著者：嬉野めぐみ
『タワマンの怪物～コンシェルジュたちの長い憂鬱～』
下界を見下ろすようにそびえ立っている高級タワーマンション。
そこでは人生勝ち組の富裕層たちが優雅な暮らしを送っているものと想像してしまうが、現実はそこにも様々な家庭があり、人種の違いや固定概念の乖離、そして住人間で日々巻き起こるマウントの取り合い。
この物語はそんなタワマンで勃発する『生活トラブル』を、マンションを管理するコンシュルジュたちの目を通して描き出す社会はなヒューマン・ドラマです。
タワマンとは無縁の暮らしをする人たちにとっては自分が全く知らない世界のお話であり、タワマンに住む人たちにとっては共感しまくりのHOTなストーリーです。
「どんな高級マンションであろうと、お金持ちだろうと、やっぱりご近所トラブルは起こってしまうんだ…」
いや…タワマンの住民とて、その中にもヒエラルキーが存在するから、日常的にいざこざが発生してしまうのです！
『タワマンの怪物』の見どころ
タワーマンションで巻き起こる住人達の”生活トラブル”に対処するコンシュルジュたちの活躍を描いた、『タワマンの怪物』というヒューマンコミックのご紹介です♪
まるしーがいつもお世話になってる電子コミックストアまんが王国から、2023年07月01日に先行配信がスタートしたばかりの作品で、著者がなんと、『SNSの毒女たち』を始めとするSNSの女シリーズで有名な嬉野めぐみ先生す♪
嬉野先生が描かれる特徴的な絵柄は、みなさんもどこかのタイミングで見たことあるんじゃないでしょうか？
いつも女性の中にある生々しい欲望や妬み嫉みの感情を躊躇なくさらけ出して、そこから泣いて笑えて楽しめる女たちのリアルをつぶさに描き出してくれる、「女性の生身」を描かせたら右に出る者はいない実力派の漫画家さんです。
今回はなんとタワーマンションのコンシュルジュとして働く人々の活躍を描いた内容で、
いつもとは少し違った切り口のフォーマットになってはいますが、実際に読んでみるとその内容は、コンシュルジュたちの目を通して描かれる女たちのご近所トラブルがメインです。
差別・マウント・嫌がらせ、マンション内カーストといった様々な住人同士のバトルが繰り広げられており、
その魑魅魍魎とした様子はタワマンに住んだことがない人にとっては凄く興味深い内容であり、タワマン住人の人たちにとっては、かなり共感性の高い内容になっているのではないでしょうか？
サイト主のまるしーはタワマン住人ではないから実際のところは分からないけど、普段は知ることのないタワマン住人の赤裸々な人間模様なのでメチャメチャ楽しんで読ませてもらってます。
「さすが嬉野めぐみ作品といった感じです♪」
さて…そこで今回紹介する『タワマンの怪物』の見どころですが、やはり庶民のまるしーたちが知ることのできないタワマン住人たちのリアルな日常や、そこで起きる人間トラブルとか、タワマンだからこそのルールやコンシュルジュの役割です。
まるしーが住んでいるのはごく一般的な普通のマンションなので、マンション・コンシュルジュという存在は凄く新鮮です。
老齢の管理人さんではなくて、まだ若くて有能そうなコンシュルジュが常駐してくれている安心感。人生で一度はそんな方たちが管理してくれているマンションに住んでみたい。
ずっとそう思っていましたが、本作を読むと例え高級なタワーマンションに住んでいても、起こるべく人間トラブルはどこでも同じなんだな～とどこかホッとした気分になりました。
本作を読んだことで、まるしーは今のマンションで十分かなと思えたから、私にとってはすごくありがたい情報を与えてくれた面白くて為になる一作でした♪
タワーマンションに憧れを抱いている人は是非この作品をまず読んだ方がいいと思います。
知らなかったタワマンの実情が色々と見えてきますよ～♪
『タワマンの怪物』の立ち読み♪
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タワマンの怪物【ネタバレ全話】悲喜こもごもな生活トラブルがヤバい！
1話：ハウタワーエス
この物語は、俗にタワーマンションと呼ばれる高層マンション『ハイタワーエス』において、住民たちの快適な生活を守るために働くコンシュルジュ3人の目を通してリアルな人間模様を描いた物語です。
まず主役となるコンシュルジュのメンバーの紹介です。
男性の新人コンシュルジュ・西口と彼の指導的立場にある女性コンシュルジュの北川、そして最後は中年女性のコンシュルジュ・南原の3人です。
この32階建てのタワーマンションで暮らす様々な家庭や人種たち、生活スタイルの違った人々のライフスタイルに寄り添った手助けを行うのが彼らの仕事だ。
今回の1話では高層階に住む傲慢でワガママな女性住人・上野の対応に苦労する西口の様子が描かれています。
最大限に住人からの要望には応えなければいけないが、行き過ぎた要求には毅然とした態度で応じる必要があるコンシュルジュの立場もあり、まだ新人の西口はそのバランス感覚に大変苦労するのですが…
2話：上野の暴走
27階の高層階に暮らす厄介な住人・上野は、新人コンシュルジュの西口以外にも、他の階に住む住人たちを馬鹿にしたり蔑んだ言葉で罵ったりとやりたい放題だ。
西口としてはどうにかしてそんな上野の横暴な振る舞いをやめさせたいのですが、なかなか彼のキャリアと知識では上野に上手く対処することができません。
西口の教育係でもある北川も、ひとまずは上野の暴走をどこか静観している様子だ。
そんな中、人一倍ハウタワーエス内の”ヒエラルキー”に敏感な上野が、自分よりも上層階に住む人物に大恥をかかされる事件が勃発するのです。
3話：階層ヒエラルキー
3話からまた新たな住人同士のトラブルが発生します。
30階の上層階で暮らす野々村は大手不動産会社の副社長夫人で、25階の中層階に住む真中という女性は、野々村と親しくすることで、本来の”階層ヒエラルキー”よりも上の立場への仲間入りを果たそうと目論んでいました。
そんな中、ある出来事がきっかけで野々村が6階に住む低層階住人の女性に興味を持ち始めた。
これまで何かと野々村のために尽くしてきた真中とすればそれは許せない状況であり、その6階に住む女性に対する激しい怒りが込み上げてくるのです。
なんだか雲行きが怪しくなって来たぞ…
4話：卑劣な犯罪行為
6階に住む爽やかな筋トレ女子・久保（くぼ）と野々村の仲を引き裂く目的で、野々村家の”宅配BOX”に久保が入れたと思わせるゴミを置いた真中。
最悪なことにそんな卑劣な犯罪行為を間接的に手助けしてしまったのは、マンション住人の安全な暮らしを守る立場の西口だったのです！
真中の仕掛けたゴミの荷物は見事に野々村を震え上がらせました。
あとはそのゴミを仕掛けた犯人を久保だと信じ込ませるだけで、急速に仲良くなった野々村と久保の関係を崩壊させられる。
真中はいかにも神妙な表情を作って野々村に言いました。
「犯人分ったかもしれません…」
さぁ…このあとの展開は…？
5話：浮気チェック
野々村家の問題が無事に解決したら、早速また新たな問題を抱えた住人が現れました。
その日、コンシュルジュの西口は、最近21階の上層階に引っ越してきた豊田からある相談を受けます。
彼の妻・フミエはかなりの浮気性で、国際線のパイロットをしている豊田は、以前まで一軒家で暮らしていたのですが、あまりに妻の浮気が凄すぎるので、コンシュルジュが常駐して人の出入りが管理されている『ハイタワーエス』に引っ越してきたというのです。
そこで…西口は豊田がフライトで何日も家を空けている間、妻の”浮気チェック”をして欲しいと頼まれるのです。
本来なら住人のプライベートな問題に介入することはご法度のなコンシュルジュですが、切実な豊田からの頼みを無下に断ることができなかった西口は、秘密裏にその役目を引き受けることにしたのですが…
6話：最後の協力
豊田に頼まれて彼の妻・フミエの動向に注意を向けていた西口は、彼女の怪しげな行動の数々を目の当たりにしてしまいます…！
もはや西口が浮気チャックする以前に、フミエはあからさまな態度で、コンシュルジュの西口にまで”誘惑”の手を伸ばしてきたのです…。
これはもう怪しいという次元の問題ではなく、フミエはマンション住民の男性に限らず、荷物の配達に来た男性とも関係を持っているようで、その事をフライトから戻った豊田にすべて報告しました。
すると…豊田はフミエとの夫婦関係に決着をつけるために、西口に対して最後の協力を頼んできたのです。
その内容は明らかにコンシュルジュとしての職域を越えた頼み事でしたが、西口にはある思いがあり、それを引き受けることにしたのですが…
7話：騒音トラブル
ハイタワーエスの18階に新たな住人が引っ越してきました。
妻のともかが臨月を迎えているお腹が大きい妊婦の岡田夫妻は、夫の孝太が夫婦のイニシアティブを握っている夫妻であり、孝太は見るからに自分勝手で独りよがりな性格だという事が、ともかへの接し方やその話しぶりで分る。
夢に見たタワーマンションでの暮らしにはしゃぐ孝太に対し、間もなく初めての出産を迎えるともかは不安だらけです…。
そんな中…ともかは引っ越してすぐに上の階の住人との”騒音トラブル”に頭を悩ますこととなるのです。
引っ越しの挨拶へ訪れた際はすごくイイ感じのご夫妻に思えた河本家族だったのですが、いざフタを開けてみたらとんでもない厄介な騒音家族だったわけです。
さて…ともかは一体どんな騒音に悩まされることになったのか…？
8話：導き出した結論
真上の階に住む河本家の腕白盛りな息子が、部屋をバタバタと走り回る騒音により、生まれたばかりの娘がずっと怖がって泣き止まないことに困り果てるともか。
さらにそんなともかを苦しめたのは夫・孝太の心無い言葉でした。
妻の苦労を慮る様子もなく、自分の事だけしか考えない夫の冷たい態度に深く傷つきます。
家事と育児で一睡もできずに疲労困憊しているともかを救ったのは、ある日…マンションのラウンジで”授乳”しているともかを不憫に思ったコンシェルジュの北川でした。
北川はともかにコンシュルジュが使用する仮眠室を提供して授乳をさせてあげた上に、騒音への対処法や今の夫婦関係を見つめ直すよう助言したのです。
その結果…色々と考えた末にともかが導き出した結論とは一体…？
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『タワマンの怪物』の感想まとめ
本作を読んだ感想としてまず第一に思ったのは、「これぞ嬉野めぐみ作品」という女性たちによる激しいバトルの面白さだ！
ホント恐ろしいですね～女性の妬みや嫉み、それにエゴと嫌がらせ！
『タワマンの怪物』の中で描かれている住民同士のトラブルは、タワーマンションに住んでいる住人ら特有のトラブルといった内容ですごく興味深かったです。
例えば低層階に住んでいる住民よりも高層階に住んでいる住民の方が管理費の額が多くて、高層階の住人専用のエレベーターがあるというのはタワーマンションならではですね。
あと…宅配便で送る荷物の出荷やクリーニングをコンシュルジュにお願いするとかもそうです。
確かにそういったものは1階の管理室ですべて一括管理すれば業者側の手間も最小限で済みますもんね。
あと…住んでいる階数でマンション住人たちの”ヒエラルキー”が存在しているのは、テレビドラマや漫画なんかで何度か目にした情報なのですが、やっぱりあれは学生時代のクラスカーストを思い出してゾッとするな～（汗）
しかも一般的なマンションよりも高額なタワマンに住んでいてバカにされるってすごく割に合わない。
タワマンに住む理由って人それぞれなんだろうけど、最新の設備や厳重なセキュリティー体制のマンションに入居したくて、なおかつ災害時にエレベーターを使わずに階段で避難できるように、あえて3階くらいに住んでいる富裕層の住人も、
タワマン独自の階層ヒエラルキーに組み込まれてしまうということですね。
「なんかすごくバカげている気がします。」
サイト主のまるしーはネットやYouTubeなんかで発信されている情報などで、タワマンの高層階に住む人たちの不便な日常風景をいろいろと解説している記事や動画を拝見したことがあるのですが、あの情報に触れたら高い金額を出してまでタワマンの高層階に住みたいとは全く思えませんでした。
恐らく高層階に住むような人は人生の第一線から退いて、毎日どこかへ出かける必要性のない人たちが一番好ましいと思います。
仕事や買い物などで毎日マンションの外へ出かけるような人は、絶対にタワマンの高層階には住まない方が良い。
まずもって高層階に住んでいる人がマンションの外に出るまでにものすごい時間と労力を使ってしまうのですから、生活する上でのレスポンスが異常に悪いのです。
細かくタワマンの高層階に住むメリットを考えてみても、日常生活を送るうえでほとんどと言ってなにもない。
確かに景色が良くて普段からカーテンを開けっぱなしにしていられるし、地上の騒音などが届かなくて静かに暮らせるというメリットはありますが、日中はずっと外で働いている人にとってはあまり関係がない事ではないでしょうか？
それよりも厳重なセキュリティーに守られながら、緊急時には素早く階段で避難できたり、部屋への入退出がスムーズにできる低層階の方が生活する上ですごく利便性が高い。
そんなことを色々と検証してみると、タワマンの高層階に住むことの意味って、やっぱりお金持ちが人生の勝ち組として実感できるステイタスの象徴なのではと思ってしまいます。
間違ってもまるしーがタワーマンションに住めるという未来は来ないと思いますが、もし無理やりに住めと強制されたら絶対に低層階に住みたいと思います。
やっぱり生活するうえで圧倒的に高層階は不便だと思うから…。
考えてみるとその不便な感覚って、旅行先で巨大なリゾートホテルの高層階に宿泊した時の不便さに似てると思うのです。
一度部屋に入ってしまったら一歩も出たくなくなるようなあの邪魔くさい感じ。
3階の大浴場へ行くにも時間がかかって遠かったり、2階にある食堂へ行くにもエレベーターが渋滞していたり、ちょっと駐車場に止めている車まで行くにも時間がかかるし、砂浜を散歩したいと思ってもすごく大変…！
たぶんタワマンの上層階で住むということは、毎日そういった不便さを味わいながら生活するわけですよね。
そんな中に住民同士の階層ヒエラルキーがあったり、その他もろもろな住民トラブルとか、なんだかタワマンに住む大変さがドンドンと溢れ出てきます。
結果…「嬉野先生にはすごく感謝だ。」そうであろうタワマン生活のリアルをこうして漫画で面白おかしく描いてくださったおかげで、タワマン生活という現実世界を教えてくださいました。
テレビやネットが発信するタワマンのメリットばかりに目が奪われていた人は、ぜひこの作品を読んでタワマン生活のリアル現実を知った方が良い。
今後もこの作品の中で描かれていくタワマン住人たちのトラブルや人間模様は、すごく興味深くてためになる内容だと思いますよ♪
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