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妊娠したら死にたくなった【ネタバレ10話】偽りの退院!

千夏に週末の外泊が決まった!

千夏のような措置入院の患者は、第三者に入退院の決定権がある。

仲良しの入院患者からアドバイスを受けた千夏は、さっそく夫・涼太(りょうた)に外泊を頼んだ。

そして・・・

入院して1カ月以上が経過した千夏の前には、夢にまで見た外の世界が目の前に広がった・・・

『妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~

10話の解説と感想です♪

その後、少しづつではあるが体の症状は落ち着いてきた千夏でしたが、

出産後、彼女から剥がれ落ちた”母性”は、なかなか回復してはくれなかった。

自ら望んで産んだ愛おしい我が子の事を、自分から大切なモノを奪う『泥棒』と表現した千夏。

薬で異常な体の動きは抑えられても、壊れた心と母性は、なかなか治ってはくれないのものなのか・・・?

しかし・・・

{早く元の生活に戻りたい!}

そうやって焦る千夏に思わぬ退院のチャンスがやってきた!

 

10話の見どころ

よくも悪くもとにか読者からの反応がものすごいこの『妊娠したら死にたくなった』です。

内容が著者・橘ちなつさんの『ノンフィクション』を謳(うた)っているだけに、

各界からの反響もかなり多いみたいで、本作に寄せられる書き込みの数がハンパないのです♪

実際に主人公・千夏と同じようにような経験をされた患者さんの共感する声やら、

ナースとして働く方たちからの反発の声、そして著者・橘ちなつさんへ向けた応援のメッセージや、中には批判的な声も・・・

まぁ~とにかく本作を読んだ人の反応がものすごいんです。

読者がわざわざ自分の時間を使って、100文字以上のコメントを書くわけですから、

やはり、実際に経験した人間の”生の声”が作品になったパワーってすごいんですね。

なんたって、サイト主のまるしーも、久しぶりに本作を読んだあと、『まんが王国』のレポを書いちゃいましたから♪

と・・・

話はがかなりそれちゃいましたが、

今回、分冊版10話の見どころは、千夏が大切な家族を欺(あざむ)いて、自分のために楽な方法をとってしまう弱さを見せたところですね。

確かに、1カ月以上も苦しい闘病生活が続いていたら『もういい加減…!』と思ってしまうのも無理はないことなのかもしれないけど、

結局、病気が完治していない体でもとの生活に戻ったとしても、

辛いのは自分であり、その上、家族には多大な迷惑もかかってしまう。

大きな病気を患うということは、その人の家族まで破壊しかねないことなんだと、

この作品を読んで改めて心に刻み込まれた気分ですね。


9話の解説と感想はコチラ♪
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妊娠したら死にたくなった【ネタバレ10話】偽りの退院!

10話:偽りの退院

主人公・橘 千夏(たちばなちなつ)の病状が少しづつ回復傾向にある。

主治医の宇田川(うたがわ)先生が処方した『抗うつ剤』がうまく千夏に合いだしたようだ。

体の状態が落ち着いてきて、約2週間がたった頃、

千夏は、同じ入院患者の知り合いから『外泊』に関するアドバイスを受ける。

千夏たちのような『措置入院患者』(精神障害が原因で本人や他人を傷つける恐れのある場合、本人の同意がなくても入院させられる患者の事)は、

第三者、つまり夫の同意を取り付ければ、週末に病院を出て『外泊』をすることができる。

入退院に関することはてっきり主治医が決めるものだと思いこんでいた千夏は、

早速、夫の涼太(りょうた)に週末の外泊をお願いしてみた。

すると・・・

千夏が我が子のことを『泥棒』と言い捨てた先日のやりとりが原因で、涼太はかなり悩んだが、

最後は週末の外泊を許してくれることになった・・・

夫の許可があるということで、主治医も千夏の外泊をあっさりと認めてくれました。

そして週末、

1カ月以上も暗い閉鎖病棟での闘病生活を送ってきた千夏が、

ついに週末だけとはいえ実家に戻れることになったのです・・・

家に帰ると、千夏の家族が温かく彼女を迎えてくれました♪

{ずっとこのままここにいさせてほしい}

自分の居場所に帰ってきた千夏は、一家だんらんの中で強くそう願いました。

 

そんな中、普段は夫・涼太の代わりにまだ幼い息子・翼(つばさ)の面倒を見てくれている姑が、

翼を抱っこして千夏の前に連れてきてくれたのです。

それと同時に、その状況は、千夏に対する涼太のテストでもあった。

以前、千夏は我が子である翼をまったく愛することができず、

『泥棒』とまで言い放ったのだ。

そんな彼女が、目の前の我が子に対してどういう反応を見せるのか?

そう・・・

千夏の入退院は今、我が子・翼への愛情の大きさにかかっているのだ。

家族の誰もが心配そうに千夏を見守る中、ついに翼が母である千夏の腕の中で抱っこされる瞬間が・・・

そして・・・

ずっと憎んできた我が子を腕に抱いた千夏が心の中で思ったこととは・・・?

ただこの週末外泊の翌日、

千夏は、入院してから1カ月と10日ぶりに偽りの退院をすることとなる・・・

 

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10話の感想

完全に経験者しか表現できない感想や行動の数々でしたね。

{こんなところとは関わり合いになるもんか!}

絶対に・・・

という心のなかの叫び。

千夏の悲痛な思い。

自分の周囲にいる大切な人間たちを欺いてまで決行した強引な退院の結果が、次のお話で語られてゆくんだろうけど、

まるしー的には千夏の一連の行動を責める気にはなれないな〜

閉鎖病棟という暗くて無機質で冷たい施設での入院生活と、

まったく信頼していないナースや主治医との関係性を考えれば、一刻も早くその環境から抜け出したいと思ってしまうのは当然のことだ。

ただしかし・・・

千夏はもう立派な社会人でもあり、妻であり、母でもあるわけで・・・

もし千夏が守ってもらう立場の子供だったら、ウソをついてまで退院をして家族に迷惑をかけても、そこまで大変な結果にはならないと思うけど、

千夏の場合はそうはいかないだろう。

本来、家庭の中でイチバン生活の中心を支える立場の千夏が、まだ完治もしていない精神病を患ったまま退院してしまったら・・・?

幼い子供はどうなるのか?

夫の涼太の心労は・・・?

次回の話は、とんでもない大事件が起こってしまいそうですね〜

ただ・・・

何度も言うようだけど、この涼太という旦那さんは、よくできた夫ですよ♪

ほんと千夏さんはこの旦那さんによって救われたんです。

ちゃんと子供の面倒を見て、ハードな仕事こなし、ちゃんと千夏のお見舞いまで笑顔でやり切っている。

裏では嗚咽するほど涙を流して苦しんでいるのに、表ではそういう辛さを全く見せない強さ!

ちょっとシビレましたね♪

涼太は普段からとても穏やかな旦那さんなだけに、あの一人で苦しみにむせび泣いている姿には涙が止まりませんでした。

重症の患者を抱えた家族は疲弊し続け、患者が治るか、家族が崩壊するか、まるでチキンレースみたいな生活になるのです。

しかしホント、すごくリアルでドラマチックなお話だな〜これは

 

>>>『妊娠したら死にたくなった』11話の解説と感想はコチラ♪

 

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