著者:花衣ソノ / 砂川雨路
『かつて女の子だった人たちへ』
2話の解説と感想です♪
レミの躊躇ない略奪行為が女同士の友情などあっさりと踏みにじる。
いつだって自分がユミを見下す立場でなければ気がすまない。
これまでだってユミの大事なものならば、それがモノでも人でも奪い取ってきた。
だから今回も容赦なくユミが好きになった男性を横取りしました。
そうです!
レミはユミの大切なモノなら何でも奪う”略奪女”だったのです!
そこまで徹底してユミを貶めることにいとめがないのは、
レミが決して手に入れることができない幸せな家族と、その綺麗で純粋な心をユミが持っているから…?
でも…ユミから大切なものの全てを奪い去った後でレミに待っているのは、
果たしてそれが本当にレミが自ら望んで手に入れたかった未来なのかという事だ!
虚しくはないのだろうか…?
「今回はかなりレミの薄汚れた性格と生き様が詳しく描かれていました。」
1話の解説と感想はコチラ♪
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もくじ
かつて女の子だった人たちへ【ネタバレ2話】ユミとレミの歴史!
ユミとレミの歴史
ユミから今気になっている同僚の松田敬士の品定めを頼まれたレミは、
自分が直接に肉体を触れ合わせて敬士の品定めをした後に、そのまま自分の男にしちゃいました。
当然のことながら二人が付き合い始めたことをユミは知らない。
容赦なくレミはユミがこれから付き合いたいと思っていた男性を横から搔っ攫ったわけです(汗)
幼稚園から大学まで同じ幼馴染の関係であるユミに、よくそこまで残虐なことができるのかと思いきや、
実は昔からレミとユミの間ではよく発生していた出来事だったのです。
それはどういう意味か?
レミが物心がつく頃からすでに両親の関係は冷え切っていました。
寒々とした家庭で育ったレミは、常に両親から呪詛のような言葉を聞きながら生活し、
その溜まったストレスや鬱憤は、全て幼馴染で幸せな家庭で暮らすユミで晴らされていたのです。
これまでユミにとって大切なモノはことごとくレミに搾取されていたのです。
それがユミとレミの歴史だった。
もちろんその奪われた中にはユミが好きになった男性も数多くいたわけで、
レミはユミが好きになった男子を目ざとく嗅ぎ分けて、漏れなくその男たちを自分のモノにしていきました。
なので今回の場合もこれまでとまったく変わらないレミの”通常運転”だったのです。
まんまとユミの想い人である敬士と付き合いだしたレミは、順調に二人の仲を深めていきます。
その恋心は絶対に報われない
食事をしてホテルに泊まって明け方に別れるというアツアツなカップルの日常を送るレミと敬士。
そのうち二人の中で”同棲”するための部屋を借りようという計画が持ち上がり、
敬士との”結婚”も視野に入れた行動を開始するレミがいました。
彼女は敬士こそが自分の探し求めていた理想の結婚相手だと確信しているのです。
そんなある日のことです。
ユミからメールでお茶に誘われたレミ。
ユミにはまだ敬士と付き合っていることを話していない。
しかし…レミは何食わぬ顔をしてユミとお茶に付き合ってこの上ない優越感に浸るひと時を楽しんでいるのです。
ユミがいま片思いして胸を熱くさせている敬士と自分はすでに同棲生活まで始めようとしている関係だ。
レミとしてはこれ以上に愉快で楽しい状況はない。
趣味の悪さもここまで来れば相当なものだ(汗)
ユミの口からは敬士はただの同僚で告白なんてとんでもないというセリフが出ているけど、
本心では一日でも早く敬士と付き合いたいと願っているはずだと考えると、
レミとしては今にも笑い出しそうなほど嬉しくなってくる。
そんな中…ユミは次の会社の同期会で自分と敬士が買い出しの係を担当することになったと打ち明けてきたのです。
敬士と二人きりになる時間があるので緊張するとレミに胸の内を告白するユミ。
その恋心は絶対に報われないと知りつつ、レミはユミに心にも無い言葉を連発していきます。
ようするにユミの恋は絶対に実るという持ち上げエールだ。
そんな熱烈応援をしたレミは、このあとユミに対してとんでもない行動を仕掛けるのです。
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2話の感想まとめ
レミがユミに屈折した感情を持ち続けている大きな原因の一つには、
やはり幼少期の苦い思い出なのだと思われます。
よほどユミの家族が仲睦まじい関係性だったことを羨ましく思っていたんでしょうね。
荒んで愛のない家庭環境がレミの人間性をあそこまで歪めた要因です(汗)
多感な時期に両親の仲が悪かったり、常に揉めていたりすると、家の中の空気が澱んでどんより暗くなるし、
そんな家庭で育ったレミは、人から愛されたいという承認欲求が強くなり、
自分だけが大切で自分だけが幸せならばそれでいいと考えるような大人になってしまった。
そして…自分よりルックスが劣るユミが愛情に包まれた生活を送っていることがどんどん許せなくて、
これまでずっとユミの大切なものを奪い取ってきたわけです。
まったくレミに共感する気持ちなんてありませんが、
レミが両親の犠牲者であることと、ユミに対する妬み嫉みの気持ちをもつに至った経緯は十分に理解できる。
本音の部分でレミとしては自分が美しい顔に生まれてくるよりも、
ユミの家族のように笑顔の絶えない温かい家庭の子供として生まれてきたかったのでしょう。
そういう気持ちの裏返しが今までのユミに対するレミの無節操な”略奪行為”に繋がっているような気がします。
さらに…
やはり今回のレミによる敬士略奪の件は、やはりユミが自分から仕掛けて行ったことなのだろうという気がしてきました。
その理由はズバリ…
「敬士の人間性ですね。」
彼はちょっとクセのある男性のような気がしてならないのです。
今のところこれといって悪い男の匂いこそ醸し出してはいませんが、
レミとの会話の中でところどころ引っかかる部分があります。
なんだろう…?
言葉では上手く言い表せないけれども、どこか”アウトロー”な香りのする男性なのです。
ルックスの良さとハイスペックな肩書にすっかりレミは敬士を理想の結婚相手だと思っているみたいですけど、
果たして本当にレミが思っているほど敬士は結婚相手として相応しい男性なのか?
かなりモヤモヤしております(汗)
あと…
再びユミからお茶に誘われて女子トークで盛り上がったユミとレミの会話。
これぞ”THE…女子トーク”というレミの心にもないセリフのオンパレードに震えました(汗)
レミはユミの狙っている男を自分のモノにして優越感に浸り、
ユミはそのことをワザと知らん振りしながらレミのリアクションを見定めているように見えた。
サイト主のまるしーにはこの二人のトークはキツネとタヌキの化かし合いを見ているような感覚になりました(汗)
完全にユミのことをナメきっているレミのユミに対する上から目線とマウント感は実に気持ちよさそうでしたが、
一方でどんな時も笑顔を絶やさず控えめな態度でレミの下手に出ているユミの振る舞い。
この二人のカフェでお茶をしている光景を見ていると、
きっとユミが何らかの計画を遂行中という感じにしか受け取れません。
レミと敬士の会話を聞いた限りではこれから二人の同棲生活に突入するみたいだけど、
なんだかレミが後戻りできない地獄へ突き進んでいるようにしか思えないです。
このまま行くとレミにはきっと因果応報な結末が待っているような気がする。
たぶんだけど・・・
>>>『かつて女の子だった人たちへ』3話の解説と感想はコチラ♪
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