著者:清水奏良
『東郷家へ嫁いだ話』
3話の解説と感想です♪
不安で胸が押し潰されそうになっていた東郷家での暮らしでしたが、
文への態度が急変したと思われた正治のクールな態度は、
それが本来の不器用で無駄口をきかない正治の性格だということが分かり、
日を追うごとに東郷家での生活に心の平穏を感じるようになっていた文。
今の彼女は実家の松方家でいた地獄から解放された安堵と喜びをひしひしと感じていました。
一方その頃…
無能だと蔑んでいた姉にプライドを傷つけられたと見当違いな怨みを抱く弟の樹は、
何の価値もない”呪い子”の文が名の知れた名家に嫁いだことがどうしても納得できず・・・
「やっぱり実家の連中が文によからぬ行動を仕掛けてきました♪」
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もくじ
東郷家へ嫁いだ話【ネタバレ3話】姿の見えない危険な侵入者!
心穏やかな日々
文が東郷家に嫁いでから数日が経ち、徐々にだがリラックスできる環境になってきていました。
最初こそ正治の文に対する接し方や話し方が冷たく思えたものの、
実はそれが本来の不器用で言葉足らずな正治の性格なんだと理解してからは、
普段はただ余計な無駄口をたたかないだけで、本当は心の根の優しい男性であることを知り、
文にとって東郷家での暮らしがとても”心穏やかな日々”になっていったのです。
今ではすっかり東郷家の使用人たちに交じって炊事や洗濯をしている文でしたが、
なによりもそんな時間こそが文にとっては一番楽しい時間でもありました。
そのことで正治から特に責められることはなく、
逆に文のことを気にかけてくれているくらいな正治の態度で、
少しづつではあるが、正治と文の距離も確実に近づいていました。
正治が東郷家の次期当主で、文が今住んでいる大きな屋敷の主にして、
戦場では軍を率いる責任ある立場の軍人ではあるが、
現実の彼はまだ22歳の学徒でもあるのです。
文と年齢が変わらない若さでありながら、とんでもない重責を担っているわけだ。
文は正治の背負っているモノの大きさ知ってからは、
彼に対する恋愛感情なんかより以前に尊敬する気持ちが大きく芽生え、
今ではそんな正治のために少しでも自分が力になれたらと思いながら毎日を過ごしているのです。
そんな文の想いが正治の心にも通じたのか、ここ最近特に正治は文に優しく、
二人の関係はまさに順調そのものと言った感じでした。
特に正治が文の腕にできた傷を治す”薬”を自ら作って渡す一連のエピソードは、
正治の不器用で照れ屋な人柄をよく表した出来事だったと思います。
さらに…驚きの光景が発生します。
その日、ついに自分から正治は文と朝の食事を一緒にとらないかと声をかけるのです。
これはかなりの前進です♪
もちろん文に断る理由などどこにもない!
「ぜひ…ご一緒したいです。」
だけど…
正治の誘いがとても嬉しくてありがたいと思っているのに、なぜか胸が苦しくなる文。
まだ彼女はそれが”恋”をした人の苦しさだとは気づいていないようだ♪
姿の見えない危険な侵入者
この日、せっかく正治から朝の食卓を一緒に過ごそうと言ってもらえた文でしたが、
運悪くそのタイミングで東郷家に軍からの呼び出しがかかってしまい、
正治は急な出征に赴くこととなってしまい、あえなく食事はお預けとなった。
それでも気を取り直して心の底から正治と榛名の無事を祈りつつ二人を送り出した文は、
勇敢に戦場へと向かう二人の背中をいつまでも見送っていました。
そんな中、
屋敷に残った文に姿の見えない危険な侵入者が迫ります(汗)
その人物の正体は、松方家の両親と弟の樹でした。
これまでずっとコケにしてきた文が東郷家のような名家に嫁いだことがどうしても納得がいかない樹は、
百目鬼(どうめき)と名乗る怪しげな男から、”姿を消すお札”を譲ってもらい、
こともあろうか両親まで引き連れて東郷家に不法侵入してきたのです(汗)
ちょうど正治と榛名が出征した直後なので、文にとっては最悪のタイミングだ。
まさか松方家の家族が東郷家の屋敷に侵入してくるなど夢にも思っていない文は、
自室で正治の無事な帰還を祈りながら物思いに浸っていました。
そこに”コンコン”と部屋のドアをノックする小さな音が聞こえてきた。
もちろん姿を消して侵入してきた樹と両親の3人だ。
「姉さんみーつけたぁ」
文の姿を見つけた樹がうれしそうな表情で声をかけてきた。
目の前に自分を虐げ続けてきた家族が現れて表情が引きつる文。
なっ…なんで…!?
文があまりの驚きと恐怖で声を出せないでいると、
怒りの表情を浮かべた父親が、なぜ東郷家の”秘密情報”を手紙に送ってこないのかと文を責め立て始めた。
恐怖で全身が凍り付く文。
もはや話の通じる相手ではない両親と弟は、
この期に及んでまだ文を自分たちの自由になる都合の良い”道具”だと思い込んでいるみたいで、
当たり前のように文を罵って暴力を振るおうとしてきました(汗)
しかしその時です!
「黙れ!」
4人の背後から怒りに満ちた男性の強い声が聞こえてきた!
その声の主はもちろん…
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3話の感想まとめ
前半部分の嫁いでいった東郷家で幸せそうにしている文の様子にホッとしたのも束の間でした。
まさか松方家の両親と弟があそこまで常軌を逸した行動に出てくるとはまなりの驚きでした…(汗)
「だって…完全な犯罪行為ですから!」
もともと甘やかされ過ぎて育った樹がプライドが高いだけのバカ息子だということは分かっていましたが、
まさかあそこまでものの分別がつかない愚か者だったとは…。
しかも…それに輪をかけて松方の両親がヤバすぎます(汗)
よく他人の…しかも格上の名家で武闘派として名高い東郷家に怪しい術を使って忍び込めたもんです。
もし…見つかったらどういう言い訳をするつもりだったのか…?
実際…すぐに犯行は見つかってしまいました(汗)
実にあっけなく文の部屋に侵入したところを正治さまに捉えられてしまったわけだが、
その時の父親の言い訳が「娘が元気にしているか心配で…」といういかにもウソ臭い苦し紛れの言葉だった。
このオヤジは完全に見つかった時の準備はしていなかったのだ(汗)
「呆れ果てて何も言えない!」
もしそれが本当ならば、なにも姿を消して侵入しなくとも、
堂々と連絡を取って玄関から訪問すればいいだけの話である。
正治さまもそんな父親のバカすぎる言い訳に呆れて突っ込むことさえしなかったのだろう(汗)
「まさに救いようのないバカ親子だ!」
こんな両親と弟など生かしておく価値は1ミリもなさそうだけど、
いざ…正治さまが手をかけようとしたら、きっと文は止めるんだろうな。
憎いから殺してしまえ…では、両親や樹と同じ種類の人間になってしまいますもんね。
なんとか平和的な手段で松方家の文に対する妬み嫉みを払拭させる方法はないのでしょうか?
今回は正治さまの驚異的な危機管理能力で、なんとか文を事前に危険から守ることが出来ましたが、
今回もし生ぬるい解決法で松方家の3人を解放してしまったら、
余計に文への怨念が増幅しそうな気がするのです(汗)
それほど樹や両親の文に対する逆恨みの心は根深くて激しいものなのです。
例え正治さまにとっては取るに足らない脆弱な松方家とはいえ、
なんの防衛力も持たない文にとっては脅威でしかないわけで、
その辺の弱者の気持ちがどれくらい最強の正治さまが理解できているかにかかっています。
さすがに殺せとまでは言わないが、どうか二度と文に関わらないよう徹底的な処罰は与えて欲しい!
松方家の家名が地に落ちするほど貶めることが効果的だと思う。
その際に大事なのは、この件に関して一切文には相談せずにやることです。
優しすぎる文ならば絶対に実家が落ちぶれることを良しと思わないだろうからだ。
恐らく側近の榛名ならば上手くやってくれそうだから是非ともお願いしたい!
これ以上実家とのことで文が気を病まないように。
今のところ正治さまの文に対して抱いている感情がどの程度のものなのかで、
とんでもない暴挙を働いた松方家に対する怒りのボルテージは変わってきます。
だけど…その肝心な正治さまの文に対する想いの深さが、
この時点ではまだよく分からないのです(汗)
なぜ…
「わざわざ何の価値もない文を妻に迎えたのか?」
きっと正治さまの中では重要な理由があるはずなのですが、それは明らかになっていません。
ここ数日で文と正治さまの距離が近づいたのは確かですが、
男女の関係ということで言えばまだまだ気になる異性というくらいの距離感です。
そんな気薄な関係性でわざわざ大ナタを振るって、
松方家に多大なダメージを与えるのかといえば難しいのかもしれない(汗)
でも…今後の平穏な文の生活を考えれば、この時点で松方家を壊滅状態に追い込んでおきたいところだ。
今回…幸いなことに松方家が言い訳のしようがない”大失態”を犯してくれました。
特に弟の樹はその場で首を撥ねられてもおかしくないほどの狼藉を文に対して働いたのです。
せめて樹の両目くらいは潰してはおけないだろうか…?
ちょっとサイト主のまるしーは文の立場になり過ぎるがゆえに残虐になっていますが、
これまで文が樹にやられてきた数々な虐待の歴史を考えると、
まるしーからすれば命があるだけでもありがたいと思えと樹に言ってやりたくなります。
さて…
「樹に剣先を突き付けた正治さまがこの後どんな行動にでるのか?」
ドキドキしながら期待して次回の配信を待っておこう!
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