著者:島くらげ
『つがいの嫁入り ~異形の巫女は朱雀の当主に愛される~』
2話の解説と感想です♪
朱雀宮家の当主・万羽(かずは)と手が触れあったその瞬間、
これまで感じたことのない不思議な温かい何かが全身を駆け巡る感覚を覚えた銀花。
もちろん万羽も銀花と同じような感覚を共有していました。
それは紛れもなく二人が運命で結ばれた”番(つがい)”の関係であることを意味する現象なのです。
この日を境にして銀花の不幸でしかなkった人生が180度変わっていくことになるのですが、
まず…銀花の回りが戸惑い、銀花本人もいま自分に起きている現実を理解することができなくて、
朱雀宮家へ嫁ぐことになるなどなど夢にも思っていないことだろう…。
「万羽は天上人みたいな人物だから、やることが大胆過ぎてやっぱり銀花にその矛先が回ってきましたよ(汗)」
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もくじ
つがいの嫁入り【ネタバレ2話】降って湧いた朱雀の嫁候補!
俺の”番(つがい)か…?
「お前さんもしかして俺の”番(つがい)”か…?」
すれ違いざまに体制を崩した銀花を支えたことで触れた手が、
確かに何かを感じ取った朱雀宮家の当主・万羽(かずは)は、
気づけばそう銀花に語りかけていました。
もちろん今まで感じた事のないその奇妙な感覚には銀花も気づいてはいたものの、
目の前にいる相手が大財閥の当主だと知った後では、口を開くことさえままならず、
恐れをなしてその場から逃げ出してしまったのです(汗)
そんな銀花の背中を呆然とした様子で見守っていた万羽がいました。
確かに…万羽としても何代かに1人現れるという伝説的な”ツガイ”の存在に、
自分でも虚を突かれた形で咄嗟に身動きが取れなかったように見える。
まさか現実に運命の相手と巡り会えるなどとは夢にも思っていなかったのだろう。
だが…
ここから事態は急展開で進んでいきます。
銀花が寺の階段で万羽と運命の出会いをしたその翌日は、
ちょうど朱雀宮家の花嫁を決める「羽舞の儀」が行われる日だったのです。
そしてこの日は銀花が榮枝家を出て寺に出家する日でもありました。
最後の最後まで家族から邪険にされる形で榮枝家とさよならすることになった銀花ですが、
ここでまず最初の”奇跡”が起こります。
寺へ向かおうとする銀花の前に朱雀宮家の人間を名乗る人物がトツゼン現れて、
銀花を朱雀宮家の家紋が付いた立派な籠に乗せてどこかへ運んでいったのです(汗)
えっ…!?
{どういうこと…?}
自分にいま何が起きているのか見当もつかず動揺しまくりの銀花ですが、
このあと彼女が連れていかれた場所は、朱雀宮家で開かれている「羽舞の儀」の会場でした。
なんで私がココへ…?
降って湧いた朱雀の嫁候補
「羽舞の儀」が良く見渡せるVIPルームみたいな部屋に通された銀花は、
そこでご機嫌な様子でくつろいでいる万羽と再会します。
「俺の雪兎(ゆきうさぎ)会いたかったぞ!」
万羽はそう言ってあの日、兎のごとく逃げ足が速かったの銀花にさっそく愛称を付けてそう声を掛けてきた。
銀花はすぐさま自分なぜこのような場所に招待されたのかを万羽に尋ねようとしましたが、
ちょうどそのタイミングで朱雀宮家の一大嫁鳥取りイベントである「羽舞の儀」が始まってしまったのです。
詳しい話は後でという事で、とりあえず銀花は万羽の隣で美しい女性たちの舞を見物することになったのです。
そして予想外の大波乱が起こったのはその日の舞が全て終了し、
女性たちの中から万羽が聴衆の面前で自身のお嫁さん候補を呼びあげる時でした。
万羽は残念ながら舞を踊った女性たちの中に朱雀の嫁はいないと告げたのです。
もちろん騒然とする会場!
通例であれば「羽舞の儀」で一番美しい女性が嫁候補に選ばれるはずなのです。
だが…今回の場合は朱雀宮家に何代かに一度現れるというレア中のレアな”ツガイ”の女性が現れたことで、
すでに「羽舞の儀」が行われる前から万羽の中では嫁さん候補が銀花一人に絞られていたのです。
まさか…!?
降って湧いた朱雀の嫁候補のポジションに銀花はもちろん戸惑うばかりだ。
さらに…
銀花がまさかそんなミラクルな事になっているとは夢にも思わない榮枝家の両親と妹の朱音は、
このあと万羽の口から直接に「銀花を朱雀宮家の嫁に迎えたい」という旨を告げられて天地がひっくり返るほど驚きます!
「はい~?」
榮枝家の両親が唖然としている横で、妹の朱音はさすがに黙ってはいられなかった!
「そんなの絶対におかしいわよ!」
万羽の申し出に全く納得できない朱音はその場でつい醜態を晒してしまい、
このあとも執拗に銀花を目の敵にするわけですが、
それは次回のお話という事になります。
どうやらこのまま平穏にことが進みそうにはないようです…(汗)
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2話の感想まとめ
銀花が万羽に見初められたあとの榮枝家の両親がとった手のひら返しな態度は予想通りだったけど、
万羽の目の前で醜態をさらした朱音の愚かな行動が彼女の人格すべてを表していました。
恐らく両親までもがコロッと銀花寄りに態度を変えたので耐えられなかったのでしょうが、
そもそも嫁選びに関して絶対的な権限をもつ万羽が、舞を踊った女性の中に嫁にしたい女性はいないとハッキリと宣言し、
朱雀宮家のスタッフが追ってその詳細を伝令すると説明していたにも関わらず、
図々しくも嫁に選ばれなかった理由を万羽に聞きに行こうとするなどもってのほかであり、
その時点で何があっても万羽が朱音を嫁にする可能性はゼロなんだと思います(汗)
誰だってそんな不遜で厚かましい女性を疎ましい思うはずだ。
もちろん両親もだが・・・
たまたま万羽にお目通りが叶ったのは、番(つがい)の銀花の両親が挨拶に来たと受け取られたからであって、
そこら辺の理解が全く追いついていなかったもんだから、
榮枝家の両親と朱音が万羽の前で銀花をディスるという最悪な失態を演じてしまったわけです。
この時にもっと万羽が時間と心を砕いて銀花に色々と事情聴取をするべきだったのですが、
榮枝家のあんな反応を見たあとでも普通に銀花を家に帰してしまったのです!
両親的には自分たちの娘が朱雀宮家に嫁いでくれればどっちでも構わないから、
一瞬でコロッと態度を変えて銀花のことをヒロイン扱いにしていましたけど、
今までが今までなのに…あの白々しい立ち回りができるのが榮枝家の両親らしいところだ。
「最低最悪なクズ親!」
そりゃ~妹の朱音だって怒りが爆発しちゃうでしょう(汗)
でも…
その怒りの矛先があの卑劣な両親に向かうことなく銀花に行ってしまうところが、
これまでの銀花に対して朱音が持っていた蔑みの気持ちがよく現れています。
だって…銀花はただただ万羽から一方的に選ばれただけであり、
自分から万羽にアプローチした覚えなどないわけで、
明らかに朱音のお門違いも甚だしい怒りの矛先ですし、
恥ずかしいまでに態度を変えたのは両親の方なのに、その両親に対してはキレないのです。
「メチャメチャ腹が立ったんだろうな~」
銀花に毒づいて暴力まで振るっている朱音の恐ろしい形相は、もはや醜い嫉妬だらけの醜い女そのものでした(汗)
女の妬み嫉みというものほど恐ろしいものはないのに、それが血を分けた姉妹ともなると、
恐らく後々まで朱音の怨念は銀花を苦しめることになるでしょう。
「万羽さまも罪なことをしたもんだ。」
彼にとってはたかが下々な家庭の人間関係なんてまったく頭になかったことでしょう。
しかし…
「銀花としてはこれからが大変なのです!」
万羽は銀花のことを”雪兎(ゆきうさぎ)”とか呼んで悠長に構えている場合ではないのです!
ちゃんと銀花のことを保護してあげないと、
朱雀宮家に嫁げないことを根に持った朱音が、銀花に何をしてくるか分からないのです(汗)
万が一銀花の命が奪われるようなことが起きたら、一番困るのは運命の相手を失った万羽なのです。
ほら…案の定そのまま銀花を榮枝家の実家に帰してしまったから、
銀花はいつもより増して危険で危うい立場に立たされているじゃないですか(汗)
銀花からすると万羽の自分ファーストのマイペースな求愛行動で、
完全にとばっちりを受けている状況であって、
なんだか以前より不幸になっているようにしか見えません(汗)
「とりあえず万羽には一日も早い銀花の救出をお願いします。」
あと…
この期に及んでも榮枝家の両親は銀花のことが受け入れられないみたいだな~(汗)
それが正直な感情なのだから仕方がないのかもしれないけど、
あそこまで両親から忌み嫌われる銀花がまったく不憫でしょうがない…(汗)
やはりこれからどういう事態になろうと銀花は榮枝家と縁を切った方がいい。
悲しいかな榮枝家の人間が銀花を嫌っているその心は一生変わらないんだと思う。
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