著者：村上私/万衣花
『宝石の娘と異能の王子』
18話の解説と感想です♪
誤解から生じた兄弟の長きに渡る不毛な確執。
少年時代のエヴァンは自分の異能によって心を潰されそうになっていた。
四方八方から自分だけに聞こえてくる大人たちの悪意に満ちた本音。
エヴァンの辛すぎる過去の出来事が今も彼の心にトラウマとなって居座り、
その瞳には常に悲しみの影が宿っている。
そんな彼を真正面から肯定してくれる存在がアンナだ。
「エヴァン様は悪くありません！」
そうはっきりとエヴァンの目を真っすぐ見ながら断言するアンナの言葉に、
これまでずっと苦しんできたエヴァンの心が救われた瞬間だった・・・
「そろそろ物語が大きな転機を迎えそうな気配がしてきました。」
17話の解説と感想はコチラです♪
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宝石の娘と異能の王子【ネタバレ18話】エヴァン様は悪くありません！
エヴァン様は悪くありません！
ジルとの確執が生まれるきっかけとなった母親が亡くなった際に起きた不審な出来事を、
自身が体験したまま全て赤裸々にアンナへ語ったエヴァンは、
自分のせいでここまでの事態を招いてしまったのだと、
自分自身を責めるような発言で悪者になろうとしました。
しかし…
そんなエヴァンを真正面から否定するアンナがいた。
「エヴァン様は悪くありません！」
母親が亡くなったことも、ジルと仲たがいに至ったことも全てエヴァンのせいじゃない。
いつになく力強くエヴァンの罪を強く否定するアンナに対し、
言われたエヴァンはホッとしたような表情を浮かべてアンナに感謝の言葉を伝えます。
そう…
内心でエヴァンはアンナから自分に罪がなかったと明確に答えて欲しかったのです。
曇りなき心の持ち主であるアンナに罪を否定されればグッと気持ちは楽になると思った。
アンナはエヴァンが望んだとおりの言葉を与えてくれました。
その結果…
エヴァンは憑き物から解放されたように晴れ晴れとした表情を浮かべています。
どうやら長年に渡ってエヴァンを苦しめてきた”過去のトラウマ”と対峙することができたようです。
毒が湧く泉
過去と向き合うためにアンナを連れて辛い思い出がある泉にやってきたエヴァンは、
その泉の前に建てられた「危険」と書かれた看板を見つけて大きな衝撃を受けます。
「危険…だと？」
目の前にあるのは当時ジルが”どんな病気も治す湧き水”だと教えられて汲んできた泉の水である。
このあと、エヴァンとアンナを探しに来たクルーフォーグの町民・ジャックから、
その泉について尋ねてみると、彼はハッキリとその泉の事を”毒が湧く泉”だと答えたのです！
なんてことだ！
少年時代のジャックは、母親の命を奪わんとする何者かから騙されてしまったのです（汗）
さらに…
駆けつけてきたジャックから、すでに捉えた悪徳町長の”尋問”に協力して欲しいと言われたエヴァンは、
すぐに町長が取り調べを受けている現場に駆けつけてみると、
町長から聞こえてきた”心の声”を読み取ったエヴァンは、驚愕の表情を浮かべます！
なぜならば、まさかと思うような人物が町長を使って不正を働かせていたからです（汗）
ちょうどその頃…
遠く離れた王宮では、火急の出来事が発生していたのですが、
まだそのことをエヴァンたちは知る由もないままで・・・
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18話の感想
無能な国王が国政を治めると国が亡びるという代表的なケースです。
国王に近い狡猾な臣下が国家の乗っ取りを企んでいるのなら、
あの国王とジルではまともな対抗手段など打てるはずもなしです。
王宮に仕える執事長 ノア・ギルイティックは、いかにも狡猾で有能そうな臣下です（汗）
あそこまで国を衰退させたうえに臣下どもが一枚岩になっていない原因は、
全て現国王の不甲斐ない国家運営の手腕に尽きます。
無能な君主は常に邪な野心を持った臣下を重宝して重責を任せる。
恐らくそれは自分が耳心地の良い言葉ばかりが聞けるからでしょう。
困難な事態に直面することを恐れて耳に痛いことは聞きたくない。
無能な君主の最たる特徴だ。
「発生した問題を解決する自信がないから！」
この凡庸な国王が犯した最たる罪は、優れた異能を持つ長男のエヴァンを自分から遠ざけたことです。
本人なりの理由にエヴァンを思う親心があったのかもしれないが、まったくそれは間違った判断です。
エヴァンこそ常に国王が傍において国家の行く末を託していかなければいけない存在なのに、
なぜ父親自らが胸襟を開いて息子と本音で語り合えなかったのか？
全ては親として、国王としての自信の無さが今に至る原因なんだと思ういます。
挙句の果てにその未来を託すべき長男はお尋ね者として国を追われているのです（汗）
「なんて愚かな顛末だことでしょう！」
無能なくせに異能者の兄に無意味な対抗心を燃やしては、
間抜けばかりの家来を従えて間違った道をひた歩く弟のジル。
嘆かわしいことにこのバカな弟はニセモノの宝石の娘と婚約までやらかして、
さらなる邪心を持った人間を王宮の中に引き入れてしまった。
「救いようのない愚か者だ！」
相手がもしエヴァンだったら間違ってもフィオナ親子を王宮になど近づけなかったことでしょう。
だって…
こいつら二人の心は邪悪に染まっているわけだから…。
エヴァンの異能は臣下の忠誠心を推しはかるにはうってつけの能力であり、
こと国内における人的な被害を防ぐ機能は万全なのです。
そのかわりエヴァン自身は気の休まる日がないくらい大変な日常ですけど…（汗）
だがそのおかげで王宮に出入りする主だった人物の邪心は事前に察知することができます。
これ程すごい能力を持った息子を持っていながら、
その素晴らしい異能を使いこなせない父親の愚かさがなんとも悲しい（汗）
ただ…
アンナのおかげですっかり王族の人間としての誇りとプライドを取り戻したエヴァンは、
なんとか自力で国家の舵取りをする意識に目覚めたことでしょう。
ギリギリのタイミングだけど、ノア・ギルイティックの謀略を阻止することができるかもしれない。
恐らくジルはまた愚かな行動を続けてノアに手助けするような形になるんだろうけど…（汗）
あと…
「ついにフィオナにざまぁ～な展開がやって来ました♪」
どうせまたお腹が痛くなって逃げの一手に走るんだろうけど、
さすがに今回はジルに仮病は通じなさそうです。
「どうする…？フイォナ」
デタラメでも一応『予見の儀』とやらをやってみるかい？
次回…因果応報のフィオナを見て存分に笑いましょう♪
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