のことのように感じているワンオペ主婦の方たちがたくさんいると思う。

恵梨香とは同じ境遇にないまるしーでさえ彼女が経験する日々の苦労や葛藤や悔しさもどかしさが痛いほど胸に刺さりましたから…。

いにしえの昔から夫という生き物は結婚したらその後の家庭は自然に営まれると思っているおめでたい種族であり、

さすがに令和の世の中になって多少はアップデートがされてはいますが、まだまだ男性たちの家事・育児に対する認識は夫婦共同の役目だと浸透していません。

まるしーが思うに、家事&育児は夫婦共同作業だと頭では十分に理解しつつ、夫側がわざと気づかない振りをしている期間がここ何十年といった感じですね…(汗)

「結局は…ズルいだ」

男性は家庭からいつも逃げ腰で初心者を気取る。

だからいつまでたっても恵梨香のような理不尽なワンオペ・ママは減らないのです。

なんとも嘆かわしい現実だ。

本編の中で産休明けの恵梨香が職場でのストレスと家庭での負担に押しつぶされそうになっている様子がもう切なくて切なくて…。

「どこまでも女性にとって不条理な社会であり世の中なのです…」

なんだかんだ時代が進化してインフラは劇的な進歩を遂げてあらゆる機械や道具が登場して我々の生活が便利になったとしても、

民度のブラッシュアップは昭和時代からされていないようだ…。

本作の主人公・恵梨香が勤めているブライダル会社は時代錯誤なほど職場に子育ての理解やフォローのシステムができていませんが、

実際の職場環境ってまだまだこれが現実なのかもしれません。

さすがに大手企業で恵梨香のような辛い境遇で働いている子育て女性社員はいないと思います。

しかし…実際にこの日本は零細から中小企業の会社がほとんどであり、産後のきっちりとした会社のフォローを受けて仕事ができているママさん社員はごくわずかです。

「それがこの国の現実?」

本作のシナリオは実にリアルなワンオペワーキングマザーの実態が忠実に描かれています。

恵梨香の期待を裏切り続ける夫のキャラにしても、周りを見渡せばどこにでもいる無責任な夫という感じでちょうどいいし、

一つ一つのトラブルやイベントにわざとらしさがなくて、すんなりと物語に没入できるしっかりしたシナリオが本作の強みであり、

こういう作品を『良作』と言わずして漫画オタクは公言できない。

夫に期待することを諦めた恵梨香がこれから家事と育児と仕事のトリプルワークを一人の力でどのように克服していくのか…?

それともさすがに間抜けな旦那も自分の愚かさに気づいて態度を改めるのか…?

最後の最後まで見守っていきたいと思います。

「頑張れ…恵梨香!」

世のワンオペワーキングママさんたちは皆アナタの味方です…。

試し読みは『コミックシーモア』一択です!

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『家庭も仕事もワンオペです』を読んだ人におススメ作品♪

ここで『家庭も仕事もワンオペです』を読んだ方におススメのヒューマンコミックを2作品紹介いたします。

どちらもワンオペ主婦の苦悩や葛藤を赤裸々に描いた共感度の高い作品です♪