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『シジュウカラ』
13巻の解説と感想です♪
千秋の描いた『となりのおばさんに買われてました』に映画化の話が舞い込んできたが、
制作会社から送られて来たプロットを見た千秋の情緒がおかしくなってしまう…。
しかし…母親のような愛情で忍が千秋の傷ついた心を癒してゆく。
忍は千秋を今の仕事場兼自宅に招き入れて、同棲生活もスタートさせました。
家に帰ると忍がいるという安心感からか、千秋の精神状態は大いに回復し、
一度は断りを入れた映画化の話も前向きに考えるようになって・・・
「千秋の不安定な気持ちを正常化してゆく忍の母性がどこまでも懐深い♪」
12巻の解説と感想はコチラ♪
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もくじ
シジュウカラ【ネタバレ13巻】ついに同棲生活がスタート♪
42話:守ってあげたい
忍との結婚を考えて大きな収入となる映画化の話を受けようとする千秋。
しかし…あの作品が映画化されることで自分の心が傷つくことも分かっている。
そんな悩みに加えて、最近では退院した母親の家に出入りするようになっていた千秋は、
まったく以前と変わらない自堕落な生活を送る母親・冬子との関係にも行き詰っていました。
そんな中、トツゼン連絡が取れなくなって千秋のことを心配する忍からの電話に、
母親の冬子が出てしまいます…。
千秋はちょうどその時寝ていました。
冬子はかかってきた電話の相手を千秋が結婚したい女性だと推測して自宅に忍を招きます。
そこでは忍・千秋・冬子の修羅場が待っていました。
だが…この一件に関しては、偉そうなことを言いながら、
どこかフラフラと気持ちが定まらない千秋が問題の張本人である。
自分でもそれは重々理解しているのだが、実際の行動は忍を心配させてばかり、
挙句の果てに千秋は忍から、
「守ってあげたい」
と…母親のような心配のされ方で一緒に住もうと言われます。
忍も千秋をこのまま放っておくことは不安でしょうがなかったのでしょう。
彼は少しでも目を離してしまうとメンヘラな行動をとって忍を心配させます。
ひとまず忍との結婚資金の心配がなくなった千秋は、映画化の件を断り、
忍との同棲生活を始めます。
その後、千秋のマンガの映画製作にかかわった人物から、再び映画化の打診を受けた千秋は、
忍にそのことを相談した上で前向きに検討することにしました。
なんだか今回は最後に千秋がご満悦のエピソードでした。
43話:mothers
千秋が自身の過去を描いたコミック作品の映画のプロットが徐々に出来上がってきて、
それを見た忍はイイ感じにできていると好感触を示したが、
やはりまだどこか映画化に前向きな気持ちにはなれない千秋がいました。
ここ最近では、忍との同棲生活を順調に過ごしている千秋でしたが、
母親との関係においては、いまだにギクシャクしていました。
いつまでたっても自堕落な生活をやめられない冬子に苛立ちを隠せない千秋と、
自分と同世代の女性に熱を上げて同棲している息子をなんとか自分のもとに繋ぎとめようとする冬子。
二人の間にある溝はなかなか埋まらない。
そんな中、病気から回復傾向にあった千秋の母親は、
長期休養から復帰して、スナックのママを再開しようと動き出すも、
店のオーナーからは引退を促されてしまい、オーナーと大喧嘩してしまうことに…(汗)
結果…働き口を失って以前にもまして生活が荒れてゆく冬子。
しかも…そんな冬子のぶつけようのない怒りと苛立ちは、
やがて愛しい息子を一人占めしている忍へと向けられてゆくのです。
忍も冬子もすでに成長した息子の母親という同じ立場だが、中身の充実具合は天と地ほど違う。
そのことがより”mothers”たちの確執を深めてゆく火種となるわけで・・・
44話:再出発
この日、冬子は数年ぶりに洋平に連絡を取って再会しました。
”いきなりの展開でビックリ!”
呼び出された洋平は冬子から金の無心をされるのではと警戒しますが、
その後…なんだかんだ口論になった末に、お互いが不幸な今を慰め合うムードになってゆく・・・
傷のなめ合いで一時休戦だ。
一方の忍と千秋の関係は一時に比べてかなり良好な感じです。
キッチンで二人並んで食事を作る光景はまさに新婚さんそのもの。
しかも…最近の忍はまた一段と若返ったように見える♪
若い千秋からは毎日のように体を求められ、恐らくお肌もツルツルなのではないだろうか(笑)
そんな中、関西に住む息子の悠太がいま付き合っているカノジョを連れて家に来ることとなり、
忍は少し気まずい思いを抱きながら息子カップルを千秋と共に迎えました。
驚いたことに悠太のカノジョ・飯塚しおり は、忍のファンだったようで、サインを求められるという一幕も。
色んな危機を乗り越えながら、いま忍と千秋の生活は本当の意味で再出発を迎え、
それに加えて今はどん状態にある洋平と冬子にも、わずかな再出発の兆しが見えてきた・・・
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13巻の感想
いくら表面上は大人の男を演じていても、まだまだ千秋はメンヘラを患った不安定な青年であることが分かる。
自分の中の許容できる容量を越えた途端に思考停止状態に陥ってしまうのは、
「まさに未成熟な子供の象徴だ。」
そんな精神状態の千秋とまともに結婚なんて考えられるはずもなく、
ますます忍としては千秋の母親化が進んでしまうわけですよ。
彼女もそのことは充分に理解していて、千秋を男性として好きな部分と、
守ってあげたくなる母性とを自分の中で融合させて千秋と接しているわけだ。
忍と同じ世代であるサイト主のまるしーには彼女の心情がなんとなく理解できる気がする。
自分の子供を産み育てた女性には”女”である部分と”母”である自分が共存していて、
接する相手や状況によって自然とどちらかの顔を使い分けているのだ。
「それが女の性なのだろう」
千秋という男は年齢に比べて精神面がまだ未熟で壊れやすいガラスのハートの持ち主だ。
彼の不遇な生い立ちを考えたら当然のことであって、痛いほどそれが分る忍も、
彼をつい甘やかし、過剰に守ってあげたくなるのです。
それをやりすぎると千秋がいつまでも自立した男性になれないというジレンマがある(汗)
忍としては非常に付き合い方が難しい男性であるのは事実です。
前回の12巻では忍の元夫である洋平の生い立ちが描かれていましたが、
今回は千秋の毒親・冬子の生い立ちから現在に至るまでの半生が描かれていました。
彼女もやはり多くの毒親と同じように、家庭環境が複雑な家に育ったようだ(汗)
「不幸の連鎖はホント切ないもんだ。」
冬子には彼女なりのやるせなさと絶望が存在したわけです。
だからと言ってその怒りや絶望の苛立ちの矛先を我が子に向けるのは言語道断である。
彼女は子供に捨てられて当然の母親なんだ。
「なんの同情もできない!」
大いに反省してください!
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