『妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~』
9話の解説と感想です♪
断薬した妻・千夏(ちなつ)の口から飛び出してくる正気とは思えない辛らつな叫び声!
{これは体調の悪さが言わせてるんだ!}
{真に受けちゃダメだ!}
必死で自分にそう言い聞かそうとする夫・涼太(りょうた)がいる。
しかし生まれたばかりの幼い我が子・翼(つばさ)の面倒をみる精神的にも肉体的にも限界の夫は…
出産した直後に壊れてしまった妻と、生まれたばかりの幼い我が子。
実家の母に助けてもらいながら懸命に毎日を生きる凄まじい夫の日常。
我が子を愛せない妻に同情しつつも、それをフォローする夫の疲れはピークに達してきた。
妻の回復が先か?
夫の限界が先か?
ココから先は、魂が削られる夫婦の壮絶なチキンレースが続く…。
9話の見どころ
著者・橘ちなつさんのリアルな産褥期精神病の闘病記をつづった物語も今回で9話まで配信されました。
先の見えない闘病に疲れ果てるのは患者本人だけではありません。
本当に大変なのは、その患者を支える側の家族なのです。
千夏の場合は夫の涼太だ。
未熟児として生まれてきた翼(つばさ)がNICU(新生児集中治療管理室)から退院してきたことで、
涼太の生活が劇的に変化しました。
9話の見どころは、夫・涼太の懸命な子育てと、妻・千夏に対する献身的な看護の様子ですね。
実家の母親に助けてもらいながら、家族を守ろうと懸命に生きる涼太の姿は、
人としても、夫としても尊敬に値するりっぱな生きざまで、主人公の橘さんが、無事に病気を克服してこの作品を描けたのは、
すべてこの旦那さんがいてくれたからなのだと思えるほど素晴らしい夫の姿でした。
正気をなくし、自分勝手な行動や発言ばかりを繰り返す千夏に対して、
この涼太の対応がこれ以上ないほどの素晴らしい対応なのです。
そして…彼の行動には、明らかに妻・千夏への深い愛情と、夫として家族を守るという強さがあった!
悲しいかな、千夏の病状はまだ回復の見込みがまったく見通せない状態で、
今は耐えるしかない涼太の日常。
この9話は夫・涼太側の壮絶な菅語録が描かれている内容です…。
6話~8話までの解説と感想はコチラ♪
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妊娠したら死にたくなった【9話ネタバレ感想】妻の地獄と夫の試練!
涼太の覚悟
主人公・橘 千夏の病状が一進一退を繰り返す中、病院の外では、夫・涼太が壮絶な毎日を生き抜いていた。
8月中旬のむせ返るような暑さに苦しむ天候が続く毎日の中で、
実家に戻って、から退院してきた生まれたばかりの我が子・翼(つばさ)を抱え、
母親の助けを借りながら毎日の子育てと仕事そして妻・千夏のお見舞いに追われる毎日が続いているのです。
日々病状が変化する妻に対応しながら、生まれたばかりの翼には、毎日3時間おきにミルクを飲まさなければいけない。
その他、オムツ交換や夜泣きにお風呂と、まったく今は目が離せない状態が続いており、
ここ数日、涼太の睡眠時間は3時間を切っている現状で、精神的にも肉体的にもそろそろ限界が近づいていた。
少しでも、千夏の状態が落ち着いてくれたら・・・
そんな思いを抱きながら、高速で片道1時間の千夏が入院している病院へ向かった涼太は、
断薬の影響でワガママを言うようになった千夏から心を傷つけられる辛辣な言葉をぶつけられてしまうのです…!
それでも自分に牙を剥く妻を懸命にフォローしようとする涼太。
だけど彼にも当然ながら限界はある。
今にも折れそうな心と体を懸命に奮い立たせて壊れた妻に寄り添う涼太の覚悟。
{俺が家族を守るんだ}
今、まさに試練の時を迎えた涼太の家族愛と彼の強さが読者の涙を誘う・・・
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9話の感想まとめ
『妊娠したら死にたくなった』を今まで読んできて、これほど流れ落ちる涙に困ったことがない。
この旦那さんは本物だ!
妻を思う心根。
一家を支える大黒柱としての覚悟と責任感。
30代に差し掛かったばかりの男性としては、これ以上ない人間力を備えている。
本編を読んでサイト主のまるしーは非常に驚いているのです。
だってこのお話は、フィクションではなく実話のドキュメント作品だから
ということはですよ!
この涼太という旦那さんは実在する人物なのです。
今まで何十年も生きてきて、まるしーはこれほど立派な旦那さんを見たことがない。
今回この9話を読んで確信しました。
著者の橘ちなつさんが、見事に病気から復活して、再び漫画家として活躍できたのはこの旦那さんがいたからこそなのだ。
例え実家の母親の助けを受けたとして、生まれたばかりの子供の世話と、精神を患う妻の看病、そして自分の仕事。
この3役をこなしながら生活をすることなんてほとんど不可能なことだ。
なに一つ満足にできない夫もたくさん世の中にはいる。
なのにこの涼太という旦那さんは、恐ろしいほど強い精神力でそれを全てやってのけたのだ!
9話の後半で、あまりの辛さに嗚咽(おえつ)しながらも自分に喝を入れている涼太の姿に涙が止まりませんでした。
「しっかりしろ」
「俺がつぶれたら何もかもが回らなくなる」
「気をしっかり持て、この日々もきっと笑い話になる」
これが、3時間未満の睡眠時間で、仕事、子育て、妻の看病を続ける夫が、辛く苦しい日々の中で、自分に言い聞かせた言葉だ。
尊敬と感動の言葉以外になにもいうことがない尊いセリフのオンパレードだ。
今回の内容は本当に涙が溢れ出てしまいました。
同情とか、感動とか、そんな簡単で安っぽい言葉で表現するのは失礼なほど、心にズシンと突き刺さるものがありました。
ホント素晴らしいドキュメント漫画だと素直に思う。
>>>『妊娠したら死にたくなった』10話の解説と感想はコチラ♪
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