著者:島くらげ
『つがいの嫁入り ~異形の巫女は朱雀の当主に愛される~』
7話の解説と感想です♪
朱雀宮家に押し寄せた朱音を筆頭とする里の者たちに対して、
万羽は朱雀宮家の当主として、キッパリと自身の妻は”番い”である銀花しかいないと言い切りました。
しかし…それでも納得できない朱音はすぐに次の一手を打って来ました。
里では例年にない大雪に見舞われて深刻な雪害の被害に悩まされており、
そこに目をつけた朱音は、自分こそが朱雀宮家の嫁に相応しい女性であることを証明すべく、
姑息な手段を使って里の者たちに自分の力を知らしめようとするのですが・・・
「銀花を無能な白巫女だと蔑んでいた朱音の愚かな考えが仇となり…(汗)」
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もくじ
つがいの嫁入り【ネタバレ7話】朱雀宮家の嫁として…!
ウソで作られた力
里の者たちを大勢引き連れて朱雀宮家に乗り込んだものの、
当主である万羽から銀花こそが”番い”の伴侶であり、朱雀宮家の嫁に相応しい女性だとハッキリと断言され、
思ってもみない返り討ちを食らってしまった朱音は、
それでも幼い頃から夢に見ていた朱雀宮家の嫁という地位を諦めきれず、
すぐに次なる一手に打って出ました!
今年は例年にない大雪が続いているせいで、里では深刻な”雪害”に悩まされている渦中にあり、
そこに目をつけた朱音は、自身のもつ貧相な能力でその雪害を見事に解決し、
自分こそが朱雀宮家の嫁として相応しい人物だということを、
万羽や里に人々に分からせようと考えたのです。
もちろん彼女のやり方は正攻法などではなく、インチキな細工を施しての”パフォーマンス”に過ぎないのですが、
厄介なことに朱音は羽舞の儀で1番になった巫女ということもあり、
彼女のウソで作られた力を疑う者は誰ひとりとしていませんでした…(汗)
朱音の起こした少量の”つむじ風”は大いに里の人々を驚かせるに至り、
さらに…そんな朱音の活躍を遠目で見ていた万羽にも、
それなりに朱音がなんらかの能力を備えていることを認めさせました。
しかし…
このあと…事件が起こります!
朱雀宮家の嫁として…
朱音が自身のパフォーマンスが成功して満足げな表情を浮かべていたその時です!
山の頂上付近から雪が崩れ落ちる音が響き渡り、本当に大きな雪崩が発生してしまったのです…(汗)
里の者たちの悲鳴と共に恐怖で混乱する人々の群れ、
それを見た万羽は高台へ向かって避難しろと皆に声を掛けます。
万羽の指示を受けた里の人々はこぞって高台を目指して避難を始めましたが、
そのうちの逃げ遅れた一人の少女を助けに戻った万羽が雪崩に飲み込まれてしまったのです…(汗)
その後…
朱雀宮邸にいた銀花は、万羽と行動を共にしていた側近の屋久島から、
万羽が雪害の視察中に大きな雪崩に巻き込まれたと報告を受けました。
「えっ…!?」
隣でその報告を聞いていたいつも冷静な妹の翼が、
全身をカタカタ振るわせて涙を流し、今にも気絶しそうになっている…(汗)
そんな翼に気づいて優しく自分の腕の中に抱き寄せた銀花は、
朱雀宮家の嫁として…最初の”大仕事”に挑む決意を固めるのです。
銀花は言いました。
「屋久島さん…私をそこへ連れて行ってください!」
腕の中で震えている翼をしっかりと抱きながら、銀花は朱雀宮家の嫁として初めての指示を出したのです。
果たして…銀花は無事に万羽と少女の命を救うことができるのか…?
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7話の感想まとめ
自分の言葉を信じた里の者たちをけしかけて、まんまと朱雀宮家の嫁としての座をゲットしようと目論んだ朱音でしたが、
朱雀宮家に古くから言い伝えられる”番い”という強力なシステムに跳ね返された上に、
その番いの相手が今まで自分の奴隷的な立場にいた銀花というむご過ぎるオチで、
どうしても納得できない朱音です。
もし…万羽の番いが他の女性だったとしたら、
もしかすると朱音もそこまで朱雀宮家の嫁に執着しなかったかもしれません。
なんたってこれまで自分が歯牙にもけなかった白巫女の姉が、
自分が今まで人生を掛けて目指してきた朱雀宮家の嫁というポジションを掻っ攫っていったわけです。
朱音の立場からすると、
「そんなバカな話があっていいわけがない!」
きっと朱音はそんな気持ちなのでしょう。
しかも…これまでの経緯で自分が見初められたい相手である万羽には、
自身の邪な本性をすっかり晒してしまっているわけで、
もし…奇跡が起きて朱音が朱雀宮家の嫁になれたとして、
最初からその夫婦関係は破綻しているに等しいのです…(汗)
それでも今の朱音は朱雀宮家の嫁になる価値があると思っているのだろうか?
いや…
本来ならば、自分が生涯を共しようとする男性から嫌われていることが分かっていて結婚しようなんて思わないはずです。
朱音が何よりも耐えられないは、バカにしていた銀花に出し抜かれたという屈辱を味わう事なのだと思う。
これはもし自分が朱音の立場だったら…という想像を働かせると確かに理解できる。
自分の召使ぐらいにしか思っていなかった愚鈍で気味の悪い異形の姉が、
幼い頃からずっと努力を重ねて目指してきた朱雀宮家の嫁という地位を、
まったく何の努力をすることなく棚ぼたな形で手に入れてしまうのです。
朱音の人格が最悪だとか、人間性が悪魔だとかはとりあえず置いておいて、
その形だけを見たとして、どんな手段を講じても銀花を朱雀宮家の嫁の立場から引きずり降ろそうとするのは自然かもしれません。
もちろん勝手に朱雀宮家の嫁として請われた銀花にはまったく非はなく、
やはりもっと里の者たちに分かりやすく言葉を尽くして今回のイレギュラーな嫁とりを説明しきれなかった万羽の責任が大きい。
「そこに尽きますね。」
そして…
万羽がすべきことは榮枝家の両親にちゃんと銀花との結婚をみとめさせることだ。
両親からすれば多少の気まずさはあったとしても、
自身の娘が朱雀宮家の嫁になることに変わりはないのですから、誉れなことに代わりはないわけで、
そもそも榮枝家の両親は銀花はおろか、朱音のことも愛してなどいない毒親なのです。
「あるのは己の私利私欲だけ!」
運悪くそんな家族の娘が”番い”の相手で不運というしかないのですが、
とりあえず嫁とりの初動を間違えてしまった万羽としては、
通常の結婚では起こりえない里の者たちからの反発と不満の声に覚悟して対処しなければいけません。
今こそ朱雀宮家の当主という絶対的な地位と権力を上手に行使して、
番いである銀花を里の人々に認めさせ、朱音にきっちりと引導を渡して欲しい!
恐らく今回、雪崩で被害に遭った万羽と少女を銀花は持っている能力で救い出すのでしょう。
「問題はその後だ!」
この件をどういった形で万羽がちゃんと里の人間に一人残らず伝えきれるかにかかっている。
万羽さん…頼みますよ!
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